――――――――――――ショッピングモール民生人形用品店
人形に理解があるって言うのはこういう所にも出てくるね。
I.O.Pの民生人形の様々な用品が置いてる。メンテナンス用の道具だったりデータディスクだったり。
私は私で人形であるとは言ってないけど…自分用にデータディスクを探しに来た。
家事全般の事と裁縫についてのデータディスクを探して…
流石民生人形用とあって戦術人形には不必要な物ばっかりだけど…私のスペック上余裕はまだまだある。
ちらっと話を聞いた誓約…いわば結婚と同意義の儀式だけど…まぁ結婚って事はそういう事。
もしも、もしもお兄ちゃんにプロポーズとかされた時に家事一つ出来ない女だとがっかりさせちゃうだろうし…
こういう所も完璧でありたい、お姉ちゃんじゃないけどお兄ちゃんには無様なところは見せたくないな。
そんな思いから今私はここに居る。ただ漠然とした思いから明確な物に変わったのは大きいな。
「ぅえへへへ…♪」
ついついとゆるーい笑みが浮かんでくる。自覚してても止められない。
あ、でもお兄ちゃんが妹系よりお姉ちゃん系が好きだったらどうしよう…
見た目はロリロリしてても中身がお姉ちゃんになれればOKかな?
は…そうなったら最大のライバルはFALとかお姉ちゃんになるかも…?
うーん…逆に私みたいなロリっ子好きならMk23がライバルになるよね…アピール手段考えておかないと…
どこかの格言であったけど…恋は戦争!手段を選んでたら勝てないの!
幸い私には男心が分かるってアドバンテージがある。男受けの良い事はだいたい知ってる…気がする。
お兄ちゃんはとにかくおっぱい好きだ。私にはこのバカみたいにおっきなおっぱいがある。
恥ずかしいけどアピールしたら食いついてくれる…と思う。
ダミーいわくヘタレだけど据え膳食わぬは男の恥とも言うし…整えたらお手つき待ったなしだよね。
でも実際に手を出されたら爛れちゃうし…自重自重…
今はまだ抑えていざお兄ちゃんがそういう気配を見せた時に自然と選んでもらえるくらいにイイ女になってればいいんでしょ?
思うのは簡単だけど…さて、お兄ちゃんの好みを探らないとね…
エロ本漁るか…お兄ちゃんの部屋は鍵付きだけどそんなのピッキングでどうにかなるし。
自己メンテ用のツールも購入してポーチに突っ込み…お目当てのデータディスクも買った。
さてと…後は裁縫セットだね…置いてる店あるかな?
手芸店に行けば置いてるでしょ、何処にあるかなー?どこかなー?
――――――――――――ショッピングモール手芸品店
見渡す限りの可愛い小物がずらずらずらーり。身につけるアクセサリーから置物までいっぱい。
いくらか「あーこうしたら良いよね?」って浮かぶものはあるけど…おー…流石に商品として出してるだけある。
猫ちゃんグッズもあるからお姉ちゃんとかわーちゃんに買ってあげたら喜ぶよね。
ちっちゃいペンギンのぬいぐるみもあるー!かーわいいー♪
お手頃価格だ…どうしよう、買っちゃおうかな…このビーズのブレスレットとか可愛いなー
ベッド周りがちょっとさみしいし…猫ちゃんのぬいぐるみ買っちゃえ♪
「これくーださい♪」
「ありがとうございます、お会計……になります」
「はい、カードで」
結局買うもの買った後の私はタガが外れていた全部使い切るつもりはないけど気は大きくなってるね。
裁縫セットはポーチの中に入れ込んで…ポーチはもうパンパン
残りの買ったぬいぐるみだったりアクセサリーはお買い物袋に入れてもらった。
買ったのは白のふわふわリボンのブレスレットにチョーカー、ビーズのブレスレット。
猫ちゃんのフェルトぬいぐるみ、腕とかに抱きつかせれる猫ちゃんぬいぐるみ、肉球柄の手編みマフラー!
プレゼント用にフェルトぬいぐるみはさらに2つ余分に買ってるの。
わーちゃんとお姉ちゃん喜んでくれるかなー?
さーてと…まだまだ時間はたっぷりあるし…ちょっとブラブラとウィンドウショッピングしようかなー?
