「この基地で室内戦最強って誰なんだろうな」
きっかけはダーリンの言い放った何気ない一言だった。
RF人形である私やスプリングフィールドは別にねー……って感じで居たんだけど……
SMG人形やAR人形がこれまた張り切っちゃってからさぁ大変って感じ。
スオミはこの前のロシア人形達との殺り合いでこの基地のヤベー奴の一角に数えられているしなぁ。
戦闘狂のFAL、スペクトラは言わずもがな……ステンも中々対抗心があるみたいだ。
で、開催されたのが……サイドアーム縛りで行われるキルハウス遭遇戦。
いわゆるデスマッチ、自分以外は全員敵被弾=失格となる訓練だね。
HG人形に関しては別のHGを担がせての参加となる。それぞれお好みのをチョイス。
じゃあMk23はどうしたかって?継戦能力が高いFN57にしたみたいだ。
これにはFive-seveNもにっこり。だがしかし警備に出掛けたので戦闘の様子は後で見てもらう。
で、流石に大人数がキルハウスに入ると無理があるので複数ブロックに分けての遭遇戦となる。
まぁまずはって事で小手調べのRFブロックから開始となる。
出場選手は私、スプリングフィールド、わーちゃん、G28、M14
全員この基地の顔とも言えるバインバインの集まりであるよ。
サイドアームはそれぞれ……Mk-23、M1911、P38、HK45、M9
全員このキルハウスの事は熟知しているからほぼイーブンコンディション。
ASSTによるシステムアシストは無しだから完全なる私達の腕前が問われる。
使用武器はHGのみ、その他のグレネード類は使用不可。おびき寄せの壁叩きとかで揺さぶるしか無いね。
「全員配置についたかー?」
ダーリンによる点呼によってまずは始まる。全員無線機で準備完了の旨を伝える。
特段強いとは思わないけど負けるつもりも無いから気を引き締めて……
「それじゃあゲーム開始3・2・1…スタート!」
スタートコールと同時にまずは目の前の物陰に隠れる。耳をすませて居るけど物音は聞こえない。
となるとこれは全員待ちの姿勢と見れるな。私達RF人形の得意とする事だ。
RF人形の長所と言ったらずば抜けた集中力と命中精度、精密操作だ。
その反面その躯体はあまり頑丈ではなく脚力もSMGやARに比べて遅い。
瞬発力に欠ける一面がある。その為基本的にはガン待ち戦法になるな。
どんなに頑張っても私達の特性っていうのは似通ってしまうので……
「じゃあ、ちょっと動かしてやろうかな……っと」
このままでは戦況は膠着するので動かないとね……長引かせても無駄無駄なんで。
この付近だったら確かドアがあったっけか……全員バラバラに配置されているけど開始地点からは絶対に見えない配置だから……
多分だけど一人は屋内スタートだと思うんだよね……下手すりゃ二人とかの可能性もある。
こういう遭遇戦では基本的に待ち側の有利なんだよね……だから打開策としてグレネードとかがあるんだけど。
ちょっと遠くに回れば窓枠なり乗り越えれる場所があるけど……その間に見つかる可能性もありえるからなぁ……
という訳で……まずはドアからエントリーを試みる。まぁ手がないわけじゃない。
まずは軽く扉を開いてみるこの先に居たら運がなかったとしか言えないけど。
少なくとも速攻でエンカウントするような距離じゃないはず。
覗き込んだ先には敵影は無し。開いたドアを盾にしながら反対側も見る。
敵影は見当たらない……ここは今の所安全か……警戒して向けていた銃口を下げてからそっと扉を閉じる。
皆それぞれダーリンには良いところを見せたいだろうし勝ちに行くつもりでガン待ちしてるな?
さっきから物音一つしない……動いているのは私だけと見てもいいかな?
