「なんか冷えるな」
「そうだね、そりゃ雨だもん」
D08地区に今日は恵みの雨が降り注いでいた。川の上流では馬鹿みたいに雨が降るけど……
こっちで降るのは一週間に一度あるかないか程度。振っても大体は夜中だ。
では今降り注いでいる雨に対する対策があるか?もちろんあるとも。
S03地区ではないが雨対策のレインコートくらいは常備されている。
勿論今日も出掛けている警備部隊は全員レインコートを装備してから出撃していった。
森林迷彩柄のレインコートというのもまた珍しいけど……これもこういう会社だから見れるものだね。
「はい、ダーリン……ホットミルクだよ」
「さんきゅ……いつもより甘いな、はちみつでも入れたのか?」
「え?特に入れてないけど……」
どうしたんだろ?と首をかしげるけど……ホットにした関係でそう感じているだけじゃないかな?
人形になってから感じたことはないけど人間だった頃は雨が降ると異様にテンションが下がったんだよなぁ。
低気圧でそのまま機嫌もダウンしちゃう系の人間だった。隣に座ってるダーリンは……
見た感じでは普通にしてるけど手遊びが多いな、集中していない。
ホットミルクを飲みながら首を左右に曲げてからしっくり来てない感じで……
多分だけどダーリンもおんなじように何処か異常を感じる系の人間なのかも。
「お昼休みにお昼寝する?」
「なんでまた」
「さっきから落ち着いてないよ、何処か調子が狂ってるんでしょ」
指摘するとこれまた渋い顔してるけど頷いている。自覚あるなら隠すなりしようね?
ただダーリンが低気圧で頭痛を起こす系の人間じゃなくて助かったと思う。
こういう書類仕事とかデスクワークで頭痛って結構害悪になるからね。
多分だけどダーリンは関節とかが不快になる感じの人間かも。
「あーまぁアレだ。雨が降るといつもなー……」
「気圧の変化や気温の変化で異常が出るんでしょ、わかってるよ」
カリカリと書類にペンを入れる音とその隣でデータ整理や収支計算をしているキーボード打鍵音が司令室内部に響く。
雨粒が降り注ぐざぁざぁという音を掻き消すようにただ黙々と仕事に打ち込む。
『Five-seveNより定時連絡よ、問題は今の所なし引き続き警備に当たるわ』
「あいよ、雨の中頑張ってもらって悪いな帰ってきたら昼飯と軽いシャワーくらいは楽しんでくれ」
ちなみに嫁連中は現在ご飯の用意中です。もう大飯食らいはPKPくらいだけどね。
大人数でお料理してもらったほうが助かるのは助かるし……それに何より……
「ダーリン、よだれよだれ」
「はっ……」
毎日嫁の美味しいご飯を食べているからかダーリンがこの時間、良い匂いをかぐとだらしない事になる。
それだけ私達のご飯を楽しみにしてくれているのはありがたいことなんだけどね。
――――――――――――
今日のお昼は中々に良かった、私が出張る幕が無かったのが残念極まる。
「指揮官、だっこして♪」
お料理手伝っていた嫁連中に囲まれる形になっているダーリンだけど……
子犬的な雰囲気を醸しているSOPがそんなの関係ないとばかりに先に食べ終わっていたのかダーリンのお膝の上へ。
これには全員にっこり抱っこされたSOPはにっこにこ案外怒るかと思ったお姉ちゃんもにっこり。
膝の上に抱っこされているSOPの頭を撫でているしこれは受け入れられて……
「私達の事をママと呼んでもいいのよ?」
あっ、ふーん……なるほど、そういう魂胆であったか。私以外の全員がフォークを落としている。
ダーリンもコレにはフォーク落下、何をそんなに驚くかなー……子供っぽい所はあったしそんな目で見てたでしょ?
いや、ダーリンは普通に子犬か部下として見ていただろうけど……
SOPもSOPでコレには小首を傾げているけど……全員の顔とおっぱいを見て最後にダーリンの顔を見て……
「じゃあちょっと抱っこして?」
「良いわよ」
身長差はそうでもないけど背中に当たるおっぱいの感触が良いのだろうか?
SOPはお姉ちゃんに抱っこされてもかなりご機嫌だ。お姉ちゃんもぎゅっとしてみてたり……
自分のおっぱいをちょっと揉んで……振り返ってからお姉ちゃんのをいったー!?
「何、ママのおっぱいが欲しいの?」
「ううん、ただすっごくおっきくて柔らかいなーって!」
私の時もそうだったけど楽しそうにお姉ちゃんのおっぱいを好きにしてる。
お姉ちゃんはまだ開発が……いや、元の耐久力もあってからか余裕そう。
他の嫁連中はっと……皆一様に自分のおっぱい確認するように揉んでらっしゃる。
そしてその様子を見て生唾のんでらっしゃる整備班……と主任。
あ、主任はイサカに脇腹摘まれたな、もんどり打って転がり落ちてる。
ただここでおっぱいが欲しいなんて言ったらお姉ちゃんマジでやってたんだろうか?
