やはり俺が“とある本丸鎮守府”の審神者兼提督で戦車道までやるとか多忙過ぎるだろう   作:BREAKERZ

10 / 15
『続刀剣乱舞花丸 第四話』の前半を入れます。


善い思い出は大切にするべきだと思う

初の戦車道も終わり、後は本丸鎮守府で“間宮”の甘味でも食べながら仕事でもやろうかと思っていたが、現実は甘味のように甘くない。えぇ分かっておりますよ。政府からの【要請連絡】で、急いで本丸に帰った俺は、早速出陣メンバーを選んで送り終えたので本丸の縁側に腰かける。

 

八幡「やれやれ、ようやく人心地つける・・・・」

 

一期「お疲れ様です主」

 

薬研「大将、疲れたんなら疲労回復に効く薬があるぜ」

 

八幡「薬研、大丈夫なんだろうなその薬?」

 

薬研「大丈夫だ、ちゃんと陸奥守に実験を手伝ってもらったからな」

 

八幡「じゃいま陸奥の膝枕でウンウン唸っているのは何処の陸奥守だ?」

 

縁側の後ろの部屋を指差すと、陸奥守が陸奥に膝枕してもらいながらウ~ンウ~ンと唸っている姿があった。

 

薬研「・・・・大丈夫だ、最終的に成功したからな」

 

八幡「とりあえず遠慮する」

 

鳴狐(キツネ)『主どの、鳴狐がお稲荷を作りました。是非どうぞ』

 

鳴狐(本体)「(コクコク)」

 

子狐丸「主<ぬし>様、主様の好きなMAXコーヒーも持ってきました」

 

八幡「ありがとな、“鳴狐にキツネ”、“子狐丸”」

 

俺にお稲荷をくれたのは『藤四郎兄弟』の一振り『打刀 鳴狐』、灰色の短髪に口には顔を守る甲冑を付け、“人付き合いが苦手”故にあまり喋らない性格をした刀剣男士。お供の狐は鳴狐が好き以外の感情表現をして貰っている。パッと見ると狐が喋っているように見えるが、鳴狐が腹話術で喋っていてそれを見て周囲が驚くのが密かな楽しみにしている。

 

そしてマイフェイバリットドリンクであるMAXコーヒー<マッ缶>を持ってきたのは、灰色の艶の有る髪に獣耳のような癖ッ毛の長髪をした刀剣男士『太刀 子狐丸』。名前は子狐なのに188センチの長身に肩幅ががっしりした体格の妖狐のような妖やしい雰囲気があるが性格は紳士なヤツだ。

 

さて折角だ、鳴狐のお稲荷を食べるか。

 

八幡「ハグッ・・・・」

 

薬研「大将・・・?」

 

八幡「おい鳴狐、このお稲荷の中身が“チャーハン”なんだか・・・・・『阿賀野』か?」

 

阿賀野「ピンポ~ン! 提督さんするど~い!」

 

鳴狐の背中から黒いロングに肩だしセーラー、紅色のスカートに白い長手袋、左足だけ片足ニーソのメリハリの効いたプロポーションをした能天気でマイペースなアホの娘艦娘『阿賀野型1番艦軽巡洋艦 阿賀野』。アダルトな見た目と違って内面は幼く、本人は“面倒味が良いお姉さん”のつもりで、人付き合いが苦手な鳴狐といつの間にか一緒にいる事が多くなった。

 

八幡「お稲荷の中身がチャーハンって、パンチが効きすぎだろうが。せめて五目ご飯にしてくれ・・・!」

 

阿賀野「えぇ、美味しいと思うんだけどな~」

 

八幡「チャーハンの油と油揚げの汁が混ざって妙な味わいになってるぞ・・・! せめてもう少しチャーハンの油を抜いてくれ・・・!」

 

子狐丸「主様、飲み物を」

 

八幡「(ゴキュゴキュ・・・)サンキュー子狐丸・・・」

 

子狐丸「そう言えば加州と大和守は如何したのでしょう?」

 

八幡「あぁ、今頃左文字兄弟と一緒に戦車の感想をみんなに教えているんだろう」

 

一期「私達もこれから加州さん達から聞いて来ますね」

 

八幡「おぉ、俺もちょっと鎮守府で仕事したら戻るわ・・・」

 

薬研「俺も少し薬の後片付けをしたらそっちに行く」

 

 

* * *

 

 

一期達や薬研と一端別れた俺は鎮守府の方へ向かい、書類仕事をこなしていると、プライベート用のスマホが鳴り出た。

 

八幡「はい、こちら比企谷八幡ですけど?」

 

角谷《あっ、比企谷ちゃん? 私、私!》

 

