千冬「事情が変わった。殺す気で行くぞ」
織斑マドカはその言葉がハッタリではないとすぐに分かった。
織斑千冬の覇気がこれまでと違う事を感じ、織斑マドカも本気で戦う事にした。
形勢は五分五分になった。
実力は織斑千冬が一枚上手だが、織斑マドカには絶対防御があるので致命傷を与えられない。
対して、織斑マドカは攻めきれないでいた。
拮抗が破れた一瞬、勝負が付いた。
織斑マドカの急所に一本の刀が突き刺さった。
千冬「本当はこんな物、使いたくなかったんだがな...」
それは、時花茅から没収した零落白夜と同質能力を持つ小刀だった。
決着は付いたが、その結果に篠ノ之束は怒りを露わにした。
束「どうして...!!どうして、ちーちゃんがそんな物使うの!!」
篠ノ之束は、時花茅の武器で決着が着いた事に腹を立てた。
千冬「悪いな。お前が時花をどんな手段を使ってでも殺そうとする様に、私も時花をどんな手段を使ってでも守らなくてはならないんだ」
篠ノ之束は織斑マドカを見捨てて、どこかに飛び去って行った。
織斑千冬はその後を追いかけるように、時花茅のいるセキュリティーセンターに向かった。
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私の回りが白い亜空間に飲み込まれた。
これは前回同様、クロエ・クロニクルのIS能力。
周囲を幻影化させて、相手を惑わす能力だった。
だが、私はその攻撃と同時に片足を思いっきり床に叩きつける。
それと同時にその幻影は破られた。
クロエ「...!!」
クロエ・クロニクルは想像だにしなかった事態に驚きを隠せなかった。
再び幻影を作ろうとしているが、それは出来ない。
クロエ・クロニクルのIS能力は大気をIS量子変換によって幻影化させる事を突き止めた私は、その大気に存在するIS量子を量子分解する防御器具を生み出した。
その器具は靴に仕込んであり、私が床を思いっきり叩くと発動する。
その結果、私の靴から大気にIS量子分解の成分が舞い散り、ISによる全ての展開が一時的に不可能となる。
クロエ・クロニクルは刀を取り出し、私に対峙した。
クロエ・クロニクルは金色の瞳で私を見ている。
彼女の瞳はハイパーセンサー同様の能力を持つ物であり、肉弾戦であろうと私程度の攻撃は避けられてしまうのは前回の戦いで知っていた。
私はこの瞬間に次なる武器、閃光弾を使った。
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クロエ・クロニクルはその光を受け、悶え始めた。
これは彼女の瞳に激痛を与える物。
私は織斑先生からクロエ・クロニクルとボーデヴィッヒさんの関係と二人の瞳が同一の性質である事を聞き、織斑先生とボーデヴィッヒさんの協力でこの閃光弾を生み出した。
クロエ・クロニクルは視界を失い、私の攻撃から身を守るために空を飛んだが、天井にぶつかり逃げる事が出来なかった。
私の今回の武器は、全て室内戦に特化した物。
屋外であれば、大気中にあるIS量子を一瞬しか無効化できず、閃光弾は太陽光のせいで効果が薄い。
それに加えて、クロエ・クロニクルの行動を大きく制限出来るこの地下のセキュリティーセンターこそが、私がクロエ・クロニクルに勝てる唯一の場所だった。
私はクロエ・クロニクルの足をひっぱり、腹部に思いっきり足蹴りを打ち込んだ。