元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

95 / 216
キレッキレのダンスって人を惹きつけるよね


Day81 ダミーのダンス大会

――――――――――――D08基地ダミー用宿舎・早朝

 

 

ダミー達の朝はいつだって自由に始まる。そう、今日だってそうだ。

 

「「「「Let'sPARTY!!!」」」」

 

ダミーの遊具として引き払われたオンボロラジカセでパーティーミュージックをかき鳴らし飛び出てきたのは417ダミー。

まだ出撃に時間がたっぷりあるからと暇を持て余してダンスに興じるようだ。

無論早朝も早朝。他のダミーはスリープモード真っ最中。爆音?迷惑に決まっている。

でもそんなの関係ねぇとばかりに417ダミーは騒ぐ騒ぐ…それはもうお祭り騒ぎ。

本体が踊れる踊りはあらかた踊れるのかミュージックプレイヤーから流れるのは…

バラライカ…もとい、それの替え歌のヤラナイカ。かなりのネタ曲である。

少なくとも女の子が踊って良いのか?っていうヤツだが…417のレパートリーにあるのだろう。

 

「「「「アッー♀」」」」

 

色々と酷い絵面である。これには416もムカ着火ファイヤー待ったなし。

 

「「うるさいですよ、そこに正座してください」」

 

スプリングフィールドが笑顔でキレて出てきました。南無三。

417ダミー達これには一様に静止。どうする?と顔を合わせて…

スプリングフィールドが居る方向とは真逆に走り出す。つまり逃走である。

 

「「「「にげるんだよぉ~!!」」」」

「「待ちなさい♪」」

 

キレたスプリングフィールドダミーと417ダミーによる仁義なき追いかけっこが始まった。

同じRF人形ではあるが移動速度はスプリングフィールドの方が若干早い。

なんでか?そりゃ簡単な事ですよ。417はかなり小さく足もそれに応じて短め。

更に言えばデッドウェイトであるおっぱいの大きさは417の方が大きい。

全力で逃げてもジリジリと差を詰められていく。それは417ダミーとて気づいている。

ではどうするか?417ダミー目配せしてうなずき…散らばった。

 

「「絶対に逃しませんからね」」

 

出撃に出ることになるだろうから兵舎にて待ち構えていれば自ずと捕まるのだろうが…

スプリングフィールドはすこし別な方向に走っていきました。

そんな事は知らずに417ダミーは散り散りに走っていく。どうなることやら。

 

 

――――――――――――D08基地HK417私室・朝

 

 

なんか朝から騒がしいけど知らねー…隣に当然のように潜り込んでるG28を叩き起こしてから朝の支度をする。

寝ぼけてキスしようとしてきたから張り倒してっと…ん?なんでどったばたと外から聞こえてくるんだ?

 

「本体!かくまえー!」

「はぁ?」

 

飛び込んできたのは私のダミーの一体だ。こんな時間にもう目が覚めてたか…

本体より先に目がさめるのはかなり珍しいけど…何をやらかしたんだか…

どれどれ行動ログをちょっと読み漁りましょうか…頭痛くなってくるなぁ。

 

「ひまー」

「ひまだなー」

 

うんうん、真っ暗な朝に起きりゃそりゃ暇だろうよ。だったら普通に眠ろうぜ?

子供みたいに足プラプラさせてるのは可愛いけどそこは大人しくしておこう?

 

「へいよー、おどるぞー」

 

おい、まてそのラジカセはどこから引っ張り出してきた?馬鹿野郎なんでそこで踊ろうぜなんて言うんだよ。

お前らダンスレパートリーあんのかよ?おい待てそのイントロは…アッー!なんてものを踊ってやがる!

そしてほらー!スプリングフィールドが怒って出てきてるじゃん…もぉー…

なんてことをしてるんだか…匿う余地なし…私が引っ張っていこ…

取り敢えずお化粧だけさせて?あとG28そろそろ起きようね?

お姉ちゃんそろそろ行っちゃうよ?お化粧終わらせてる間に置きなかったらどうしよっかなー…

 

「本体ー化粧は楽しい?」

「んー?まぁ綺麗になれるからやってるんだよ。ついでにお前も化粧する?」

「やってくれー」

「はいはい」

 

私の代わりに椅子に座らせてから化粧道具片手にぽふぽふと…

動作はこっちで命令させればいいから楽だねー…これがダミーの良いところでもあるんだけど。

ハイ目を閉じろー…アイラインを引いてー…眉をちょいちょいと…まつげもちょいちょいと。

うんまぁ私を化粧しているようなものだからベイビーサブミッションなわけですよ。

 

「ほれ、どうじゃね?」

「ほほー…よし、指揮官押し倒してくる」

「待たんかぁい!!」

 

飛び出そうとするダミーをひっ捕まえて足払い掛けて転けさせる。

兵舎に鈍いどぅんなんて音が響くが知らん。ちょっとおとなしくしろお前。

 

「417さっきからなに騒いで…るのー?」

「ダミーをちょっとね、抑えてるの!」

 

眠そうなG28が起き出してからこっちを見てるけど同格であるダミーを抑えつけるのは結構大変。

ただ演算能力の差から来るのか技量は私のほうが上だから返される事はなさそう。

さてと後はこいつを縛り上げて…いや強制コードを…後々に響くからそれはなしだな。

まぁ騒ぎになってるだろうから…ん?ノック?誰だろう?

