やはり俺が“とある本丸鎮守府”の審神者兼提督で戦車道までやるとか多忙過ぎるだろう   作:BREAKERZ

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お久しぶりです。


試合が終わり、八幡は巻き込まれる

ー安定sideー

 

僕達が所属する大洗戦車道チームが戦車道の強豪『聖グロリアーナ』と練習試合を行ったけど・・・・。

 

安定「負けちゃったか・・・・」

 

小町「負けたの・・・・?」

 

鶴丸「負けたな・・・・」

 

光忠「負けちゃったね・・・・」

 

太鼓鐘「負けちまったのかよ・・・・?」

 

大倶利「あぁ、負けだ・・・・」

 

今回の練習試合内容は殲滅戦。参加している相手戦車を全滅させた方が勝ちと言うルール。

 

最初は進軍するグロリアーナに向けて西住ちゃん達の乗るⅣ号が攻撃してグロリアーナの戦車隊を味方のいる地点に誘き寄せたけど、安直な囮作戦が通用せず、高台からバラバラに撃っていたチームの大洗の左右から囲むように展開したグロリアーナは悠然と攻めて行き、すっかりパニックになった大洗チームは浮き足立ってしまい。

 

しかも一年生チームは砲弾が飛び交っている状況なのにM3リーから逃げ出してしまった。無人となったM3リーは攻撃を受けて撃破された証である白旗が飛び出して脱落。加賀さん辺りが見たら「無様ね」って言いそうだな。

 

生徒会チームの三八はキャタピラの履帯が外れて運転不能状態になり高台の窪みに嵌まってしまい動けなくなった。

 

撤退する西住さん達Ⅳ号の後を歴女チームのⅢ突とバレー部の八九式が続いた。

 

市街地に戦場を移した、地形を知る大洗の市街地を利用してⅢ突がマチルダを撃破、駐車場のエレベーターに隠れたと思って待ち構えていたマチルダを機械式駐車場から出てきた八九式が撃破。

 

しかし、隠れて移動していたⅢ突は、付けていた旗のせいで居場所がバレてしまい砲撃されてⅢ突は撃破され、撃破したと思っていたマチルダが生きており、反撃されて八九式も撃破された。

 

それから西住さん達が乗るⅣ号は4両の戦車に追い回されていた。決められた住宅地に逃げたⅣ号を追撃し、砲撃で家が壊されたり、移動中の事故でお店が壊されても「これで新築できる!」「縁起良いなぁ!」「家にも突っこまねぇかな?」なんて言う地域住民の人達の逞しさには苦笑いを浮かべた。

 

工事の為に通行止めになった路地に追い詰められたⅣ号を3両のマチルダとダージリンさん達が乗るチャーチルが迫ってきた。

 

4両からの砲撃が始まる直前、履帯を直した生徒会チームの三八がⅣ号とマチルダ&チャーチルの間に入り、ゼロ距離から砲撃したのだが、ゼロ距離であるにも関わらず、三八の砲撃は外れてしまった。桃ちゃん先輩、ここで外しますか? 主もノーコンだって言ってたけどまさかここまでとは・・・・。そして4両からタコ殴りのように砲弾を浴びて八九も脱落。

 

だけどお陰で西住さん達は逃げる事ができ、更には逃げる際にマチルダ1両を撃破に成功した。Ⅳ号はそのまま回り込んで十字路の角から現れたマチルダを撃破。そして退散すると見せかけて反転して更にもう1両撃破。

 

西住さん、日頃は結構抜けた感じが有るのに戦車道だとこうも変わるんだなと感心していると、チャーチルが現れ砲撃するも、チャーチルを撃破出来ず直ぐに後退、逃げると見せかけてチャーチルの右側部に回り込んだⅣ号がすれ違いざまに砲撃を当てるが、チャーチルもワンテンポ遅れて砲撃をⅣ号車に当てた。砲撃が炸裂し煙が巻き上がり、煙が晴れると、白旗が上がったのは、Ⅳ号車だった。

 

アナウンス《大洗学園チーム、全車両走行不能、よって聖グロリアーナ女学院の勝利!》

 

