暑い日に冷房というものは付き物だろう。
ここD08地区も北半球に位置していて暦上の6~8月などは猛暑と化す。
日差しは何時の時代も変わらず暑さを届けている。
ちょっと離れたS09地区なんかも多分今頃茹だるような暑さになっているだろう。
当然ながらそんな暑さの中でも快適に過ごせるようにとエアコンと言う物は設置されている。
そう、設置されているんだ……一部区間だけね。
「だからって司令室のがぶっ壊れるなんてねぇ……」
「あぢぃ……」
因みにお外はこの時期からよく降り出す……大雨です。
その為室内はムシムシと湿度が高くなっていって酷い暑さとなる。
ダーリンのパパの故郷であるヤーパンはすごくこういう蒸し暑い夏らしい。
一部地域では最高気温40度を記録するような過酷な島国だとか聞いたことがある。
まぁ今は29度だけど体感気温としては30度を上回っているだろうね。
肌にべったりとつくような感覚があるもんこれは結構辛いね。
宿舎のエアコンや食堂のエアコンは別で無事なんだけど……司令室のエアコンがぶっ壊れた。
ダーリンのお部屋のエアコンも無事に死亡していて今朝からダウンしていた。
熱中症なんかにはなってないみたいだけどかなり参ってるね。
今ドリーマーや前線整備担当の人形が修理にお外で作業中。
当然雨濡れになるからって事で制服で飛び出ちゃいない。何で飛び出たって?
そりゃお前……決まってるじゃん、アレですよ……水着で飛び出していったんだ。
それぞれ自分のおっぱいがでっかくなってるのでもちろんI.O.Pからの支給品があったり。
デザインの些細な差はあったりなかったりだけどカラーリングが個性溢れてるんだよね。
「はい、ダーリン……つめたいミルクだよ?」
「うがぁ……」
「んもー……こりゃ重症だな」
エアコンが直るまでこれはダーリンがまったく使い物にならなそう……
というかちょっと様子が変に思える……顔を覗き込んで手でペタペタと触る。
「……ねぇダーリン、熱中症になってない?」
「……え?」
「ちょっと今日は休みね、はい……奥さん命令です」
こりゃマズイ、熱中症の疑いが出てる。反応がちょっと怪しい。
ファイヤーマンズキャリーしてもいいけど赤ちゃんに負担がかかるのでNG……
普通に肩を貸してから立たせるけど……うん、やっぱりやられてるっぽい。
――――――――――――
「……初期症状ですから少し休めばよろしいですわね」
「情けねぇ……」
「良いですこと、本日はもうしっかりとお休みなさってくださいまし」
「しきかーん、暇でしょ、ゲーム持ってきたよー!」
指示を飛ばしてから医療チームが駆けつけた。一番真っ先にやってきたのはカラビーナだった。
その次はK5、今はお料理に席を外してる。トカレフも心配そうだけど……
熱中症の対策喚起の為に各方面に通達しに行ってるから暫く帰ってこないな。
初期症状で済んだから良かったけど熱中症って何人も死者が出てるから……
「417、今回は良い判断でした……」
「まぁ、ダーリンの事となれば……ね」
「毎晩の事が体力低下に繋がっていたのかもしれませんわね……」
「……自分のことを後回しにして無茶をするのがダーリンらしいというか」
「そうですわね……」
医務室は空調完備されている、動物から人間までなんでもござれがI.O.Pの謳い文句だ。
ダーリンのベッド周辺は風量が調整されていてかなり低い温度になってる。
「冷たくさっぱりと……ということで素麺を提供してもらいました」
「ん……K5、その林檎こっちにパスー」
K5がこれまたダーリン特攻に近い素麺を茹でてきたみたいだ。
ちゃんとカツオ出汁の物を添えているからだるいだろうダーリンもツルッと行きそうだ。
そしてその手にあったのは最近仕入れた貴重な天然物の林檎だ。
もちろんながら栽培計画が立てられている。まぁ植樹になるから何年かかるか……
ドリーマーには秘策と言うか……考えがあるらしいけど結局それも実験待ち。
林檎は皮つきのまま食べても良いらしいけど……まぁここは腕の見せ所。
ヘタの方からナイフを入れていってスルスルと林檎を回転させて皮むきです。
「んー……」
「あ、ダーリン……もう少し待ってね、リンゴ剥くから」
「417ぁ……」
「なになに、なにかして欲しいの?」
「……おっぱいアイスアイマスク……してくれ」
「……しょうが無いなぁ」
RFBがふんふん鼻を鳴らしながら脱ぎかかってたのでK5が止めていた。
さてと、濡れタオルでいっぱい冷やさなくちゃ……
