元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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416襲来、417はゲロる


Day8 ピクニック前線「ゆるフロ」

D08地区所属、HK417です。

今日はとても胃が重たい…カレー食べたからじゃないわよ。

例の人形が来ちゃう…鉢合わせになっちゃうの!

絶対私を見たら卒倒するし私もストレスで倒れる…!

やだぁお家帰るぅ…ここがお家だった…

 

「ふぅ…よし、覚悟完了」

「ダーリンに挨拶に行く?」

 

起きてたの?作戦時間よりはずいぶん早い時間だけどMk23はもう起きていた。

私も言えた立場じゃないけど…私達第3部隊は作戦開始時間が昼過ぎと遅い。

治安維持任務だから見てきて鉄血適当に潰して戻る。

規定偵察範囲を警備して終わり。接敵がなければ暇を持て余して終わる任務。

ましてや私からしたら的当て待ったなし。

次はパーフェクトゲームに持っていってやろうじゃない。

…Mk23の言う挨拶は謹んで辞退した。

今はあんまりストレス抱えたくないわ。

 

 

――――――――――――D08基地食堂…朝

 

 

「あら、早いわね…もう慣れた?」

「FAL…えぇ、まぁ」

「そう、なら良かったわ…その着崩し、センスあるわよ♪」

「…」

「拗ねないのー♪」

 

どうもこのFALという人形は苦手だ。

事あるごとにからかってくる。年下をおちょくるように。

私は清々しい気分で朝食を戴くはずだった。

隣に座ったこのお姉さん系おちょくり人形が来るまでは…

拗ねてるのがバレて逆に喜ばれてしまった。

 

「そう言えば聞いた?HKのお姉さんが来るらしいわよ。」

「知ってます…416でしょう?気が重いです…」

「あらら…喜んでると思ったら…」

「416の性格上私をどう思うと?」

 

喜んでないやーい。卒倒させちゃう相手が来るんですよ?

何をどう転んだら喜べるんですか。そんなに性格悪くないですぅー。

 

この人形、勝手に私の頬をつまんでグイグイ…餅みたいに伸ばしてぇ!

食べようと思ったベーコンエッグトーストが皿にぽとり。

訂正、私のおっぱいの上に乗っかった、熱い。

 

「あら、こんなに大きかったら乗せられるのね」

「むー!!(涙目)」

「どれどれ…ほー流石だな、おっぱいちゃん」

 

誰がおっぱいちゃんだぁー!朝から私をオモチャにして「楽しいわよ♪」この鬼畜人形ぅー!

訓練があったら絶対ヘッド連射して泣かすぅ!

メンテナンス班の人も覗くなぁ!

 

「ふふ、それじゃあ出撃だからまたね、おっぱいちゃん♪」

「あんたいつか泣かすぅ!!」

 

…ベーコンエッグ、好きだったのに味があんまり分からなかった。

これもそれもFALが悪いのよ!うわーん…

 

 

――――――――――――D08基地第3部隊兵舎

 

 

「あら、おかえり」

「…Mk23」

 

Mk23も兵舎に戻っていた。

朝食は良いの?食いそびれるわよ。

私は食べてきたばかり…味気なかったけど。

 

「毎朝私はダーリンと食べてるからもう食事済みよ?」

「左様で…毎朝?」

「そ、毎朝♪」

 

ぼんやりとMk23を見ているとこっちを見て笑った。

ちょっとムカつく、何その顔…勝ち誇ってるつもり?

 

「ち・な・み・に…口移しでねっとり♪

もちろん指揮官の眼はわたくしに♪」

「もういい」

 

もうやだこのサキュバス、こんなのが夜目役なんて死にたい。

この部隊大丈夫?他はマトモだから大丈夫ね。うん。(錯乱)

作戦開始までまだ時間がある…どうしよう。

 

「ん、んー…あー良く寝た…おはよー二人共ー」

「スコーピオン…おはよう。」

「遅いわよ、ダーリンはもう堪能済みでしばらく挨拶しないわよ?」

「そりゃ良いやー」

 

ボサボサの頭を掻きながらスコーピオンが起きてきた。

とても人間臭い…お腹かくの止めなさいオヤジ臭い。

あ、ゲームし始めた。あのゲームは…!

 

「塊●!」

「知ってるの?一緒にやる?」

「えぇ、勿論よ!二人でとにかく大きくモード!」

 

こんな所で素晴らしいレトロゲームに巡り会えるなんて!

スコーピオン、貴方のセンスは間違いなく「いいセンスだ」よ!!

 

 

でっかい子供が二人してぎゃいのぎゃいの遊び始め、M14とUziが迷惑そうに起き出して。

そんな兵舎を見てMk23はクスクス笑って…ゲームで遊ぶ417を背後から強襲。

それを見てM14がUziを強襲して第3部隊の2大おっぱいちゃんは泣く羽目になった。

スコーピオンはゲラゲラ笑って煽っていた。

M14ェ…アンタはそんな事しないと思ったのに…

 

 

――――――――――――D08基地司令室

 

 

「指揮官、第3部隊スコーピオン以下4名入ります。」

「入れ」

「はっ!」

 

この基地に来て以来はじめての任務だ。

パリッとした緊張感を持ったスコーピオンに続いて私達も入る。

ちなみに私は一番最後。

 

「はい、気を楽にしてー何時も通りにリラックス

それじゃあ、昨日と同じでダミー連れて前線警戒よろしくね。

417は初めての出撃だけど緊張しないでね。キミの実力だと暇すぎるかも。」

 

「「「「はーい」」」」

「え、えぇ…」

 

それで良いのかPMC、それで良いのかG&K

ゆるっ…ゆるっゆるの司令に緊張感は何だったの…?って感じでがっくり。

拾われた時も遠足みたいだったのはデフォルトだったのね…

 