アナウンスが流れると同時に、主と清光は席を外した。

 

八幡「少し抜ける。清光、一緒に来てくれ、“索敵”よろしく頼む」

 

清光「了~解」

 

安定「主、厳しくしないでね」

 

八幡「善処しておく」

 

主は清光を連れて、“あの子達”を探しに行った。さてと、僕は他のみんなが戻ってきたらちゃんと労って置かないとね。

 

 

ー八幡sideー

 

清光の“索敵”を使って見つけたのは、M3リーから逃げ出した一年生チームだ。木の上に登っていたのか、コイツら以外とアグレッシブな所有るな。見上げるとスカートの中身が見えそうだから見上げないように顔を伏せる。

 

八幡「おいお前ら試合は終わったぞ、早く降りてこい」

 

清光「いつまでもそんな所にいられないよ~」

 

一年生チーム(紗希以外)『ひ、比企谷先輩・・・! 加藤先輩・・・!』

 

一年生チームはおずおずと降りてきた。

 

梓「何でここに?」

 

清光「一応八さんも俺もマネージャーだからね、戦車から離れたみんなを探していたんだよ」

 

八幡「さて、戻るぞ」

 

一年生チームと清光と共に皆の所に戻ろうとする俺。

 

一同『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

いつもやかましい一年生チームが終始無言のまま歩いているが。

 

梓「あの・・・・比企谷先輩・・・・」

 

八幡「あん?」

 

優希「何も言わないんですか?」

 

フム、どうやら“逃げ出した事を咎められる”と思っていたようだな。

 

八幡「あのな、お前らは初心者だ。戦車道を始めてまだ1ヶ月も経っていないひよっこ以下の卵だ。ウチの戦車チームから戦車から逃げ出すチームが現れるのは予測できてたんだよ」

 

あゆみ「酷い・・・・」

 

あや「そりゃ逃げ出した私達が悪いけど・・・・」

 

桂利奈「そこまで言わなくても・・・・」

 

紗希「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

清光「最後まで聞いてあげてよみんな、八さんはみんなを責めるつもりは無いんだからさ」

 

清光がやんわりとフォローしてくれる。

 

八幡「・・・・良いか、そんなお前らが始めて戦車道の試合をやって、砲撃音や振動に脅えるのは仕方ない事だ。今まで経験したこと無い上に、乗っているのは兵器だからビビってしまうのは当然の事だ。だが、“戦車から抜け出した”のはダメだ」

 

一年生チーム(紗希以外)『えっ?』

 

八幡「お前らが抜け出した時、グロリアーナは砲撃を止めてくれていたか? M3リーが白旗を挙げた時、グロリアーナはさらに攻撃をしたか?」

 

一年生チーム『(・・・・・・・・・・・・ふるふる)』

 

首を横に振る一年生チーム。

 

八幡「戦車道は“戦争”じゃない“競技”だ。白旗が挙がってリタイアした戦車には誰も攻撃しないし、戦車道の戦車の砲弾は攻撃力を押さえられているし、戦車自体も特殊コーティングされているから砲撃を受けても爆発したりしない。むしろ戦車が走り回る中を生身で移動する方が危険だし、最悪砲弾が当たってしまう可能性も有る。だからお前らが咎められる所が有るとしたらソコだ」

 

一年生チーム『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

八幡「たとえ恐くても、逃げ出したくなってもな。試合中は戦車からは絶対に離れるな。もしお前らに何か有ったら、西住達チームメイトの皆が心配するからな」

 

清光「勿論、俺と安定、当然八さんも心配するよ」

 

桂利奈「比企谷先輩も、ですか?」

 

おい何でお前ら俺をジーーーと見ているんだよ?