八幡「・・・・・・・・・・・生憎と“私”と言う名前の人物には心当たりがないのですが?」

 

角谷《ハッハッハッハッ、比企谷ちゃんってば冗談が上手いね~♪》

 

イヤわりとマジで心当たりが無かったらどれだけ良かったかなぁ。

 

八幡「それで何ですか会長?」

 

角谷《うん、実はね。比企谷ちゃんから見てうちの戦車道チームどうかなぁ?》

 

八幡「・・・・・・・・バレー部チームは勢いだけ、歴女チームは素人感丸出し、一年生チームはノリが軽過ぎ、生徒会チームは狙った的に当たらない上に河嶋先輩は自分の策を過信しがち、正直一回戦でも勝てたら御の字ですね。唯一西住が戦車道にもっと本気で取り組んでくれれば何とかなるかもしれませんが・・・」

 

角谷《やっぱり今のままじゃ勝てないかぁ。それでさ、比企谷ちゃんの“本丸鎮守府提督”としての人脈で、何かウチのプラスになるような練習相手を見つけてくれないかなぁ?》

 

八幡「・・・一応心当たりが幾つか有りますから、連絡を取って見ます」

 

角谷《うん、よろしくね~♪》

 

ピッ!

 

八幡「(書類仕事中)」

 

大淀「提督」

 

八幡「あぁ大淀、書類はこれで終わりだな?」

 

大淀「はい、それで戦車道の練習相手はどうしますか?」

 

八幡「う~ん、出来ることなら『4強』と呼ばれる連中が理想的だな」

 

大淀「いきなり『4強』と戦って大丈夫でしょうか?」

 

八幡「実力差を思い知るには丁度良いだろ。だけど『黒森峰』と『プラウダ』が相手をするには、西住はまだ去年の事を消化しきれていないし・・・・とすれば『サンダース』か、『聖グロリアーナ』か・・・・良し、あの人にしよう」

 

俺はスマホを持って『ある人物』に連絡を取った。一応『提督』としてではなく、『プライベート』ととして。

 

 

 

ー???sideー

 

とある学院のバルコニーで優雅に紅茶を飲む三人の女子生徒達がいた。その女子生徒達の一人に女子生徒が電話を持って近づく。

 

モブ生徒「ーーーーー様、お電話が入っています」

 

???「お茶の時間に連絡を寄越すだなんで随分無粋ね、一体誰かしら?」

 

モブ生徒「はい、“比企谷 八幡”と言えば直ぐに分かると言っていましたが・・・」

 

???「ッッ!!」

 

モブ生徒の言葉にその少女は紅茶を持ったまま器用にワタワタする。ちなみに紅茶は1滴も溢さなかった。

 

モブ生徒「ーーーーー様???」

 

モブ生徒はその少女の態度に首を傾げ、他の二人は苦笑いを浮かべていた。

 

???「そ、そうなの! じ、じゃ電話は受けとります。下がっていなさい・・・!」

 

モブ生徒は訳が分からないと言わんばかりだが、他の二人からも退室を促されたので退室した。すると女子生徒は少し身なりを整えて深呼吸してから電話に出た。

 

???「お久しぶりね、『比企谷提督<アドミラル>』」

 

八幡《お久しぶりです、『ダージリンさん』》

 

ダージリン「貴方から連絡を寄越すだなんで珍しいわね。何時もなら大淀さんを通してから連絡に入るのに」

 

八幡《そうですね、何しろ俺は“お茶の時間に連絡を寄越す無粋な人間”ですから》

 

ダージリン「あ、あら、聞いておられたの・・・??」

 

八幡《はい・・・まぁその事は別に良いですけど、一つ頼みたい事がありまして》

 

ダージリン「何かしら?」

 

八幡《実は俺が在籍している大洗学園でこの度戦車道が復活したんです》

 

ダージリン「大洗学園の戦車道、復活なされたとは聞いてはいたけど、それで何故アドミラルが??」

 

八幡《えぇ、実は俺はその大洗戦車道のマネージャーをする事になったんです》

 

ダージリン「(ピクッ)あらそうなの、大洗戦車道のマネージャーに・・・・!」

 

「「(ビクビクビクビクビクビクビクビク・・・!)」」

 

全身から“羨ましいオーラ”を出しまくっている女子生徒に他の二人は戦慄する。

 

八幡《それで今度の日曜日に練習試合を申し込みたいんですが・・・・》

 

ダージリン「私達を選んだのは何故かしら?」

 

八幡《・・・・正直に言って、ウチの戦車道は経験者1名を除いてド素人の集まりでしてね。色々と未熟な所が多いんですよ。貴女達との試合で、戦車道の“戦術”や“戦略”を学ばせて貰いたいと思いまして》