まだ寄ってないエリアが…
――――――――――――
フラフラと買い物袋片手に歩いていたらふとある店が目に留まる。
ランジェリーショップだ…可愛い下着とかもちょっと探してみよう…
吸い込まれるように入ってみると色とりどりの下着が私を迎えた。オーソドックスな形状からフリルたっぷりで可愛いのもあるし…
これ、ブラ?カップが無いんだけど…?って言うのもあったり…シースルーなネグリジェとかもあったりするし…
わーぉ…これは刺激が強いなー…興味半分だけど私のおっぱいに合致するサイズあるかなー?
「すいませーん」
「はい、何でしょう?」
「合うブラを探してるんですけどー…」
「まぁなんて大きさ…」
規格外か、店員のお姉さんも私のおっぱい見てびっくりしてる。
ぱたぱたと店員が走っていって…持ってきたブラは…わぁぉ色合いが真っ赤でシースルーなフリルがあしらわれた下着だった…
カップも結構削られててショーツとか面積少ないなっ!?これセクシーすぎない…?
私が着るにはちょっと背伸び感が…う、うーん…
「試着室はあちらになります」
「アッハイ…」
と、取り敢えず付けてみよう…案外似合っちゃうかもしれないし…
というか…試着OKなのかな…まぁ良いんでしょ
お、ショーツはちょっと食い込み気味だけど…いい感じ。
ブラは…アンダーがスッカスカだなぁ、そしてカップ合ってないね…うん。
ギッチギチで乳肉はみ出てるよ…これで何カップ?わかんないけど…とっても大きいよね?
こうなると私の下着はオーダーメイドしか出来ないかぁ…
「ごめんなさい、これちっちゃい…」
「当店で扱っている最大サイズでしたが…」
「ウッソだろお前」
流石、不良ロットは伊達じゃなかったよ、チクショウ!
まぁ予想通りだったけどさぁ…泣いてないもん!
その後も色んなお店に入ってお洒落な服や可愛い服、ゴスロリとか試着しようとしたけど
どれもこれもおっぱいが邪魔で着れなかった!がっでーむ!!
服飾データだけ保存してI.O.Pに作らせてやるぅ!!
唯一買えた物はなんだと思うー?
水着だよ水着、季節は全然合ってないから安くで買えたよ。
ただし布面積はおっぱいに対して頼りなさすぎのホルターネックの背中で紐を結ぶタイプ。
ちょっとジャンプとか走ったりしてブルンバストしたら大事故不可避な水着。
泳いだりとかは出来ないよねぇ…だからまぁお洒落でパレオも合わせたの。
柄は白に青のスプラッシュ柄、夏に着たいね。後は…混浴とか?
――――――――――――ショッピングモール・猫カフェ
「……」
「それそれ~♪」
「ふふ、可愛らしいですね…」
「あぁ、膝の上で寝られてしまいましたわ…」
第2部隊のメンツは買い物前にリラックスのためと猫カフェに来ていた。
イサカは無言で猫との2ショット自撮りを主任にメールしていてコーヒーを啜っていた。
SAAは猫じゃらしなどのオモチャで全力で戯れていて、スプリングフィールドはそんなSAAと猫を微笑ましく見守っていた。
G36Cは自然と膝の上に猫が乗ってしまって寝られてオロオロ…取り敢えず撫でていた
このメンツは何を買いに来たか?最新の服と下着である。
SAAはコーラの買い溜めで速攻で食料品コーナーに突撃をかますだろう。
カフェに来てまで飲んでいるのがコーラ、徹底している。
スプリングフィールドはコーヒーを飲んで考察している、勉強熱心である。
まだスプリングフィールドのコーヒーは成長余地があるのだ、十分美味しいのに更に上を探求していた。
「ふぅ…おや?」
「ふふふ、猫ちゃんがいっぱい…♪」
そんな各々で楽しんでいた第2部隊のメンツだったが…乱入者が現れた。
第1部隊所属の猫溺愛者の一人WA2000だ。猫カフェが開設されたと聞いて飛んできたようだ。
いつものツンケンした顔がデレッデレでふにゃふにゃだ。早速足元に来た猫を撫でて至福に浸っていた。
「はっ!?」
「あらあら♪」
「おー?わーちゃんも来たんですねー!」
視線を感じてWA2000が振り向けば微笑ましく見ていたスプリングフィールドと無邪気なSAAが声を上げていた。
見る見る内にWA2000の顔が真っ赤に染まって行くがもう無類の猫好きなのは周知の事実。
一番のぽやぽや娘の417にすら知られているのだ、今更恥ずかしがっても無意味である。
