やはり俺が“とある本丸鎮守府”の審神者兼提督で戦車道までやるとか多忙過ぎるだろう   作:BREAKERZ

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少し過ぎましたが、せっかくのお正月なので、投稿します。

続『刀剣乱舞~花丸~』第一話から流用します。ガルパンキャラは出ません。スミマセン。


特別回 本丸鎮守府のお正月

1人でいることは良いことだと思ってた。煩わしい人間関係や、わざとらしい友情ゴッコに付き合う事が無かったからな。

本当に、一年前から大分変わったな・・・・。

 

 

 

~師走・本丸鎮守府~

 

師走は寒い。まだ降り積もった雪が残る本丸鎮守府の中庭に、『歴史修正主義者・時間遡行軍』と戦っている刀剣より生まれた付喪神・『刀剣男士』達と、世界の海に猛威を奮った『深海凄艦』と戦った『艦娘』達が集まった。

縁側に立って皆を見渡す俺、『本丸鎮守府』の審神者兼提督、比企谷八幡。俺の隣に立つ主お世話係の刀剣男士・へし切り長谷部とサポート役の燭台切光忠。艦娘で秘書艦の長門、秘書艦補佐・陸奥、サポート艦・大淀。

 

長門「提督」

 

八幡「ああ」

 

皆も集まり、長門に進められ俺は前に出る。

 

八幡「皆、おはよう」

 

刀・艦『おはようございます! 主(提督)!!』

 

皆元気に挨拶を返してくれる。さて次は長谷部の番だ。俺がそう思うと、長谷部が俺の前に出る。

 

長谷部「さて今日がなんの日か、分かるか?」

 

今剣「大晦日です!」

 

今剣が元気良く答え、長谷部が怒りを貯めるように押し殺した声をあげる。

 

長谷部「そうだ1年の締めの日、だから敢えて言わせてもらう」

 

それから長谷部の長い話が始まるが、マトモに聞いているヤツはほとんどいない。

俺も欠伸が出そうで、長門は渋面を作り、光忠と陸奥と大淀は苦笑いを浮かべていた。

 

長谷部「・・・・お前達は最近弛みすぎだ! 特にソコッ!!」

 

長谷部が怒鳴りながら指差す先には、キャンプ用の寝袋に入った『明石国行』が器用に立ったまま寝ている。根性の入った居眠りだな・・・・。

 

国俊・蛍丸「「国行!!」」

 

同じ来派の『愛染国俊』と『蛍丸』、国行の恋人の艦娘の『工作艦 明石』も起こそうと国行を揺する。

 

宗近「アッハッハ。いつも気を張っていても、善い事は無いぞ。時には緩ませる事も必要だ」

 

鶯丸「主も長谷部も茶を飲むか?」

 

ウチのご意見番の三日月宗近が縁側に腰掛け、孫娘のように可愛がっている三日月を膝の上に乗せながら鶯丸と茶を飲み、その傍らでは小狐丸が、前に俺がプレゼントした櫛で髪をすいていた。

 

八幡「いやお前らはいつでも緩みすぎだろ」

 

長谷部「まったくコイツらは・・・・! 良いかぁっ! 俺達には、いつ主から出陣や任務の命が下るか分からない! そして! いつ何時如何なる場合でもその命を遂行出きるよう! 常日頃から完璧な準備を・・・・!」

 

などと言っているが、清光は那珂の髪の毛を櫛ですき、安定と川内は大きな欠伸をして、神通は苦笑いを浮かべており。獅子王と鈴谷と熊野、鯰尾と時雨、夕立と骨喰、今剣と初春が雪だるまや雪ウサギ等を作り、宗近はまた茶を啜っていた。

あヤベっ、長谷部がキレる。

 

長谷部「って貴様らぁっ!!!」

 

光忠「まぁまぁ長谷部君・・・・」

 

大淀「今日は他にも言う事がありますし」

 

陸奥「ここは抑えて抑えて」

 

光忠と大淀と陸奥に宥められて、長谷部はコホンっ、と気を取り直して話を続ける。

 

