元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

47 / 216
(この先増員の予定は)ないです。


Day45 新たなる姉妹

――――――――――――D08基地司令室・昼

 

 

今日の出撃は特に代わり映えもなく終わった。敵に遭遇することもなかったし。

ドローンを飛ばしていたけど何の意味もないフライトだった…って事。

交代で第4部隊が出ていって私達はもう非番って形…ふーん…さて、どうしたものか。

キルハウスで訓練って言っても戦闘狂が来て訓練って形から外れそうなんだよねー

戦闘と聞くと止まらなくなるのがアイツ等だし…ペイント弾で極彩色に彩られるつもりはないけど。

 

「今日も417が報告持ってきたのね」

「うん、なんとなく私が引き受けちゃった…」

「ふーん…小隊長適正ありだな」

 

やめて、私に小隊長とか無理なんですけど。自分一人の指揮で精一杯ですぅー

いやまぁ大雑把な指揮は出来るかもしれませんけどーマジ物の指揮なんて無理。

…そう言えば小隊長と言っても指揮してたっけ…?あれ、そうでもないか…

この基地だと書類仕事と主に指揮を受け取る役割になってたような…

ほんと、この基地ゆるっゆるだな!とんでもなくゆるゆるだよ…

 

「……ちょっとだけ」

「お兄ちゃん…?」

「はい、なんでもありません」

 

ちょっとだけなんて言っておっぱいに手を伸ばすなー?新人にそれしたら好感度パイルドライバーだぞー?

今日搬送されてくるはずなんだから…大丈夫かなー?まぁFALが監視につくらしいけど…

念の為に私も付いておこうかな…いや、本当にこれは不安が残るもん。

もう鳴りを潜めた筈の私相手にもセクハラ働こうとしてるし…許したらそのまま新人にもしそうだから釘を刺しておかないと。

 

「一応言っておくけど…新人が来るのが嬉しいのはわかるよ?でもセクハラして良いって事じゃないからね?」

「おう…」

「そういうのは二人きりの時にしてよね」

「え?」

「なんでもない」

 

さてと…歓迎用のお菓子でも作っておこうかな…カップケーキがいいかな?

到着予定は夕方…時間はたっぷりあるね、うん…お姉ちゃん達は夜に挨拶って形になるのかなー?

兵舎のキッチンで焼くか、振る舞うのも兵舎でやったほうが良いだろうしー

この基地のふわっふわな空気を味わってもらうには丁度いいだろうさ。

スプリングフィールドが張り切ってたし美味しいパンでも焼いてそうだしー

…今はカフェで忙しいか…となると今は生地は寝かせてる感じかなー?

 

 

――――――――――――D08基地兵舎キッチン・昼

 

 

「ねー417ーコーラ取ってー!」

「はいはーい…」

「投げちゃダメだよー!あーしゅわわわー!!」

 

食堂のキッチンにぎっしり詰められていたコーラは兵舎に移されていた。

おかげでキッチンに立っているとSAAのコーラ要求が飛んでくる。

お菓子作りにパタパタ動いてるのにお構いなしだからちょっと雑になるけど仕方ないよね?

ちょっとは自分で取るって事を覚えてくれても良いんじゃなーい?

とまぁそれは良いとして…完全オフの格好で居てもいいってわけじゃないから制服の上にエプロン着けてクッキングなう。

いや、着替えてもいいけど挨拶するときにオフの格好だとねぇ…

 

「何作ってるのー?」

「カップケーキ、歓迎用のお菓子だよ」

「なるほどー!」

 

調理中の私に興味を示したのかSAAがキッチンに入ってきた。

コーラ片手に覗き込むのは結構だけどこぼしたりしたら怒るよー?

ちょっと表情がワクワクしてるのはあれかな…味見とかおこぼれを期待してるのかな?

