私は自室で祈るしか出来なかった。
作戦は成功しなくても良いから、二人には無事に帰ってきて欲しいと。
しかし、私が耳にした事実は残酷な物だった。
『作戦失敗。織斑一夏が福音の攻撃で海に落ち、意識不明の重体となった』
.
.
.
茅「篠ノ之束はどこだ!!」
私は勢いよく作戦本部となっている部屋を開けてそう言った。
私を見た教員達は驚いた。
茅「殺してやる!!出せ!篠ノ之束を出せ!!」
千冬「時花、落ち着け!ここに束は居ない!」
織斑先生は、錯乱する私を取り押さえた。
千冬「誰か時花を連れて行ってくれ。だが、手荒な事はするな。彼女の気持ちも皆分かるだろう...」
私は、教員と共に自室待機を命じられた。
私は泣いた。
周りに関係なく、顔も拭かずに大声で泣いた。
自分が無力だという事に泣き続けた。
.
.
.
私が自室で待機していると、外で騒がしい声がしていた。
専用機のメンバー達が独断で福音に挑むと騒いでいた。
私は、部屋を出て彼女達を止めた。
茅「皆さん、止めて下さい!そんな事をしても犠牲者を増やすだけです!!」
私は決死の思いで、彼女達の前に立ちふさがり、止めようとした。
しかし、ISを持たない私では彼女達を止める事は出来なかった。
.
.
.
私は、専用機のメンバー達が独断で福音に向かった事を、急いで織斑先生に伝えた。
教員達は、専用機のメンバー達に撤退を命令している。
私は彼女達に何事も起こる前に無事帰還する事だけを祈って、自室に戻ろうとしていた。
その時、廊下が騒がしくなっていた。
それは、意識不明だった織斑君が目を覚ましたという事だった。
私は安堵したが、織斑君は専用機のメンバー達が福音と戦っている事を知ると、自分もその場に行くと言い出していた。
今、専用機のメンバー達には教員達が撤退を命令している所だった。
そんな所に、重傷者の織斑君を向かわせたら最悪な結末を迎える。
私は、織斑君の前に立ちふさがった。
その手に包丁を持って。
.
.
.
織斑君の周りにいた女子は悲鳴を上げていた。
私はそんな悲鳴などお構いなしに言った。
茅「織斑君。自室に戻ってください。アナタはまだ動ける状態ではありません」
本当は、包丁一本でどうにか出来るとは思っていない。
それでも、私は織斑君を止めなければならない。
一夏「時花、そこを退いてくれ。俺は行かなくちゃいけないんだ」
私にも織斑君にも引けない意地がある。
だが、私は今回だけは毛頭引く気はなかった。
茅「退きません!もし、一歩でも進んだら刺しますよ!脅しじゃありません!!」
しかし、織斑君はISを展開し、包丁を持つ手を掴んですれ違い様に言った。
一夏「ごめん。時花」
その言葉だけを残して、織斑君は私を置いて居なくなってしまった。
残された私は、『人殺し』と皆の中傷を浴びながら泣き続けるしかなかった。