私は車椅子で登校した。
私はクロエ・クロニクルに脇腹を剣で刺されて重傷を負ったが、手当てが早かった事が幸いし、出血を除けば命に影響する事はなかった。
しかし、授業に参加する事は出来ても、秋の大運動会には参加出来なくなった。
皆のヒソヒソ話をよそに、私は生体同期型ISへの対抗手段を考えていた。
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とある一室。
二人の会話が行われていた。
クロエ「...申し訳ありません、束様。時花茅を殺し損ねました」
束「大丈夫だよ、くーちゃん~。束さんは怒ってないからさ~」
篠ノ之束は、頭を下げるクロエ・クロニクルを慰めていた。
束「やっぱり、ちーちゃんが邪魔だよね~。何とかしなきゃ...」
篠ノ之束は、ある作戦を実行する事を決意した。
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スコール「それで、何の用ですか?篠ノ之博士」
篠ノ之束は亡国機業とコンタクトを取り、レストランで再び会っていた。
束「次のIS学園の大運動会で、IS学園に襲撃して欲しいんだ」
篠ノ之束は笑顔でそう言った。
スコール「悪いですが、お断りさせて貰います。我々はエムのISを貴女に改良して貰った事には感謝していますが、オータムという戦力を失って以降、かなり動き辛い立場になっているのです」
束「そう言うと思って、ほらぁ~」
篠ノ之束は、数体の無人機をスコールに見せた。
束「これ、ぜーんぶ貸してあげる。だからさ、お願い~。それに、マドっちもちーちゃんと決着付けたいでしょ?その取り計らいもしてあげるよ~」
マドカ「織斑千冬...!!」
エムと呼ばれていた織斑マドカはその言葉に拳を握りしめていた。
スコール「なぜそこまで私達に協力しようとするのですか?」
束「束さんの気まぐれだよ~。もし嫌だっていうなら、無人機持って帰っちゃうからね~」
スコールは考えた。
オータムを失って以降、自分達の立場はかなり危うくなっている。
IS学園を表立って襲撃するのはかなりの危険だが、オータムの欠けた穴を埋める以上の無人機という戦力に加えて篠ノ之束の積極的な協力を得られる事を考えると千載一遇のチャンスだと考えた。
スコール「分かりました。ただし、決行時刻や作戦等は私が全て考えます。エム、貴女は篠ノ之博士にISを調整して貰いなさい」
織斑マドカは篠ノ之束に引っ張られように連れて行かれ、スコールはIS学園の襲撃計画を立て始めた。
篠ノ之束は織斑マドカのISを調整しながらぽつりと呟いた。
束「今度こそ、殺してあげるね...」
刻々とその時間は近づいていた。