 

ダージリン「他の学園に頼むのは?」

 

八幡《実はその経験者1名は、西住流の妹さんでして・・・・》

 

ダージリン「成る程、『黒森峰』や『プラウダ』と相手をするわけにはいかないと。でも、それなら『サンダース』は?」

 

八幡《アソコは“戦術”や“戦略”が少し大雑把な所が有りますから。その点、ソチラならこちらにとっても大きな勉強になると思うので》

 

ダージリン「そう言って貰えて光栄だけど、こちらにメリットが無いわね」

 

八幡《その妹さん、中々の傑物だと思いますよ》

 

ダージリン「あら? 貴方がそこまで言うほど?」

 

八幡《えぇ、貴女のお眼鏡にかなうと思います》

 

ダージリン「興味深いけど、それだけじゃね・・・・」

 

八幡《他に何か条件が必要ですか?》

 

ダージリン「条件、そうね・・・・・・・・アドミラル、一つ聞きたいのだけど?」

 

八幡《はい?》

 

ダージリン「貴方まさか、その戦車道メンバの人達ーに、貴方の“プライベートナンバー”を教えたりしているのかしら?」

 

八幡《??? えぇ一応教えていますけど》

 

ダージリン「そ、それじゃ、試合の申し込みを受ける条件として、わ、私にも貴方のプライベートナンバーとメールアドレスを教えてくれるなら、引き受けるわ・・・!」

 

八幡《・・・・・・・・・・・・まぁ、良いですけど》

 

ダージリン「何でそんなに間が有ったの? でも取り敢えず、引き受けたわ。それじゃ次の日曜日に」

 

八幡《はい、よろしくお願いしますダージリンさん。失礼します》

 

ピッ!

 

 

ダージリン「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」

 

『ダージリン』と言う名の女子生徒は上機嫌に鼻歌を歌いながら優雅に紅茶を飲む。

 

???「ご機嫌ですね」

 

???「今度の日曜日に試合を受けたようですが?」

 

ダージリン「えぇそうよ『アッサム』、『オレンジペコ』。大洗戦車道チームとの練習試合が入ったわ。“まほさんの妹さん”が要るようよ、楽しみね♪」

 

アッサム「『ダージリン様』にとっては、試合や“西住まほさんの妹さん”よりも・・・・」

 

ペコ「比企谷アドミラルのプライベートナンバーが分かる事の方が重要に見えますね・・・・」

 

苦笑いを浮かべるアッサムとオレンジペコにダージリンと呼ばれた少女は悠然と微笑む。

 

ダージリン「当然よ。何しろ“ライバル”は強敵ばかりなのだから、こちらでもそれなりに“手札”が無いと勝負にならないわ」

 

アッサム「そう言えば、“あの方達”遅いですわね。お茶の時間には直ぐに来るのに・・・・」

 

ペコ「この先の海域の周辺を警戒していますから、それが終わったら来ると言っていました」

 

オレンジペコが言い終わると、バルコニーに“四人の艦娘”がやって来たーーーーーー。

 

 

ー本丸鎮守府・提督室ー

 

八幡「さて、連絡は終えたし、俺は本丸に方に戻るな」

 

大淀「はい、お疲れ様でした提督」

 

八幡「新しい刀剣男士を顕現させてくる」

 

大淀「まぁ新しい仲間が増えるのですね! 鎮守府の方も、もうすぐ新しい艦娘が着任しますから楽しみです」

 

八幡「そうか、それは楽しみだ」

 

俺は提督室を出て本丸の方へ向かった。

 

 

ー30分後 本丸鎮守府・左文字兄弟の部屋ー

 

新しく顕現した刀剣男士を連れて行くと、左文字兄弟の部屋から皆の声が聞こえた。

 

扶桑「お小夜。どうでしたか、はじめて見た戦車は?」

 

小夜「すごく大きくて砲音とか凄かったです・・・」

 

正座した扶桑の膝の上に座るお小夜や、山城と蒼龍と並んでいる宗三と江雪と、川内と那珂と一緒にいる清光と安定に吹雪と睦月に夕立(改)がいるな。

 

八幡「おぉいたいた。宗三、少し良いか? おい、早く来いよ」

 

???「ヒック!」

 

俺が連れてきたのは、黒紫の乱れた風の長髪をポニーテールにした紫目の少年、今は内番衣装の紫の表地に黒の裏地に金の柄が入ったオシャレパーカー。しかし、下はゼッケンが入った半袖短パンの体操着、しかも体操着のゼッケンには自分の名前が入った残念オシャレの上に、その手には『甘酒』を持っており顔に朱が入り酔っているのが分かる。

 

