ほんとドルフロ世界重いな…二次界隈位は平和で良いだろ…なぁ?
――――――――――――D08基地兵舎HK417私室・朝
農家の朝は早い。私達の想像もつかないくらい早いんだ。
まぁ私はまだ農家では無いけどね。あははは…畑を作りに行くんだ。
今日が私達の待機で過ごす一週間の最終日である。今日明日で出来るだけやっておきたい。
という訳で今日は切り株の掘り起こしに行くんですよ。
掘り起こした切り株の使い道も何かあったらなぁ…うーん…
細かく刻んで肥料代わりにするとか…?うーんそれだけだと勿体無いような気がするな。
ちょっと手はかかるけど椅子とか机に加工するか?東洋ではちゃぶ台なんて言うローテーブルもあった筈だし。
それをちょっと作ってみるか?炬燵と並んでヤーパンを象徴するローテーブルらしいし。
木工工芸品と言ったらヤーパンってイメージが強いぜ。やってみようか。
今日は土に塗れることだからラフな格好で行くぞー。メイクも薄くナチュラルに。
さて、どれだけ掘ればいいと思いますー?軽く?いやいやとんでもないんですよ。
根っこって言うのはとんでもない範囲に伸びていてですね…これが厄介なんですよ。
全部除去?やろうと思えば出来るだろうけど相当掘る必要あるぜ。
まぁだからその根っこを切断するようにスコップを入れていくんですよ。
残った根っこはまぁ…多分そのまま枯れて養分になるでしょ。
世紀末な処理として考えたのは焼く、そう切り株をそのまま灰にしちまうこと。
まぁコレだと根っこまでは行かないのでボツです。燃焼し切るんじゃねーのって?
いやいや燃焼の3大要素思い出そうな?地中に十分な酸素はねーぞ。
燃焼の3大要素は可燃物、熱、酸素だ。
放置してもいいけどそれじゃあ畑にするには時間がかかっちゃうし再生する可能性も出てくる。
結局は掘り起こしてどうかするしか無い。腐らせて肥料にするのが良いかな…?
うーんまぁ掘り起こしてから考えよう、お兄ちゃんと相談しながらでも良いかな。
お手本DVDと同じ光景をやれる様になるにしてからじゃーい!
む?おっぱいがちょっとキツイ…?洗濯でシャツが縮んだか?
あ、いけねミソスープの仕込み忘れてた。さっさとしてから行かないと。
――――――――――――D08基地農業エリア予定地・朝
「よし、やりますか」
メンテンス班にツナギを借りて首にタオルを巻いていざ土に塗れるぞ。
ずらーり並んだ切り株数にして大凡90!全部私が2日かけて切り倒した奴だ。
予定スペースの一回りは大きく切っている。外回りも処理しておくかなぁ…
一個の切り株を処理するのにどれだけかかるか次第だけどこれもまた重労働だなぁ。
因みに計画は進んでいて次の土日で柵の増設と小屋は作られる。
私の頭の中にも設計図は叩き込んでるからうっかりでもしない限りは畑を作りすぎるなんてことぁ無い。
さぁ今日の相棒はこのシャベルだけです。硬い石?んなのガスガス叩けば砕けるだろ。
こういう力仕事ではパワーこそジャスティス!暴力一歩手前位が丁度いいんですよ。
踏み鳴らされた感じのない土は簡単に掘れていく。サクサクと掘り進めていこう。
ん、ここの土は水気が多いな…水捌けはあんまりな感じだな…水はあんまりやらなくても作物育つかなー?
いやいや、やっぱりやったほうが良いよね…多分根っこが吸い上げるだろうし。
根が腐らない程度にって言うのが難しくなーい?土の中なんてわからないよ。
まぁ私に慣れろって事なんだろうな。まぁちょっと掘ればわかるかな?
お…この感じ…やっぱり根っこだ。結構太いな…大回りに掘ってたつもりだけど普通に根っこにぶち当たる。
全部摘出は面倒臭い事この上ない。下手したらコンクリの下にも根を張ってそうだから割り切ろう。
いや待てよ…私は人形なんだぞ?この程度なら掴んで引っこ抜いた方が早いのでは…?