 

八幡「まぁ・・・・心配しない事も無いな」

 

清光「はい、八さんの捻デレが入りました~」

 

八幡「誰が捻デレだ? まぁなんだ、まだ戦車道を続けるつもりなら、それだけは分かっておけよ」

 

一年生チーム『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

一年生チームが少し顔を伏せてお互いにを見て頷く。

 

梓「あの、比企谷先輩、加藤先輩」

 

あゆみ「逃げ出してしまって・・・・」

 

八幡「その台詞を言う相手は、俺じゃないだろう?」

 

清光「俺達はあくまでマネージャーだからね」

 

そう、コイツらが謝罪しなければならない人間は俺達ではない。

 

優希「西住先輩、許してくれるかな・・・・?」

 

八幡「西住は許してくれるだろう。だが、河嶋先輩がギャーギャー五月蝿いだろうが、まぁその辺は覚悟はしておけよ」

 

一年生チーム『はいっ!』

 

さて、これで後はダージリンさんとの約束の代物を渡せば終わりだな。

 

 

 

* * *

 

一年生チームと途中で別れた俺達は、駐車場で戦車が運搬されるのを見ていた安定達と西住達と合流する。安定達から渡されたタオルで西住達が顔や制服についた汚れを拭いていた。しかし秋山、運搬される傷だらけの戦車を恍惚と見つめているが、ダメージを負った戦車に見惚れるとかマニアだな・・・・。

 

西住「比企谷くん」

 

八幡「お疲れさん西住、武部に五十鈴に秋山に冷泉もお疲れさん。4両も相手取るなんて大活躍だったな」

 

西住「でも負けちゃったし・・・・」

 

八幡「これは練習試合なんだ、そこまで深刻にならなくても良いだろう? 今回は良い勉強になったしな」

 

沙織「勉強って?」

 

八幡「先ずは歴女チーム、旗のお陰で敵に居場所がバレてしまい撃破された」

 

優花里「おぉ! これで旗を外す理由になった訳ですね!」

 

八幡「バレー部チームは一度砲撃が当たっただけで撃破したと油断したから返り討ちに合い撃破された」

 

華「油断大敵と言う事ですね」

 

八幡「生徒会チームは・・・・河嶋先輩に砲撃練習を徹底させるべきだな」

 

冷泉「確かにな」

 

八幡「一年生チームは、先ずは度胸を付けないとな」

 

沙織「みんな始めてだったんだし仕方ないよ・・・・」

 

八幡「ま、今回の試合の反省点はこれくらいだな西住?」

 

みほ「うん、そうだね」

 

西住達と反省会をしていると、聖グロリアーナの制服を着た女子三人が近づいた。しかしグロリアーナの軍服が赤い色って、ライバル感がすごいな、何の彗星だ ・・・・?

 

ダージリン「お久しぶりね、“比企谷八幡さん”?」

 

八幡「お久しぶりですね、ダージリンさん。オレンジペコにアッサムさんも久しぶりだな」

 

オレンジペコ「お久しぶりです、“比企谷さん”」

 

アッサム「こうして会うのは2ヶ月ぶりでしょうか?」

 

プラチナブロンドの髪を三つ編みにして後ろに纏めた令嬢風の少女は聖グロリアーナの戦車隊隊長“ダージリン”さん。

 

茶髪の髪を両サイドに小さく三つ編みにして輪っかのように纏めた小柄な小動物のような少女は、ダージリンさんの懐刀とも呼ばれている“オレンジペコ”。次代の聖グロリアーナの隊長と呼ばれている。

 

ダージリンさんと同じくプラチナブロンドの長髪に大きな黒いリボンがチャームポイントの少女は“アッサム”。この二人はダージリンさんが乗るチャーチルの『装填手』と『砲手』だ。

 

聖グロリアーナ戦車道のメンバーは紅茶の名前で呼び合っている。

 

聖グロリアーナの護衛艦として任務についている金剛四姉妹とも仲が良い。護衛艦の打ち合わせで聖グロリアーナの学園艦に赴いた際はティータイムでマックスコーヒーを飲ませてもらっている。どうやら俺が本丸鎮守府提督である事は黙っていてくれるらしいな。

 

ダージリン「(ヒソヒソ)所で、比企谷提督<アドミラル>。約束の例のモノは?」

 

八幡「少々お待ちを・・・・」

 

懐からメモ帳とペンを取り出して、メモ帳に約束のモノを書き込み、そのページを引き剥がしてダージリンさんに渡す。

 

八幡「どうぞ」

 

ダージリン「(スマホ操作)・・・・・・・・」

 

ドゴーーーーーーン!