???「たくっ、なんだよ・・・?」

 

八幡「紹介するな、今さっき顕現した刀剣男士だ」

 

夕立「へぇ、新しい刀剣男士っぽい?」

 

睦月「提督、その人の名前は何て言うのですか?」

 

???「(甘酒を飲み)ゴキュゴキュ、プハッ・・・!」

 

安定「甘酒を飲んで酔っぱらってるのかな?」

 

川内「なんか、日本号さんや“次郎の姐<あね>さん”みたいなヤツだな・・・・?」

 

八幡「宗三とは前の主が同じだろう?」

 

宗三「おや・・・!」

 

???「ん・・・・あぁっ! お前! 宗三! 宗三左文字かっ!?」

 

宗三「久しぶりですね」

 

山城「宗三様と同じと言う事は、貴方も織田信長公の刀剣だったのですか?」

 

???「おうっ、そうだぜ!俺は『短刀 不動行光』!」

 

八幡「織田信長が、近侍であった『森蘭丸』に与えた短刀だ」

 

不動「そう!そして俺は信長公が大層愛した一品なんだ! どのくらいかと言うと・・・」

 

不動は上機嫌に右足の膝を出してパンッと叩く。

 

不動「ヒック、酔うと膝を叩いて歌って自慢するほどだな! これって相当の事だろう?」

 

小夜「そうなんですね・・・・」

 

不動「(ずう~ん)だけど、そんな信長様どころか、蘭丸の命すら守れなかった『ダメ刀』だけどな・・・・」

 

わぉ、不動の気持ちが目に見えて落ちやがった。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

他の皆もなんとも言えない顔になったが、廊下から島風を背中にぶら下げた長谷部と、愛宕にべったりとひっつかれた薬研が来た。

 

長谷部「主、新しい刀剣男士が来たと聞きましたが?」

 

薬研「どんなヤツなんだ?」

 

八幡「おう長谷部に薬研。織田の刀が来たぞ」

 

長・薬「「?!」」

 

小走りで来た長谷部と薬研が不動と邂逅した。

 

不動「(薬研を指差し)あっ、薬研・・・藤四郎?」

 

薬研「不動、行光? お前もこの本丸鎮守府に来たんだな?」

 

不動「(長谷部を指差し)んで、こっちは?」

 

薬研「知らないか? 長谷部は織田信長から黒田に・・・」

 

長谷部「ゴホンッ! 俺の名前はへし切長谷部。この本丸に2番目に「黒田!」ん?」

 

不動「お前、信長様の直臣でもないヤツに下げ渡されたのか? しかも“へし切”って、ぷっ! 変な名前!」

 

長谷部「(カチン)なにぃっ!? 主! なんなのですかコイツは!?」

 

うわぉ、飛び火した。

 

八幡「イヤ俺に言われてもな・・・」

 

島風「でもさ、長谷部っちの“へし切”って、その織田信長さんが付けた名前なんだよ~」

 

不動「へぇ~、信長様に・・・」

 

長谷部「あんな男の事はどうでも良い。名前を聞くのも不愉快だ」

 

不動「(カチン)何だとっ!?」

 

長谷部「良いか、もうお前の主は織田信長ではない。こちらにいる比企谷八幡様だ。この本丸鎮守府に来たからには、今の主の為に務めを果たせ!」

 

不動「俺が大切なのは信長様だっ!」

 

長谷部&不動「「(メンチ切り合い)ウギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギっっ!!」」

 

愛宕「アラアラ~」

 

薬研「まぁまぁ! 落ち着けって!」

 

島風「長谷部っち、どうどう!」

 

吹雪「不動さんもおさえて下さい!」

 

清光「これは・・・」

 

那珂「先が思いやられそうだね・・・」

 

本当にそう思う。しかし不動行光か、眼鏡を掛けてツッコミを教えれば立派なツッコミ担当(短刀?)になりそうだな。イヤそんな事したら眼鏡の方が本体になってしまうな。ん? 俺は何を言ってるんだ??