結局WA2000は第2部隊によって猫カフェに居るのが部隊に知られFAL達も合流することになった。
意外だったのはスペクトラが猫に懐かれたことである。
硝煙の匂いが染み付いてる程にトリガージャンキーな彼女もびっくりであった。
「猫、良いわね…」
「フン、今更ね」
余談だがG36Cなどは違和感無い格好だがスペクトラ等の一部危ない格好の連中は流石に上着を着込んでいたり着替えている。
余計な火種は蒔かないに限るのだ。
「へぇー猫カフェなんてできたんだ…お?」
外を417が通り過ぎていった。中にいるメンツに手を振って。
――――――――――――
さてと、予想通りにハンヴィーにはG11が戻っていた。
お洒落とかよりも寝ることが大事だからね、仕方ないね。
そんなこんなでハンヴィーにお買い物してきた荷物を入れて私はもう一つの目的地に向かった。
内地のボロアパート…治安が悪い地域で女の子はあまり近寄らない場所。
かつて私が住んでいた兄弟二人暮らしのお部屋に…
ショッピングモールから車で40分程離れた場所でタクシーで移動した。
帰りの予約も入れておいたから大丈夫大丈夫…
見知ったスーパーでお買い物して…っと…
手軽に簡単にって事で市販のカレールーとお野菜を購入。
まぁお夕飯の用意くらいしてあげないとどうせカップヌードルで済ませる。
食事らしい食事をさせてあげないと…と私は密かに燃えていた。
わりかし新鮮な野菜を買えてお買い物袋片手に歩き慣れた道を往く。
街についた時は真上にあった太陽もだいぶ傾いてきていて…もうおやつ時かな?
時間が有り余っていたらお菓子でも作ってあげたら喜んだかな?
兄は甘党でよくお菓子を貪り食っていた。私のプリンとかもよく食べられたっけ…
お、ついたついた…変わらないなぁこのボロアパート。
アパートの二階が私達の住んでた部屋だ。兄の名前が表札にある。
…自分の家だったのに他人として入るって言うのも複雑だなぁ。
ぴんぽーんと呼び鈴を鳴らす。のっしのっしと歩いてくる音がする。
多分兄が今のぞき窓から見てるんだろう。
「こんにちはー遊びに来たよー」
「チッ…帰れや」
「とか言いながら開けてくれるんだ、やっさしー」
見慣れた兄の顔が見えた、憎まれ口叩くのは兄の癖だ。
部屋に入ると…わーひっどい!ゴミ屋敷!!想像以上に酷い!!
これ私の部屋までゴミに侵食されてないよね?
う…鼻が曲がる…カップヌードルの食べかすが腐ってるんだ!
どうして処分しないのかなー!まったくもー!!
「ゴミはゴミでちゃんと捨てる!いい!?」
「……」
「聞いてるー?ちょっと、聞いてよ!」
「うるせぇな…」
あーもう!この兄は、面倒くさがりなんだから!
買っておいてよかったゴミ袋…まったくもう…ゴミの掃除からだよ…
見てるんだったら手伝えや!ゲームばっかしてないで手伝えー!
お掃除が終わったのは時計の針が一周する頃だった。
「ふぅ…全く、溜まる前に捨てなよ、面倒くさくなるんだから」
「……弟みてーなこと言うんじゃねぇよ」
「え…?」
「ふん…」
生の表情は初めて見るけどすごく…寂しそうな顔をしていた。
またゲームに集中し始めたけど…こっちを見てたのは…まさか…?
いや、まさかね…
「こっちの部屋も汚いんでしょ、お掃除するよ」
「やめろ、入るのは勝手だが弄るな」
「……理由を聞いても?」
「…………あのバカがいつ帰ってきても良いようにしてるんだよ」
かつての私の部屋を覗くと…私がよく使っていた時のまま保存されていた。
ホコリは積もってるけど…私が…過ごしていた時とおんなじ…
ベッドの布団の乱れもそのままにしてるんだね…あは…ははは…
兄の方を見ると兄はゲームに集中出来なくてこっちをチラチラ見てる。
あ、この雑誌…自転車の雑誌だ。嘗ての私の趣味だ…
そういえば私の自転車ってどうなってるのかな?
メンテナンスしないとガッタガタになると思うんだけど…売ったりしてないよね?
「ねぇ、弟さんの自転車は?」
「アイツのはガレージに預けてる…つかよく知ってるな、お前」
「まぁね」
本人だとは言えないけどさ…なんだ、この兄…最高じゃない…
プロット時点ではクソ兄にしておくつもりだったけどね。
作者の頭にクソ兄ムーブが降りてこなかった。