 

優花里「おぉ! これはティーガーの砲撃音ですね!?」

 

八幡「(スマホ取り出し)もしもし? お約束のモノですがどうでしょう?」

 

ダージリン「えぇ確かに♪」

 

みほ「あの、加藤くん。あれって??」

 

清光「あぁ、実は今日のグロリアーナとの練習試合、八さんがグロリアーナに申し込んでね。受ける代わりに八さんの番号とメアドを教える事を条件にされていたんだよ」

 

安定「で、今ダージリンさんに教えたって訳」

 

沙織「えぇっ!? 番号とメアド交換って!? グロリアーナの隊長さんと!?」

 

優花里「聖グロリアーナのダージリンさんと連絡先を交換だなんて! 比企谷殿は凄いです!」

 

華「比企谷さん、以外と交友関係が幅広いのですね?」

 

麻子「眠い・・・・」

 

満足気に頷いたダージリンさんは西住達の方へ目を向ける。

 

ダージリン「貴女が隊長さんですわね?」

 

みほ「あ、はい」

 

ダージリン「貴女、お名前は?」

 

みほ「(目を伏せ)あっ・・・・西住、みほです」

 

ダージリン「もしかして『西住流』の? 随分“お姉さん<まほさん>”とは違うのね」

 

みほ「えっと、その・・・・」

 

八幡「ダージリンさん、西住達はこれから汚れとか落とさないといけないので今日の所はこの辺で・・・・」

 

ダージリン「あらそうね、ごめんあそばせ。直ぐに身綺麗にしたいのは当然ですわね。では比企谷さんに大洗の皆さん、失礼したしますわ」

 

ダージリンさんはオレンジペコとアッサムを連れて去っていった。

 

角谷「いや~負けちゃったね~ドンマイ♪」

 

狙いすましたかのように出てくるなこの生徒会。

 

河嶋「約束通りやって貰おうか、あんこう踊り」

 

みほチーム『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

八&清&安『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

伊達組『???』

 

西住達がお通夜みたいな雰囲気に。俺達は同情の視線になり、鶴丸達は首を傾げていた。

 

角谷「まぁまぁこう言うのは連帯責任だから♪」

 

河嶋「ええぇぇぇぇっっ!!??」

 

小山「会長、まさか!?」

 

角谷「うん♪ それじゃやっちゃおうか♪」

 

みほ「ひ、比企谷くん・・・・」

 

八幡「(遠い目で)西住、皆・・・・見届けてやるからな」

 

沙織「そんなの見届けて欲しくないわよ~~~!」

 

ドンマイとしか言いようが無い・・・・。

 

 

~数分後~

 

《アアアン♪ アン♪ アアアン♪ アン♪ アアアン♪ アアアン♪ アン♪ アン♪ アン♪ あの子会いたやあの海越えて♪ あたまの灯は愛の証♪・・・・》

 

鶴丸「これが『あんこう踊り』かっ!? コイツは本当に驚きだぜ!!」

 

太鼓鐘「スッゲェーーーーーーーーッ!!」

 

光忠&大倶利「「(プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル)」」

 

小町「うっわ~~~~・・・・」

 

八&清&安「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

予想通りあんこう踊りを見て鶴丸と太鼓鐘は目を光らせ、光忠と伽羅は必死に笑いを堪え、小町は半眼で同情の視線を向けて、俺と清光と安定は心を殺した目で西住達の踊りを見届けた。

 

『あんこう踊り』が何故あんなにも嫌がられているのか、それは・・・・あんこうの被り物を頭に付け、“ピンクの全身タイツを着て踊る”からだ。女性陣は身体のラインがピッチリと出る上に踊り事態もマヌケだから恥ずかしいんだろうな。まぁ男子は揺れる胸やお尻が拝める事ができるから役得だろうけど。

 