「よ…っこいせぇぇぇぇぇえええ!!」
唸れ私の細腕、この切り株をぶち抜くんだよぉ!恥も外聞もない一抱えする切り株の縁を掴んで引っ張る。
戦闘モードと同じトルクを発揮させたらお、おぉ…手応えが来た。
これは引っこ抜けるぞ。メキメキと切り株にヒビを入れながら指を食い込ませてそのまま引っ張る。
するとどうでしょう、ずるずるぅ…っと切り株が土からオープンゲット。
マジかよ。人形一人いたら重機要らんやん…スコップも土戻す時に使うくらいだね。
バッサバッサと揺すってから土を払い落としてからそこら辺にぽーい。
じゃあこれを残り89回繰り返せば良いんじゃん。はっはっは楽勝。
千切っては投げ千切っては投げってしてりゃ良いんだもん。わーいらーくちーん。
「よっこいせ…のぉ!」
ちょっと腰に来そうな感じだけど…まぁ人形だし腰が逝ったらパーツ交換でOKでしょ。
この調子で夕方までに終わらせちまおう。できればかる~く土を耕せたら良いかなー?
でもこんな事して壊れたら怒られるだろうか?まぁその時はその時だな。
I.O.Pの人形は壊れやすいと聞くけど今の所ぶっ壊したのは被弾して左腕をやったくらいだしなぁ。
ハイパワーで動いていたら壊れたなんて欠陥でしかないし…まぁ大丈夫でしょ。
――――――――――――D08基地農業エリア予定地・昼
特に私が故障することもなく切り株の引っこ抜き作業は昼前に終わらせられた。
ただまぁうず高く積もった切り株は本当にどうしようコレ状態。とりあえずで適当に転がしているけどね。
とりあえずエリアは切り株一個無い土のみになったんだが…まぁ穴ぽこだらけ。
これから土を均してから耕さなくちゃいけない…耕すのが時間かかりそうなんだよなぁ。
あと土が圧倒的に足りてないフラグなんだよね…土を仕入れないといけないんじゃね…?
うん、これ土足らないよ…他から掘ってくるにしてもねぇ…今均しても一段低くなるんだよね…
いや、それでも良いかな?あ、そうだ…あの切り株を再利用して縁を木材にしてみてはどうだろうか?
農作業用の通路にするんだよ…コレだ。じゃあする事はあの切り株をまた材木店に出してその加工だけ…
時間があれば私一人でちまちま切り出せばいいけど来週は私も警備に出なくちゃいけない。
それを考えると出費は抑えられないんじゃないか?まぁ決めるのはお兄ちゃんだけどね。
どうせ小屋を外注で作るんだしそのついでに足場もってなれば良いんじゃない?
私一人でってなったらまぁ…週末か待機週間の間に仕上げるだけだし。
とりあえず今日はもうここまでかなぁ…私の判断でやるのはここまでかも。
昼だしお兄ちゃんに判断を仰ごう。一応意見はガンガンに言うけど…
でもここで農業するとして掛かりきりには出来ないよね。
スプリングフィールドって例はあるけど私は戦術人形なんだ。前線でこそ真価を発揮する。
このくっそ平和な地区でもそれは変わりゃしない。警備に出てこその私だ。
銃より鍬を握ってる時間のほうが長くなったらマズいよね。戦術人形とはなんだよってなりかねない。
んー…どうしたものかなー…もうコレ以上人形は増やさないらしいし…
ダミーに鍬を握らせておくか?作戦行動に連れていけるダミーは減るけど警備中に面倒見させることは出来るよね。
農業って畑を休ませてる時以外はかなり忙しいし毎日見てないといけない。
まてよ、今週で一旦編成を見直すとか言ってたよな…まさかなぁ…
私が外されて基地待機とかなったら間違いなくその先は戦術人形である必要なくなるぅ…!
わ、私以外にも道連れを作らなくちゃ…私だけにさせるもんかよぉ…!