長谷部「良いか、先日から言っていた各自の部屋の掃除は今日中に終わらせるように」

 

長門「我々艦娘の鎮守府は、出来てまだ1ヶ月ほどであり、先日業者が終わらせているから問題は無いが。今日はこの本丸の掃除を各自で手伝うように」

 

刀・艦『は~い!』

 

島風「提督! なんで本丸も業者に頼まなかったの?」

 

八幡「・・・・鎮守府の方で予算が無くなっちまったからだ」

 

俺がそう言うと、皆何とも言えない顔になっていた。

 

八幡「まあ取り敢えず。艦娘達は風呂場や調理場や廊下等を重点的に掃除してくれ」

 

長谷部「そして勿論! 主の部屋は、主お世話係であるこの俺が担当する!」

 

まあ男性の長谷部の方が気兼ね無いからな。

 

八幡「それじゃ、以上ってことで。皆がんばってくれ。解散」

 

 

 

ー刀・艦sideー

 

八幡と長谷部が掃除している執務室前では、前田・平野・五虎退、暁・響・雷・電が執務室前に積まれた段ボールを片付けていた。

主に鶴丸企画のイベントで使われた小道具や、八幡と清光と安定の通う大洗学園生徒会からの預かっている物だ。

五虎退が段ボールから小箱を取り出し開けると、中からパンチが飛び出し、五虎退の顔面に当たった。

 

五虎退「わぷっ!」

 

雷「五虎退君?!」

 

響「大丈夫かい?」

 

五虎退「ビ、ビックリしました・・・・」

 

前田「それにしても、色々な物が入っていますね」

 

前田が段ボールから毛糸玉を取りだし、段ボールの中の色々な物を見る。

 

暁「これどうするのよ?」

 

平野「主君は、取り敢えずもうしばらく置いておいて、折りを見て生徒会の方達に返すそうです」

 

???「失礼します」

 

段ボールの中身を整理している一同のいる踊り場に、聞きなれない声が響き、一同は声の方に顔を向けると。

 

雷「えっ? こんのすけ??」

 

こんのすけ?「わたくし、新たにこの本丸鎮守府に配属となった、こんのすけでございます!」

 

首を傾げる一同の横にある執務室の襖が開くと、見知ったこんのすけと八幡が出てきた。

 

こんのすけ「良いですか。私が居なくなっても、ちゃんと仕事をやるんですよ」

 

八幡「分かってる」

 

こんのすけ「ゴミも出すんですよ!」

 

八幡「分かってるっつの」

 

こんのすけ(新)「お勤めご苦労様でした」

 

八幡「ん。新しいこんのすけが来たか。よろしく頼む」

 

こんのすけ(旧)「おお、来られましたか」

 

電「こ、こんのすけ君が交代する事って有るのですか?」

 

八幡「俺もこの間はじめて知った」

 

こんのすけ(新)「本来はあまり無いのですが。本丸も鎮守府と合併して大きくなりましたので、特例でこちらのこんのすけが別の部署に入り、わたくしが後任として参りました! 我々も1務めクダギツネ。辞令があれば西へ東へ参ります!」

 

五虎退「そうなんですね・・・・」

 

八幡「(我々って、お前らみたいな謎の生物が他にもいるのかよ・・・・)」

 

こんのすけ(旧)「私は主様と小町様に付きっきりでしたが、この者は色んな方と話すのが好きなので、仲良くしてやって下さい」

 

こんのすけ(新)「好物は油揚げ! 煮たのも焼いたのも挟んだものも! どうぞよろしくお願いします!」

 

八幡「おう」

 

『よろしくお願いします!』

 

すると、階段から山姥切と叢雲が昇ってきた。

 

八幡「山姥切に叢雲。どうした?」

 

山姥切「主。新たな刀剣男士を顕現する予定だっただろう?」

 

叢雲「研ぎ部屋に来ないから来たのよ」

 

八幡「あぁそうだったな。悪い、新しく来たこんのすけをこれから皆に紹介するから、顕現は任せる」

 

八幡は札を山姥切に渡した。

 

八幡「こんのすけ」

 

こんのすけ(旧)「はい?」

 

