あと春田カフェを出したかったので急遽
――――――――――――D08基地司令室・朝
「という訳で兵舎を拡張します」
「ふぅん?」
「もうそろそろ工事の連中が来るはずだから要注意な」
どうにも兵舎の要望が多く集まってじゃあ仕様変更だって事で拡張工事するらしい…今までの生活スペースが共同スペースに。
パーソナルスペースやロッカーは追加される個室にぶち込まれるんだって。
で、もうそうなったら部隊ごとに分けるのもって事で本体用の兵舎はもう纏められるんだって…デカい工事にならない?
土木建築用の人形が夜を徹して建築するらしいし2日程度で住めるようにはなるって話しだけど…本当かなぁ?
ちょうど基地の休暇に被るからOKなんだろうけど…
お、共同スペースに待望のキッチンスペースが出来るんだ、やったね!
20体分のスペースって事は人形の追加発注とかもまだあるのかな…ふーむ?
ペットスペースも確保されてここで飼えって話し?ふーん…わーちゃん歓喜だね。
「お兄ちゃん、この仕様書はコピーOK?」
「おう、いいぞー」
じゃ、遠慮なく読み取って…皆に周知しておこう…これは大改修だねー
その他職員の宿舎も大改修?ふーん…え?お隣になるの?これ大丈夫なの?
ほう?こっちは何だ…兵舎の一部を使ってのカフェ&バー…店主はスプリングフィールドだって?
ふーん…となると現在の第2部隊のマークスマンが居なくなるから代わりが必要に…まさか私が入れってオチかな?
シャワールームは…おや、でっかくなってるね…なんだろう?シャワーって感じじゃない。
大浴場…?おー、バスルーム!身体をざっぱーんって入れるのね…これは良いね。
この大改修は良いねー実に良い…お、ついに射撃場も追加されるんだね…
「いやー…要望に上がっていたのを可能な限り叶えたのでな…大工事だ」
「なるほどー…」
個室はベッドに簡単な机…ブックシェルフ…それに小さな冷蔵庫か。
洗濯は共用スペースに洗濯場があるね…そこで洗えってことかな?まぁ戦闘で破れたら交換だけどね。
まて、キッチンスペースもしっかりあるじゃない!これは良いわ…兵舎でお料理できるじゃーん!
カフェは旧第4部隊兵舎がそのまま改修されるのね…兵舎内に建てられてたらやばいことになってたけど…
…シネマルーム?おいおいおい…ここは兵舎だよね?アミューズメント施設じゃないんだよ?
こっちにはカラオケスペースだと?これよく申請通ったね…
「お兄ちゃん…」
「いや、言いたいのは分かるぞ…でもな、大事なお前たちの要望だから何とか通したんだよ」
「甘ちゃん…」
「好きに言えやーい」
大凡基地とは言えないような施設まで入ることになったけど…一部の人形が大喜びするんだろうね。
後から着任した人形が超驚くのが目に見えるよ…こんなに人形に甘い基地は他にないでしょ。
…いや、G&Kだ…他にも甘ちゃんな基地はありそうだ…いや、あるに違いない。
人形をおばあちゃん呼びしてベタ懐きしてる指揮官とか喫茶店に入り浸る連中が多い基地とか…
…考えたらキリがないな…もう止めておこう…
「で、417…もう身体は万全か?」
「うん、メンテナンス班がバッチリ直してくれたからね」
「そうか…もう無茶はするなよ…お前もこの基地の大事な家族なんだからよ」
「…照れながら言ってるーかーわいい♪」
「るせーやーい」
ぶんぶん頭を振ってたら不審に思われたか体調を聞かれてむんっと胸を張ったけど…
実際もう不備はないのは確認済みだからメンテナンス班の仕事は花まる満点。
お兄ちゃんはキザったい事を言ったけど言った本人がきりっとしながら顔を赤くしてたらスベっちゃってるよ?
可愛いから私はOKだけど。ふふふ♪
――――――――――――D08基地第3部隊兵舎・朝
「という訳で兵舎大改修らしいです」
「要望が多かったからねー…でも本当に全部叶えるとは思わなかったわー」
「スコーピオンのゲームスペースまであるんでしょ?」
「お風呂にサウナ…それは嬉しいわね」
「ダーリン…素敵…」
データを持ち帰ってシェアしてお話展開中、皆何かしら要望を出していたんだろう…
M14はバーに置かれる予定のダーツ、スコーピオンはゲームスペース…レトロアーケード筐体付き…ゲームセンターじゃないんだよ?
