って事でちょっとスポット当ててみました
――――――――――――D08基地ダミー用兵舎・朝
「んぁー」
「おはよー私」
「おはよー」
「眠い!」
ぞろぞろと出てくるのは417ダミーの群れ。起きるのが早いのは本体譲りである。
他の部屋からはダミーは出てきていない。つまりは417ダミーが一番なのだ。
「どうするー?」
「「「指揮官の所に遊びに行こー!」」」
今日もわらわらと元気溌剌で指揮官を囲いにダミーは行く。後に本体にお説教されるのだが…
今日の主役は何時も騒がしい417ダミーではない。別な人形達である。
「ふぁーぁ…」
「農作業…んに…」
鈴の転がるような可憐で眠たげな声をあげたダミー人形、スオミだ。
出撃前の農作業の為にわざわざ起き出してくれたのである。健気…
スオミ本体も来るのだがそれに加えて417本体が来てから農作業は進められる。
備え付けの洗面台でパシャパシャ顔を洗ってから眠気覚まし。
「「よし、今日もお芋のご飯をあげましょう!」」
農作業を始めて一週間近いがまだ朝早くからの作業は慣れていない様子。
銃を握る前に如雨露を握る姿は平和的でとても良いのだが…戦術人形としてはどうなのだろう?
まぁ本人達は至って楽しげなので指摘するのは無粋というものであろう。
身支度してから畑へと向かうスオミダミーに続いて起き出してきたのは…
「榴弾ねじ込む…」
「ターゲットはどこ?」
「指揮官に今日こそ褒めてもらうわ…素直に…」
「それよりワンちゃんをモフりにいかない?」
「トリガートリガートリガー」
「弾幕ばらまくのぉぉぉおおお!!」
「やだこいつら」
「そんな事より爆弾投げようよ」
「あら、汚れ…」
「出撃準備前、掃除は後」
第1部隊のダミー連中だ。出撃前という事もあって戦闘モードに近い言動だ。
それぞれ武装してからギャーギャー騒いでいるのでまだ寝ているダミーにはいい迷惑だろう。
見事なまでにバラバラなことをしようとしているが戦闘となれば一糸乱れぬ動きをするのだ。
因みにダミーにこうして兵舎を与えているのはD08地区くらいだろう。
大体は倉庫か…カプセルのような収納庫に収められてるものだ…
「出撃用意!ヘリに行くわよー!」
「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」
「お静かにお願いします」
「怒りますよ?」
「「「「「「「「「「はい…」」」」」」」」」
ダミーのパワーバランスも本体達と似たり寄ったりでスプリングフィールドがキレたらダミーの方も阿鼻叫喚らしい。
因みにこんなやり取りは毎朝行われている。すぐに忘れるからダミーとしては別に良いのだろう。
――――――――――――
それぞれのダミーが起き出して最初にする事は各々別だがその後必ずやることがある。
食事だ。しかしながらダミーは食堂には行かない。食すのは大概はMPE…
つまりは配給なのだ。死蔵するのは勿体無い…しかし好んで食べる者も居ない。
そんな中特に文句も言わず食べると言うことでダミー人形に白羽の矢が立ったのだ。
数多くのダミーは倉庫から配給を取るとその味気ない食事にありつく。
別の基地ではこれが当たり前で人形はそもそも食事をともにするということも無いのかもしれない。
ただこの基地はどこまでも人形に甘い…当然その配給だけで終わらせるわけもない。
「はい、ダミー達お菓子だぞー」
「「コーラ!!」」
「このチョコレートをいただきますわ」
「うまうま…」
「「417ー!」」
「「ぎにゃぁ!」」
「「たすかったー」」
食事中は静かなのだが一度だれかが口を開けばドッタンバッタンとしてから騒がしい。
SAAのダミーは本体と変わらずコーラを常に欲してお菓子の代わりにコーラを要求する。
というか戦闘中以外は口を開けば取り敢えずコーラ。その身体はコーラで出来ているのか?
G36Cのダミーは本体と遜色ない気品を持っているがどこか抜けている様に見える。
そしてG28は本体が拗らせてからはダミーは417にぞっこんと言った様子で事あるごとにダミー同士で抱き合っている。
417ダミーの数は4体に登る為二人生贄にしてしまえば後は平和なのだ。
416ダミーにも反応を示すが抱きつくほどではない…何が違うのだろうか?