まぁ生地の味見をさせてみても良いかな…人によっては生地が美味しいなんて言う人もいるし。

 

「ん」

「くれるの?わーい♪」

 

焼く前の生地をちょっと掬って差し出すと待ってましたとばかりに食いついた。

やっぱりおこぼれを狙っていたか…犬か猫みたいだな…

砂糖が効いた甘い生地はどうだ?あぁん?ちょっと感想くらい聞かせてみろよ。

 

「よくわかんないけど良いと思うよ!」

 

ふわっふわだなぁ…カップケーキみたいにふわっふわな感想だなぁ。

今回は人形達での歓迎って事で20個だけ焼いた、職員の分まで焼こうか迷ったけどね。

 

 

――――――――――――D08基地兵舎共有スペース・夕方

 

 

「狙撃武器G28です、よろしくお願いしまーす!」

「スオミ、KP31です。よろしくお願いします」

「GutenTag本日より配属となりましたG36です」

 

超ハイテンションっ子に清楚っぽい子にメイドですか…ちょっと濃ゆいな。

しかしG28かぁ…私としてはちょっと複雑だなぁ、開発経緯からするに妹分になるんだけど…

あとメイド、本職っぽいなー…ファッションメイドしてた私を見たらブチギレられないか心配だぁ。

おちおちメイド服を着れなくなったかなぁ?まぁご奉仕のイロハを教えてもらうって言うこともできるかな…?

 

「いらっしゃい、ようこそD08基地へ、歓迎するわ♪」

 

私達を代表してFALが笑顔で迎えてそのまま背中を押して共有スペースのテーブルにつかせる。

さて、ここからが私とスプリングフィールドのターンだぜぃ!

 

「では、歓迎会を開催しましょう♪」

「盛大にな!!」

 

と言ってもお菓子のマフィンとカップケーキで開催するお茶会みたいなものだけどね。

前線とは思えないゆるゆるな空気に毒されるが良い!

 

そっとFALに聞いたけどやっぱりお兄ちゃん初手セクハラやらかしたらしい…

G28は満更でもなさそうだったらしいけど…スオミは泣いてG36は静かにキレたらしい。

おい、G28どういうこっちゃ…妹分にあらぬ疑いが持たれるぞー?

全員席についてから一人一人軽く自己紹介してからお菓子に舌鼓を打っていた。

私の自己紹介の時に新人三人衆揃って首を傾げていたけど…まぁ正規の人形じゃないようなものだしねー

あとG28がえらく熱視線を送ってくるんだけど…私に何かごよう?

 

「ねぇねぇ、一つ質問良いですかー?この基地に416って居ますー?」

「そこの417の姉ね。居るわよ」

「ふぅーん…?」

 

おぉぅねっとりとした視線が私に突き刺さるぞー?

おっぱいのデカさは私に並ぶようなでっかさだけど…身長が私よりでっかいな…

何だ何だ、言いたいことがあればハッキリ言ってくれないかなー?

 

「妹みたいな姉が居るって不思議な気分ね!」

「ん?あー…なるほど、コレでHK3姉妹になるのかしら?」

「改修モデルとしてみたら…んー、なるほど?」

 

妹みたいな姉ってなんじゃーい!開発経緯から考えたらバリバリ姉ですよ?

まぁ私の存在は非公式みたいな所だと思いますけど!ぐぬぬぬ…妹みたい、かぁ。

見た目が見た目だから強く否定出来ないぞー私外見はロリ416だしなぁ…

服装の意匠がまぁお姉ちゃんや私に似てるし…いいとこ取りみたいな外見してるし繋がりは見えないこと無いけど。

お姉ちゃんがどんな反応示すことやら…私と最初会った時みたいな反応しないよね?

まぁ帰ってきた時に見れることだ…このニッコニコな妹を見て何を思うか…

 

「ふふ、姉さんが来てくれて嬉しいです…♪」

「妹がお世話になっていました」

 

おーおー、G36姉妹がべったりですよ…お姉ちゃんっ子だったのね。

しかしG36さん眼力強くないかな?えらくキリッとしてて…いや、ぎろっと見てくるから怖いんだよね。

物腰はとっても柔らかいのに表情で損してません?