Uziはサウナ、半分ネタで要望してたらしいけど…実際に実装されて喜んでる。Mk23は何を要望したのかな?
答えは新しい着替え…なんだか一つMk23用にラインナップがあるらしくそれを欲しがっていた。
兵舎に対しては特に不満はないらしい…私?私は射撃訓練場…シューティングレンジとキルハウス。
倉庫の横に併設されることになるらしい…こっちは後回しになるけど訓練出来るようになるし…優先してもらいたいような…
もっと欲を言えばこの身長でも乗れる自転車とか欲しかったけど…不必要だしただの娯楽だから微妙かと思って申請してはいない。
ガレージに預けられてるらしい相棒との折り合いもついてないしね…次のお休みに見に行こうかな?
「ちなみにアーケード筐体はなーに?」
「格ゲーマルチ筐体とシューティング筐体…音ゲー筐体」
「ほぼ全てじゃねーか!!」
しかも詳しく見てみればI.O.Pが一枚噛んでるじゃねーか!!暇だなI.O.P!!
ほんと休みに暇~ってなることは無くなりそうだよ…まったくもー…
シューティングレンジとキルハウス追加もあるしお姉ちゃん達相手に訓練していけばあんなヘマはもうしないはず…
私、強くなるよ…もう心配なんてさせないもん…
「キッチンもあるみたいだけど…立てる人形数少ないよね?」
「あーこの部隊だと417だけだもんね」
「第1部隊のFALと第2部隊のスプリングフィールド…第4部隊は知らないなぁ」
「FALって料理できたの!?」
「お菓子作りにちょっぴり顔出したことあったよ?」
「「「うそだぁ」」」
皆のFALに対するこのイメージよ…チョコレート菓子に対する情熱はすごいよ?
自作したチョコスイーツはお世辞抜きで美味しかったし…普通に見た目も洒落ててセンスが光ってた。
エプロンはちょっとよくわかんないセンスしてたけど…
お化粧教えてくれてたし女子力あなどれないんだよ?女死力も高いけど…
皆戦闘時のあのハイテンションが先行してるでしょ…そういうの良くないよ。
ちょっと見せてもらったロッカーの中身とか季節物の服多かったし…色々女子してるよ?
「ぐぬぬ…」
「女子力磨きなよ…」
「わたくしも料理…したほうが良いのかしら?」
「男から見て料理のできる女は点数高いよ」
元男が言うんだ、間違いないよ。おらお前らも料理沼に落ちるんだよぉ。
「んん…ハァイジョージィ…料理に興味はないかい?」
「!…ないない」
「えー…料理は良いんだよ?ジョージィ…自作スイーツは美味しいよ?」
「騙されんぞ、ただただ手間なだけやろ」
「まぁまぁ確かに手間だけど…アピールポイントになるんやで、ジョージィ…」
「面白そう!ゲームするわ!」
「待てや!!」
「何この寸劇…」
「半世紀前のミームね」
くそぅ、沼に引きずり込めるかと思ったら…スコーピオンがノッてくれたけど結局ダメだった。
と言うかM14お前もペニーワイズ知ってるんかい…この基地オタ多い…多くなぁい?
いいじゃん、Uziも料理しようよ~料理友ほしいの~!!
――――――――――――D08基地キッチン・昼
「カフェですか…」
「増設というか再利用らしいけどね」
何時も通りに私がお手伝い、出撃に行く前のスプリングフィールドにお話していた。
割と同じRF人形って事もあって私とスプリングフィールドは仲が良い。
要望を出していたけど諦め半分だったらしい。自分のカフェを持てて嬉しいんだろうけど…
やっぱり懸念は出撃ローテーションにどう影響するか…だね。
まぁそこを考えないお兄ちゃんじゃないから手を打つんだろうけど…
「良かったね、念願の自分のカフェだよ」
「ふふ、ありがとうございます…お手伝いは随時募集しますよ?」
「やりぃ、暇を持て余すなんて事はなくなりそう♪」
カフェの制服みたいなのも考えていたみたいでI.O.Pに発注かけるみたい…私の服も来るかな?
