――――――――――――D08基地キッチン・早朝
今日はお休み、お兄ちゃんも遊びに出る日だ。そんな日には何をしたら喜ばれるか…
答えは一つ!お弁当作りでーす!お弁当をそっと出してあげたら出先で食事に困ることはないし…
何より手作り弁当って言うのはポイントが高いんですよ…えぇ!
この時間なら誰も起きてこないし朝にそっと渡すって事もできる…ふふーん。
とにかく男が好みそうなメニューをつめつめしないとー…なーにを作ろうかなー♪
お料理すること自体楽しいけど…誰かのために作るのは輪をかけて楽しい♪
「ふんふんふーん♪」
ついついハミングしちゃう、もう私を止めるものはなにもないぜー!ふはははーん。
可愛い容器はないけど…まぁそこに拘って量が足りなくてお兄ちゃんが空腹になっちゃ本末転倒だし。
今日はどこに出かけるんだろう…ま、私もどこに行くかとか言ってないしお互い様?
およ?こんな朝早くに誰か来た?物音がするぞー?
振り返ってみればあー、なんか納得。スプリングフィールドだ。
「おはようー」
「おはようございます、417ちゃん」
うっきうきでキッチンに入ってきてはエプロン装着、朝の支度を開始…料理こそ生きがいみたいな感じだね。
正直戦場に立ってるよりもキッチンに立ってる時の方が似合ってる気がする。
んー?それにしても今日の朝は何を作るつもりだろう…皆の分作るって感じじゃない。
「気になりますか?」
「まぁ…見た感じ二人前の分量だけど…」
「指揮官にどうかと思いまして」
「ほほぅ」
お兄ちゃんに朝ごはんかぁ…となるとそのもう一膳は自分用か?
ほうほう…そりゃ結構なことだ。朝はスプリングフィールドに譲るとしましょう。
お昼は私が用意してるんだけどね…ふふん。
こっちを警戒してるけど作ってるのは朝ごはんじゃないし。
「そちらは?」
「お弁当」
「お弁当ですか」
「そ、お兄ちゃんに渡すお弁当♪」
取り敢えずこれで目的は似てるけど被っちゃいない…危機回避だね。
お互い作る志向も違ってくるしはい、共有なんて事はできそうにないなぁ…
朝から油ものガッツリはイヤでしょ?私が人間だった時は朝からはキツかった。
スプリングフィールドもそこは承知してるでしょ…多分だけど。
お互い背中を向けてお料理に精を出していく…暫くするとスプリングフィールドもハミング歌い始めた。
やっぱり料理はこうでなくちゃね!
朝のプレートはイングリッシュマフィンとダブルチーズベーコンマフィンと淹れたてコーヒー…おい重いぞ?
ベーコンガン押しだね…朝からコレきっついんじゃない…?
対する私?お弁当は一口サイズハンバーグ3つとオムレツ、スパゲッティ、ポテトサラダにライスだよ。
作った余りで自分の分を詰めて…よし、これでOKかな…
「では、私は指揮官と食事をいただきます…」
「はいはーい…そろそろMk23が押しかけてる頃だけど平気?」
「大丈夫です、あの程度で狼狽えはしませんわ」
「そっか」
スプリングフィールドは行った…あとは可愛いハンカチで包んでおしまいだね♪
――――――――――――D08基地指揮官私室・朝
「お兄ちゃん、起きてるよねー?」
「ぉぅふ…はいはい、なんですかい?」
「ん♪」
丁度いいタイミングだったかな?お食事終わってお出かけ準備中のお兄ちゃんが部屋に居た。
ノックして開けると私服に着替えたお兄ちゃんがそこに居た…正直に言うとラフすぎなーい?
まぁ良いや…気楽に遊びに行くんだろうし…花柄な包にした弁当をそっと突き出して笑顔笑顔♪
欲を言ったら朝からおはようのハグとかしてみたいけど…過激なスキンシップはNGだもんね。
お兄ちゃんのリアクションは意外って感じだけど嬉しそう、よしよし…
間違いじゃなかった、ふふん…まぁ味も悪くないはずだしお昼は期待してよね。
「これ弁当?」
「そだよ、朝早起きして作ったの♪」
「サンキュ、お礼は何が良い?」
「じゃあ感想聞かせて」
「そんなのでいいの?」
そんなのじゃないんだけどねー…私からしたら最重要事項だから。
とにかく黙ってにっこり笑ってサムズアップ。
「じゃあね、私も遊びに出かけるから」
「おう、迎えが必要なら言えよー」
さてと、メイド服で出かけるつもりは無いし…着替えてからお出かけだね
あ、やべ…化粧してないすっぴんのままお兄ちゃんに会っちゃった…私のおバカ…!
と…とにかく…着替えてお化粧だ…今の私はボドボドダァー!!
――――――――――――D08基地仮設兵舎・朝
そう言えば工事中の兵舎だけど…あれはスピード建築出来るわ…どっかの工場で組まれた部屋をユニット化して運び込んでいた…
つまりはでっかいプラモデルみたいなものだ…基礎と接合だけ現場でやればOKってそりゃすぐ出来るね…
さっさと作るために日夜問わず動いてるから騒音もスゴイんだけどね…職員寝れてるんだろうか?