定番の芋スポットはっと……慎重に覗いたら撃たれるのは必至なので……クイックピーク。
ちょっと顔だしてからすぐに引っ込める。定番の芋ポジに居たのは……
「しまった、外しちゃったか……」
M14だ手堅いポジだからここを制したとなると挟撃とかじゃないと落とせないんだよなぁ。
ただM14が発砲したからここに誰かが居て遭遇したっていうのは全員に知れ渡っている。
足音も聞こえ始めたしこれは戦況がちょっとは動くかな……ちょっと引いてから……
耳を澄ませてみようか……現在動いている足音は2つ……外回りを移動しているな。
安全にエントリーが可能な窓枠を目指しているのと……足音が途絶えた?
聞き耳を立てているのか?ん、ドアの開く音……不味いな、これは私が挟まれたか?
しかしまぁ……こうやって隠れるのは良いけど……壁に張り付いてもなぁ。
ちらっと見えた髪色から察するのはスプリングフィールドか、厄介だな。
前門のM14に後門のスプリングフィールド……どっちに出ても撃ち抜かれるのは必至だな。
恐らく私の存在はスプリングフィールドにバレている。髪色が見えたけど雰囲気からして撃ち抜く気満々だ。
多分だけど私のブラが見えたんだろうな。じゃ、ちょっと冒険してやろうじゃないか。
「でぁぁっ!!」
「ッ……あー!」
思い切ってからM14の前に飛び出して撃ち込む。続けざまに二発がお互いの得物から飛び出る。
そして放たれたペイント弾はM14の頭を撃ち抜いた。ゴーグルが極彩色に染められる。
まぁM14はこれでヒット、退場確定なんだけど……私の被弾状況はっと……
「「んあぁぁヒットー!!」」
私の被弾場所はでかでかとブラがピンク色に染まっていた。
ヒットコールをしてから脱落組が座る席へと引っ込んでいく。
残ったのはスプリングフィールドとわーちゃんとG28か、ここはスプリングフィールドの経験数が物を言うか……
それともこの中では戦闘数が多いわーちゃんが制するのか……それともG28がHK姉妹の意地を見せてくれるか。
「まぁドンマイ、戦闘中のお前の姿も良いな」
「ぶー……初っ端から負けたぁ……」
「指揮官私も頑張ったんですから見ててくれました?」
「普段を知ってたら想像つかねぇな……おう、M14も頑張って417からキル取ったじゃないか」
とまぁ負けて敗退した私達の方にダーリンが来てくれて頭を撫でてから慰めてくれていた。
「所で417、そのブラすぐに交換」
「ダーリンのエッチ」
ペチンと私が軽くビンタしておいた。ダーリン最近落ち着いたかなと思ったらこれだよ。
――――――――――――
RF部門は結局貫禄のスプリングフィールドが勝ち進んだ。三つ巴の戦いになった後はG28がダカダカ走り回って戦場を引っ掻き回したんだけどね。
わーちゃんに綺麗に騒がしい!と撃ち抜かれて敗退、そしてスプリングフィールドとわーちゃんの一騎打ち。
で、残った基地残留組がそれぞれどんちゃんやらかしていったんだけど……
新規参入したばかりの諜報部隊と防衛部隊は素気なくダウン、残ったメンツで闘いを繰り広げていた。
まぁ諜報部隊は早期に敗退を狙っていた節があると思う。情報集めがお仕事ですし。
息抜きに参加した感じが強いね。最近取ってきた情報だと何があったけか……?
結婚式に来ていたガンスミスさんの所の指揮官がユノちゃんの所に行っていたんだっけ?
