前略、迷子の417はとある建物目指してまっしぐら。
1マグペイして得た補給品がバックパックの中でジャラジャラとうるさい。
まぁ仕方ないね、弾薬補給って言ってもHK417のマガジンが落っこちてる訳もない。
そうなのだ、このジャラジャラうるさいのは全部弾薬なんだ。
正直言って危ないです、あと逃走経路ごまかしに1マグ地面にぽいして来ている。
弾は増えたが継戦能力は落ちました、ちゃんちゃん。
ボルトリリースして一発ずつ込めりゃ良い?その手があったな。
んで、日が暮れる中の行軍。難なく目的地に到着…とは行かなかった。
途中で「働き蟻」のはぐれに遭遇したのだ。幸いにして向こう側に感付かれる事は無かった。
G&Kのはぐれ人形が居るから鉄血もそういう可能性もあるか。
何か見た目が犬っぽい上に迷子感半端なくて不覚にも可愛いと思ってしまった。
感性まで女の子っぽくなってないかオイラ…
ザックザックジャラジャラと音を立てて歩いていく。
スリングベルトで肩がけしたお陰ですぐに射撃姿勢には移れる。
さっきまで戦闘態勢で居たけど周囲に敵影は無いし通常モードに移行。
しかしあれだなぁ…タクティカルポーチの追加で余計胸が目立って邪魔になる。
マガジンの抜き差しの移動距離は短くなった、とってもとっても。
コレを強だ…げふげふ、拝借するまではバックパック内に突っ込んでた。
そうなるとどうなる?いざって時の再装填にいちいちバックパック展開ごそごそ。
敵がそんな暇見逃すわけ無いじゃん。パンパン、ゲームオーバーってね。
ちょっと動作してみよう。417からマガジン抜いてー胸下のポーチから…からっ…!
胸が邪魔で片手で抜き差し出来ないじゃねーか!これが本当のおっぱいリロード!?
そりゃ検品でダメ出し食らうわ、アホなんじゃねーか!?
「ふぃー……なんとか見えてきた」
道中ゴタゴタと一人劇場やってましたが中継地点が見えてきた。
鉄血侵攻ルートから外れたランディングゾーン…破棄された補給施設。
説明すると倉庫、つまりオイラが目覚めた所とほぼ同じ。
ひゅー…見事に電気はついちゃいないし灯りも無し。
夜が来ると真っ暗だな…夜目はある程度効く身体だけど怖いねぇ…やだねぇ…
「周囲敵影なし…よし、入りますか」
スコープ覗いてクリアリング、鉄血のての字もないぜ。
なんでクリアリングしたかって?ばっきゃろう開けた場所を突っ切るんだぞ。
狙撃手が最も嫌うシチュエーションだ、敵から丸見えこっちは見えないってヤツ。
ったく、この銀髪でどう隠れろって言うんだか…綺麗すぎて夜だと目立つわボケェ。
無線機は…あ、バッテリー切れ起こしてる。後でリチャージしておかなくちゃ。
―――――――――「―8地区――補給所」
ダメだ立て札が汚れてて全然見えない。
中を訪問うわぁーぉ…グッチャグチャのゴミ山って所か。
雨風凌げればラッキーと思ってたけど…現実はこれ、突きつけられると愕然とするなぁ。
んぉ?ここがメインフロアっぽぃ…
「ぅ…ぉぇ…」
見ちまった、人の死体だ。見ることになるとは…想定外だった。
こみ上げてくる吐き気を抑えれず
映像で見るのと実際に目で見てしまう物ではぜんぜん違う。
私は…今までゲーム感覚だったのかも知れない。
慣れろ、じゃなきゃ死ぬことになる。死を乗り越えて生を掴め。
…んぁ?これ人形じゃねーか!くそったれ!生々しすぎるんじゃぼけぇっ!!(涙目)
持ってる武器はなんだ…Mk23か使えるものは使う、すまねぇが戴くぜ嬢ちゃん。
…エッチングされてない武器だと火器管制が働かないから自分で制御しなくちゃいけないな。
射撃姿勢は足を肩幅開いて若干前傾姿勢で…アイアンサイトを覗いて。
パンッ…パンッ…
良い具合の重みが反動をマイルドにしてるのかな。
手からスッポ抜けるような事はなかった…
あ、オープンホールド。弾切れですね。
施設内で不審な物音無し、多分敵は居ないかな?鉄血はバカだし。
ブラフでも撃ったらガシャガシャとけたたましい音立てて突っ込んでくる。
居るとしたらI.O.Pの戦術人形、出会って即抹殺じゃないと祈ろう。
うーん…見回った所この施設の電気はまるっきり死んでいた。残当である。
破棄された補給所だからね、仕方ないのさ。
中をクリアリングした結果は活動停止したMk23の他にM14のダミー人形があった。
ダミーもどきにはダミーにしか遭遇しないなんて呪いがあるのかな?かな?
