私はそんな世界認めない   作:HTNN

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第2-4話

クラス対抗戦当日。

 

1組 対 2組

 

凰鈴音は、この戦いを楽しみに待っていた。

 

時花茅が集めたデータで、織斑一夏がどこまで自分に対抗出来るのか期待があったからだ。

 

試合開始の合図が響いた。

 

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私は、クラス代表の試合をビデオカメラに撮るために観客席に居る。

 

始めは凰さんが織斑君を圧倒している試合展開だったが、織斑君が少しずつ押し返している形となっていた。

 

 

鈴音「中々やるわね!IS初心者と思えないくらい成長してるじゃない!」

 

一夏「そりゃ、どうも!」

 

 

始めは織斑一夏も女子生徒達の進言通りに、時花茅の資料をアテにはしていなかった。

 

しかし、セシリア・オルコットだけは違った。

 

セシリア・オルコットは時花茅の集めた資料を基に織斑一夏の訓練を行い、織斑一夏に凰鈴音の戦闘スタイル等を暗記して貰う様に言った。

 

その結果、試合開始時は凰鈴音の動きに翻弄されていたが、時間が経つに連れて時花茅の集めた資料が生きる形となり、今に至る。

 

 

鈴音「これならどうかしら!」

 

 

凰さんは、龍咆で織斑君を攻撃した。

 

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その攻撃で辺りに砂埃が舞った。

 

 

一夏「危ねぇ...」

 

 

織斑君は、その攻撃を紙一重で躱していた。

 

 

鈴音「まさか、初見で龍咆を避けるなんてね...」

 

一夏「時花のくれた資料に書いてあったんだ。お前の切り札は、見えない衝撃砲だってな」

 

 

凰鈴音は驚いた。

 

時花茅に対して龍咆は一度しか使わなかったが、その正体を短時間で見抜いて来るとは思わなかったからだ。

 

だが、時花茅は龍咆の正体までは掴めたが、その対抗策までは出す事が出来なかった。

 

しかし、凰鈴音はそんな事は知らない。

 

凰鈴音は、訓練機と知識だけで自分にあそこまで対抗してきた時花茅に対して高い評価を持っており、もしかしたら自分の知らない龍咆の弱点まで見つけているのではと思い、龍咆に頼る戦法は取らなかった。

 

それが功を奏し、謀らずも二人は近接戦を繰り返していた。

 

試合がヒートアップする中、アリーナのシールドを突き破って何かが侵入した。

 

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警報が鳴り響いた。

 

放送で避難命令が下され、観客の女子生徒は我先にと出口に向かった。

 

しかし、全ての出口がロックされており、誰一人として逃げる事は出来なかった。

 

しかし、私は不思議と落ち着いていた。

 

命が惜しくない訳ではないが、両親が殺されたあの日に比べればと思うとそこまでの恐怖がなかった。

 

私にできる事は席に座り、静かに待つ事だけだった。

 

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事件は終結した。

 

無人機が侵入し、その暴走を専用機のメンバー達が倒す事で解決したらしい。

 

しかし、戦いの最中で負傷した織斑君の事が気になり、私は保健室へ向かっていた。

 

その途中、保健室で騒ぎ声が聞こえた。

 

声の主は、篠ノ之さんとオルコットさんと凰さんだった。

 

私は身を隠して様子を見ていたが、彼女達は織斑君を巡って口論をしていた。

 

織斑君の様子も見たが、大した怪我もなく、その光景は織斑君にとっての日常だった。

 

それを確認し、私もいつもの日常に戻った。

 

副委員長として雑務を行う日常に。

 


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