八幡「あ、その、今までありがとな・・・・」

 

こんのすけ(旧)「フフッ、手の焼ける主様で大変でしたよ」

 

八幡「ああそうかい。じゃあな」

 

八幡はヒラヒラと手を振りながら、新たなこんのすけを肩に乗せて、階段を下りていった。

 

 

ー八幡sideー

 

普段から長谷部が掃除してくれているからすぐに終わり、新しいこんのすけを連れて廊下を歩くと、堀川と会った。

 

堀川「あ、主さん」

 

八幡「堀川、どうした?」

 

堀川「陸奥守さんが手伝って欲しい事があるから、大広間に来てくれって言ってました」

 

八幡「そうか、ちょうど良いな」

 

皆を集める手間が省けた。

 

 

さて、新しく来たこんのすけを紹介し終えると、陸奥守は2眼トイカメラでこんのすけを撮影していた。

 

陸奥守「ナハッ! エエぞ!」

 

八幡「おい陸奥。俺達はなんで大広間に集まったんだ?」

 

陸奥「吉行が今まで撮った写真を整理しようと、皆で集まったの」

 

清光「でもさらに増やしてどうするの?」

 

安定達と整理していた清光が愚痴る。

 

陸奥守「ナッハッハッ! 写真を見よったら、取りとうなってな!」

 

ハァ、本末転倒だろうが。

 

和泉守「しっかし、凄い量だな・・・・」

 

長門「今日中には片付かないかもな・・・・」

 

秋田「でもこの作業、楽しいです!」

 

薬研「こうして見るとこの1年、色々有ったな。この本丸も、本丸鎮守府になってさらに賑やかになった物だ」

 

愛宕「私達も毎日が楽しいわ」

 

俺は写真の1枚を手に取った。始めて大洗の制服を着た安定を挟んで、清光と三人で撮った写真だ。

 

八幡「ま、確かに色々有ったな」

 

吹雪「提督。こちらのアルバムに」

 

八幡「おう、サンキュー」

 

吹雪に渡されたアルバムに写真を入れる。

 

秋田「一兄ぃ見てください! 皆で海に行った時の写真です!」

 

一期「皆楽しそうだ」

 

八幡「お小夜と江雪のサーフィンはかなりシュールだったがな」

 

吹雪「えっ、そうなんですか?」

 

一期「写真とは良いものだ。こうやって私が顕現する前の事も知ることが出来る」

 

陸奥守「そうじゃそうじゃ。ワシはこれからも青葉と一緒にこじゃんと写真を撮るぜよ!」

 

一期一振がそう言うと、陸奥守は満足気に頷く。コイツ調子に乗りやがって、青葉も噛んでいるな。

 

一期「私もこれから、主や弟達や皆と、沢山の思い出が出来たら嬉しいです」

 

ウ~ム、イケメンだ・・・・。

 

陸奥守「良し! これが終わったらまた皆で何かやりたいんじゃが。何かええアイデアは無いぜよか主?」

 

八幡「イヤその前に写真整理しろよ」

 

陸奥守「まそう言わずにのぅ」

 

待て待てこんな話をすると、アイツが・・・・。

 

???「正月を祝うって言うのはどうだ?」

 

来ちゃったよ。襖の向こうで翔鶴と瑞鶴を連れて、本丸鎮守府のイベント企画部長、鶴丸国永が・・・・。

 

和泉守「正月? 人間みたいにか!?」

 

鶴丸「ああ。俺達は刀の付喪神だが、せっかく肉体を得たんだ、人間のように餅をついたり、みくじを引いたりする。どうだ? 楽しそうだろ?」

 

厚「それ良いな!」

 

乱「楽しそう!」

 

最上「提督! やろうよ!」

 

翔鶴「確かに楽しそうですね」

 

瑞鶴「鶴兄ぃにしてはマトモなイベントね」

 

長門「提督。如何しますか?」

 

・・・・仕方ない。

 

八幡「掃除もそろそろ終わる頃だしな。ま、掃除だけってのもアレだから、良いかもな」

 

陸奥守「良し! そうと決まったら早速準備じゃ!」

 

陸奥「他の皆にも伝えないとね」

 

???「兄者!」

 

あん? 誰だ?