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ダーリンが熱中症でぶっ倒れた事は基地に知れ渡るのはそう時間がかからなかった。
全員それぞれ時間をずらして面会していた……中には医務室内でおっぱじめようとしたバカが居た。
「反省は?」
「弱ってるダーリンが美味しそうで……つい」
「殺すぞ」
何を隠そうすぐに惚れさせる自信がある女こと……Five-seveNだ。
弱ったダーリンを見て本能が刺激されたらしく襲いかかろうとした。
もちろんその場でトカレフによってねじ伏せられPPKがどっからか出てきて縛り上げていた。
トカレフがかなりの手練だった。どこの特殊部隊に居たんだか……ってレベル。
で、今は私の目の前、発情ウサギなんて看板を首から提げた状態で正座である。
「私だって正直に言えばずっと傍に居て手をぎゅっと握っていたいしキスとかだってね?」
「おっぱいアイマスクなんてしたのに?」
「……あれはノーカン、ダーリンからのご要望だもん」
「私だってしたいわよ!」
「SuperShorty!!容疑者は反省の色なし!しょっぴけぇ!!」
「え、ちょ……」
「触手餌やりの刑ね」
「いやー!あれに絡まれるのは流石にいやー!!」
慣れればそうでもないのにね、まぁ普通にお仕置きだからコレで良いんだ。
SuperShortyが駆けつけてから手錠した後引っ張っていった。
しばらく触手君のご機嫌も良いだろうね、さてさて……
今面談してるのはAR小隊のダミー達、SOPがかなりグイグイとスキンシップしてるな。
M4も結構控えめだけどアピールしてるし……これまた育ってるおっぱいをしれっとアピールしてる。
M16は……あぁあのビンはジャックダニエルだな、酒でなんとかしろってか?
AR15は静かにそんなみんなを見ている……かと思ったらダーリンの手を握っておっぱい鷲掴みにさせてるぅ。
ROはもう傍でダーリンの頭を撫でてるけど……あの構えは……
おっぱい枕を何時でも提供しようとしてるな?隙あらば添い寝しようとしている……?
「SOP~あんまりダーリンに迷惑かけるんだったらFive-seveNと同じで引っ張り出すぞー?」
「えぇ~指揮官と遊んじゃだめなのー?」
「だめに決まってます」
「ダメよ、安静にしてもらわなくちゃ……」
M4がいい感じにブレーキをかけてくれるから安心してはいられるんだけどね。
――――――――――――
最後になったのはSAAと兄さんの夫婦だね。落ち着いてからが良いとの事だったからね。
「お義兄さんは?」
「ん……兄さん、今は寝てると思うよ」
「お義姉ちゃんはずっと傍にいたんですか?」
「私?……というかお義姉ちゃんはやめてって、シェリー?」
「えへへ、ついつい……」
道中ずっとべったりだったんだろう、兄さんの頬が微妙ににやけてる。
私はまぁいつでも手伝えるようにって事と各部との連絡を取り持つ司令塔だった。
あとダーリンの様子を定期的に見てから連絡を上げたり……
目が覚めた後ダーリンが高確率で私を呼ぶから待機しているってのもあるけどね。
「面会するならどうぞ……ってシェリー!?」
「417もいっしょに、ね!」
まぁ普通にダーリンはこのシェリーの乱入で起きたっぽい。
私の方もみて嬉しそうに笑ってこう、私に向かって腕を広げて……
「417、抱き締めさせろ……」
「あーもう、あーもう!」
「指揮官……もとい、お義兄さん!」
「調子はどうっすか、お義兄さん」
もう知ったことか知らねぇ知らねぇ!もう私はこのままダーリンとおねんねしちゃうもん!
シェリーに見せつけてやるんだもん、私がどれだけダーリン好きなのか
あぇ?私の方見て二人揃ってなにニヤついて……
「んぇ?あ、みゅ……ぁ……」
「わー……」
「おー……」
ダーリンの方からもうそれはそれは情熱的なディープキスが飛んできた。
さらにはシェリーに見せつけるように私のお洋服を脱がせてから……
そのまま首元とかおっぱいのちょっと上あたりにキスマークをくっつけてきて……
「無理は出来ねぇけど……今日はしっかりお前を……」
「はひ……」
「ねぇウィルもああいうのしたい?」
「……正直」
「じゃあ決まりだね♪」
この日奇しくもこの基地で出来上がってるカップルがそれぞれ……見せ合うようにキスマークを刻みあったとか……
首元にするキスって良いよね。
キスマークがちょっと見えるのとか良いよね。