来なかったらメイドで働くんだけどね…戦争終わったら私もカフェとか開いてみようかな…
そのためにもスプリングフィールドの美味しいマフィンの焼き方を学ばないと。
美味しいコーヒーは…うーん…そもそも天然の豆がそうそう手に入らないし…合成品になっちゃうからなぁ。
合成品が悪いとは言わないけどやっぱりなんだか後味が悪いんだよね…合成調味料の味って言うかなぁ…
「そういえば…バーも兼ねるみたいな感じだけど?」
「あ、はい…夜はバーにしようと思っていて」
「なるほどー?」
そういう事を考えると制服がなかった場合は夜はバニーになったほうが良い…?
あとダミーは働かせられないな…絶対酔ったお兄ちゃん達の毒牙に嬉々として掛かりに行くもん…
あとバーはお姉ちゃん出入り禁止かなぁ…お酒飲んだ時の凄みが…朧気に覚えてるけど…
有無を言わさず私に飲ませてきたような…私も飲んだんだっけ?よく覚えてない…
まぁ働いている時に飲むのは厳禁だから関係ないね。うん。
「でもそうなると…ママって呼ばれるんじゃない?」
「もう既に呼ばれていますよ…それにそれはスナックです」
「そうだったね」
ママ呼びが違和感ないのもスゴイと思うけどね。
「取り敢えずですが、416さんと417ちゃんはお酒厳禁ですからね」
「飲まない飲まない」
お姉ちゃんは飲みそうだけど…だれか止めるでしょ…私は多分止めれない。
止めないと多分大変なことになる。私は多分飲んだら記憶装置がバグるんだろう…
今度誰かに酔ってる間の私を録画していてもらおうかな?覚えてないほうが幸せとか言われると気になるし…
取り敢えず人間の頃に飲んでたビールで試そう…人形ボディになってからかもしれないし…
酒癖が悪いって事はなかったはずだけどねー…性格が変わるくらいだし酒癖も変わるかな?
「あら、いけない…もう時間が…」
「あちゃ…いってらっしゃい」
慌てて残りをかき込んでバタバタと出ていくスプリングフィールド。
話しながら食べていたらまぁ時間がかかっちゃうよね…悪いことをしちゃった。
さてと…私はこの残された食器を運んで…食器洗いしてっと…
「おっぱいちゃーんちょっとー!」
「はいはーい、今行きまーす」
お昼の食堂は今日も大忙しです。あ?何?ブルンバストを見せろだぁ?
下らない事で呼ばないで下さい、お盆でぶっ叩くよ?
――――――――――――D08基地兵舎付近・夕方
お、早速着工開始してるのかな?見慣れない人形が大工道具担いで動いている。
基礎づくりを開始しているのか大声であーだこーだ言いながらハンマーを振るってる…おー激しい。
アンカーボルトか…地中深くの硬い層にアンカー打って強い基礎にするんだね…ほうほう。
早速柱が立ってる…これで支えるのかな?第1第2…第3部隊兵舎まで囲う基礎のデカさよ…隣接してもう一個作られてるけど予算どれだけ積んだんだよ。
いや戦力拡大とかに費やせとは言わないよ?でもね…これはどうなのさ…良いのかよG&K…
「お住まいの人形ですかね?」
「あ、はい」
「明後日には兵舎をぶっ壊しますから私物はあちらの仮設住宅に移しておいて下さい」
「…なるほどねー」
仮設住宅と言う名のコンテナハウスが鎮座していた…あそこで明日明後日寝ろって話ね?
ロッカーとか中身移すの面倒くさいしロッカーそのまま担いで行こう…
「明々後日には本当に出来上がってるものですか…?」
「我々の建築スピードを舐めてもらっては困りますな!明後日には無事に住めるようになっていますとも」
スピード建築にも程があるでしょ…どうやって建築するつもりだよ…個室なんて20も必要なんだよ?
まぁ明日にはタネも分かることか…明後日は休み…明日には外出届けだけ出しておこう!
お風呂回を書く布石でもあるのですがね…417が弄られるだけの話しになると思うんですけど(迷推理)