消灯前。
私は、いつもの様に寮の広間で一人作業をしていた。
そこに予期せぬ来客が現れた。
一夏「時花。大事な話がある」
茅「大事な話?」
一夏「ここじゃ出来ない話なんだ。俺の部屋に来てくれないか?」
私は織斑君に付いて行き、彼の部屋に入った。
そこに、沈んだ顔をしたデュノア君が居た。
一夏「時花!シャルを救いたいんだ!知恵を貸してくれ!!」
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私は、織斑君からデュノア君の話を聞かされた。
彼女は、自社の窮地を救うために男装し、織斑君から男性操縦者のデータを盗みに来たスパイであり、このままでは本国に呼び戻されて牢獄行きになると話した。
私はその話を聞き、こう言った。
時花「助ける方法なんかありません」
織斑君とデュノアさんは驚いていたが、織斑君は私に反論する様にこう言った。
一夏「なんでだよ!三年あれば、シャルを救う方法は見つかるかもしれないのに!!」
時花「三年?何をもって三年と言っているのですか?」
一夏「IS学園特記事項、第二十一項。本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。シャルはここに居る間は安全なんだ!」
時花「織斑君、IS学園特記事項は絶対ではありません。彼女は、フランスの代表候補生でISの開発企業であるデュノア社のテストパイロットです。強制帰国を命じられたら従うしかありません。良くてあと一、二ヵ月しか時間がないのです」
私は、はっきりと二人に伝えた。
『織斑君を犠牲にデュノアさんを救う』か『デュノアさんを見捨てる』かの二択だと。
私は後者を勧めた。
織斑君は男性操縦者であり、希少価値は代表候補生よりも高い。
その織斑君がスパイにデータを取られて悪用された場合、織斑君だけでは責任が取れない話になる。
それに対して、デュノアさんは最初からスパイ目的で学園に編入して来た犯罪者だ。
今、自首すれば牢獄行きであろうと大した罪にはならない。
勿論、IS学園に復帰するのは不可能だが。
シャル「嫌だ...そんなの、嫌だよ...」
デュノアさんは私の言った結論にポロポロと涙を落とし始めた。
時花「デュノアさん、悪い事は言いません。早めに自首して刑を軽くするようにお願いする事をお勧めします。でも、アナタが織斑君のデータを盗もうと考えてるなら私は容赦しません。では、失礼します...」
部屋を出て行こうとする私に対して織斑君は諦めずに言って来た。
一夏「頼む...!シャルを救ってくれ...!!」
織斑君は、私に対して土下座していた。