元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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今回ちょっと某作品の話しが出ます。


Day20 厄介な書類とお買い物の約束

――――――――――――D08基地司令室・早朝

 

 

俺は非情に面倒なことを押し付けられたと思う。

各基地で効果が実証されているとあるアイテムが波乱の引き金になりかねないのだ。

機密という事で人形が勝手に開けなかったのが良かったが…もし開封されていたら大波乱になっていたかも知れない。

I.O.Pお抱えの研究者、ペルシカの姉御が寄越したアイテムはただのアイテムじゃない。

野郎を墓場へと叩き込む魔性のアイテム…結婚指輪だ。

 

誓約システムとか言って人形の性能を頭一つ上げる素敵アイテムだが…

ケッコンという儀式になぞられていて悩まされる。

一応ながら一夫多妻制なんてのもOKみたいだが…養える気がしない。

俺はあまりモテるような男ではない、自他ともに認めるスケベで変態だ。

独身貴族で悠々自適なシコリティライフを送りたいのだが…

上の連中はそれを許してはくれないらしい。超プッシュしてくるのだ。

 

いかん、一夫多妻制などやってみろ、周りからぶっ叩かれるのが目に見えてる。

そもそもこんな指輪を渡して喜ぶヤツが居るか?俺はそこが疑問でしかたない。

こんな厄介なのはしまい込んでおしまいよぉ、見なかったことにする!

ペルシカの姉御の通信は無視!ヘリアントス上級代行官は知らん存ぜぬで押し通せ。

俺と同じで独身の癖してケッコン押し付けてんじゃねぇよクソがっ!

 

「ダーリーン♪」

 

あぁクソ、もうそんな時間か。Mk23が突撃かましてくる。

こんなのは忘れて仕事に集中しよう、そうしよう。

その前に…Mk23の柔らかさを堪能せねば…

 

 

――――――――――――D08基地第4部隊兵舎・朝

 

 

「起きて、G11?」

「ぁー…ぁーぃ…」

「いつもありがとうね、417…私じゃ中々起きないから」

「任せてよ、お姉ちゃん♪」

「んぃー……」

 

ぐっとサムズアップする私と後ろでもぞもぞ動いて起き出すG11。

G11のぼさぼさな髪を整えてあげながら私は大丈夫ってサムズアップ。

まだ寝ぼけてそうだからちょっとほっぺたをつまんで伸ばす。

やっぱり半分寝ぼけてる、起きろー

 

私達第3部隊は隊長のスコーピオンを除いて起きてる。

昨日夜中までゲームしてたから寝坊コースかも?

朝ごはん食べて起きてこなかったら流石に叩き起こしに行くけど…

 

「足つぼマッサージするぞ☆」

「ハイ起きました」

「よろしい♪」

 

さて、食事して戦闘準備だね。G11はしゃっきり起きたし…

G11はごそごそとDVDプレイヤーを用意し始めて…何を見るんだろう?

45と9はワクワクとしていて…お姉ちゃんはパッケージを見て苦い顔してる。

シャイニング?今度一緒に見せてもらおうかな?

 

 

――――――――――――D08基地食堂・朝

 

 

「我ら独身野郎どもー!」

「恋人になってくれる人形を募集するゥー!!」

 

「何やってるんだろ…」

 

食堂でコントやってる職員は無視してさっさと食事をかきこむ。

募集するのは勝手だけど魅力的な所を見せないと靡くものも靡かないよ。

バカバカしいーって思いながらぼんやりそっちを見てた。

期待してそうな目がこっちに合うけど残念だけど私はその気はないよ?

ふっ…と鼻で笑って視線を外す。

 

「朝から元気だねー、コック長コーラ頂戴♪」

「はいよ」

「わーい♪コック長大好きー♪」

「いつもすいません…」

 

SAAは我関せずでコーラを貰ってテンション上げてるし…

G36Cがぺこぺこと頭を下げてる…これも日常的な風景だなー

今日の朝ごはんはエッグマフィン、手軽だね。

ちなみにこのマフィンはスプリングフィールドの手作りらしい…美味しい…

負けてられないなぁ…これが女子力の違いってやつ?