やってたんだろうなぁと思うとこのお姉ちゃんの暴走が怖いなぁと思う所。
「なぁ417はSOPをどう思ってる……?」
「んー?可愛い妹かな?」
「そうか……お前まで子供とか言ったらどうしようかと……」
「でもダーリンの子供欲しいのは間違いないからね?」
――――――――――――
「んじゃ、ちょっとの間頼むわ……」
「おまかせあれ♪」
やっぱりと言うかダーリンはあんまり調子がよろしくなかった。
昼食後速攻で私室に連れ込まれたと思うと私に甘えるように抱きついてきた。
そしてそのまま押し倒してくると頭をそのままおっぱいに埋めてただ一言眠いと言った。
詰まるところはお昼寝に私のおっぱい枕を堪能したい訳なんだろう。
では私はそれをどう受けるか?決まっていることだ。オールオッケーですとも。
久し振りにも感じるダーリンと二人っきりのベッド、狭くもダーリンの匂いで包まれる感じ……
私もそうだけど何度か眠ったことのあるお姉ちゃんもこのベッドは好きだ。
私は眠るつもりはないけどダーリンはすやすやと満腹からもくる眠気に負けて夢の中……かな?
一応眠る体勢を考えて私が来客対応出来るようにドアの方を向いている。
誰かがダーリンに用事があって来ても私が対応できるわけです。
一応執務室の机には私室に居る旨を書いて居るから誰かが来てもおかしくはない。
私の服装がちょっとアレなんでほぼ裸で抱きしめている様な感じも……
うーん、この昼間からこんな事している背徳感がヤバイ……うん、これは良い……
「ダーリ……あら」
「しー……」
Mk23が顔を出したけど眠っているのを見てから静かになった。
何か用があったんだろうけどダーリンの寝顔を見てからにっこり。
「可愛いわね」
「ね」
私のおっぱいに顔を埋めて眠っているダーリンの寝顔を二人してにっこり。
安心しきった少年みたいな感じで眠っているんだもん胸がキュンキュンしてくる。
それからMk23も思うところがあったのかそのまま私とダーリンを挟み込む形で……
そのまま更にお布団まで被せて……ふふん?これからさらに寝るつもり?
「お昼寝ならわたくしも混ぜてもらわないと」
なお、この後起きたダーリンによって私とMk23どっちも揉みしだかれた。
完全にお元気になったのはいいけど……私とMk23が暫く使い物にならなくなった。
副官業務は暫くわーちゃんが代わりにすることに……こういうのがあるからなぁ……
「やっぱり私感じ易すぎ?」
「違うと思うわ……」
――――――――――――
で、だけどお昼寝したダーリンはさらに私とMk23のおっぱい分を摂取してからすごい勢いで仕事をさばいた。
復帰した私とMk23も手伝ってから今日のお仕事はかなり早くに終わった。
それでもってからSOPが暇を持て余してから司令室に突撃かましてきたので……
「それでねそれでね、血がどばーっと出てきてね!!」
「お、おう……」
お話を色々聞いてみたんだけど……鉄血人形との殺り合いの話になって。
SOPの話はとにかく鉄血人形の解体のHowToやらどの部位が綺麗とか……
今もそう、リッパーの解体の話ですごくSOPが盛り上がっている。
ヴィオラが聞いたら卒倒するかゲロっちゃうお話だな。
ダーリンもあんまりグロ耐性がないみたいでそんなにいい表情じゃない。
なおSOPは自分の話に夢中で相手の表情は一切見ていない模様。
「もうね、凄く良い悲鳴を上げてくれるんだよ♪」
「ぎゃー!とかじゃなくて?」
「えっとね……こんな声!」
とか言ってポケットからボイスレコーダーが出てきた……あーこれは。
『ギッ……ギィィィィッ!!?ギァ、ガ……%&%`#U』
うわー、スゴイ断末魔が再生されてきた……これはすごい趣味だなぁ。
最後の断末魔は一体何をしたら飛び出た物なのだろうか……逆に気になるな。
「最後のはえーっと……確か頭を引っこ抜いた時だっけ?」
「うわー……」
「SOPお前……えっぐいな」
「スゴイでしょー♪」
SOP的には虫っコロをいじめるのと感覚的には変わらないんだろうな。
無邪気故の残虐性かぁ……これは兵器としては良いんだろうけど……
メンタルモデルもかなり幼く設定されているっぽいなー……何が原因でトラウマになるかも分からん。
これは扱いに慎重にならないといけない奴だな……案外これは大変だな。
「あ、そうだ!指揮官も見たいでしょ!取ってきてあげるね!」
「今は外雨だから行かなくて良いからー!!誰かSOPを止めろぉ!!!」
「了解ぃ!!」
SOPダミーはこれ100%善意でやってるからタチが悪い!!
あーんおっぱいが邪魔して機動力がががが……
そして漏れ無くSOPちゃんもトラブルメーカーに化けましたわ。
ヴィオラちゃんは逃げてね♥