――――――――――――D08基地第4部隊兵舎・朝
「この基地基本だらけててもいいよねー…」
「いきなり何言ってるのG11…朝から起きてると思ったら…」
「いや、417の足つぼはもう嫌だし…」
ボサボサの銀髪を掻きながらのそのそベッドから這い出たのはG11。
この基地きっての寝坊助でだらけマイスターだ。
この基地に配属されるまでは朝が来ようがお構いなしに寝続ける寝坊助だったが…
とある朝からしっかりと起きるようになった。起きなければ地獄の足つぼマッサージが待っているからだ。
ただしただで転ばないのがG11だ。起きさえすれば後は甘い417なので朝食を摂った後は速攻で寝る。
世話を焼いている416が呆れるのは目に見えていることだ。
G11が起きた後に必ずすることがある。ベッドメイキングだ。
快適な睡眠は整えられた寝具でこそ発揮される。というのが彼女の言だ。
普段のぐーたらぶりからは想像できないキビキビとしたベッドメイキングは目を見張る物がある。
指揮官に申請してから揃えたふかふかのベッドに高級枕…彼女は寝るために全力を尽くす。
第4部隊の寝具は揃って高級である。人形のワガママは可能な限り叶える意向の指揮官だから叶ったことだ。
心地よい眠りを提供されるようになってUMP45はG11を叩き起こす様な事はしなくなった。
宿舎内部に設置されている寝具はかなりの数に登る。ハンモックも設置されていてG11の気分しだいで寝場所がコロコロと変わる程だ。
極稀にやってくる417の寝床にも困らないのは良いことだが…G11のパーソナルスペースがだいぶ多くなっている…
宿舎だけに留まらず基地のあちこちにマットレスと布団が敷かれている始末。気に入った昼寝スポットに置かれている。
その中には司令室も入っているものだから困りものである。上層部が視察に訪れたらどう映るか。
まぁ指揮官が偶に使って仮眠をとっていたりするのだが…勝手に使うとG11が怒る。
「ん…よし……後で寝るには良い…」
「普段からそれくらいキビキビ動きなさいよ」
「えー…やだよ、めんどくさい…」
ベッドメイキングを終えたG11はのろのろとDVDプレイヤーの電源を入れてリモコン片手に設置されているビーズクッションに身体を沈めこんだ。
寝る以外の趣味である映画の鑑賞を始めるのだろう。G11は何を隠そうホラー映画が大好きである。特にゾンビものは大好物。
ポップコーン代わりに口にするのはUMP9が大量に買い込んだチョコレートバー。カウチ決め込んで見るのは…
「やっぱゾンビっていったらこれだよねー…」
「ま、ままま…またそんな趣味の悪い…」
「お~?今日はなに見るの~?」
「なになに、今日は何見るのー?」
「バイオハザードだよー」
ゲームが元になったゾンビ映画、生物兵器を開発しようとした薬品会社からウィルス兵器が漏れ出し発生した生物災害。
そしてウィルスに感染した生物はゾンビとなる…といった物だ。
ニタニタ笑いながら見るG11、苦手を克服しようとガチビビリしながら見る416、映画の魅せ方を純粋に楽しむ45、皆とワイワイできればOKな9
若干1名楽しんでいるか不安が残るが映画はモニターに映し出され物語が進んでいく。
「朝ごはん持ってきたよー…うわ、またホラー映画…?」
「9、確保よ」
「りょうかーい♪」
「は、はなせー!!」
憐れな子羊が朝食担いでやって来た。この基地きっての働き者417だ。
416がホラー苦手ならばその妹417はというと…大の苦手だ。UMP姉妹に取り押さえられて無理やり上映に参加させられた。
料理していたのかメイド姿のままでだ、憐れ。G11とUMP姉妹は温かい朝食を摂りながら楽しんでいたが…
「おねえちゃ~ん…」
「だ、だだだだ…だいじょうぶよ…ひぃぃっ!?」
ぐずぐずに泣き叫びモニターの中の惨状にガチビビリしている若干2名は朝食どころではなかった。
お前ら戦闘中の冷静さは何処に行った?
――――――――――――D08基地食堂・昼
映画の鑑賞は終わり416は冷静さを取り戻す為に戦術データを読み漁り417は半べそかきながら食堂に戻ってお手伝いしていた。
G11もお昼を食べに食堂に来ていたのだが…
「あー…」
「はい、あーん…どう?美味しい?」
「んー…まぁまぁ?」
「くっ…」
お手伝いしていた417をとっ捕まえて給仕させていた。
G11の中では417はいたら便利なヤツといった所か。甘えれば甘やかしてくれる都合のいい姉代わり。
半分寝コケながらでも食事できるとG11の中では評価高いほうだが…
まぁまぁと評価を受けて悔しがってる辺り今日のメニューも417が張り切ったのだろうか。
睡眠以外はザルなG11だから出た評価かもしれないが…
「ふぅ…食べた食べた…寝よ」
「おやすみ、G11…食器は下げておくね」
食事が終わればG11のすることは唯一つ。寝る事だ。
食堂の日が当たる縁側に広げられている寝袋にすっぽり入ってからぐーすか寝始める。
食堂の中の喧騒をBGMにしながら…
「うーん…何時見ても寝坊助ちゃんの寝顔は気持ちよさそうだなー」
「寝ることに全力だしなー…おほ、ほっぺためっちゃ柔らかそう…」
「突きてぇなぁ…ただ起こしちゃうかも知れないしなぁ…」
眠ったG11の寝顔は癒やし効果があるのかセクハラ脳の職員達もセクハラなぞ放り投げてから寝顔を鑑賞していた。
とくによく見られているのはG11のほっぺただった。ボサボサな髪とだらし無い格好で台無しになってるが…G11も美少女に分類される。
そしてG11の細分はロリだ。とてもほっぺたがまんまるとしていてもちもちしている様に見える。
この基地でG11のほっぺたを突いたことがある人形、人間は居ない。想像だけだがもちもちしているのだろう。
好奇心は尽きること無いが本人の快眠の為と誰もが我慢するのだった。
「ふぅ…終わった終わった……よく寝てるなー」
「何処に居ると思ったら…こんな所で寝て…」
「食堂で寝るのはどうかと思うけど…G11だし仕方ないんじゃないー?」
「熟睡してるしちょっとイタズラしても起きないんじゃない…?」
仕事終わりの417、何時まで経っても戻ってこないG11を心配して探しに来た416、それについてきたUMP姉妹がG11を取り囲んだ。
45がしゃがんでつっつく…G11は全く起きる気配がない。
どこまでもG11を甘やかそうとする417は率先して膝枕を提供し…416が呆れる。
9は45に便乗してG11のほっぺたを突いた…その時9に電流走る…!
