――――――――――――D08基地共有スペース・朝
今日も特に出かける予定はない。昨日の夜にちょっと怒りのお弁当作りして作り上げたのをお兄ちゃんに持たせたけど。
さて、今日の娯楽はですね…このちっこいモニターで見るテレビでございます。
ええっと…チャンネルはこれかな?うんうん、映ってる。よぅし…
朝の時間にやっているアニメがあるらしい。スコーピオン情報なんだけどね。
人間の頃は休みの日に朝から起きるってことは私はしてなかったからなぁ。
アニメーション作品は確かに色々知ってるけど…どっちかと言ったら兄がよく知ってるな。
「417~飯を作ってくれ~…腹減った…」
「ん、兄さん…チョット待って。コレ見させてよ」
「ぁ?お前変身ヒーロー物見るの?」
「あ、そうなの?」
時間帯から察したのか先にネタバラシしてくれちゃってからもー…
変身ヒーロー物かぁ…ちっちゃな子供が見たりする奴だよね。
半世紀前に制作され初めて…今も根強く制作されているんだっけか?
街でちっちゃなヒーローショーを見たくらいだけど…どうなんだろう?
「まだ始まるまで少し時間あるぞ…簡単なのでもいいから作ってくれよ」
「そうなの?んー…わかった、その言葉信じるからね?」
ふむ、簡単なのかぁ…お兄ちゃんのソウルフードのコンボでやるか。
ライスボールと味噌スープのコンボだな。具材は…昨日作ったお弁当のちょっと残りがあったからそれでいいか。
ええとだから一口ハンバーグの半分、卵焼きに…チーズ焼きライスボールだね。
大根のピクルスとかあればそれを添えるのが良いんだろうけど…それはないからしょうがない。
んじゃ、私の分も含めてちょちょっと作って…いや、熱いな…ヤーパンの主婦ってこれ日常的に作ってたんだよね。
塩味が効いてて美味しいね。単純なお料理だけど良いね。お手軽お手軽。
味噌スープの温めも終わったしさーってと…兄さんの分も注いでから朝ご飯です。
小型モニターの前に二人分並べてから見る。前世紀では一般的な光景だったんだろうなぁ。
今ではテレビとかを娯楽に使えるのは一部の富裕層だしなぁ…
基地に来るまでモニターって言ったらゲーミング用の液晶だったしなぁ。
情報の入手先としては優秀なんだけど…手軽じゃないんだよなぁ。
「はい、おまちどうさま」
「これは…オニギリじゃねぇか」
「ライスボールじゃないの?」
「お前のヤーパン知識は中途半端なんだよなぁ…これはオニギリだ海苔も巻けば完璧だ」
ふーん…兄さんのヤーパン知識は深いなぁ。オニギリねぇ…どういうネーミングなんだろう?
うん、中々美味しい。ピクニックとかに持っていったらちょうど良さそうだね。
「ねぇ、兄さん今度のお休みにピクニックとかどう?」
「えー…」
「む、出たくないか…」
兄さんはだめみたいだから他にノッてくれそうな…お兄ちゃんとか?
バスケットとかはないけどお弁当包んでタンデムデート♪うぇへへへ…
「始まるぞ」
「む」
――――――――――――
「ふむふむ…日常に突如として悪の組織が出てきてヒーローが打ち倒すね…」
「その日常の影に織り込まれた伏線があるんだぜ」
「ストーリーラインも今追ったら結構ヘビーだね…これ幼児向け?」
「表向きはな。大きなお友達向けだったりもするぞ」
「大きなお友達」
大きなお友達…?あぁ兄さんみたいな成人済みな視聴者の事か。
幼児向けと思ってかなり甘く見ていたけどこれは面白いな。
現実には中々ない勧善懲悪って言うものだけど…初手から基地壊滅…
味方と思っていた先輩の裏切り…怪人の跋扈かぁ…しかも怪人が一般人っぽいってのがなぁ。
というか基地壊滅ってどういうことよ…本当にこんな出だしで良いのかよ…
「所でさ…」
「なんだ?」
「アクターの滑舌悪くない?」
「そりゃオンドゥル語だからな」
「オンドゥル語」
オンドゥル語?劇中の架空言語とかなのかな?いや…他のアクターの言語は普通に標準語じゃない?
でもヒーローの先輩も結構近いような…うーん?どうなってるんだろう。
「30分があっという間だなぁ…あ、次のもあるんだね」
「そっちがメインだろ」
「ふーん?」
おぉ始まった…あ、違うCMか…え、これは…あぁそういう事ですか。
兄さんの言うメインって意味合いはそういう事ですか…流石ピクトフィリア…
「おほぉぉぉぉおおおおプリキュアぁぁぁあぁ!!」
「うるさいよ」
見目麗しい女の子のアニメーション作品でした。兄さんの性癖にど直球な…キャラがね。
見た感じ等身は高いけど小学生から中学生初頭って所かな?
