――――――――――――D08基地食堂・夕方
「おっぱいが足りねぇ417ちょっとブルンバストを見せてくれ」
「お兄ちゃん疲れてるの?忙しいからまた後でね?」
「じゃあ春田マッマに頼むか…おほ、背中がくっそエロい…」
今日は中華料理ってことでチャイナドレスに着替えてお手伝いしてたらお兄ちゃんがやって来て開口一番そんな事言ったの。
見せるのは構わないけど忙しいからあんまり構ってあげられないよ?
背中を向ければ背後からお兄ちゃんのまた世迷い言が聞こえた気がするけど無視無視。
このチャイナお尻付近まで背中が開いてるから恥ずかしいんだよね…
とと…袖がお皿に入りかけた…汚しちゃったら大変。
エッチな視線は別にいいけど…お姉ちゃんにバレても私助けないからね?
というかブルンバストを見せてって思いっきりセクハラだよね。
しかしコック長手広くお料理できるのすごいなー。
ちょっと横で見てたけど慣れてる感じ…
「うひょぉー今日はおっぱいちゃんが色っぽい」
「胸の谷間がセクシー…やっぱI.O.Pの服を…最高やな」
「あの腰のくびれとかもすげーな…ミニ丈ナイスだわ」
見るのは勝手だけど口にしないでよ…恥ずかしいなぁ
ぞろぞろと入ってくるお休みの職員に視姦されながらの給仕となりました。
もう慣れっこだけど…ダミーは今日は珍しく大人しく給仕してた。
メンテナンス班のお兄ちゃん達もニヤニヤ眺めてるだけでセクハラしに来なかった…
なーんだか怪しいなぁー…後でダミーの行動ログを漁ろう…
「はい、おまちどうさまです♪」
「おー今日の晩飯はエビチリにチャーハンか…良いねぇ」
「だからチャイナなのな…」
「至近距離ブルンバスト…おぉデカイ…」
見世物じゃないよー?まぁそういう服だから目が行くのは分かるけど…
さっきから大人しいのはこれだからかな?
「ふふーん♪」
「もう一回、もう一回」
「いいよー♪」
「おぉー…ブルンバストごちそうさま…」
おい、ダミーてめぇ。ブルンバストは見世物じゃないって言ってるでしょー!
「417のブルンバスト…うーん素晴らしい…俺にも見せてくれる?」
あ、見世物でも良いや。
――――――――――――D08基地食堂・夜
「貴方達ねぇ…なにか言うことは?」
「私は悪くなーい…」
「417のおっぱい最高でした」
「ふんっ!」
「たわばっ!」
ちょっと調子に乗りすぎてお兄ちゃんにあれこれダミー共々吹き込まれてたらお姉ちゃん乱入。
私にもゲンコツが降ってきた、痛い。ダミーはついでにグリグリされてて床に伸びてる。
お兄ちゃんは今しがたゲンコツを貰って床に伸びた。
直接触られてないしセーフで良いんじゃないの?って私は思うんだけどなー…
いや、お兄ちゃんだから許してるのかも…うーん、自分で分かんない。
お兄ちゃんはまだ線引してるからちょっと位甘くしてもいいと思うなー
「417は危機感がなさすぎるの、ちょっとは距離感を養いなさい!」
「適切な距離だと思うけど?」
「近すぎる!」
「いたいっ!…むぅー…」
もう一発ゲンコツ貰った…いったーい…近すぎるかぁ。
じゃあ適切な距離感ってどうなのかな…よくわかんない。
お姉ちゃんは心配しすぎな所があると思うな!そんなに心配しなくてもお兄ちゃんは変なことしないって。
精々向けてもエッチな目線くらいだもん、紳士だよ紳士。
説明してもお姉ちゃんはまた私にゲンコツを降らしてきた。
三発目は堪えたよ…
「おーいてぇ…」
「指揮官もいい加減に妹に色目を向けるのは止めていただけませんか?」
「じゃあ代わりにキミに色目を向けるのは良いの?」
「え…それは…だ、ダメです…」
ぉ?お姉ちゃんが詰まった?
強く否定してないしゲンコツしてない…んー?
うぉぉぉ…と蹲ってた所からちらっと見ると…わーぉお姉ちゃんがテレ顔ー
「一女性としてキミに魅力を感じるのもダメ?」
「え、それは…どういう意味でしょう…」
「お兄ちゃ~ん?」
「し、失礼します!」
お姉ちゃんが戦略的撤退をした…お兄ちゃん、お姉ちゃんに魅力を感じてるの?
「ふっ…やはり初心だったか…」
したり顔でカウンター席に座りに行った…お姉ちゃんの反応を読んでいたの?
お兄ちゃん策士だねー…あ、お酒煽り始めた。
「大将、あんまり飲みすぎるなよ…」
「俺だってツレーんだよぉ…あんな爆弾が送られてくるしどーしろってんだ…」
コック長に対して泣き絡みしてる…巻き込まれない内に私も撤退しよう。
酔っ払いって気が大きくなって普段しないことを堂々としちゃうから、紳士的なお兄ちゃんも狼になるかもしれないし。
爆弾って何だろう…やっぱりあの悩み顔で見てた書類かな?