オフの時はセーターにジーンズってラフな格好だけど様になってるし…あれが大人の魅力ね。

あ、こっちの視線に気づいて手を振ってる…にゃんこエプロンだ、良いなぁ。

 

手を振り返したら嬉しそうにするんだもん、綺麗で可愛いって卑怯だなぁ。

食べかけのマフィンを掲げておいしいよってジェスチャー。

満面の笑顔のサムズアップが帰ってきた、可愛いなぁ。

 

遅れてスコーピオン達が起きてきたみたい。

大慌てでカウンターに走っていってる…もっと早くに起きなよー…

お寝坊は怒られるって一番に言われてるんだから…

 

「417ぁー起こしてくれてもいいじゃないの~!」

「夜中までゲームしてるのがわるーいの」

「ちぇー」

 

カウンター席に座っていた私の隣に来て牛乳を片手に流し込むように食べるスコーピオン。

喉につまらせる心配は無さそう。そそっかしいって感じじゃないんだよね。

ほぼ食べ終わってた私と同時にごちそうさまして…戦闘準備だね。

 

ちょっと救護室の様子を見たけど…WA2000ことわーちゃんがデレデレお世話してたからOKかな?

噛まれたり引っかかれたりで生傷増やしてないかな…

まぁ修繕したらすぐに終わりだけどね…

 

 

――――――――――――D08地区前線・朝

 

 

「敵影、蟻8に人形4」

「りょーかい!突撃ィー!」

「私と417でバックアップだね」

「別に全部倒しても構わないのよ?」

「私達の取り分は残しておきなさいよー!」

「うふふ♪ショータイムの時間ね♪」

 

朝から前線を抜けてきたのが出てきていた。

私は伏せて二脚を展開、隣でM14は膝立ちで狙う、スコーピオンとUziが突撃していき…Mk23がサポートに回る。

馬鹿みたいに突っ込んでくる鉄屑の人形のコア部分を撃ち抜いていく事にしよう。

こんなに愉快な的当ては無いわ、ふふふふ…

 

「あっれー?」

「アタッチメントがズレてるんでしょ?多分…はい、誤差修正はこれで良いんじゃない?」

「んー……お、ドンピシャ!ありがと、417」

 

M14はコアを狙ったつもりが腹部にヒットしたみたい。

アタッチメントのマウントがずれてるんだと思うけど戦闘中にずらすなんて事は出来ない。

着弾から逆算して誤差修正データを通信で渡してから戦闘続行。

あと…銃の構え方が固いのかしら?銃の扱い方も後で教えたら伸びるわね。

 

「スコーピオン、その影でアンブッシュ…Uziとバックスタブしてあげなさい。奴ら私達しか見えてないわ」

「マジ?残りは?」

「蟻8、人形は3」

「纏め刈りのチャンス!」

「手榴弾用意…今!」

 

何時もよりUziとスコーピオンの展開が早い。

まっすぐ脇目も振らず突っ込んでくる鉄屑に焼夷榴弾と鉛玉の雨が降り注ぐ。

混乱して棒立ちになる所を的確にヘッドショット。

M14と息を合わせて人形の方を片付ける…バタバタと倒れる人形に狼狽える蟻。

飛び出したUziに照準が行った所で…

 

「残念だけど、貴方達の負けよ♪」

「ゲームオーバーってヤツ!」

 

横合いからスコーピオンとMk23がスキだらけの土手っ腹に風穴を開けて終了。

ダミーの被害も無し、パーフェクトゲーム。

私のヒットレートも100、M14も狙い通りに行かなかった一発があったとは言え100…好成績ね。

これこそ…完全無欠ね。ふふふ。

 

Uzi?どうしたの?

変に高機動したからブラが壊れた?知らないわよ…

 

 

――――――――――――D08地区前線・昼

 

 

Uziのブラが壊れた事以外は特筆すべき事もなく警備は終わった。

私もあんまり動かないけど動くことがあったら…怖いわね。

Uziも事故案件だけど私の場合は致命傷になりかねない事故よ。

 

「そういえば、聞いた?」

「何を?」

「S地区の話しー」

「S地区?」

「強襲受けて壊滅した上に鉄屑に侵攻を受けたってやべー地区よ」

 

G&Kの社内報で出てたらしい。社内報なんてあるんだね。

どこかの基地では後方幕僚の労働環境のブラックさを報道されてたり。

ある基地での人形偏愛っぷりや熱愛っぷりを報道されてたり…

主だった記事はどうでもいい…って思うようなくだらないのだけど…

 

で、件のSで地区の話しはというと…一度鉄血の強襲を受けて壊滅。

指揮官は戦死、生き残りは数人の人形に留まると…悲惨で同情するけど…

幸いにも救出された人形はとあるG&Kの支部で保護されて居るらしい。

エリートの所属する支部らしいからきっと幸せね。

で、終われば良かったんだけど…現在そのS地区は再び攻撃を受けてるんだって。

鉄屑はS地区に恨みでもあるのか?ハイエンドモデルも出てるってやばい所じゃない。

基地の規模自体は私達のD08基地より小さいのに…どういう事かしら?

