私の安息は突如終わりを告げた。
千冬「時花。今、大丈夫か?」
茅「何ですか?織斑先生」
千冬「緊急事態だ。付いて来てくれ」
織斑先生に案内された室内に入る。
そこは旅館とは思えない物々しい雰囲気に包まれている。
茅「何があったんですか?」
千冬「アメリカとイスラエルで共同開発された軍用IS『銀の福音』が暴走した。学園上層部の通達により、我々が対処する事になった」
私は驚いた。
軍用機の暴走に加え、その対応を私達が行うと言う事に。
茅「何言ってるんですか!?第一、私はこの怪我でISすら動かせないんです!何で私がここに呼ばれたんですか!?」
千冬「それは...」
???「それは、私が指名したからだよ~」
私の後ろに一人の人物が笑いながら立って居た。
その人物は、私のとっての全ての元凶。
茅「篠ノ之束...!!」
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束「君が時花茅ちゃんだね~。噂は聞いてるよ~。普通科目では全教科満点なのに、ISじゃ全敗してるぼっちな優等生だってね~」
茅「それは...どうも...!!」
私は怒りに震えていた。
私の人生をめちゃくちゃに壊した人物が、今こうして目の前に立って居る。
この状況下で平常心を保てと言うのが無理なものだ。
千冬「束、余計な事は言うな!時花、お前には代表候補生の専用機のデータと福音の機体データを渡す。それを見て何か作戦をたてろ」
私は織斑先生に資料を渡され、急いで中身を読んだ。
その中に、見覚えがない専用機が一機あり、それを尋ねた。
茅「この紅椿という機体は誰の専用機なんですか?」
箒「それは、私の専用機だ」
束「今日はね~、箒ちゃんの誕生日なんだ~。だから束さんが誕生日プレゼントに専用機をあげたのだ!ブイブイ」
私は篠ノ之さんに詰め寄った。
茅「篠ノ之さん...アナタ、それで良いんですか...!!アナタの人生はコイツに壊されたんですよ!!そんな奴から専用機を貰って嬉しいんですか...!!」
箒「う、うるさい!お前には関係ないだろ!!これは私が決めた事だ!!」
篠ノ之さんは、ISによって一番人生を壊された人間だと思っていた。
私ですら彼女の境遇には同情していたのに、専用機一つであっさりと心変わり。
それが、私にはどうしても許せなかった。
千冬「時花!今は喧嘩している場合ではない!早くしろ!!」
束「まぁまぁ、ちーちゃん。世の中にはどんなに努力しても誰にも認められずに専用機すら貰えない可哀そうな子もいるんだし、大目に見てあげようよ~」
私の心には色々な感情が混ざり、今にもこの部屋を出て行きたい気分だった。
しかし、そんな事をすれば多くの人達が犠牲になる恐れがある。
私の感情一つで犠牲者を出すわけにはいかない。
「私はそんな世界認めない」