 

???「おや。沢山いるね?」

 

声を追うと、見知らぬ刀剣男士が2振りもいた。

 

???「勝手に動き回ってはーーー」

 

八幡「新入りの刀剣男士か?」

 

???「ふ~ん。目の腐った男子、君が僕達の主なんだね」

 

???「話には聞いていたが、本当に凄い目だな・・・・。まるで幽鬼だ・・・・!」

 

八幡「ほっとけ。・・・・それでお前らは」

 

???「僕は『源氏の重宝』、『髭切』さ。そっちは弟のーーーえっと・・・・」

 

???「名前を覚えてくれ兄者!・・・・俺も同じく『源氏の重宝』、『膝丸』だ」

 

安定「髭切とか膝丸とか、変な名前・・・・」

 

川内「安定!」

 

確かに変な名前だな・・・・。

 

瑞鶴「アンタ、弟の名前を覚えて無いの?」

 

髭切「僕はあまり名前と言うのに頓着が無くてねぇ」

 

八幡「弟の名前は覚えておけよ・・・・」

 

膝丸「けっして仲が悪い訳ではないぞ! 俺達は平安時代の太刀、罪人で試し切りをした際、兄者は“髭まで切った事から『髭切』”、俺は“両膝まで切った事から『膝丸』”と名付けられた」

 

思いの外おっかない由来だった。

 

膝丸「だが、妖を斬ったり、持ち主が改名したりして、今まで名をいつくも変えてきたのだ」

 

八幡「それでか」

 

髭切「今はどんな名前だったけ?」

 

八幡「オイほんの十数秒前に名乗ったばっかだぞ」

 

膝丸「俺は膝丸だ兄者。ひ・ざ・ま・る!」

 

長門「大丈夫なのでしょうかこの兄弟?」

 

八幡「また一癖のあるのが顕現したな」

 

清光「主が一番一癖も二癖もあるけどね」

 

刀・艦『ウンウン』

 

五月蝿いよ。

 

獅子王「よお!」

 

庭から獅子王が声をかけてきた。そう言えば源氏なら獅子王とも面識があるかもな。

 

獅子王「新しい刀剣か? 俺はじっちゃ・・・・源頼正の刀だった、獅子王だ!」

 

髭切「ああ、鵺を倒したと言う御仁の」

 

獅子王「源氏にあった刀にであって嬉しいぜ!」

 

叢雲「あっ、いたいた」

 

山姥切「勝手に動くなと言っただろう」

 

おっ、山姥切と叢雲も来たか。

 

八幡「山姥切、叢雲、お疲れさん。顕現したのはこの二振りだな?」

 

山姥切「ああ」

 

叢雲「わたしも、これから掃除をするわ」

 

八幡「それじゃ、髭切と膝丸。取り敢えず本丸を案内するからついてこい。他の皆は正月の準備を頼む」

 

『はいっ!』

 

八幡「んじゃついてこい」

 

髭切・膝丸「「うん/ああ」」

 

 

 

 

それから髭切と膝丸を連れて本丸を歩き、餅つき用の臼を担ぐ蜻蛉切と岩融、杵をもつ御手杵と今剣を見つけ、髭切が臼を持ち上げようと悪戦苦闘したり。

左文字兄弟と蒼龍に飛龍と一緒に、髭切と膝丸がおみくじを書いたり。俺は扶桑や山城、一期と鯰尾と骨喰と『博多藤四郎』と一緒に、おみくじを折り畳む役。

酒飲みしている太郎太刀と次郎太刀と日本号と準鷹に怒鳴る長谷部がいたが、巻き込まれないようにスルーする。

石切丸と一緒に正月の祈祷をしてくれるよう、青江を説得し、飛鷹と睦月と如月の巫女服を眺めたりと、それなりに問題無く本丸を案内した。

 

 

ー刀・艦sideー

 

