元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:カカオの錬金術師
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細かい所はツッコミ無しで頼みますぅ


番外 ひな祭り

「ひな祭りすっぞ」

「はい?」

 

それは突然のことだった。お兄ちゃんの号令で始まったことだ。

またヤーパンのお祭りごとみたいだ。今回のは節分とまた違ったもので女の子の成長を祈る行事らしい。

女の子が多いこの基地ではやるみたいだね。まぁ成長なんてしない人形ばっかりだけど。

そんな夢のない事は言いっこなしで開催するお祭りだが…如何せんヤーパン文化の物は少ない。

どうするかって話しなんだけどお兄ちゃん曰く伝手があるからなんとかなる…らしいが…

 

さて、ひな祭りについて解説しようと思う。データルームの文献そのままなんだけどね。

起源は諸説あり詳しくは不明だが時はヤーパンの平安時代、A.D794から大凡390年間の間とされている。

儀式などではなくただのお遊びから始まったのがこのひな祭りらしい。

貴族の女の子がスケールの大きいお人形遊びをしていたのが始まりみたいだ。

その他にもお人形に悪いことを乗っけて流す流し雛なんて行事もあるらしいがそれはまた今度。

開催時期は毎年3月3日、旧暦では現在の4月3日だが大体3月の方で開催される。

旧暦では桃の開花時期でもあるから桃の節句なんて呼ばれていたりするらしい。

雛人形は最初は3段・10体の人形で構成されていた。一番上が内裏雛。

王と女王を模して作られた人形だ。時の皇室の婚姻に合わせて作られたりするらしい。

二段目が三人官女、女中になるのかな?真ん中に配置される人形は既婚者って設定だって。

三段目が五人囃子、ヤーパンの能って文化の演奏家の人形だ。

向かって右から小さい楽器が並べられているのが特徴だ。

これが一番最初のベーシックなお雛様らしい。今回はこれを作るのかも。

更に大型のお雛様だと四段目、五段目とあるのだがそれは割愛。

衛兵だったり嫁入り道具の云々とかはもう良いでしょ?作る会社によって追加があったりめんどくせぇ

 

んで、飾り付けにはお菓子とかもあるんだが…菱餅っていう三色の物と四色の雛あられって言うものがある。

そうお料理があるんだ。私の出番なわけですよえぇ。

菱餅から説明すると健康を祝うための物らしい。分類はお菓子。

色合いは赤・白・緑の三色。赤って言ってもピンクみたいなものなんだけどね。

まんま桃をイメージしてるとかなんとか。白は清浄を表し緑は元気な若草をイメージしてるんだって。

つまり何が言いたいかって?この菱餅は大地を表しているそうだ。スケールでけぇなヤーパン。

で、この餅って言うのがなかなか手に入らない。そりゃそうだヤーパンのソウルフード、ライスとはちょっとまた違ったものなんだ。

餅米っていうまた変わった物が必要になる。半世紀前ならタイで食われていたものだけどね。

今となっては嗜好品の類いに分類され入手は結構困難だ。

育成も専用の畑を作らないといけないし新鮮な水だって必要だ。これが厄介。

でまぁそんな餅をお兄ちゃんはどこからか仕入れてきたから菱餅に関しては問題なし。

合成色素?んなの混ぜたらお兄ちゃん達が食えないだろいい加減にしろ。

勿論混ぜるのは天然由来の物だ。幸いその手の色味をつける物には困らないのさ。

ヨモギの葉っぱとイチゴで代用だよ!甘いお菓子だから良いだろ?

で、雛あられは街で購入してきたものがあるらしい。

だから私がするのは餅に色味をつけるためにこねこねするだけ…

材料があれば私がイチから作ったんだけどね…餅米め、いつか栽培してやろうか?

 

 

――――――――――――

 

 

さて、雛人形なんてものは無いのだがどうやってひな祭りをするのか…

 

「お兄ちゃん、肝心の雛人形が無くない?」

「なーにんなのはこう言うので代用しちまっても良いのさぁ」

「えぇ…」

 

代用すると言って持ち出したのは私のお部屋に沢山並べられているぬいぐるみだ。

いや持って来いって言ったのはこういう為だったの?

ファンシーなぬいぐるみの上になにか飾りを乗せてそれでおしまい。

これでいいのかひな祭り。もっとヤーパンらしい衣服とか着せなくていいの?

 

「それより417、お前に折り入ってお願いがある」

「え、何かな?私に出来ることなら何でもやってあげるよ!」

「じゃあな…歌ってもらいたいのがある」

 

ふむふむ?ひな祭りの定番ソングを歌ってほしいとな?なるほど。

スオミも一緒にときたものか。歌上手いスオミと一緒ならまぁ間違いはないね。

さらに追加注文でI.O.Pから衣装が届くからみんなで着てくれとな…ほうほう?

