元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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夜の帳が下りた休日前のD08基地、今日もカフェは大盛況。
それも417がバニーでご奉仕と来たものだから野郎は挙ってやって来た。


Day58 バーと大人な香り

――――――――――――D08基地カフェ・夜

 

 

「で、スプリングフィールドは許可しちゃったのね?」

「はい、問題は無いでしょうと判断しましたから」

「そういうバーじゃないんじゃなーい?」

「喜ばれるのは間違いないでしょうからね、それにあんなに必死な指揮官可愛らしくて…」

「むぅ…お兄ちゃんの必死な頼み込みには誰も敵わないか…」

 

説得に落とされてスプリングフィールドから端末にメッセージが届いていた。

今日のバーのお手伝いは制服でもメイド服でもなくバニースーツで来てくれってね。

普段は人間人形入り混じっているバーなんだけど…今日はそんなのがバレてるのか見事に人間が多い。

メンテナンス班の若い衆は全員カウンターに座っているしお兄ちゃんもカウンター。

テーブル席にはUMP姉妹とFAL、ストッパー役のG36C…イサカと主任のカップル。

まぁ確かに喜ばれているんだろうけど…こんなに見られながらはちょっとなぁ…

お兄ちゃんだけに見られるなら大歓迎だけど…他のセクハラ目線さぁ…

どうにかならなかったかな…まぁお手伝いに入る以上もう割り切ろう。

 

「おぉ…ブルンバスト…」

「歩くたびに揺れてたまんねぇ…」

「お触りは…?」

「俺はマッマのブルンバストに触りたい…」

 

あーあ、男ってホント単純でバカばっかだわ…元男だけど呆れるばかり。

デレデレと鼻の下伸ばしてアホ面晒してるんだもん…お兄ちゃんも無言だけど鼻の下伸ばしてる。

あとお触りしたら残らず手をつねるよ。私はダミーじゃないから甘くないぞー

 

「来たぞー」

「本体が面白い事してる」

「私達も混ぜろ」

 

ぎゃあ、ダミーが勝手に私のマネしてバニー姿で乱入してきたぞ…

これは…流石にマズいことになりかねないんだけど…スプリングフィールドは?

 

「ふふ、お手伝いありがとうございます」

「「「おー♪」」」

 

おーぅ、このまま手伝わせるつもりだ…これは静かなバーがキャバクラになりかねないぞー…

折角今日はうるさいのが絡み酒の45姉とFAL位になると思ったのにー…

おい沸き立つなメンテナンス班の野郎ども。絶対にお触りなんてさせねぇからな?

 

「417ちゃん」

「ん?」

「酔っぱらいですから…多少は寛容になりましょう?」

「…はーい」

 

なおその後スプリングフィールドのダミーも接客に当るようになり野郎はさらに沸き立った。

一週間の終わりだからってこれ良いのかよ…私はお兄ちゃん専属で接客しろってオーダーだし。

ダミーはそれぞれ分業中、食器洗い、カクテル作り、配膳。

私がしてるのはお兄ちゃんのグラスにお酌してお話を聞いたり至近距離でおっぱいを見せたり。

いや、これマジキャバクラになってなーい?

 

 

「ぐぇ…」

「もうくたばったか、早いな」

「おいどうしたウワバミ、こんなもんかぁ?」

「春田マッマぎゅっとしちくり~」

 

自称ウワバミが何時も通りに早々にくたばってカウンターに突っ伏した。

ダミーが間髪入れずにお冷を出してるけど飲む気配もない。暫くはリタイアだな。

両サイドからちゃちゃ入れが入るが意に介してないな…そして一人まったくブレずにスプリングフィールドに甘えたがってる奴が居る。

そろそろめっ位したほうが良いんじゃない?

 

「ふふ、ダミー?」

「よしよし…何時もお疲れ様です」

「おほぉぉぉぉぉ…」

 

甘える職員にダミーとは言え背中から抱擁して頭を撫でた…だと…?

