元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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ダイナモ感覚ダイナモ感覚!
コラボから来た人ごめんね、基本的に番外は時間軸別にしてるから!
そうじゃないとゴッチャゴチャになっちゃうじゃん?


Day66 増幅カプセルフィーバー

――――――――――――D08基地HK417私室・朝

 

 

突然だが増幅カプセルって言うものをご存知だろうか?私達人形の性能をどうやってか上げてくれる不思議なカプセルだ。

私達の電脳は戦闘データの蓄積によって最適化が重ねられていく。

だが躯体はそのままなんだ。最適化に合わせて躯体の性能も上げていかなければならない。

というか工場出荷状態がリミッターがかかってるような状態かな?

とにもかくにも私達の躯体の瞬発力だったり筋力を上げたり…んーまぁ端的に言えば強くなるヤツ。

先日の夜にI.O.Pから入荷してから各人形に配布されたんだが…私のはまぁ量がアホみたいに多い。

簡易チェックで私の最適化段階はかなり行っているみたいでダミーリンクももう一体追加できるそうだ。

そんなこんなで私はかなりハンデを負った状態での戦闘を繰り返していた状態なのだ。

いや、アホかと思うけどこの増幅カプセルがなかなか貴重なんだって。

支給される時はドバっと来るけど一ヶ月に一回あればいい程度って言うのがお兄ちゃんの言。

アホみたいに大量に飲まなくちゃいけない私は小分けに飲めって言われたけどどういうこっちゃ。

何かあるんなら一気飲みしたらどんな弊害があるとか教えてくれてもいいじゃないの?

 

「試しに一つ…」

 

ぽいっと口に放り込んで飲み込む…特になにもないな。うん…よくわからん。

遅効性なのかもしれないけど…うーん生体部品が多いしそれに作用するのかな?

それともナノマシン的な何かで…うーん詳しい事はわからん!

 

「うぇーい!!417あっそぼー!!」

「うぉ!?」

 

普段からテンションがアホみたいに高いG28がさらにテンション上げ上げで突撃してきた。

ほっぺたには増幅カプセルがくっついてる…おいまさかと思うが過剰摂取はこんな事になるのか?

扉の外はいつもより騒がしいな…共有スペースも地獄絵図なんじゃないだろうか?

聞こえてくる声を聴く限りはお姉ちゃん、UMP姉妹、G11、スオミ、G36が騒いでるのか?

見事なまでに多く配分された連中で笑いが浮かんでくるな…そういう薬なのか、あん?

 

「はいはい、遊んであげるけど」

「わぁいじゃあ417で遊ぶー!」

「それはまtぎゃー!!」

 

テンションあげあげなG28は私に突撃かましてきて私をそのまま押し倒してきた。

私で遊ぶってなんやねんって思うんだけど私が飲むはずの増幅カプセル掴んで…おい何するつもりだ!?

 

「もごもごもごぉぉぉぉぉおおお!!!?」

「そーれもっと食べちゃえー♪」

 

口いっぱいに増幅カプセルを突っ込まれて無理矢理に私は大量に飲まされ…

 

 

――――――――――――D08基地共有スペース・朝

 

 

「417はどこ!ここ!?417はどこに行ったー!!」

「45姉~♪」

「9~♪」

「YoYoYo聞いていけYo私のラップをYo」

「ロシア死すべし、慈悲は無い」

「汚れは全てチリ一つ残さず消滅させます」

「おねぇぇぇさまぁぁああああ!!」

 

普段はわりかし静かな朝な筈のD08基地の兵舎はもうてんやわんやの大騒ぎになっていた。

主に増幅カプセルキメすぎて頭がおかしくなった人形による乱痴気さわぎだが。

UMP姉妹は人目を憚らず二人の世界に没入してから乳繰り合いを初めてからG11はラジカセでDJの真似事。

416は417を探してあっちこっち駆け回り探されている417は自室からG28を抱えたまま飛び出してきた。

スオミはどこから取り出したのか真っ白なメンポをしてから両手を合わせ深くオジギをしている。

G36はなにか悪者顔でお掃除に精を出していた。何この惨状。

 

「FAL…」

「見ないであげましょ、そのうち素面に戻るから」

「あぁキメすぎね」

「みたいですねー…」

 

このあからさまにおかしい惨状に第1部隊のメンツは揃って納得した様子で遠い目をしていた。

かつては自分達が通った道とFALは苦笑いして連中のどんちゃん騒ぎを見守っている。

ラリってる間に何を狂って銃器を取り出したりしたらまずいので鎮圧要員だ。

 

「お姉さま!お姉さまぁぁぁあああああ♪」

「417ァ!」

「416~私も混ぜて~!」

 

一番ラリってるのは摂取量が多い417だった。普段のキャラは完全に崩壊して416に飛びついて押し倒す勢いで抱きついた。

指揮官への愛情が一時的に416に向いているのではないかと思わんばかりのデレデレっぷりである。

G28も混ざってHK3姉妹は416を下敷きにでっぱいな妹がマウントを取る形に。

416と417とG28のブルンバストが潰れあって見事な光景がそこにはあった。

416は416で変なテンションで417を抱擁して頬擦りしていたりG28にもキスしてたり。

わー仲睦まじい姉妹だなーと言いたくなる光景を作り出していた…テンションにさえ目を瞑れば…

 

「ウォッカ死すべし!イヤーッ!!」

「ゴミを検知、排除します」

 

スオミはロシアの匂いがすると常日頃から嫌っていたウォッカを瓶ごとスゴイ=シュトウで叩き割り散らかして…

G36がそんなゴミと化したウォッカ瓶を即座に掃除回収して拭き取りまでするパーフェクトぶりを発揮。

 

