私は部屋に閉じ籠っていた。
一組の雑務も生徒会の仕事もどうでもよくなっていた。
部屋の扉が空き、山田先生が入ってきた。
真耶「...すみません、時花さん。大至急来て貰えませんか...」
私の頭の中では、何の理由で呼ばれたかすでに分かっていた。
.
.
.
「時花茅さん。貴女には今日付けで学園を辞めて貰いたい」
普通の生徒なら驚いただろうが、私は予想していた。
織斑先生が亡き今、山田先生だけでは私の在校を許可するのは難しかった。
それに加えて、篠ノ之束が私を殺そうとして織斑先生が身代わりに死んだ事件は世界中に広まった。
これ以上、私をIS学園に置くのは危険だと判断し、強制追放するのは当然の事だと思っていた。
茅「...分かりました」
私は全ての荷物をまとめて学園を去ろうとしていた。
私を見送るのは山田先生しか居なかった。
もはや、私にとってどうでも良い事。
恐らく、二~三日もすれば私は誰かに殺される。
織斑先生を信望していた者か篠ノ之束の手によって。
真耶「時花さん...。これをお渡しします。織斑先生からの手紙です。もしもの時に備えて私が預かっていました」
私は山田先生からその手紙を受け取り、IS学園を去った。
.
.
.
その手紙には、自分が白騎士である事、篠ノ之束を止められなかった事、その結果として時花茅の人生を壊してしまった事に対して懺悔している言葉が書かれていた。
私は白騎士を恨んでいたはずなのに涙が止まらなかった。
織斑先生が私に必死で償いをしようと努力していた事は事実だったからだ。
最後の文章に、一つの住所が書いてあった。
...織斑先生は私に道を残してくれた。
こんな所で泣き続けて死を待つなんて、私の信念はその程度の物だったのか...
私の信念...それは...
「私はそんな世界認めない」
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
記者会見。
シャッターと歓声が辺りを響く。
「この度は新型ISの開発おめでとうございます!」
ヒカルノ「あ、いや...。これはISではなく...」
私はヒカルノ所長からマイクを奪って言った。
茅「皆さん、我々が開発したのは新型のISではありません」
辺りが大きく騒ぎ出した。
「ISではない!?では、それは何ですか!?」
茅「はい、これは...」
その時、壁が大きく崩れた。
篠ノ之束が武装して現れた。
束「このパクり野郎!!くーちゃんの仇!今、殺してやる!!」
篠ノ之束はミサイルを当たり構わず発射した。
周囲は大騒ぎになり、我先に逃げ出そうとした。
私は『ある機体』を展開し、全てのミサイルを全て量子分解させた。
束「なにっ!?」
驚いている篠ノ之束に対してISコア停止結界を張り、篠ノ之束の全ての装甲を剥がした。
間髪いれずに量子構築を行い、篠ノ之束を檻に閉じ込めた。
束「出せー!!ここから出しやがれーー!!」
一同は驚いた。
あの篠ノ之束の攻撃を無効化し、瞬時に生け捕りにしたからだ。
ヒカルノ「皆さんー!これが私達の開発した新世界を支える機体です!」
「質問です!ISより強い兵器を生み出したって事ですか?」
茅「この機体は人間を傷付けません。武器も搭載できませんし、人の悪意を感知すると動かなくなります。今の攻撃もISにしか使用できません」
「なぜ、そのような事をしたんですか?」
茅「私はIS学園でIS絡みの事件を多く体験しました。今でも傷跡が沢山残っています」
私は衣類で隠していた自身の傷跡を一部見せて事件の生々しさを語った。
茅「そして、この機体は男女関係なく全ての人が動かせます」
その言葉に一同は騒ぎ出した。
「それで、その機体の名前は!?」
茅「この機体...その名は、インフィニット・ユニバース!!」
記者は急いで新聞社に連絡し始めた。
ついに、ISの時代が終止符を打つと。
しかし、私は知っている。
人間に悪意がある限り、どんな物でも凶器へと変える。
私はインフィニット・ユニバースを決して悪用させない。
「私はそんな世界認めない」