職員もこれには甲高い声で浄化されていってる…まぁ確かに…何時もお世話にはなってるけど。

 

「お、俺にも…」

「417ちゃん…」

 

レッツゴーダミー、お前らの出番だぞ。私はお兄ちゃんの相手って言う重要任務があるから。

配膳担当とカクテル作り担当ダミーが動いてそれぞれ椅子によじ登って…

 

「「ぎゅー♪いつもありがとうね♪」」

「おぉ…」

「これが…」

 

職員の膝の上に陣取った後そのまま真正面から抱きついて上目遣いに笑顔で感謝を述べる。

ちんまい身体をうまく利用した抱きつき方だ。しっかり頭も撫でているから癒やし効果は高いかな?

あんまりにも癒やされていていやらしい事も浮かばないかリアクションが死んでる。

想像だとそのままお尻とか触ってくるかと思ったんだけどね…そこまで邪な人じゃなかったんだね。

 

「おかわり?」

「ん…」

「はい、どうぞ♪」

 

お兄ちゃんはそんな寸劇を横目に羨ましそうにしながらも私のおっぱいを肴にお酒を煽っている。

グラスが開けば私が聞いてお兄ちゃんが頷いてからまた注ぐ…この繰り返しだ。

 

「お兄ちゃんが望めば…良いんだよ?」

「……あ、いや…」

 

一瞬食い入るようにおっぱいを見て私の顔を見て…迷ったように視線をそらした。

私は真剣だけどお兄ちゃんはどうもそんな私に一歩引いちゃってるな。

ふぅ、お兄ちゃんも人並みに欲はあるんだから開放してもバチは当たらないと思うよ?

ほらあのおっぱいビンタみたいにお願いするだけだよ?

 

「そういうのはイケないと思います!」

「あはは、真面目だね、お兄ちゃん」

 

そんなお兄ちゃんも私は大好きだよ。頭撫でてあげるね。いつもの逆だけど…

 

 

――――――――――――D08基地カフェ・深夜

 

 

夜の帳が下り日付も変わった頃、騒がしかったカフェ内部はしんと静まり返っていた。

お手伝いに入っていた417は酔い潰れた職員を担いで運んでいきもう居ない。

残っていたのはマスターであるスプリングフィールドと淡々と酒を飲んでいた指揮官だけだ。

 

「なぁスプリングフィールド」

「はい?」

「ちょっと一緒に飲まないか?」

「……」

 

指揮官は琥珀色の液体のボトルを指差しながらスプリングフィールドへと語りかけた。

据わった目は有無を言わさないつもりかスプリングフィールドの顔を射抜いていた。

 

「少しだけですよ?」

「助かる」

 

しょうがないですね…とため息混じりに皿洗いの手を止めた。

そっとスプリングフィールドはカフェの立て札をCLOSEDへとしてからバーカウンターへと座る。

指揮官の隣に座ってからグラスを並べる、指揮官と同じくウィスキーをロックで飲むつもりなのだろう。

ボール状に削り出した氷を一個だけ入れたグラスが2つ…薄っすらとした照明に照らされ並ぶ。

ウィスキーが注がれ氷が溶け小気味よい音が鳴っていく。

 

「はぁ…417のからかいには困る。Mk23のあのアプローチにもだよ…」

「あら、あれは本気ではないでしょうか?」

「君まで…俺はそんな良い奴じゃないんだぞ…」

「ではなぜああも慕われているんでしょうか…指揮官が自分で思ってるほど悪いとは思いませんよ?」

「そりゃ…人形は元から指揮官に好意的になるんじゃねーの?」

「あら、それは違いますよ。乙女心はそんな簡単な物ではありませんよ」

 