「これは素面に戻った後が地獄ね…」

 

FALの呟きはラリった人形達には届くことはなく無情に掻き消されていた。

 

 

――――――――――――D08基地司令室・昼

 

 

「だから言ったじゃん一気に大量に服用するなって」

「G28に無理やり飲まされたんだけど…」

「417は無罪」

 

大体私が正気を失っていたのはかれこれ3時間か。このメンツの中で一番ラリってた時間が長かった。

一番服用数が多かったからね。なおこのラリっていた間の記憶はバッチリあります…

お姉さまって言うキャラじゃなかったしお姉ちゃんをばちくそ押し倒してちゅっちゅしてたし…

もうちょっとラリってる時間が長かったら事まで致していたんじゃないかと思う…

というかお兄ちゃんが居なくてよかった。お兄ちゃんを見てたら多分押し倒して…してた。

正気に戻ったお姉ちゃんは暴走シスコンになった私を押し返しながらG28も捌くっていうことをしなくちゃならなかった。

まぁ言っちゃえば私もG28みたくなってたんだからね…正気に戻った後ゲンコツもらった。

 

今日の出撃はラリった私達は使い物にならなかったから正気だった私以外の第3部隊で行ったらしい。

よって私は午後に出撃する第4部隊に回されることになった。お姉ちゃんと一緒に出撃だぜ。やった♪

ついでに今まで出撃待機になっていたスオミとG36の配置も決定。

G36は第1部隊配属、スオミは第2部隊に配属になった。それぞれ活躍してくれることを祈るばかり。

 

G28はというと…今は私に無理矢理増幅カプセルを大量に飲ませた罰を受けてる。

その罰っていうのが…ゲーマーの私がブチギレて投げたクソゲーの数々のRTAだ。

今回させてるのはGetting Over It with Bennett Foddy 通称壺おじさん。

金壺になるまでやらせるっていうクソの所業をさせるのだ。一回クリアするのに一体何回リトライするかなー?

 

「お姉ちゃん」

「何、417」

「そのー…ごめんね?」

「良いのよこっちこそつい殴ってごめんなさい」

 

さて私達はお昼がすぎれば出撃だ。馬鹿騒ぎは一度忘れてお仕事です。

躯体の調子も見たいしね。私自身正気を失ってる間のポテンシャルがアホみたいにあったみたいだし…

日常生活でははっきりした違いは出てこないけど…いくらか機敏になったかな?

戦闘時の限界挙動でようやく見えてくるのかも。

支給が遅れたのは暴走しないかどうかの安全を見てたのかもね。

そんなことを思いながらも私達はお兄ちゃんにお小言を貰っていました…

 

「そろそろお昼食ってきな?」

「「「「「はい」」」」」

 

さて、今日のお昼ご飯は何かな?この4人と食べるのは久し振りな気がする。

 

「正座って足がしびれるわね」

「そう?私は全然平気だったよー」

「眠い…」

「起きなさい、417はおんぶしようとしない」

「「いいじゃん…」」

 

正気に戻ってもまだ少し騒がしい私達でした。

正座は私は別に問題なかったよ。姿勢が良くなって私は好き♪

 

 

――――――――――――D08地区前線・夕暮れ

 

 

「じゃあ~ぼちぼち~」

「待って、敵だよ。3時の方向、数は25」

「了解!」

「こっちでも捕捉したわ、突撃」

「うぇ~…しょうがないなぁ…」

 

カメラ性能は変わらないけど分析能力は上がって気がする。

双眼鏡を覗いて以前ならじっと見て無いと分析できなかった物が一瞬で見分け付いている。

さらに射撃フォームへのシフトもスムーズになって各部に掛かるトルクも段違いだ。

これならフルオートで射撃しても問題なく狙撃できそうだ。

 

「417はそのまま狙撃に徹して、展開するわよ」

「その必要は無いね」

 

断言できる。その前に私が全部片付ける。G11も狙撃に移ろうとしたが私の方が有効射程は長い。

さらに言えば私は狙撃に長けたRFの人形だぞ…ARに遅れは取らない。

セレクターをセミにしてからスコープを覗く。標的はいくつも見えるが右端から順に潰す。

1つ、2つ、3つ…引き金を引く度に銃声とマズルフラッシュが上がり鉛玉が飛んでいく。

20発叩き込んで全部クリーンヒット、一発で機能停止に追い込んでいる。

 

「リロード」

 

マガジンを交換してチャージングハンドルを引き5発叩き込んで…おしまい。

 

「ね、言ったでしょ。展開するまでもないって」

「そうね~417が居るなら私達が動くこともないか~」

「よくやったわ417」

「寝ていい?」

「置いてっちゃうぞー?」

「あだっ…蹴らなくてもいいじゃんか…」

 

躯体のレスポンス、スペック…どれも上がってるな…これが人形の本当の脅威か。

益々もって人間は人形には敵わないな…I.O.Pの人形も反旗を翻したらまずいね…

多分今なら鉄血の一般兵なら殴り殺せるな。手を潰しかねないから応急の応戦手段になるけどね。

寝るとか言ってるG11を蹴って起こしてからキビキビ歩かせる。

 

「私は完璧な姉を持つ417よ?これくらい簡単よ」

 

その後接敵が多くて弾切れを起こして榴弾狙撃することになったけどね。

私は榴弾でも狙撃できる完璧な狙撃手だよ?




417が化物じみてきたけどこの作品にハイエンドは出る予定ないからフレーバーなのよね

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