男衆は準備があるから行くからって…ふーむ?

とりあえず私はスオミと楽曲の確認と歌唱の打ち合わせだな。イクゾー!

 

 

「一緒に歌を…ですか?」

「そうそう、お兄ちゃんたっての希望だよ」

「どんな曲でしょうか…メタルですか?」

「いやいや…ヤーパンののーんびりとした曲だよ」

 

わらべ唄って物かな?子供でも歌える簡単な曲だ。のんびりした曲調もあって歌いやすい。

スオミなら一発で暗記出来るだろうし後は三回程合わせて歌えばバッチリでしょ。

DolTubeから検索かけて出てきた曲を流す。意味は分かっちゃいないけどね。

 

「ふむふむ…」

「歌えなくはないよね?」

「ですね、これは歌いやすいです」

「じゃあ合わせて歌ってみましょ♪」

 

「「あかりをつけましょぼんぼりに~♪」」

 

 

――――――――――――

 

 

「で、全員に届いたのがコレって?」

「ヤーパンの着物…かしら?」

「にしても重いわ…何枚重ねてるのよ」

「十二枚?」

「ウッソだろ」

 

I.O.Pから輸送されてきたのはほぼ全員用に誂えられた十二単衣っていうヤーパンの着物。

ほぼ全員ってのがミソで…なぜか45姉のだけがね…

 

「で、何で私だけ違うのかしら~?」

 

男雛って呼ばれてるものと同じものだったりした。笑顔だけど青筋走ってなーい?

おぉ怖い怖い…I.O.Pは全員自殺志願者なのか?いくら45姉のおっぱいが平らだからって

 

「へぶぅっ…」

「何を考えてたのかしら~?」

「鼻を捻ってから言わないでよ…」

 

私だろうと問答無用で鼻をやりに来るのに…I.O,Pの職員だったらへし折られるぞ…

まぁ多分だけどお兄ちゃんの意向じゃね?あれをさせたいんだと思うけど…

お外でガチャガチャ音がしてるし私の予想がほぼ正解だと思うな。

となると私とスオミの立ち位置とかも決まってくるかな?

 

「皆着替えたな。おぉ美人美人…次は外に出てくれ」

「了解」

 

総勢20名の人形が外に出ると…そこにあったのは7段にもなるでっかい段々台だ。

まぁやることは一つだろうな。私達でスケールのでっかい雛人形って所でしょ。

当然一番上に登るのは…UMP姉妹だ。これには45姉もにっこり。

で私とスオミは上から三段目に配置。後は結構適当だったり…三人官女の真ん中はイサカだった。

それぞれ小物があったりしてI.O.Pの芸が光る。私に持たされていたのは太鼓だった。

 

「じゃあスオミ、417頼んだぞー」

「「了解!」」

 

雅な音楽が流れてきてあとは私とスオミが歌い上げるだけだ。

今日は楽しいひな祭り。いい思い出になったかも♪

あとは皆ポーズを取ってから記念撮影。D08基地総出での思い出となった。

 

 

――――――――――――

 

 

「そういや雛人形って片付け忘れると嫁ぎ遅れるって言われてるんだぜ」

「それも諸説あるけど躾の一環だったって言われてるよ」

 

曰く春の物だから飾った後季節が変わる前に片付けるようにっていう躾だったらしい。

それが何代も語り継がれていつしかそんな風に言われるようになったとか。

それにしても雛あられ美味しいな…これ自作してみたいな…

この手軽に食べれるおやつ感覚がたまんない。コレに近いもの作れないかな。

この基地には居ないけど餅ってなにげに危険な食い物だったりする。

子供や老人のような喉が弱い人は食べたら喉に詰まって窒息する事がある。

人畜無害そうな顔してなんとやらみたいな物だ。

菱餅もそういう危険性もあるから気をつけようねって話さ!

 

「あ、でもさ…こう言えないかな。そもそも私達は嫁いでるってさ♪」

「どういうこったよ」

「だって親元はI.O.P、私達はこの基地に嫁いでるみたいなものじゃん」

「ほーぅ?」

「それに…もしも嫁入り出来なかったらお兄ちゃんが貰ってくれるでしょ」

「それは考えておく…」

「前向きに考えてくれるとありがたいなー♪」

 

私は後にも先にもお兄ちゃんの元に嫁ぐことを考えてるけどね。

だから私が稼働できる限り末永くよろしくおねがいしますね。私の大事な指揮官さま♪

 

「何考えてんだ?」

「ないしょー♪」

 

教えるわけないじゃ~ん。菱餅うまー♪




こういう遠回しな告白されたい人生だった。


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