そして現在、西住と武部と五十鈴は羞恥で赤くなっていた(西住はさらに目を回していた)、秋山と冷泉は平然としている、あの二人メンタル強いな。会長は楽しそうにし、河嶋先輩と小山先輩は無表情で踊っていた。良くやるな生徒会・・・・。

 

 

 

 

* * *

 

鶴丸「凄い驚きを見せて貰ったぜ!」

 

太鼓鐘「あぁ! 楽しそうな踊りだったな!」

 

みほ「あぁあの! その事は・・・・!」

 

沙織「お願いします! さっき見たものは忘れてください!!」

 

華「後生ですから・・・・!」

 

踊りを見終わった後、まだ出航まで時間が有り、せっかくだから光忠達と大洗の町の観光と本丸鎮守府にいる皆へのお土産を買おうとブラブラしていた俺達は(小町はクラスメート達と買い物に行った)、同じように買い物に来た西住達とバッタリ出会いそのまま一緒に歩いた。鶴丸と太鼓鐘は『あんこう踊り』を称賛したが、西住達は勘弁してほしいと言わんばかりだった。

 

沙織「あんな格好をイケメンの皆さんに見られたなんて! もう私お嫁に行けないよーーーー!!」

 

そして武部はいつも通りの武部であった。

 

安定「所で優花里さん、麻子さんはどうしたの?」

 

優花里「はい! 何でもお婆さんに顔を見せに行ったらしいです! 行かないと殺されるとか・・・・」

 

八幡「どんだけ恐い婆ちゃんなんだよ?」

 

清光「そう言えばさ、華さんはなんで戦車道をやるの?」

 

華「え?」

 

八幡「そういえば聞いて無かったな。秋山は戦車が好きだから、武部はモテる為、冷泉は単位の為、西住はまぁ生徒会からの命令だったからだが、五十鈴が戦車道をやる理由を知らないな・・・・?」

 

華「実は私・・・・「待って華さん」加藤さん?」

 

五十鈴の話を遮った清光の雰囲気が変わった、清光だけでなく、安定に光忠に伽羅、鶴丸と太鼓鐘も静かになる。

 

八幡「どうしたお前ら・・・・・・・・」

 

聞こうとして俺も気付いた、“誰か”が俺達、いや俺を睨んでいると。

 

???「テメェ! お嬢に何をしてんだぁーーーーーーーー!!!」

 

前方の人力車を引いていた“車夫”が俺に襲いかかってきた。えっ? なにこれ??

 

サッ!

 

スッ

 

ドゴッ!! ドガッ!!

 

バタンッ!!

 

ギリギリギリギリギリギリ・・・・。

 

???「(地面をタップ)イデデデデデデデデデデデデデデデデデデ・・・・!!」

 

みほ達『・・・・・・・・・・・・・・・』

 

一瞬の出来事に西住達は唖然となっている。まぁ解説すると。

 

サッ!(清光と安定が俺と車夫の間に入り俺を庇う)

 

スッ(鶴丸と太鼓鐘が西住達の前に出る)

 

ドゴッ!! ドガッ!(襲いかかってきた車夫の腹部に膝蹴りをし、流れるような動きでとどめの踵落としをキメる伽羅)

 

バタンッ!!(伽羅の踵落としで地面に撃沈する車夫)

 

ギリギリギリギリギリギリ・・・・。(倒れた車夫の背中に馬乗りし腕を極める光忠)

 

とまぁこんな感じだな、伽羅は腰から護身用として持ってきた小太刀の木刀を車夫の顔の横の地面に突き立てる。

 

伽羅「一体なんの積もりだお前?」

 

光忠「いきなり襲いかかって来るだなんて、礼を失しているね?」

 

安定「ウチの八さんに何してくれようとしたのかな?」

 

清光「答えてもらうよ」

 

八幡「お前ら落ち着けって」

 

返答次第では叩きのめすと言わんばかりに冷徹に車夫を睨む刀剣達を落ち着かせる。

 

華「新三郎??」

 

一同『えっ??』

 

八幡「五十鈴、知り合いか??」

 

華「はい、私の実家で奉公している新三郎です」

 

“奉公”って、今時そんな古風な言葉を現代人の口から聞くとは思わなかった・・・・。

 