 

「どうぞー!」

「失礼します、あら、やっぱりここに隠れていましたか♪」

 

現れたのはスプリングフィールドのダミーだな。おー笑顔が張り付いてらっしゃる。

で私が抑え込んでるダミーにそーっと手をかけて…あ、これは…

 

「では、お説教の時間です…お覚悟は?」

「ないです…」

「そうですか、では参りましょう」

「ほんたいー!へるぷー!!」

 

はい、出撃までの間たっぷり説教されてこい…わたしゃ知らん。

じゃ、G28ご飯に行こうか。今日はお姉ちゃんがあーんしてあげよう。

 

 

――――――――――――D08基地ダミー用兵舎・昼

 

 

「朝はごめんね、私のダミーが大暴走しちゃって」

「いえ、良いんですけど…あれは…」

「あーうん…あれね…」

 

出撃が終わり真っ先にダミー宿舎に行ってからダミーとはいえスプリングフィールドに迷惑をかけたので謝ったんだけど…

そんな私の後ろで行われているのが問題なんだよ…全く頭が痛くなってくる。

視線の先にあるのは帰ってきて早々に踊りまくっている私のダミー達なんだよ。

のっりのりでDaisukeを踊ってたりブレイクダンスしてたりさ…

そしてそれに触発されて踊り出す他のダミーも居て…変な脱力感に襲われる。

まぁダンス適正のとんでもなく高いスコーピオンとSAAのダミーでしょ。

なんだかんだノリのいいM14と9姉のダミーも踊ってるし…

G11のダミーもブレイクダンスしてるし…お前は寝てろよ。

FALダミーが揃って社交ダンスみたいなのを踊ってるしさぁ…どうなってんだよ。

もうこの兵舎前の空間がすんごい事になってるけどわたしゃ知らん…

 

「「「「いえーい!」」」」

「ちったぁ反省を見せろこのスカタン!!」

 

大歓声が起こってるが私はイライラしてしょうがないんだけど…

一番スプリングフィールドに謝らなきゃいけないダミーが全然反省の色なしなんだもん。

全員に水面蹴り食らわせてこかしたんだけど…止める気配なし…

私のこの水面蹴りっていう行動にはお姉ちゃんのダミーが引き気味だった。

 

「あれよね…417の本体も突拍子もなく暴力振るうわよね」

「そうね…流れるように蹴ってたし…」

 

お姉ちゃんのダミーはかなりの読書家だ。この喧騒の中よく読んでられる…

お願いだから私のダミーの暴走を止めようよ?ね?ね?

取り敢えずスプリングフィールドのダミーには詫び入れたし…さてと私はどうするかなぁ…

お手伝いはまだそうなさそうだしなぁ…農作業はまだ良いし…

あぁそうだ猫ちゃんとワンちゃんの餌やりをしておかなくちゃ…

 

「行きましたね…」

「そうですね…では私達も…踊りましょうか」

 

なんかダンスステップの音が増えた気がするけど私の気の所為だよね。

 

 

――――――――――――D08基地兵舎共有スペース・夜

 

 

「ねぇ417聞いた?」

「んー?何の話?」

「ダミーの間でダンスが流行してるって話」

「しらねーっす…知りたくもないっす…」

 

私のダミーから飛び火したな。間違いないな…ダミーあれなんでしょ暇なんでしょ?

ぜってぇ暇を持て余してんだろ。私は知ってんぞ…ちらっと通ったら遊んでることが多いし…

私がはぁぁぁ…って深い溜息を吐いたのを横目に面白そうに笑っているのは…45姉。

あぁほんと…あの馬鹿ダミー共はどうして大人しく出来ないのか…

 

「417が踊ってた極楽浄土だっけ?あれ皆で踊ってたわよ」

「えぇ…」

「それからレパートリーを増やしていってるみたい」

「それを私に言うのはなーんで?」

「きっと417本体が先頭に立って踊ればおも…映えると思って」

 

今思いっきり面白いって言おうとしただろ…この鬼畜姉。

私はそんな風に踊るのは嫌だし…出来ることなら一人二人位の小ぢんまりとした方が…

大体私の踊れるレパートリーと合致してるかどうか不明瞭だし…

私の踊れるダンスってガチなのもあるけどネタっ気の方が強いし…

インド式繁栄ダンスとか踊るのとか誰得だよ…私覚えて踊れるんだけどさ…

 

「と言うか今も踊ってるらしいわよ」

「嘘だろ…」

「はい、これちょっと撮ったやつ♪」

 

そう言って項垂れる私に45姉が見せてきたのは…綺麗に隊列組んでるダミー達。

おいお姉ちゃんのダミーや45姉のダミーまで混ざってんじゃねーか…どうなってんだよ…

ん?このイントロはSmooth Criminal…半世紀前の大ヒット曲だ。

ミュージックビデオは今もなお人気を誇るものだよ。これは…必死に覚えた物だ。

かなりステップが難しいし特殊なテクニックが必要なダンスだ。

おいおいこの短時間でコイツらマスターしたっていうのか?

まぁモーションはすぐに覚えれるだろうよ…でもムーンウォークやステップワークのテクは練習必須だろ…

うわー…人形のスペックの高さってすげーな…改めて思うよ。

タイミングまで完璧だし…一糸乱れずキレッキレだな…うーん…これは素晴らしい。

 

「んー…」

「どう?」

「ちょっとアリかなと思った」

「そう、じゃあダミーカモーン♪」

「ちょ!?やめ、やめろぉー!ハナセー!!」

「踊ってらっしゃーい♪」

 

無理矢理ダンスに参加させられたけど私はこれはこれで楽しかった。

これでダミーが言うこと聞くようになったか?んなわけ無いじゃん…




はい。という訳でダンス人口増えたよ。

前半はちょっと悪ふざけが過ぎたと思うけど反省?してないぞ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。