 

帰りのヘリの中での談笑はそんな所で…今日のMVPはスコーピオンだった。

ひたすらナンバーワンと言ってうるさかった

 

 

――――――――――――D08基地司令室・昼

 

 

「……はい」

「お、おう…よく必要な書類わかったな…」

「私は完璧よ」

「あー…うん、そうだな…」

 

今日の副官はお姉ちゃんだったみたい。

お兄ちゃんはお姉ちゃんの醸し出す雰囲気に押され気味みたい…

脇目もふらずに書類に目をやってるはずなのにお姉ちゃんはお兄ちゃんの必要な書類をパッパッと渡して…完璧だけど怖いね。

基本お仕事には真面目なお兄ちゃんだから怒られてはないみたい?

 

「考えてる暇があったら手を動かしなさい」

「へーい…」

「はい、でしょう?」

「はいはい…」

「はいは一回で良いの」

 

訂正、お姉ちゃんがかなり厳しくて怒られてる。

脇目を振るのもダメっぽそう…

 

とと、申請に来たんだから声を掛けなくちゃ…

 

「お兄ちゃん、今いーい?」

「んぉ?417か、どうしたの?」

「どうしたの?報告はもう終わったはずだけど」

 

お、お姉ちゃんもお兄ちゃんも手を止めてこっちを見た。

表情は柔らかいし邪魔ってわけじゃ無さそう、うん…なら申請してもOKかな?

 

「外出許可を貰いたいの、今度のお休みに!」

「そんなの?別に大丈夫だぞ…ついでに買い出し部隊編成するか」

「ありがと、お兄ちゃん♪」

 

私の身体は不便なもので車の運転は出来ない。

なんでかって?そりゃ足が届かないの!

ともかくこれで足に困ることはないしついでにお買い物を楽しめる!

お買い物部隊がどうなるか…だけど…

 

「ついでに休むか…働き詰めで遊んでなかったしなー…」

「何連勤してたのよ…」

「ざっと…21連勤だな。ヒュー、ブラックブラック」

「アンタが単に休んでなかっただけでしょ…」

 

「じゃあお兄ちゃんも一緒にお買い物いこ?」

「おー…良いな、でも荷物持ちは勘弁してよな」

「そんな事しないってばー」

 

次のお休みは基地をお休みにするって。

メカマンとかは交代で休んでたりするけどお兄ちゃんずっと働き詰めだったんだって。

家族でのお買い物かぁ…楽しみ♪

 

 

――――――――――――D08基地データルーム・昼下がり

 

 

「という訳で、今度そっちに顔を出すかも知れないから」

『いやいや、引き篭もってたいんですけど』

「引きこもりは良くないよ、というか働け」

『なんでか貰ったI.O.Pからの金で生きてるから平気平気』

「良くない、良い?親は居ないしお金だって有限で」

『弟みたいな説教しないでくれや…』

 

電話回線を借りて通話してるのはあの夜から通話してなかった兄

こっちは一応ながら肉親だった兄、もう弟じゃなくなったけど…

一応、私は大事に思ってる人でクソクソ言ってたけど死んでは欲しくない人。

買い物先と住んでる場所は近い。押しかけて引きずり出そうかとも思う。

 

携帯端末にも連絡先を入れ込んでいて連絡取れないってことは無い。

ヒキニートでロリコンの気があるけど三次元には興味ない生粋のオタク。

また不養生してると思うと頭が痛いなぁ。

というかI.O.P金で揉み消しやがったな…

 

所属の片割れに微妙な感情が生まれたけどまぁそれは良いや…

あれは私の過失もあるし…今はこうして幸せだし。

 

「それじゃあ、またね」

『おう、弟のお友達さんよ…あんなのでも友達になってくれてありがとよ…』

「え…?あ、もう…切れてる」

 

………寂しそうな声が聞こえた。

あんな兄でも…一応、思っててくれたのかな?




クソ兄なんて居なかった。
普通に育ってりゃそれなりに大事に思うと思うんだ。
特にこんな荒んだ世界の肉親なんて大事も大事と思うんだ。



【挿絵表示】


どうでもいいですけど作者のクソ画力で具現化してみた417ちゃん
まぁ416の面影はおもっくそありますよん
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