――――――――――――D08基地司令室・昼
「で、意見具申って事ね?」
「うん、私一人でも出来るっちゃ出来るけど…警備もあるでしょ?」
「土と足場と切り株についてはOK、ただ農作業に関しては希望者って事にするぞ。まぁ最悪メンテ連中が暇してるから引っ張りゃいいだろ」
「はーい」
頼むよーメンテナンス班でも私の居ない間の作業をしてくれたらそれだけでいいから。
もっと良いのは私と一緒に農作業してくれる人形が出来ることだぁ。
畑のことって朝早いからスプリングフィールドも出来るんじゃ…
希望者に名乗りあげてくれよー頼むよー…G36とかでも良いんだよ?
「ただまぁ417がずっと基地待機でも俺は良いと思うけどな」
「なんでー!?」
「いや、だってそうしたら毎日副官にしてられるし」
「むぅ…」
副官かぁ…あれ、でもそしたら私色々お手伝い出来なくなるぞー?
私出来ること一杯増やしたけど全部潰れちゃうぞー…?
「いや、ジョークっす。優秀な狙撃手をみすみす潰すかよ…」
「ほっ…」
「そういやスオミが興味深げに見てたし案外乗ってくれるかもな」
スオミかぁふむふむ、それは良い。仲良くしておきたいしね。
しかし優秀な狙撃手かぁ…えへへ、私の価値ちゃんと見てくれてる…
私を必要としてくれてる…私は必要とされている…こんなに嬉しいことは無い。
大好きな相手なら尚更嬉しい…うふふふ♪
「んー…しかしこれじゃ暫く畑は出来ないってことだな」
「一段低くして良いなら別に今から均してくるけど」
「いや、どうせ工事に土は持ち込まれるから…工事を待つことにする」
「はいっ。じゃあ切り株とかも?」
「工事ん時に処分してもらう」
目下の問題はこれでOKかな?じゃあ私の今日の畑作りの前工程はおしまいか。
残りの半日はどうするかなぁー…お姉ちゃんは相変わらずボトルシップか射撃訓練だろうし。
「あ、そうだ今日の夜もバーに来るだろ?」
「うんそのつもりだけど?」
「じゃあバニーで来てくれよ、な?」
「…スプリングフィールドに怒られない?」
「俺から説得しておくからさ、頼むよ」
遠慮なくなってきたな。よしよしそういう事なら一肌脱いじゃおうか。
夜はバニーで埋まったな。まだ予定だけどね…スプリングフィールドが許可するかどうか…
――――――――――――D08基地兵舎共有スペース・おやつ時
「で、お前は俺に絡むのな」
「だってー」
「だってじゃねぇよ俺は仕事中なんだよ」
「お手伝いするから、ね?」
暇を持て余すからメイド服に着替えてからお掃除道具片手に兄さんに絡む。
掃除夫として働く兄の監視も兼ねてるけどね。この怠け癖が簡単に働けるもんかよ。
どっかでだらけるからケツを叩いてやんないと動かないんだから。
「そういやよ、お前指揮官の事お兄ちゃんなんて呼んでるけど」
「親愛を込めてだよ?」
「愛ねぇ…ふーん」
妙に納得した表情で私を見るなぁ…なんだよぅ。
お兄ちゃんはお兄ちゃん、兄さんは兄さんだからね?
「試しに俺をお兄ちゃん呼びとかは?」
「は?死んでもイヤ」
「辛辣ぅ…」
「じょーくじょーく、お兄ちゃんって呼んでほしかったら呼ぶよ?」
「おぇ、吐き気したからいいわ」
「てめぇ」
口喧嘩を交えながらお互いお掃除に精を出す。これが私達兄妹のスキンシップ。
子供の頃と変わらない…性別が変わってもこれは変わりない。
「あ、そうだ。明日のご飯はこっちに食べに来なよ」
「食堂は?」
「基地の全休日は閉まってるよ。私が作ってあげる」
「マジかよ…じゃあ来るわ」
「楽しみにしておけよ、兄さん♪」
「ついでにアケ筐体で遊ばね?」
「おー良いね」
仲良し掃除兄妹は今日も笑い合いながらモップを振るう。
しかし417のモップは時に兄のケツを引っ叩いた。不憫なり兄。
Q:もう戦術人形とはって聞かれる状況じゃね?
A:417「お手伝いだからまだセーフ(震え声)」