あ、妹撫でてる時はとってもいい笑顔ですね、お願いだからその笑顔を絶やさないで。

 

「良い雰囲気の部隊なんですね…音楽、かけてみても良いですか?」

「音楽?オーディオ機器もあるからどうぞどうぞ」

「あ、はい…では…」

 

スオミちゃんがミュージックディスクを取り出した?どこに隠していた!?

あの外見だし品のいいスムースジャズとかかな…お洒落な午後になるのかな…

 

と思ったらとんでもないのが流れ出した。いや、何このミュージック…

皆度肝抜かれて口あんぐりだし…私もだけど…スオミちゃんこんな可愛い顔してとんでもないの聞いてるな!

スピーカーから大音量で流れてきたのはメタル…それもヘビーメタルだ。

本人はニッコニコでノッてるし…スコーピオンやSAAはノッてるけど…

G28おめーもノッてるんじゃねーよ!

 

「ね、ねぇFALこれは…」

「我慢しましょ…新人の希望なんだから」

「はーい…」

 

わーちゃんはギャーギャー言ってるみたいだけど爆音に掻き消されてる…憐れ。

あとペットブースに居た子猫がめっちゃビビってる…もう少しの辛抱だから我慢してね…

 

 

――――――――――――D08基地HK416私室・夜

 

 

「で、何でアンタが居るのよ?」

「ダメ?」

「ダメじゃないけど…遠慮しなさいよ」

 

夜の親睦会も終わってそれぞれ馴染んだんだけど…お姉ちゃんは結構な塩対応をしたんだ…

いや、それはダメでしょってお姉ちゃんにツッコミ入れたらまぁ…それなりに対応したんだけど…

身内以外にはあんまり興味無いんだねお姉ちゃん…あれか0か100かのタイプだね?

G28に対してはため息混じりに対応してたけどG28側がグイグイ来るものだから…

私も手を引っ張られてお姉ちゃんの私室に押し込まれた…私は歓迎したのにG28に対してはあの対応。

多分だけどG28に遠慮って単語は無いと思うよ…

 

「まず417、カップケーキ美味しかったよ、ありがとね♪」

「あぁまぁ…どういたしまして」

「ふん、当然でしょ私の妹なんだから」

「それから姉妹としてよろしくおねがいしますね♪」

「勝手に名乗ってなさい…」

「ま、まぁまぁお姉ちゃん…」

 

HK三姉妹なんて勝手に呼ばれるようになってお姉ちゃんは苦虫噛み潰した表情だよ…

ほんっとかなりグイグイ来るからお姉ちゃんも私も困ってるんだけど…

私は嫌な感情は無いから妹として迎えるつもりなんだけど…

 

「あ、417が末っ子ね♪」

「は?」

 

ちょっとそこに直れクソ妹、どっちが姉かハッキリさせてやろうじゃない。

 

「ちょっと私の部屋で暴れないでちょうだい」

「あ、はい…一つだけ言わせて…私が姉だろ!」

「えーその見た目と言動で?」

「うぐっ!?」

 

ぐうの音も出ない、私の言動は紛うことなき妹ムーブ…見た目も相余って違和感がない…!

くそぅくそぅ…で、でもこれからその認識を覆してやるぅ!

 

「で、G28は417と押しかけて何するつもりだったの?」

「いや、姉妹でお風呂行きません?ってお誘いです」

「裸の付き合いってやつね…」

 

じゃあ私は着替えを持ってこないと…シャツにジーンズで良いよね…もう寝るだけだし。

お化粧も落として…お姉ちゃんも化粧落とし始めたし乗り気だね?

何だかんだ文句言いながらも付き合いは良いよねお姉ちゃん…そういう所好きだよ。

 

 

結局お風呂に行った後お姉ちゃんが世話を焼いたのは言わなくても分かるかな?




妹連合とか姉連合とかで一品書きたいですね。
あと増員はG28は決めてましたけどスオミとG36は作者の好みです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。