スプリングフィールドのダミーは少し離れた場所で静かに配給を食してからカフェに向かう。
食事を共にしているイサカは終わり次第主任の所に向かうことだろう。
朝から昼に向けて支度があるのだ。ダミーであっても出来ることは多い。
「遊ぶぞー!」
「バトミントンを持ったかー!」
「「ちょっと待ってー」」
食事を終わらせてから飛び出してきたのはスコーピオンとM14のダミーコンビ
ダミーではかなりの仲良しでしょっちゅう遊びに興じている。
そしてM14が割とさり気なく手を抜いて負けてあげていてスコーピオンの機嫌をとってたりする。
Mk23のダミー?本体の所で勝負下着についての作戦会議だろう。
Uziはひたすら寝まくる、G11も顔負けな程寝まくる。
UMP姉妹は出てこないしG11も出てこない。416は出てくるが大抵書類を読んで暇をつぶしている。
「そっち貸して」
「ん…」
読む本は交代交代だったりダミー同士で無言でやり取りしてたりする。
そして揃って妹分の喧騒を耳にしながら優雅に読書を続ける。
――――――――――――
夕方になるとG11が出てくる。マイ枕を抱えてどこへ行くのかと言えば本体がどっかで寝ているのでそこに集まるのだ。
お互いの体温が暖かいので陽だまりの中で寝ていると心地いいのだとかなんとか。
ねぼすけのG11が出ていってもUMP姉妹は一向に出てこない。
G11に問うても答えは帰ってこず416も微笑みでごまかすばかりで明瞭な返答は無い。
作戦行動時にはちゃんと出てくるから詳細不明でも不問なのだ。
「おー本体~」
「まぜろ~…」
「くかぁー…」
三人揃って眠るG11は基地の何処かで定期的に見られる。
基地待機の場合は特に怒られることもないG11にとっては天国だろう。
「掃除の邪魔なんだが…」
ただしそこが掃除がまだな場合は一人に迷惑をかける。
掃除モップを担いだ417の兄が眠るG11の傍でため息を吐いていた。
気持ちよく寝ているG11を起こすのは忍びなく…かといって掃除しないわけにもいかない。
「どうしたの?」
「あー416か、この寝坊助がなー…」
「G11が邪魔なのね?遠慮なんかする必要ないわよ」
「「「ぎゃん!?」」」
ちょうど良く通りかかった416本体が容赦なく蹴り起こす。
手慣れた様子で蹴り起こすと布団を剥ぎ取ってから温もりを奪う。
「こんな所で寝てないで兵舎で寝てなさい!風邪引くわよ」
「おーおっかねぇ…」
「ちぇー…なんだよぅ、どこで寝ても良いじゃんか…」
「「このおかんうっさい…」」
「あ"?」
ぶつくさ文句を言うG11に追加のゲンコツが降り注ぐのは語るまでもない。
叱る416にオカンやお母さんなんて言うのは厳禁なのだ。
「あー助かったわ、さんきゅーな」
「別に、偶々よ」
――――――――――――D08基地司令室・夜
「お兄ちゃん何見てるの?」
「ん?社内報」
「何か目新しいのがあったの?」
「いやー特に…」
そう言って私に投げて寄越した。読んでみろって事かな?
「そう言えばだけど…ダミーにも兵舎を与えてるのって珍しいらしいね」
「んーまぁそうだな。つか物好きの部類だな」
「どうしてそこまでしてるの?」
「いや、ダミーだって人形だし感情だってあんだろ?なら最低限でも環境は整えてやんないとさ」
「なるほど」
かなりの甘ちゃんだけどうん、士気はかなり高いしON/OFFの切り替えでなんとかなってるしね。
整える利点もあると思う。他の基地のダミーはどうなんだろうね?
整えなくても戦えるのがダミー人形だし私達人形だけど…
まぁそのお陰でダミーが結構自由に色々やらかしてくれるわけだけどね…
さて、社内報はなんだろう?S04地区の黒い噂話とS03地区の事か…
あとはS06地区の基地全滅と再建のお話か…こういうのは絶えないなぁ。
もっと明るい話をもってこいよチクショウ…ほらS09地区の結婚話とか載せても良いんじゃないの?
社内で人形と結婚したおめでたカップルみたいな感じで大々的にさぁ…
あ、それ言ったらS03地区の指揮官も結婚してたりするんだっけか…
各基地の大雑把な事は社内報で知れるし…うーん、お兄ちゃんも結婚したら載ったりするのかな?
「平和にならないね…」
「ま、こんなご時世だからな」
コーヒーを啜りながらため息を吐くお兄ちゃんの視線は私に向けられていた。
「早いところ平和になってくれりゃ俺も遠慮なくおっぱいおっぱい言ってられるんだけどよぉ」
「あははは…別に平和じゃなくてもそれは良いんじゃない?」
「そうかねぇ?」
「私は別にお兄ちゃんの裁量でそういう振る舞いもしても良いんじゃないかなって…思うよ?」
「そうかぁ…ま、一意見として取っておく」
平和になったらその時は私は貴方の傍にずっと居たい。
そうじゃなくても貴方が望むのなら私はなんだって差し出してみせる。
「じゃあ417の…いや、やっぱ良いっす…」
「なんだよぅ」
「「「「よう、ヘタレ」」」」
「ヘタレちゃうわ」
わちゃわちゃ感出てるかなー?