八幡が髭切と膝丸を案内しているその頃、本丸鎮守府の大食堂では、光忠、歌仙、鳳翔、間宮、本丸鎮守府の台所役が、おせち料理やもち米を作っていた。手伝いに小夜と大倶利伽羅と天龍と龍田もそこにいた。

歌仙がもち米を炊いていたかまどの蓋を開けると、炊きたてのもち米から湯気を上がり、香ばしい香りが立ち上る。

 

歌仙「ん~善い香りだ。これを餅つきをしようとしている岩融達の所へ・・・・」

 

ふと隣で大倶利伽羅が作っている雑煮の鍋の中身を見ると、醤油汁に入ったハゼが入っていた。

 

歌仙「おい。な、何をしている?!」

 

大倶利「なんだ・・・・?」

 

天龍・龍田「「???」」

 

歌仙「雑煮と言えば白味噌だろう!」

 

大倶利「雑煮と言えばハゼだ」

 

歌仙「白味噌で丸餅の方が雅じゃないか」

 

大倶利「醤油と角餅だ」

 

そう言うと二振りは火花を散らす。

 

歌仙「君とは相容れないようだな!」

 

大倶利「お互い様だ」

 

天龍「おいなんか目玉焼きは醤油かソースか、みたいな論争が始まったぞ」

 

龍田「どっちも美味しそうだと思うけどね」

 

呆れる天龍と、面白そうに微笑む龍田。

 

光忠「まあまあ、後で白味噌のも作るよ」

 

歌・大「「ふんっ!」」

 

光忠「アハハハ」

 

苦笑いを浮かべる光忠。

 

鳳翔「小夜君はどっちのお雑煮が良いですか?」

 

小夜「僕ですか? 僕は・・・・どちらも美味しそうなので、両方食べてみたいです・・・・」

 

間宮「大人ですね。小夜君は」

 

大食堂の台所で料理が作られている頃。

本丸の一室では、正月の祈祷用に祭壇が作られ、石切丸達が眺めている所に、陸奥守と陸奥が入ってきた。陸奥守の手にはビデオカメラが有った。

 

陸奥「良く出来てるわね」

 

青江「フフフ、ありがとう」

 

石切丸「陸奥守さん。それはなんだい?」

 

睦月「ビデオカメラですよ。活動映像が撮れるんです」

 

陸奥守「そうぜよ。ほれ、動いて見い」

 

陸奥守にそう言われ、青江は如月と社交ダンスを踊る。

 

石切丸「それはどこで手に入れたんだい?」

 

飛鷹「青葉さんから借りたのですか?」

 

陸奥守「酒を買い足す為によろず屋に行っての。ほいだらこれを見つけて、思わず買おてしもうたんじゃ!」

 

飛鷹「あぁ。長谷部さんが倒れている姿が想像できる・・・・」

 

睦月「陸奥さん・・・・」

 

陸奥「ゴメン。私が見つけた時にはもうすでに買われていたの・・・・」

 

ちなみに倒れた長谷部は島風と山城切と叢雲が介抱していた。

 

陸奥守「ワシャこれを使おて、この本丸鎮守府の事をこじゃんと記録するぜよ!」

 

石切丸「それは楽しそうだね」

 

陸奥守「そうじゃろうそうじゃろう!」

 

 

ー八幡sideー

 

髭切と膝丸の案内を終えて、二振りを宴会が始まる大広間に置いて、俺は大広間から少し離れた縁側に腰掛け、庭で正月を楽しむ皆を見ている。

和泉守と堀川が凧を上げ、それを吹雪と長門や獅子王と鈴谷が見上げ、石融が杵で臼の餅を叩き、蜻蛉切が餅に水を与え、今剣と初春が楽しそうに見ていた。

 

山伏「ホイホイホイホイ!!」

 

同田貫「ハイハイハイハイ!!」

 

別の臼では山伏と同田貫が何かな競技かと言わんばかり、高速で餅つきをやっていた。足利と羽黒が唖然と見ていたが。

 

八幡「・・・・・・・・・・・・」

 