 

 

* * *

 

翌日、戦車道倉庫に来た俺と清光と安定は愕然となった。

 

八・清・安「「「・・・・・・・・・・・・・何だこれ???」」」

 

先ずバレー部の三九式は白いペンキでデカデカと『バレー部復活!』と力強く書かれ、さらにバレーボールのステッカーまで貼られていた。だからなんで戦車道やるんだよ? 部員集めろよ。

 

歴女チームの三突だなんて、赤やサンドイエローやら段だら模様やエンブレムが装飾されて、それぞれの歴女達が持っていたのか、旗が四本立てられている。何だこりゃ? 去年獅子王がやった『超刀剣男士』みたいにゴテゴテな感じになってるぞ。流石に清光も安定も苦笑い浮かべてるし。

 

一年生チームのM3リーはピンク一色だと? 戦隊ヒーローのマシンでももうちょっと色を付けてるぞ。

 

そして極めつけは生徒会チームの38(t)、金ぴかじゃねぇか。機動戦士の百○か? ア○ツキか? 蜂須賀とにっかりが喜びそうなセンスですね。

 

もはや改造なんてレベルじゃねぇ、魔改造戦車軍団だ。デコトラの集団だ・・・。

ハッ! まさか西住達のⅣ号戦車もこんな風に?・・・・おぉぅ。いつも通りのⅣ号戦車がそこに雄々しく鎮座していた・・・!

 

優花里「比企谷殿ーーーーーー!!」

 

感激している俺に秋山が駆け寄る。

 

八幡「秋山! Ⅳ号戦を守ってくれたかっ!?」

 

優香里「(敬礼し)はい! 不肖この秋山優花里! Ⅳ号戦車の“外装だけ”は守り抜きました!!」

 

八幡「良くやってくれた! 秋山!!」

 

俺は思わず秋山を抱き締めた。

 

優花里「わわわわわっ! ひ、比企谷殿・・・・!」

 

清光&安定「「(口笛吹く)ヒュ~♪ヒュ~♪八さんだいた~ん♪」」

 

八幡「おっとスマン、あまりにも他の戦車の惨状につい、な・・・・」

 

優花里「(八幡の手を取り)分かります! 分かりますとも!! せっかくの三突式と三九式とM3リーと38tが、こんな変わり果てた姿になっただなんて、あんまりですよね・・・・!」

 

俺と秋山は他のメンバーを見ると。

 

おりょう「カッコいいぜよ」

 

カエサル「支配者の風格だな」

 

左門佐「ウム」

 

エルヴィン「私はアフリカ軍団仕様が良かったのだが」

 

磯辺「これで自分達の戦車が直ぐに分かるようになった♪」

 

梓「やっぱピンクだよね~♪」

 

あや「カワイイ~♪」

 

角谷「良いね、この勢いでやっちゃおうか?」

 

河嶋「ハッ! 今から比企谷の聞いておきます」

 

小山「えっ? なんですか??」

 

八幡「・・・・・・・・・・・・秋山、本当に、本当に良くやってくれた・・・!」

 

優花里「はい、比企谷殿・・・・!」

 

俺と秋山は熱く手を握り締め合う。この惨状からⅣ号戦車を守り抜いた秋山には、“軍曹”の地位をあげたい・・・・!

 

みほ「比企谷くんに優花里さん、なんか仲良くなったね・・・」

 

清光「まぁ気持ちは分からなくもないけど・・・・」

 

安定「西住さんはどう思う? この惨状・・・?」

 

みほ「黒森峰にはこういうの無かったから、新鮮だなぁって思うよ」

 

清光「西住ちゃん、順応性高いね・・・・」

 

河嶋「おい比企谷、何を遊んでいる? 会長がお呼びだ」

 

八幡「へいへいそれじゃな西住、練習頑張れよ・・・」

 

みほ「うん、比企谷くんも頑張ってね」

 

すみませんダージリンさん、どうやら次の日曜日では“珍妙戦車軍団”が相手になりそうです。あぁもう、あっち<本丸>もこっち<戦車道>も先が本当に思いやられる・・・!

 

 

* * *

 

ー夜 本丸鎮守府・廊下ー

 

それからは戦車道の練習が始まり、俺と清光と安定は主に練習後のタオルやドリンク、練習風景の記録と、それなりにマネージャーとしての仕事を終えて。本丸鎮守府に戻り書類仕事を終わらせ、風呂に入ってさぁ寝ようとある部屋を通り過ぎようとするとーーーーーー。

 

不動「良いじゃねえか教えろよ。俺が『ダメ刀』だから話せねぇって言うのか~?」

 

次郎「アタシも聞きた~い!」

 

準鷹「話の肴に聞かせろよ~!」

 

障子を少し開けて中を見ると、不動と長谷部がまるで居酒屋のようなテーブルと椅子がある部屋で、『太郎太刀』と『大和』、『次郎太刀』と『準鷹』、日本号と『瑞穂』と飲んでいた。つか次郎太刀と準鷹はまるで居酒屋の女将みたいに立ってやがる。

 

長谷部「・・・・“長政様”は、善い方だった」

 

“長政”、豊臣秀吉の大軍師『黒田官兵衛』の息子である『黒田長政』か・・・・。

 

長谷部「付喪神にあの世が有るならば付いて行きたかった。だができない、我々<刀剣男士と艦娘>は人間よりも長くこの世に残る。だから忘れる事にした・・・・」

 