指揮官は悶々としていたのだろう胸中をぶちまけるようにバーカウンターに突っ伏しながら吐き出し始めた。

お酒をちまちまと飲みながら苦笑交じりにスプリングフィールドはそんな指揮官に語る。

確かに戦術人形は指揮官に対して忠実ではあるが好意的になるように仕向けられているかといえば…NOだ。

愛情を抱く様に仕向けられた人形はどこにも居ない。雑に扱われれば失望していくし。

逆に真摯に対応し作戦行動や日常を過ごしていけば情が芽生えてそれが友情、敬愛、親愛、恋慕へと変わっていく。

 

「ふふ、それに…真剣に指揮官の事を想っている人形は417ちゃんやMk23ちゃんだけじゃないんですよ?」

「……」

「指揮官はお気づきでしょうか…」

「……いや、俺は」

「すぐ傍に、居るんですよ?」

「え?」

 

突っ伏していた指揮官が顔を上げスプリングフィールドの方を見れば…

酒気にやられたか頬をほんのりと赤く染めて目を潤ませじっと見ていたのである。

驚き固まる指揮官に対してスプリングフィールドは行動に移した…

撓垂れ掛かる様に腕に抱きつきたわわな自らの双丘を押し当て肩に頭を預ける。

人工物とは思えぬ柔らかな感覚とほんのりと熱い肌に包まれ指揮官の顔も真っ赤に染まっていく。

 

「す、スススプリングフィールドさんっ!?」

「私だって…望まれればやぶさかではないのですよ…?」

「は、はひ…」

 

指揮官が出す声は上擦りガチガチと全身が固まってしまう。

固まる指揮官の胸板の上をスプリングフィールドの指先がくるくると円を描き踊る。

首元に熱を孕んだ吐息が掛かる。頬はスプリングフィールドの香りの良い髪が撫でる。

耳元で囁かれる甘言は指揮官の脳髄を蕩けさせて行く…そして理性というものをガリガリ削っていく。

指揮官の脳内ではエマージェンシーコールが鳴り響いて止まない。

酒を飲ませて愚痴を吐いたのが不味かったか。それともスプリングフィールドの酒癖なのか?

後悔がぐるぐると渦巻いていく。どうしてこうなったと…

 

「いつも見られている所だけじゃなく…全て、捧げても良いのですよ?」

「……そ、それは」

「……ふふ、なんて…本気ですけどまだ指揮官には早いですよね♪」

 

抱きついてない腕を取られそのまま豊かな胸元まで手を導かれ…生唾を飲む事になった指揮官。

目は釘付けで触れたそうに指がエプロンの表面を撫でた時だ。スプリングフィールドは呆気無く離れた。

赤ら顔はそのままだが茶目っ気たっぷりにウィンクしてからウィスキーを煽った。

指揮官は半分からかわれていたのである。ホッとした反面残念にも思う指揮官はがっくりと肩を落とした。

 

「心臓に悪い冗談は止めてくれ…」

「ふふ♪でも好意は本物ですからね?指揮官。417ちゃんとMk23ちゃんの好意もそうです」

「……そうかい」

「えぇ、そうです」

 

カラン、グラスの氷が鳴る。指揮官は湯だった様な頭を振って残りの酒を煽り席を立つ。

このままスプリングフィールドと一緒に居ては理性というものが無くなってしまいそうだったのだ。

 

「今日はもう寝る」

「一緒に寝ましょうか?」

「す、スプリングフィールド!」

「冗談です♪」

「ったく…」

 

最後の最後までスプリングフィールドにからかわれる指揮官であった。

ただ揉んでみても良かったかな…とほんのり後悔もしたのであった。




色気ってこうですかわかりません!!
この反応からも分かるかもしれないがこの指揮官童貞だからな!
ただここで春田マッマに指揮官食われると417がヤンデレ化する未来が確定するのでボツじゃーい。
IFで頑張って書いてみようかと思うけど…需要ある?

*追記*

指摘どうも、細かい所だけど句読点大事よね。
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