私が病室で目を覚ますと、目の前に織斑先生が居た。
私はびっくりして、自分の鞄を手で抱え込んだ。
千冬「もう遅い、中身は全部見たぞ」
私は鞄を開けたが、中身はすでになかった。
千冬「この先の森林で女性死体が見つかった。調べたところ、学園祭の時にお前を襲った人物だと判明した。...お前がやったのか?」
茅「...はい」
千冬「なぜ、ISと戦った!お前なら逃げる方法はいくらでも思い付くだろ!!」
茅「私の意地です...」
織斑先生は懐から私の作った銃と刀を出した。
千冬「こんな危険な武器まで作って...そんなに力を取り戻したかったのか!!」
茅「違います!!それだけは...断じて違います...!!」
私はISに乗れなくなった事に未練はない。
それだけは断言できる。
千冬「お前は何を隠している?何がお前をそうまでさせているんだ?」
私はもう隠し通すのは無理だと思い、全てを話した。
私の両親が女尊男卑の犠牲になった事。
その世界を生み出した篠ノ之束に対して復讐を誓っている事。
そのために自分の人生の全てを捧げている事。
千冬「...そうか」
時花茅がなぜ織斑一夏に恋心もなく肩入れしているのか。
時花茅がなぜ死ぬ物狂いでISと戦おうとしているのか。
織斑千冬は時花茅の過去を知り、全てを理解した。
千冬「...お前は人を殺してまで何をしようとした?」
茅「私は...ISコアを破壊する武器を作るつもりでした...」
時花茅の今回の目的はその一点だった。
例え、IS量子分解・絶対防御破壊の武器を手にしても、ISコアを破壊しなければ意味がない。
そのための資料となるISコアがどうしても欲しかった。
だが、IS学園がISコアを破壊する理由でISコアを貸すはずもなく、ISを動かせなくなった時花茅は企業代表も国家代表にもなれず、訓練機すら借りる事も出来なかった。
残る方法は、無人機を倒して手に入れるか、誰かを殺して奪い取るかの二択だった。
出来れば前者であって欲しかったが、今の時花茅の武器では無人機を倒す事は出来ず、自分の手を汚してでも誰かから奪い取る方法しかなかった。
苦渋の末選んだのが、亡国機業のオータムの殺害だった。
茅「お願いです...!私には、あのISコアが必要なんです...!!」
次、いつ同じチャンスがあるかすら分からない。
そして、同じ戦い方でISコアを奪えるかすらも分からない。
私は泣いて織斑先生に頼んだ。
千冬「はぁ~...。一番優等生だと思っていたお前が、一番大馬鹿だったとはな...。良いだろう、このISコアは好きにして構わん。ただし、お前がこれから何かを行う際は必ず私達に言う事だ」
茅「ありがとうございます...!」
千冬「それと、防御器具と二丁拳銃は持っても構わんが、この小刀は没収だ。コイツはお前には早すぎる」
織斑先生は、私に一回ゲンコツして病室から出て行った。
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真耶「...どうでしたか?」
千冬「大丈夫だ。生徒を守るのは我々の役目...。山田先生、すまないがこのISコアを学園に保管しておいてくれないか?」
山田真耶は織斑千冬に言われて、ISコアを預り学園に戻って行った。
千冬「...復讐か」
一人になった織斑千冬は没収した小刀を見て、そう呟いた。