日本号「そうかよ・・・」

 

瑞穂「長く生きると言う事は、その分多くの出会いと別れを経験する事ですからね・・・」

 

長谷部「勿論、一番は今の主である八幡様だからな「(ぼふっ)か~か~・・・」・・・・わざわざ答えてやったのに・・・! 寝ているとはどういう事だーーーーーー!!」

 

不動は勿論、次郎太刀と準鷹も立ったまま器用に寝てやがる・・・。

 

八幡「(障子を開ける)たくっ、なにしてんだか・・・」

 

長谷部「あ、主!? い、いつからそこに!?」

 

太郎「主でしたら、長谷部殿が黒田長政さまの事を話していた時に居られましたよ」

 

大和「提督、お疲れ様です」

 

八幡「おう。ところで長谷部、不動を部屋に送るから手伝ってくれ」

 

長谷部「は、はい主!」

 

八幡「太郎太刀、大和、次郎太刀と準鷹をよろしくな。日本号も酒はほどほどにしておけよ。瑞穂、日本号が飲み過ぎないようにちゃんと押さえておけよ」

 

太郎「承知しました」

 

大和「提督、おやすみなさいませ」

 

日本号「じゃな~」

 

瑞穂「日本号さん、今日はもうほどほどに・・・」

 

俺は長谷部と不動に肩を貸しながら不動を部屋まで運んだ。

 

八幡「長谷部・・・・」

 

長谷部「は、はい?」

 

八幡「黒田長政の事、忘れる事ないだろう?」

 

長谷部「っ!」

 

八幡「この本丸には、前の主との思い出を大切にしているヤツが大勢いるだろう? 清光に安定、和泉守に堀川、長曾祢に陸奥守、今剣に岩融、光忠に大倶利、前の主との思い出が今の自分を形作っていると言っても良い。お前が黒田長政を善いヤツだった事を忘れる事は、黒田家での思い出を捨てるのも同じだ」

 

長谷部「・・・・・・・・・・・・」

 

八幡「“嫌な思い出”を忘れたいと思うのは別に構わない。だが、黒田家での思い出が、“善い思い出”ならその思い出を大切にしてやれよ。きっと、不動もそうなんだろうからよ」

 

長谷部「不動も、ですか?」

 

八幡「あぁ、お前や宗三にとって織田信長は傲慢なヤツだっただろうけど、不動にとっては自分を大切にしてくれた恩人だから、その人の事を大切に思っているんだ」

 

長谷部「しかし、それでは今の主や刀剣男士としての務めが・・・・」

 

八幡「俺の事は別に良いさ。しかし、刀剣男士としての務めを蔑ろにするのは確かに良くない。だから長谷部、お前が不動に教えてやれ」

 

長谷部「俺が・・・・?」

 

八幡「あぁ、自分の事を『ダメ刀』だと思っているコイツに、ここにいる皆が“仲間”だって事をな」

 

 

* * *

 

そして翌日、学校にいる時に【要請連絡】が入り、織田信長の居城『安土城』に隊長を鶴丸にして、長谷部と宗三と薬研と次郎太刀、そして不動を出陣させ。放課後で戦車道の練習を終えたみんなに会長達が連絡した。

 

河嶋「えぇ~急では有るが、今度の日曜日に練習試合を行う事になった」

 

『ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』

 

まぁみんなの反応は妥当だよな。

 

河嶋「相手は『聖グロリアーナ女学院』」

 

ざわざわとなる一同の中で秋山が俯いていた。

 

沙織「どうしたの?」

 

優里花「『聖グロリアーナ女学院』は、全国大会で準優勝した強豪です・・・・」

 

華「準優勝っ!?」

 

河嶋「日曜日は、学校へ朝6時に集合!」

 

さらにみんながざわつく中、冷泉が顔を青くした。

 

麻子「やめる・・・・!」

 

華「はい?」

 

麻子「やっぱり戦車道やめる・・・・!」

 

華「もうですかっ!?」

 

八幡「おい冷泉、気持ちは分からなくもないがな」

 

沙織「麻子は朝が弱いんだよ。低血圧だから・・・・」

 

なるほど。だから朝はまるでゾンビみたいだったんだな。冷泉が立ち去ろうとしたが、そうはさせんと首根っこを捕まえる。

 

八幡「どこに行く冷泉?」

 

みほ「待ってください!」

 

麻子「離してくれ、6時は無理だ・・・・」

 

優花里「モーニングコールさせていただきます!」

 

華「ウチまでお迎いに行きますから!」

 

イヤそこまで甘やかすなよ・・・。

 

麻子「朝だぞ・・・! 人間が朝の6時に、起きれるかっ!