この施設での掘り出し物は暗視ゴーグル、バッテリーは辛うじて動く程度。
まぁオイラの稼働エネルギーを供給したら動いたので問題なし。
Mk23の装備を剥ぎ取りレッグホルスターとMk23っていうサイドアームをゲットした。
いざって時のものだけどね、あるに越したことはない。
マガジン?胸の谷間に押し込んだ。きれいに二本ぶっ刺さって笑う。
「はぁぁぁぁぁ………疲れた、やな夢だこと」
夢なんてのは勿論皮肉だ。夢なんかじゃない、こりゃ現実だ。
このベレー帽、銀髪、左目のタトゥー、思いっきり縮んだ背丈、デカい胸。
全部…紛れもない私のなんだ…
もしかしたらオイラは気が付かない間に死んでいたのかも知れない。
ころり転がってこの身体に入ったのかも知れない。
でもそんなのは所詮は「たられば」の話だ、事実か知らん。
「今のオイラはHK417…416のダミーから生まれた戦術人形。
多分他に類を見ないこの世界で生きる人間搭載人形だね。ふふん」
指揮官殿に遭遇したらそう説明しようかな。
ダミーの廃棄ロットだなんて絶対に言わねぇからな。
あ、でも調べられたらすぐにバレるかな。そんなー…
で、そんなこんなで施設のチェックと安全確認してたら日が落ちた。
しょうが無いので暗視ゴーグルで寝具を漁る。
出てくるのはボロ布とダンボールばっかり布団は無いな。
恐らく仮眠室だったんだろう場所にはベッド代わりのソファーがズタボロの状態で放置されていた。
無いよりはマシだったのでそこにダンボール敷いてボロ布を布団は代わりにその晩は寝に入った。
勿論薄っすらと音が入ったら飛び起きれる浅い眠りだけどね。
あーあ、寝て醒めたら元の身体に戻ってないかなぁー……
―――――――――翌朝「―8地区――補給所」
あぁ夜が明ける、昨日見た天井だ。おはようHK417さぁ今日も頑張るぞい…
…どうも思うに動揺したりぼんやりしてるときはHK416の挙動が流れ込んでくるみたいだ。
好都合でもあり最悪オイラが押しつぶされる可能性がある。
早い所どっかで検査受けたーい…怖い可能性考えるのやーだーもぉー
っと417担いでバックパック背負ってクソ不味いレーション食って目指すは南東前線基地。
「しゃあってぇっ!?あ、あー!服が…!
は?おま…えぇぇぇぇ………?」
よしっと気合い入れたら胸を張る動作してたんでしょう。
それまで懸命に留まってくれていた前ボタン君がすっ飛んでいった…
彼は尊い犠牲となったのだ…じゃなくてぇ!
状況確認するとこのボディ、ブラなんてない上にアンダーシャツなんてのもない。
ぽろりは無いけど不安だなぁ…不安だぞコラおいI.O.P
布団代わりにしたボロ布引き裂いてスカーフみたいにして隠した。
行軍中にぽろりしたら
不必要な羞恥に顔を赤くしながらオイラは南東に出発した。
この空元気が続く間にコンタクト取れりゃ良いけどなぁ。
だんだんと女の子に侵食される417ちゃん君。猫です。
次辺りでついに…?よろしくおねがいします。