私はクラス代表決定戦までセシリアさんの指導でISを学んでいた。
私はISは嫌いだ。
私の両親を殺した元凶だったからだ。
しかし、皮肉にも私に適正反応が出てから避けては通れない道となった。
それでも織斑君をクラス代表にさせたくないのは私の意地。
織斑君をこのまま見捨てれば、きっと彼は壊れてしまう。
その行為は、私の両親を殺した者達と変わらない。
「私はそんな世界認めない」
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クラス代表決定戦当日。
千冬「遅い...!」
織斑先生は織斑君の専用機を待っていた。
しかし、運搬に時間が掛かり試合開始直前になっても姿を見せない。
千冬「時花、すまないが先に試合に出てもらう。大丈夫か?」
茅「分かりました」
元々、このクラス代表決定戦は『織斑君 vs セシリアさん』『私 vs セシリアさん』『織斑君 vs 私』の順番で行われるはずだった。
しかし、私にとって順番は関係ない。
私は訓練機を身に纏い、試合会場へと足を運んだ。
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結果は、私の負け。
それでも途中までは善戦していた。
セシリアさんとの訓練や模擬戦で、ISのコツを覚えた私は初心者より頭一つ飛び出た実力を手にしていた。
ただ、試合途中で頭痛に襲われた。
緊張感を高めたせいか、連日の訓練の疲れによるかは分からないが、私はこの頭痛が時間の経過の度に酷くなり、やむおえずリタイアした。
茅「すみません...織斑先生。私、織斑君の試合も棄権します...」
私は山田先生に肩を借りて、自室で寝込んだ。
織斑君に不戦勝を上げてしまったのが心残りだが、私はセシリアさんを信じて目を閉じた。
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私は、セシリアさんに起こされた。
なんでもクラス代表が決定したからパーティーを開くと言うのだ。
私はセシリアさんの表情から、セシリアさんが代表に決まった物だと思っていた。
「「「織斑一夏君の代表決定を祝してかんぱーい」」」
私は、その言葉に手のグラスを落とした。
茅「な...なんで...」
セシリア「どうしました?茅さん、顔色が悪いですわよ?」
茅「なんで!どうして!!セシリアさんがどうして負けたの!!」
私はセシリアさんに掴み掛かった。
そんな私を止める様に織斑先生が私を捕まえた。
千冬「落ち着け!オルコットは負けていない!」
私は、理解できなかった。
セシリアさんが勝ったなら、代表者はセシリアさんのはずだ。
セシリア「それは、私が辞退したからですわ」
セシリアさんは織斑君との試合で、織斑君の可能性を賭けてクラス代表を譲ったと言った。
私はセシリアさんを見て気付いてしまった。
彼女はもう信念に心を捧げた人間ではない。
一人の恋する乙女だと。
それは、セシリアさんが負ける事よりもはるかに辛い結果だった。
茅「すみません...。まだ体調が優れないので自室で寝ています...」
私は目から落ちる涙を背中で隠す様に、そう言って部屋を後にした。