クラスの織斑ムードは吹き飛んだ。
千冬「...何故だ?」
茅「織斑君は参考書を失くし、ISの勉学で大きく遅れています。そこにクラス委員長の仕事を与えるのは酷な話だと思います」
私だから分かる。
この学園では、普通科目など二の次でISが全てなのだ。
普通の男子がIS学園に放り込まれて、この環境にすぐに適応する訳がない。
それに加えて、織斑君は参考書を一週間で覚えなければならないという強要をさせられている。
その織斑君にクラス委員長はどう考えても不可能だと感じていた。
千冬「ならば、どうする?お前が自薦するのか?」
茅「そ、それは...」
私がISを使いこなせるなら自薦したが、私はISに限っては初心者。
皆が推薦した織斑の代わりになり、皆の満足良く実力がある訳ではない。
セシリア「でしたら、私がなります!」
その言葉に、皆はオルコットさんの方を向いた。
セシリア「実力から行けば、私がクラス代表になるのは必然。大体、男がクラス代表だなんていい恥晒し...」
茅「オルコットさん!!」
私は勢いよく机を叩いて、オルコットさんの言葉を止めた。
茅「私は、織斑君が男だからという理由で止めた訳ではありません...。それだけは勘違いしないで下さい...」
クラスが静まり誰もが口を閉じていた。
千冬「では、クラス代表はIS勝負で決めて貰う。勝負は次の月曜、第三アリーナで行う。織斑、オルコット、時花はそれぞれ準備をしておくように」
茅「待って下さい!私はともかく、織斑君には負担にしかなりません!アナタは織斑君のお姉さんでしょ!それで良いんですか!?」
千冬「それはお前が決める事ではない。どうだ、織斑。お前は降りるのか?」
一夏「いや、ここで引いたら男じゃねぇ!この勝負、受けてやる!」
皆が歓声を上げる中、私の胸中には心配しかなかった。
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放課後。
茅「オルコットさん、さっきはごめんなさい...」
セシリア「時花さん、顔を上げてくださいませ。私も感情的になって、ついあんな事を...。下手したら代表候補生を降ろされるかもしれなかったのです」
オルコットさんは、私が織斑君に気に掛けているのを疑問に思っていた。
私は、織斑君が幼い頃に両親が居なくなった事をモンド・グロッソの織斑先生のインタビューで知っていた。
自分と似た境遇である事、そして織斑君の今の立場を考えると放ってはおけなかったと話した。
その話にオルコットさんは自分の話をした。
オルコットさんも両親を失い、努力で生きていた事を。
私は感じた。
この人も私と同じだと。
茅「オルコットさん。私にISを教えて下さい!クラス代表決定戦で負けたくないんです!」
セシリア「勿論ですわ。それと私の事はセシリアと呼んで下さいますか?茅さん」