取り敢えず横で騒いでるヲタクを殴って黙らせる。ちょっと流石にうるさい。
私は静かな朝が好きなんだよ。静かな朝が良いの。良い?騒ぐのも大概にしろよ。
これも変身物か…え、変身後が大分印象ちがくありません?本当に変身だな。
ほほー…これにも必殺技があると…ほうほう…必殺技ねぇ…
――――――――――――D08基地倉庫・昼
ちょっと人が来ない所に来たのは良いけど…うん、誰もいないな…
えーっと確かあの変身ポーズは右手をこう突き出してから…力を溜めて…
「変身!!」
右手を反転させてから直ぐ様左手を同じ様に突き出して右手は腰に当てる。
うんうん…こういう物だったよね…男の子が真似してたのはこういう気持ちだったか…
ふふふ…私もまだこういう遊び心は残ってたか…えへへへ~♪
ちょっと童心に帰ったようだよ。うんうん…あのアニメーションも良いな。
ああいうベルトもあったら臨場感出てくるのかな…んー…街に行ったらあるかな?
それに必殺技かぁ…ああいうのもちょっと憧れてみたりして…
私の場合は榴弾とかがそれに当たるのかな…地味だなぁ…かといって殴る蹴るはなぁ…
レーザービームとか出せたらカッコイイと思うんだ!電力が足りないか…
はッ!?誰かがこっちに来る…倉庫の影に隠れて…およ?
「誰もいないよねー…」
やってきたのはSAA…何をするつもりだ?あのコーラ中毒が…
んん?何かポーズを取り始めたぞ…右腕を立ててL字にして…右に身体をひねった。
そして睨みつけるように前を見て…腕を左右に振った…おぉ?
「変ッ身ッ!!」
これもしかしなくてもヒーロー物の変身ポーズかな?
SAAも朝のあれを見ているのかな…私の知らないポーズだけど。
「俺は太陽の子!!ブラァッ!!」
おぉ、口上まで言うのか。かなりの迫真の声だなぁ…
なるほど、かなり見ている証拠かな?こういうのが好きだったんだね。
さらに影から覗いているとそのままパンチキックと色々やってから…
ふーむ…外見も合わさってかなり似合ってるね。さらに大きくジャンプして…
「ライダーキィック!!この世に悪が栄える事は無いと知れ!!」
おぉ…かなり本格的な演舞ありがとうございます…これはすごーい…
そのままアクターとして出れるんじゃないかなって思うんだけど…
口上も多分良いと思うし…これは天職なのでは?戦役が終わればそういうのも…
「誰だ!おのれ!!クライシスゆ"る"さ"ん"!!」
あ、やべ。落ちてる枝踏んづけて音鳴らしちゃった…あ、SAAが全速力でこっちに来る。
い、一か八か…!この手に駆けてみましょう…!
「ダディァーザァン!?ナズェミテルンディス!!」
「!?」
「オンドゥルルラギッタンディスカー!?」
「ゲゲゲー!?」
熱い握手を交わされた…やばい、私も同じと思われた…そこまでコアじゃないです…!
――――――――――――
「よーし!同好の士が一人増えたからアレができるかな!」
「アレって…何かなー?」
「デュアルオーロラウェーブ!」
「!」
これはアレだな。二人並んでから外側の手を高く天に向けて突き上げる。
それからそっと手を繋いで…高くジャンプ!とと…ちょっとバランスが崩れた…
隣では先にSAAが着地してからポーズを決めて…私が遅れてポーズ。
「光の使者、キュアブラック!」
「光の使者、キュアホワイト!」
「「二人はプリキュア!!」」
アニメーション作品の方の変身シーンをやったのだ!
ちょうど見たばっかりで私は新鮮だったし…えへへ、これ良いね。
SAAはキレッキレだし私も割と…良い感じだったと思うんだけど。
背丈も私達似たり寄ったりだからちょうど良い感じだねー。
「イエーイ!」
「い、いえー」
ぱちーんとハイタッチしてから意気投合です。うんうん…これでSAAと趣味を1つ共有したわけです。
しかし考えることは同じだったのかぁ…って事はこれがちょっと恥ずかしい事って認識はあるのか。
まぁ私も他の人に見られたらかなり恥ずかしいと思うし…
「こういうのは何時から?」
「そうだねー…3ヶ月前かな?」
「あぁ…じゃあ私が来る前からなんだね…」
「そうだねー!417はいつから?」
「今日はじめて…」
「おー!じゃあ幸運だったんですねー!」
因みに私は有無を言わさずこの沼に引きずり込まれる事になりました…
休みの間にアニメーション見るかな…
…裁縫であの衣装を縫い上げてみようかな…布もあるし出来なくもないよね。
SAAの分も作ったら喜ぶよね…えへへ、暇潰しが増える増える♪
僕はね。色々妄想しながら書くからモーションをやってみることはあるんだ…