?」

 

清光「イヤ起きれるでしょ・・・」

 

安定「ウチの八さんだって去年から6時前には起きて早朝ランキングとかやってるんだよ・・・」

 

麻子「比企谷さん、仲間だと思っていたのに・・・!」

 

何だその裏切り者と謂わんばかりの目は? 西住達も以外そうに見てんじゃねぇ。

 

安定「て言うか、6時って言うのは集合時間だから、起きるのは5時くらいじゃないと駄目じゃないかな?」

 

おい冷泉がぶっ倒れそうになったぞ。どんだけ朝苦手なんだ?

 

麻子「人には出来る事と出来ない事がある。短い間だったが世話になった」

 

格好付けているが、ようは早起きできないだけだろう。逃がすか。

 

沙織「麻子が居なくなったら誰が運転するのよ!」

 

清光「それにこのままじゃ単位ヤバイんでしょ?」

 

麻子「ぐっ・・・」

 

八幡「進級できなくなって留年になっても良いのか? 来年から西住達の事を“先輩”と呼ぶ事になるぞ? 試しに武部の事を“沙織先輩”って呼んでみるか?」

 

麻子「さ、お、りせん・・・!」

 

お~お~、苦しそうに呼ぼうとしてやがる。同級生を“先輩”と呼ぶなんて屈辱だろう、しかも武部を。

 

沙織「ハァ・・・それにさ、ちゃんと卒業しないとおばあちゃん滅茶苦茶怒るよ」

 

麻子「オバァ・・・・!」(ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ)

 

おいおい冷泉がすげぇビビってるぞ。そんなに怖いばあちゃんなのか? 去年の春に入院していた俺と“同室の婆さん”も結構恐かったけどあれ位なのか?

 

麻子「・・・・・・・・わかった、やる。比企谷さん達にも“借り”が有るしな・・・」

 

八幡「ん? “借り”??」

 

麻子「この前背負って学校まで送って貰ったからな」

 

あぁあれか、以外と律儀な処も有るんだな。ん? 俺のスマホが振るえていたので取り出すと【本丸】と表示されていた。

 

八幡「(冷泉をパスする)清光、安定」

 

清光&安定「「(冷泉キャッチ)あいよ」」

 

麻子「おい、私はバスケットボールのボールじゃないぞ・・・・」

 

冷泉の言葉を華麗にスルーして西住達から少し離れてスマホに出る。

 

八幡「俺だどうした?・・・・何?それで・・・・あぁ・・・あぁ・・・分かった直ぐに戻る」

 

連絡を切ると俺は会長達に近づく。

 

八幡「すみません会長、俺達は早退させて頂きます」

 

角谷「うん良いよ~。これから聖グロリアーナ戦にむけての会議だけど、内容は後で小山がメールするから♪」

 

八幡「小山先輩、お手数ですがよろしくお願いします」

 

小山「うん、任せて」

 

俺は会長達に会釈すると清光と安定を連れて本丸の方へ向かった。

 

 

ー角谷sideー

 

みほ「あの会長・・・」

 

角谷「気にしないで西住ちゃん。比企谷ちゃん達って以外と多忙なだけなんだよ。さ、私達は会議会議♪」

 

以前から良く早退をする比企谷達に西住は、イヤ西住達戦車道チームは首を傾げていた。

 

小山「(ヒソヒソ)そろそろみんな不審がるよ・・・」

 

河嶋「(ヒソヒソ)仕方あるまい、比企谷達の、比企谷の“もう一つの顔”は秘匿にしなければならないのだからな・・・!」

 

角谷(う~~ん。比企谷ちゃんが『本丸鎮守府提督』だってみんなが知ったらどうなるだろうな~?)

 

 

ー八幡sideー

 

安定「(走りながら)主、なにが有ったの?」

 

八幡「さっき本丸鎮守府の方で嵐が通りすぎてな、運が悪い事に何故か不動のヤツが離れ小島にいたんだ」

 

清光「えっ! 不動は無事なの?!」

 

八幡「長谷部が助けたそうだがな。とりあえず戻るぞ」

 

本丸鎮守府に戻り玄関の方へ向かうと、ソコに刀剣男士達や艦娘達の他に小町がいた。

 

小町「あっお兄ちゃん」

 

八幡「小町、不動は?」

 

小町「うん、今長谷部さん達が連れて来るって」

 

八幡「そうか・・・・」

 

なんて話していると不動と長谷部、宗三と江雪とお小夜と獅子王が帰って来た。

 

不動「あっ・・・・」

 

『おかえりなさ~~い!』

 

不動「(面食らい)た、ただいま・・・」

 

八幡「不動・・・」

 