一人私だけ困惑していると指揮官がこっちに視線を投げていた。

視線が物語っている、コレでOKなんだと。

 

「417」

「何よ…」

「無事を祈る」

「……あっそぉ、私が居たら絶対だからその心配は無駄よ」

 

いい笑顔で言われた…呆れ通り越して笑えてくる。

遠足気分の小隊と行くのに指揮官は無事を祈る…ねぇ。

ちぐはぐ感がするけど…まぁ仕事はきっちり締めるのはわかった。

セクハラ目線だけは嫌だけど…うん、見直した。

 

 

指示を受けた後兵舎に戻り装備を整えて居る最中…

双眼鏡を持ってしっかりとしたマグポーチを腰に巻いて…

背中にはバックパックを背負って、レッグホルスターにMk-23を刺し…よし。

鉄血殺すべし、慈悲など無い。

おーいダミー人形あんたも双眼鏡持つのよ?

 

 

――――――――――――D08地区前線ランディングゾーン

 

 

「どうかお気をつけて!」

 

そう言ったヘリパイロットに別れを告げて私達は降り立つ。

この弾を撃ち込める相手はどこかしら?

 

「ねー、417ってなんで双眼鏡持ってきてるの?」

「性能差で私達に軍配があったとしても胡座をかきたくないのよ」

「そっかー。敵が居たら教えてね!今度はあたしが活躍するから!」

「はいはい…だったら私が全部食っちゃう前に展開しなさいよ。」

「言ったなー、今日のMVPはこのスコーピオン様の物だー!」

 

電子式のではなくクラシックな光学式の双眼鏡。

簡単に言えば反射を抑えて私達の視覚をブーストする。

私が担う偵察の役割に置いてこれは大変貴重。

ぶっちゃけ肉眼でも偵察出来るけど…結構寄られてからになるから被害が出る。

そんなのスマートじゃないわ。

軽口を叩き合いながらルートに沿って歩いていく…

ダミーには散開させて広範囲をカバー、ダミーリンクの物量よ。

 

 

 

 

結局今日は敵に会わなかった。

本当に暇な任務となってしまった…こうなると指揮官的にMVPは誰かしら?

そんなことを口々に言いながらヘリに回収され私達は基地へと帰って来た。

無線越しには無事をとにかく喜んでいた。

全く…私が居たら絶対だって伝えてるのに…

 

『可愛い部下を心配するのは悪くないだろ?』

 

何が可愛い部下よ…可愛げのない上司のクセに。

 

 

――――――――――――D08基地司令室・夜

 

 

戦果は無かったけど平和に終われて良かった。

スコーピオンたちと談笑しながら司令室向かっていたら中から話し声がする。

報告に入って…うわ。

 

「本日着任したHK41…6…」

「あ…」

「UMP45よ、よろしく~」

「新しく仲間になりました、UMP9!これからは家族だよ♪」

「G11…眠いからもう兵舎に行っていい?」

 

出会っちゃった。

あ…と私が漏らしたあとわなわな震えて大股で私に近づいてくる。

がっしり肩を掴んで顔を覗き込んでくる、止めて、怖い。

 

「アンタ…何よ?」

「HK…417…です……はい…」

「417ぁ?どう見ても私の完璧な身体を下品に見せてる露出狂でしょ!?

こうも着衣が同じなのに言い逃れ出来ると思っているの!?

こっちの目を見て、見ろ!!何処の所属の()よ!?」

「ひっ…せ、正式データです…」

「……」

 

…兵舎いこ、もどす…うえっ

烈火の如く怒られた、そうだよねぇ。そうだよねぇ。

こんな不良ロットが動いてたら怒るよねぇ…

 

「416~?あら、白目剥いて気絶してるわね、おもしろ~い」

 

後ろでなにか聞こえた…知らない、知らなーい…

 

 

――――――――――――D08基地第3部隊兵舎

 

 

「おえぇぇぇ…」

「大丈夫ー?」

「だいじょばない…」

「重症だこれはー…」

 

飛び出した私を追ってスコーピオンが来ていた。

ゲーゲー戻してる所を見られて心配されてる。

戻す人形は初めてだと言ってる。でしょうね。

洗面台を見る、真っ青な416顔がそこにはあった。

 

違う、私は417…416じゃないのよ。

く、区別化の為に髪型とか変えたら…

うーん…納得してもらえるかな?

意見具申してみよう、あとはI.O.Pが何とかする。

というかさせる、絶対にだ。

 

「うぶ…ぉ…げえぇぇぇ…」

「はいはい…ゲーってしようね、ゲーって…」

 

スコーピオンの姉力が意外と高かった。

お陰で吐き気は2ゲロで収まった。

 

「416の怒りの矛先があの後指揮官に向いてねーいやー凄かったよ

指揮官もタジタジでいつもの開幕セクハラが無かったし」

「やめて、せっかく吐き気無くなったのに」

「まぁまぁ、でだけど明日また工廠に行ってほしいってそのタトゥーとか変えるんだってさ

はい、正式指令ね。んじゃーあたしは報告に戻るから」

 

口を濯いでぺっ…してから指令書を見る。

うん、明日の午前中に工廠に向かえ…か。

 

「どんな姿になるのかなぁ…」

 

悪化したらI.O.Pバカなんじゃないかなと思う。

UMP姉妹みたいなのが良いなぁ…




スコーピオンの姉力とかいうパワーワード
小隊長だからね、面倒見は良いはず
次回は417ちゃん変身の巻、皆ツーサイドアップなロリは好きかな?
それも小悪魔チックに着崩し制服のロリっ子は

416?まぁキレて気絶まで、次回で距離詰めるから。

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