俺はその光景を何かボォッ、と眺めていた。別に中二病が再発した訳じゃない。ただ、本当に眺めていただけだ。

少し前まで自他共に認めるエリートボッチだった俺が、いつの間にか歴史を守る審神者で、刀剣男士達の主となり、艦娘達の提督になった。

たった1年、目まぐるしく変わったな。

 

宗近「隣、善いか?」

 

八幡「宗近。ああ、良いぞ」

 

三日月宗近が俺の隣に腰掛けた、このじいさんは何でもお見通しみたいで少しやりづらいんだよな。

 

宗近「・・・・主は、まだ自分のことが嫌いなのか?」

 

以前、風邪をひいたときに話した事を宗近が切り出した。

 

八幡「・・・・ああ、大嫌いだ」

 

宗近「では、俺達の事も、嫌いなのか?」

 

八幡「・・・・・・・・いや、たぶん、好きだ。LIKEの方でな」

 

今口から出たのは、掛け値なしの俺の本音だ。コイツらと一緒にいて、面倒な事もあった。でもそれ以上に、楽しくて、幸せだと思う事がいっぱいあった。俺がそう言うと、宗近は優しく笑みを浮かべてくれた。

 

宗近「俺も主が大切だ。俺達刀剣に人間の肉体をくれた主が、時代に取り残され、放逐されそうだった艦娘達に、再び笑顔を与えた主がな。主にもっと皆を大切に思って欲しいと思う。主が俺達の主で良かった」

 

それは俺が言いたい言葉だ。自分を認めてくれた奴らに、こんなに素晴らしい奴らに出会えて、俺は本当に幸福だ。だから俺も、決意を新たに言う。

 

八幡「俺も、お前達と出会えてよかったよ」

 

そして小町に呼ばれ、宗近と一緒に大広間に戻った俺の目の前には、1年前には考えられなかったような、幸福な光景が広がっていた。

 

鳴狐と阿賀野が作ったお稲荷を見て、鳴狐のキツネとこんのすけが目をキラキラと輝かせ。

 

俺の御膳を持ってくる長谷部と、その御膳にイタズラしようとする鶴丸と、それを見て笑う島風と翔鶴。

 

お雑煮とゼンザイを黙々と食べる左文字兄弟と扶桑と山城。美味しそう食べる蒼龍と飛龍。

 

なぜか険悪な歌仙と大倶利羅の間に座った光忠が苦笑いを浮かべ、天龍が餅を詰まらせ、龍田が背中を叩き、赤城と加賀が幸せそうに正月料理を食べまくる。

 

別の部屋では、正月祭壇で祈祷する石切丸と青江、その後ろで藤四郎兄弟が座っており、如月と睦月と飛鷹が皆におみくじをあげたりしていた。

 

大盃で酒を飲む髭切とその兄を慌てて止めようとする膝丸。

 

髭切の様子を見て盛り上がる飲んべえ達。

 

清光「あっ、主やっと来た」

 

安定「主! これから髭切と膝丸が歌を歌うってさ!」

 

吹雪「提督! 早くこちらに!」

 

小町「お兄ちゃん! 皆待ってるよ!」 

 

俺の視界に映る、騒がしくも楽しく正月を満喫する、俺の大切な刀達と艦隊達、そして妹。

 

八幡「ああ。今行く」

 

いつもよりも輝いて見えるその光景に笑みを浮かべた俺は、宗近と共に皆の元に向かった。

 

霧島「それでは! 新しく我が本丸鎮守府に顕現した刀剣男士! 『太刀 髭切』様と! その弟の『太刀 膝丸』様によるデュエットソング! 曲名は『天と暦』! ではお二振り方! よろしくどうぞ!!」

 

髭・膝「「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」」

 

霧島が宣言すると、髭切と膝丸が歌が響いた。

 

八幡「(ああ。これが今の俺の、大切な場所なんだな・・・・)」

 

楽しそうに笑みを浮かべる皆を眺めながら、俺は笑みを浮かべた。

 




ずっとほったらかしにして、スミマセンでした。ちょっとこの小説を書く意欲が消滅していました。
消すつもりはありませんが、投稿は亀更新になります。勝手を言って申し訳ありません。また意欲が湧いたら書こうと思います。
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