不動「あ、その・・・・」

 

八幡「(頭に手を乗せる)無事で何よりだ」

 

不動「あっ・・・・!」

 

面食らった不動に他のみんなが集まる。

 

光忠「(不動にタオルをかける)ほら早く拭いて」

 

太鼓鐘「風呂、用意しといたぜ!」

 

天龍「着替えも持ってきたぜ」

 

太郎太刀「無事で何よりです」

 

次郎太刀「早く上がりなよ♪」

 

準鷹「温かい甘酒も準備しといたぜ♪」

 

大和「肴も作りますよ」

 

日本号「さぁっ祝い酒だ! 今夜は呑むぞ! はははははははははははははははははははっ!!」

 

瑞穂「日本号さんはいつも飲んでいるでしょうに?」

 

長谷部「貴様ら少しは自重を「俺も飲むかな?」あ、主っ!?」

 

俺も飲むと言ったら長谷部だけでなく他のみんなも仰天したように見る。

 

八幡「甘酒なら未成年の俺でも飲めるだろう? 不動、早く上がって風呂入って来い。俺も今度の日曜日に戦車道の練習試合があるから必勝祈願に飲む」

 

不動「あ、あぁ・・・」

 

不動は急いで風呂に向かった。すると、戦車道の練習試合と聞いて、何人かの刀剣男士達が連れてけと謂わんばかりの目線を送る。

 

八幡「・・・・今回は“四振り”位連れていくから、くじ引きをやって選抜しておけよ・・・」

 

刀剣男士(一部)『は~~~~い!!』

 

小町「お兄ちゃ~~ん♪」

 

八幡「なんだ?」

 

小町「小町も行って良いかな?」

 

八幡「小町も戦車道に興味を持ったのか? 大和撫子目指したいのか?」

 

小町「違うよ。大体“大和撫子”って、大和さんとか鳳翔さんとか、間宮さんとか翔鶴さんを見習えば十分だよ」

 

八幡「じゃなんでだよ?」

 

小町「それはまぁせっかくだし、未来の先輩<お義姉ちゃん候補>の皆さんを応援<品定め>しようと思っているんだよ! 小町的にポイント高い!」

 

八幡「・・・・仕方ねぇな」

 

やれやれ、小町が何か企んでいそうだが仕方ない。今度のグロリアーナとの練習試合、面倒な事にならなきゃ良いけど・・・・。

 

清光「主、主・・・・」

 

八幡「あん?」

 

清光「グロリアーナって事は、“あの人達”がいるんだよね? “護衛艦”として・・・・」

 

八幡「あっ・・・・」

 

安定「主、大変だよ当日・・・・」

 

ヤバい、超不安しかない・・・・。

 

 

 

ー夜・本丸鎮守府縁側ー

 

不動「(縁側に腰掛け)・・・・・・・・・・・・」

 

長谷部「まだ起きていたのか?」

 

不動「なんか目が覚めちゃってよ。この本丸鎮守府は、本当に善いヤツらばかりなんだな。こんな『ダメ刀』の俺でもさ、暖かく迎えてくれて、主も俺と一緒に飲んでくれてさ・・・・!」

 

長谷部「・・・・あの男<織田信長>が死んだのは、別にお前のせいではない。人は生まれたらいつかは死ぬ。織田信長も例外じゃなかったと言うだけだ」

 

不動「くっ・・・・!」

 

長谷部「俺は下げ渡された身だ。だが刀剣男士としての使命を果たすことで、あの男の歴史も守っている。皮肉なモノだな・・・・」

 

不動「つまり歴史を守れば、信長様の為になるって事なのか?」

 

長谷部「ま、そうだな」

 

不動「なぁ」

 

長谷部「ん?」

 

不動「信長様位、今の主の事好きになれるかな?」

 

長谷部「それはお前次第だ」

 

不動「なぁ主の、比企谷八幡の事、もっと教えてくれないか?」

 

長谷部「フッ、ウチの主は、ひねくれていて屁理屈屋で、お前と同じ位不器用だが優しく、俺達や艦娘達の事を大切に思ってくれている。だから学生としてだけでなく、本丸で審神者を、鎮守府で提督を、多忙極まる激務をこなしているのだ。そんな主だからこそ、みんな主を慕っているし、お支えしたいと思っているのだ」

 

不動「俺の事も、大切にしてくれるかな?」

 

長谷部「大切じゃなきゃ一緒に飲もうなんて言わんよ。主はな」

 

不動「・・・そうか」

 

その時の不動には、にこやかな笑みが浮かんでいた。

 




次回、聖グロリアーナとの練習試合! 出てくる艦娘と応援に来る刀剣男士(四振り)にご期待ください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。