詳しい内情までは探れなかったみたいだけど他基地の動きを早速拾い集めていた。
その他にはD08地区の周辺に廃棄されている施設の情報か。
この前の生物兵器研究所みたいなのがこの近くにまだ数ヶ所放置されているらしい。
しかも放置されている中にいくつか動いた形跡があるものも存在している。
「で、今残っているのはっと……」
「416にFAL、スオミとG36Cだな」
意外だね、45姉が残っているものかと思ったら……普通にお姉ちゃんが残っていた。
スオミはまぁ貫禄の生き残りだけど……そしてG36Cも残っていた。
SMG人形が揃って生き残りしてると思ったけど意外や意外。
45姉いわくバランスが変わってから体捌きがちょっと下手になったかもって。
「いや~本当に重たくって仕方ないわね~」
「そう言う割には嬉しそうだね、45姉♪」
9姉もだいぶどたっぷんで重たそうなんだよね。さっきチョコレートバーを谷間から取り出したのを私は見たぞ。
そしてもって容赦なく撃ち抜かれた組でダーリンに好意的な人形は一様に頭を撫でられていた。
大きく実ってからの実務的な動きをしたのは今回が最初になるからしょうがないか。
スオミが化け物じみているのがよく分かる、あいつバルンバルンさせながらも平気でニンジャ挙動していたし。
それに対して化け物じみた反応速度と瞬発力、射撃精度を誇るお姉ちゃんとFAL。
平凡な挙動ながらペイント弾を目視して回避する反射神経の鬼のG36C……
これで更にフォースフィールドとか使うんだから余計に手がつけられないんだよね。
つくづく鉄血側じゃなくてよかったと思うよ。私ならこんなの相手したくない。
「むぅ……」
「まぁヴィオラは私と同じでデバフがねぇ……」
躯体スペックは群を抜いていたのがヴィオラなんだけど……私以上にでっぱいだからなぁ。
隠れようにも隠れられないしハイスペックに纏まった身体だけど射撃に慣れてないんだろう。
MASADAはASSTがあるから慣れる慣れないは別だけどHGはそうは行かなかったか。
「じゃあ戦況観戦に参りましょ?」
「AR組のキチガイ染みた反応速度とSMGのマジキチムーブの真っ向勝負だな」
スオミのマジキチアンブッシュもだけどG36Cのあの見てから回避余裕と言った様子のはなぁ……
ただし自分がブレまくるし本来は弾をばら撒く武装で戦闘するもんだから照準に関しては結構雑。
キルを取るにはちょっと時間がかかる。速攻で決めれるか……
「お、スオミが早速勝負に出たな……ヒューすげぇバルンバルンしよる」
キルハウス内を映し出すモニターに映るのは室内を高速で駆け抜けるスオミなんだけど……
いや、うん……ご立派になったおっぱいがスゴイことになってるよ。
そんなの関係ないとばかりに中腹辺りに陣取ると……今度は聞き耳を立て始めた。
これはアンブッシュを決めるつもりだな?じゃあ他のメンツはどうかなっと……
G36Cは隙を窺いながら慎重に進んでいる。同じ様な動きはお姉ちゃんもしているな。
堅実な動きをしているけど……お、動きが変わった。見た感じだけどFALの足音に気がついたか。
そしてダカダカ真っ向から詰め寄る。うわぁ……目がハイになってるよ。
FALも流石にこれには焦ったかな?速攻で決めに行ったけど……G36Cこれを避ける。
FALも落ち着いて第二射に移るも……これも外れる!!
「この回避キチガイ!!うぶっ」
「どうとでもお呼びになって」
正確な射撃はほぼほぼG36Cにとっては簡単に避けれる物か……うへぇ怖い……
FALのシューティンググラスの端っこに着弾……勝負有りってね。
「G36Cやばくない?」
「わたくしよりも大きいのぶら下げてあの挙動……」
「室内戦はやっぱりSMGの独壇場かしら……」
そんな雷光石火の攻防が繰り広げられている間にお姉ちゃんの方もスオミによるアンブッシュをかまされて終わってた。
けどこれにはお姉ちゃんも一矢報いたかスオミのコートの端っこに着弾させていて共倒れ。
このサイドアーム縛りでの室内遭遇戦ではG36Cが勝利する形となった。
「結局は取り回しも良いメイン武器持ってるしあんな挙動するんだからねー……」
「ほんと、ウチに居て良い人形なんだろうかね……俺はそう思うよ」
「旦那様、私頑張りましたよ、うんと褒めてください♪」
チッ……今日はG36Cがこのあとイチャイチャするのか……まぁいい。
夜の地下室でのお楽しみは私だけのお楽しみだからいいもーんだ……
SMG勢はだいたいキチガイムーブしてると思うんだ。
だってお前……草原でドンパチして回避してるんやぞ?
最適化進んでいったら見てから回避余裕でしたなんてのは日常茶飯事なのでは?