「なにこの魔性のもちもち感…」
「んー?どれどれー…おー…これは確かに魔性ね」
「そこまでにしておきなさいよ…」
「416も突いたら?」
「はぁ……あほらしいからやめておくわ」
ざわ…ざわ…と見守っていた職員にも伝播していく。G11のほっぺたは魔性の柔らかさ…
面白いと45と9がぷにぷにと突いている姿は…羨ましいのだろう。
白い目で見ている416は興味無さそうにため息吐いて頭を振る。
416は突かなくともそのほっぺたの柔らかさは知っている。散々伸ばしているからだ。
言うことを聞かない時の制裁はゲンコツかほっぺたを伸ばすかの二択だからだ。
「うわ、本当にもちもちだ…♪」
「これは飽きないわ…面白いくらいにもちもちだわ」
416はツンとしていたが417は好奇心に負けてG11のほっぺたを突いていた。
そしてその柔らかさに負けて起きない程度に加減しながら何度もついていた。
――――――――――――D08基地食堂・おやつ時
「んぁー…良く寝たー…」
「ん…起きた?」
「起きた起きた…あとよろしくー」
「はいはい…」
G11が目覚めればもう3時間程経っていた頃だ。
キッチンからは甘いお菓子の匂いとスプリングフィールドの楽しそうなハミングが聞こえてくる。
そして417ダミーがわちゃわちゃと動いている、おやつの準備に大忙しなのだろう。
417本体が目覚めたG11の頭を撫でて声を掛けるが…G11の視界にはでかい2つの山が。
これで誰が膝枕していたかを判断してるから割と失礼である。
G11は起き上がるともぞもぞと寝袋を脱ぎ去り整えるのを417にまかせてそのまま食堂のテーブルに座る。
おやつが出てくるまでの間また居眠りをするのだ。ときには固いテーブルを枕に眠るのも良い…らしい。
今日のおやつは何であろうか…そんな事を思いながらスリープモードに入っていった。
「起きたと思ったら…もう寝てる…」
「417ちゃーん、手が空いたなら加勢に来てー!」
「はーい!」
G11の周りは騒がしい。知ったこっちゃないとG11は眠りこける…
次第に漂う甘い香りに鼻をくすぐられようとも眠り続ける。
そんなのより睡眠こそが至高。G11とはそういうものなのだ…
「おきろー、おやつができたよー」
「えー…今日のおやつはなにー?」
「今日のおやつはミルクプリンとチョコレートプディングだよ」
「はいはーい…」
417に叩き起こされたG11は不機嫌そうにしながらもおやつの内容に機嫌を良くする。
先日食べたクッキーから知ったが417のお菓子作りの腕前はそこそこ良い。
スプリングフィールドの料理の腕はザルなG11でも美味いと思う。二人揃ってやったなら美味しいだろう。
短い眠りの後に食べる甘いおやつは美味しい。睡眠が捗るらしい。
誰よりも早くにおやつにありつきながらG11は次の寝場所について考えていた。
もう夕方になるから司令室のソファーか第4部隊兵舎で寝たほうが快適だ。
司令室は特に人形が入り浸るということがあまりない。朝を除けばだが。
指揮官もオフの時は私室に篭って居るので司令室はとんでもなく静かなのだ。快眠空間になる。
「あむあむ…まぁ、美味いか…」
舌触りの良い二つのプリンに幾分テンション上げながらG11は笑みを浮かべていた。
「ごちそーさまー…417ー抱っこー」
「はいはーい…ちょっと待ってー」
ぐうたらなG11は可能な限り甘える。特に甘やかす417に対して。
何処かへ移動するにも自分の足ではなく417に抱っこしてもらおうとしている。
416に見つかったらゲンコツを貰うのだが…
――――――――――――D08基地第4部隊兵舎・夕暮れ
「珍しいね、今日は添い寝してもらいたいなんて」
「丁度いい抱きまくらが欲しかったんだー…」
417とG11は小さい身体で抱き合いながらビーズクッションの上で寝ていた。
抱っこして入ってきた417に対して416が苦言を呈したが417は聞き入れなかった。
飴と鞭は重要だよ?と言うのが417の言だ。
何だかんだ文句を言う416だが二人の様子を見て微笑んで見てから静かに読書していた。
G11はちょうどいい枕だと言って417の胸に顔を埋めてから寝ていた。
417は嘗て姉に甘えた時の自分を思い出してそんなG11を抱きしめて一緒に寝ていた…
出撃がない平和な一日はこうして過ぎていく…
そんな二人につられて眠気を抱いた416が寄り添って寝るのはもう少し後。
先人の動かし方を見てG11ってこうかなーって書いたんですけどねー…
ウチのG11はとにかく甘えん坊ですな。
*追記*
誤字報告ありがとうございますぅー!