M14とかお寝坊助なスコーピオンも起きてるし…私のお化粧を興味深そうに見てる。
まぁ何時もは寝てる時に済ませてる工程だからね…見世物ちゃうぞこのやろー。
ちょっと今日は冒険してギャルメイク…濃ゆすぎるくらいだけど…これはこれで可愛いかな?
ヘアアレンジも加えようかな…あ、そういうの無理だ…パーマかける機械無いじゃん…
外出はどうしたって?申請間に合わなくて明日にずれ込んだんだよ、チクショウ
だから結局今日はどうしようか悩むんだよねー…お姉ちゃんの所に遊び行くかな?
スコーピオンはゲームし始めたしM14は街で買い物するって出ていった…
G11は買い込んだ寝具でぐっすりだろうし…今日は天気がいいし外で寝てそうだな…
折角の全員休みを寝て過ごすのは勿体無いし…うーん…基地に誰が残ってるかだなぁ。
こういう時の端末です…お姉ちゃんはどうなんだろ…あ、買い物に行ってるのね。
んーじゃあUMP姉妹は?あれ、居るんだ…お姉ちゃんだけで買い物かぁ…化粧品だな?
あ、そうだついでにエプロン…いいや、自分でちゃんと買おう…
ではどうしようか…FALは街の喫茶店に行くとか言ってたし…わーちゃんもそうだ。
スペクトラは今頃銃の分解整備してるだろうし…ステンは暇してるかな?
第2部隊の連中はエステに行くとか…SAAはコーラがぶ飲みしてるでしょ。
しょうがない、今日はスコーピオンとゲームして暇をつぶそうかな。おう、デュエルしろよ。
「今日はそんなカリカリするようなゲームじゃなくてさー…代わり番こでプレイしない?」
「ほう、例えば?」
「この名作ゲーム風のクロノアを1ステージごとに交代でプレイする」
「乗った」
如何に魅せプできるかの勝負だろ?こいやクソッタレ!!
このゲーム何回クリアしたと思ってんの?100%クリアすっぞおらー!!
「何してるのよ…」
「「見ての通りゲーム」」
「あっそ…後で私も混ぜなさいよー…」
Uziが眠たそうに起きて…また寝た。Uziの場合はゲームでパニクるからなぁ。
変な所でミスっておしまいになりそうだし…アクションゲーよりRPGとかの方が…
いや時間が足りないか…ん?誰か入ってきた?
「お姉ちゃん暇なのー♪」
「うにょわぁ!?」
「同じく暇~遊びましょ~?」
この姉妹は…!とにかく私のおっぱいを揉まなきゃ気がすまないのか!?
今まで45お姉ちゃんばかりだったのに9お姉ちゃんまで…びっくりしたー…
「……」
「な、何かな…お姉ちゃん?」
「ちっちゃいのにおっきくてふかふかなんて卑怯よ!」
「あにゃぁぁああああ!!揉みしだくなぁぁあああああ!!」
「うっさいなー…」
ごめんねUziごめんねぇ!うるさいって言うのは仕方ないね…
くすん…とにかく擽ったいから止めてほしいんだけどなぁ…
あとお兄ちゃんの目の前でやったら流石に怒るよ。ったくもー…
私が最初にプレイして無くてよかったよ…序盤でミスとか嫌だし…
45お姉ちゃんはさっくりセクハラしてくるのに対して9お姉ちゃんはけっこうガッツリしてくるのね。
家族判定貰ってから遠慮が無くなってませーん?もうちょっと遠慮を思い出してほしいなぁ…
こらしれっとまた揉もうとするな!どんだけじゃーい!
「がるるるる…」
「あはははーごめんて」
「で、今はこのゲームしてるのね…私達も混ぜてもらっても良い?」
「あーうん、いいよ~」
ゲーム仲間にUMP姉妹が合流した…9お姉ちゃんは結構なやりてだったけど…
速報:45お姉ちゃんゲームクソ下手でした。
「え、これどうするの?待って待って敵が近いんだけど!?あ~!!」
「いやその仕掛けは…」
ゲーム脳じゃないから分かんないのかも…?にしても何時も余裕そうな45お姉ちゃんがテンパってるのは面白いなぁ。
シューティングゲームとかさせたら余裕ぶっこきそうだけど…あ、乙った。
「なんなのよ!これ人形がするもんじゃないわ!!」
「はい、次9お姉ちゃんね」
「はーい♪45姉見ててよね」
45お姉ちゃんがボンバーマン大会で速攻乙ってたのは9お姉ちゃんの妨害以外にこういう所かな…?
おー妹のプレイに見入ってるけど身体べったりすぎなーい?
そしてしれーっと手がワキワキとしていて何を狙ってるか見えてるようなんですけど?
コイツ…美少女の皮を被ったセクハラオヤジじゃなーい?
「擽ったいよー45姉ー」
「傷心なお姉ちゃんを慰めて~」
「「うわぁ…」」
思わず私までうわぁって引いちゃったけど仕方ないよね?
絶対この45姉傷ついてないし9姉も嫌がれよ…何普通のスキンシップみたいな反応なの?
一切動じてないし…ゲームプレイしながら片手間に頭撫でてるし…
いや、お前らどっちが姉だよ…あ、私と目が合った…
「次は417~あんたが慰めて~」
「あーはいはい…」
この後めちゃくちゃ悲鳴をあげることになった…戦闘でもないのにヘロヘロになったのは言うまでもないよね。
お兄ちゃんのセクハラ魔が伝染ったな…?
次回は(多分)お出かけでーす