何か同封されてたしそれが爆弾?G&K本社から送られてたものだしそのままの意味じゃなさそうだけど。
うーん…今度相談に乗ろうかな?
――――――――――――D08基地第3部隊兵舎・夜
「休みと言ったらゲーム三昧でしょ」
「明日のショッピング楽しみ♪最新コスメはなんだろ…」
「ダーリンを悩殺する下着…買わなくちゃ…」
「お酒新しいの補充しておかないとー…」
晩ご飯後の第3部隊兵舎は何時も通りの各々好き勝手していた。
スコーピオンは何してるのかなー?
あ、ピカ●ュウげんきでちゅう!だ…よくこんなクラシックゲームを持ってるものね。
こんなの動いてるのが見れるだけでもありがたいわ…周辺機器まで揃ってる!?
マニアがヨダレを垂らす激レア物じゃない!なんでこんな所に…
「ピッピ●チュウ!」
「はぅん♪」
画面の中のピカ●ュウ可愛い…VRゲームがあったら撫で回したいなぁ。
この基地の電力事情じゃ難しいか…ちぇー…
しょうが無いから私はスコーピオンの隣りに座ってモニターをガン見。
モニターの中で動く黄色いネズミに萌え殺されていた。
「417」
「んー?」
「うるさいよー」
「……はぅん」
スコーピオンに怒られた…
言葉に出してなかったけど顔がうるさいって…顔がうるさい?どういうこと…?
「それにしても…今日は化粧なんてしてどういう風の吹き回し?」
「そういえば…いつもすっぴんだったのに、珍しいね」
「んー…FALに教えてもらったの」
「なるほど♪ダーリンの目を気にして?」
「んーん…朝暇だったから兵舎めぐりしてたら偶然」
お化粧について突っ込まれたけどお兄ちゃんの目を気にして…いや、それは無いね。
可愛いって言われたら嬉しいかなっとは思ったけど…
というか実際に可愛いって言われて舞い上がっちゃったし…
「ダーリンのこと好きなの?」
「誰が指揮官のことなんか好きですって!?」
「Uziには言ってないわよー?」
「はっふん…」
お兄ちゃんの事かぁ…お兄ちゃんはお兄ちゃんとして好きだけど。
多分Mk23が言ってるのは愛してるかどうか…って所?
正直わかんない…大好きだけど、異性としてはまだわかんない。
そもそも私が異性を好きになれるか…怪しい所なんだけどね。
「わかんない」
「じゃあ想像してみて、愛の告白を受けたらどうするかって」
お兄ちゃんに愛の告白を…?
異性として好きって言われたら…?
う、うーん…嬉しいような…困惑するような…
「イヤじゃないなら満更でもないってところでしょ?」
「う、うー…」
満更でもない…のかなぁ?イヤじゃないのは確かだけど…
「まぁ自覚が無いならまだまだね。ライバルと思ってたのが一人減っていいわね♪」
お兄ちゃんに恋…うーん…うーん?
そもそも恋ってどんな感情?私はそれが分からない。
ただ分かってるのは…お兄ちゃんにならお触りされても割とイヤじゃないしエッチな視線も許容できて
褒められたらとっても嬉しいしお料理だって頑張れちゃう位には好きって事ぐらい。
あくまで兄妹的な好きの範囲を出てないと思うな。
そもそも…愛してたら何をするのかな?
うーん…パパもママも私には物心ついた頃には居なかったからなぁ…
そういうのが尾を引いているのかも…
私に関してはライバル扱いしなくても良いと思うよー?
「結婚を申し込まれたらどうかしらね?」
「結婚って例のアレがもしかして…?」
「なっ…!」
「あーそういえば何か隠してたねーアレだったかー」
結婚?結婚を申し込まれたら…?ジョーク抜きで迫られたら…かぁ…
想像する、お兄ちゃんに求婚される風景を…
私の前に跪いて結婚指輪を取り出しお決まりのセリフを言って…
あーうん、頷いちゃうかも…結婚って事はその先は…はぅ…!
「ぶはっ…」
「417が鼻血を噴いたー!?」
わ、私に夜の関係は早いよぉ…おにいちゃーん…
「笑顔で気絶してる…」
「どんな妄想したのやら…」
「ふーん…やっぱりライバルね♪」
「ま、待ちなさいよ指揮官は私が…!」
夜分遅くに女子が騒ぐ。ここに居ない男を巻き込んで。
翌朝目が覚めた417は童貞を殺す服に着替えて第1部隊兵舎へ押しかけていた。
ばっちりナチュラルメイクを決めて指揮官をかなり意識していた。
無自覚な好意から明確な好意に変わった417は己の女子力を高めることに貪欲になっていた。
さて、417ちゃんの未来はどうなるかなー?
想像に容易いかもしれないけどね!
あと417はムッツリスケベ