 

~新三郎に説明中~

 

新三郎「(土下座して)申し訳ございません!! お嬢のご学友に対して大変失礼を!!!」

 

太鼓鐘「なんでいきなりをこんな事をしたんだよ?」

 

新三郎「ヘェ! 今さっきお嬢をお見かけした時、見知らぬ男達に囲まれ、お嬢がしつこいナンパに合っているのではないかと思い違いをしやして!」

 

華「それで何故比企谷さんだけを襲ったのです?」

 

新三郎「ヘェ! 確かに見た感じ、目付きの悪いただの学生ですが、ソコの兄さんがこちら男衆の皆さんの頭<カシラ>であると睨んでつい・・・・」

 

鶴丸「(ヒソヒソ)そそっかしいが見る目があるな」

 

光忠「(ヒソヒソ)ホントだね」

 

???「新三郎がご迷惑をお掛けして、申し訳ありません」

 

人力車から和傘を持ち着物を着た上品なご婦人が降りてきた。ん? 誰かに似ているな・・・・。

 

華「お母様」

 

一同『えっ?』

 

百合「(ペコッ)はじめまして、五十鈴華の母の『五十鈴百合』と申します」

 

上品にお辞儀をする五十鈴のお母さんに俺達も慌ててお辞儀をする。

 

百合「こちらの皆さんは?」

 

華「同じクラスの武部さんと西住さん、比企谷さんと加藤さんと山本さん、クラスは違いますが友人の秋山さん。加藤さんと山本さんの剣道仲間の鶴岡さんと庄子さんと小栗さんと小鐘さんです」

 

みほ&沙織「「こんにちは」」

 

八&刀剣『(ペコッ)』

 

優花里「私はクラスは違いますが、戦車道の授業で・・・・」

 

百合「“戦車道”・・・・?」

 

おい、五十鈴母の雰囲気が不穏になって目付きも鋭くなったぞ? それに気付かず秋山は話す。

 

優花里「はい! 今日試合だったんです!」

 

百合「華さん、どういう事?」

 

華「お母様・・・・」

 

優花里「あっ!」

 

秋山は自分が失言したと自覚したがもう後の祭り。五十鈴母は五十鈴の手を取り、匂いを嗅ぐ。

 

百合「(スンスン)鉄と油の匂い、貴女まさか戦車道を!?」

 

華「・・・・・・・・・・・・はい」

 

八&刀剣『(軍用犬か?)』

 

百合「花を生ける繊細な手で、戦車に触れるなんて・・・・・・・・あっ!」

 

華「お母様!!」

 

新三郎「奥様!!」

 

八幡「(あぁ、これ俺達も巻き込まれるな)」

 

白目を剥いて気絶した五十鈴母を介護しながら、俺は嫌な予感を感じずにはいられなかった。

 

 

* * *

 

五十鈴母を介護しながら、とりあえず五十鈴の実家に向かった俺達、刀剣男士の本丸と同じく古き良き日本家屋、と言うよりもこれはもはや武家屋敷だろう? 五十鈴が“お嬢”と呼ばれるのも納得だわ。そして五十鈴の実家の客間で待つ西住達と俺達・・・・なんで俺達も巻き込まれたの?

 

優花里「すみません、私が口を滑らしたばっかりに・・・・」

 

華「そんな、私がちゃんと母に話しておかなかったのが、いけなかったんです・・・・」

 

何とも重い空気の中、五十鈴の後ろの襖を開けて新三郎さんが出てきた。

 

新三郎「お嬢、奥様が目を覚まされました。お話が有るそうです」

 

華「私、もう戻らないと・・・・」

 

新三郎「お嬢!!」

 

華「お母様には申し訳無いけれど・・・・」

 

新三郎「差し出がましいようですが。お嬢のお気持ち、ちゃんと奥様にお伝えした方が宜しいと思います!!」

 

華「・・・・・・・・・・・・」

 

八幡「行ってこい五十鈴」

 

華「比企谷さん・・・・?」

 

八幡「今回の試合で、お前が如何に優秀な砲手であるかはここにいる皆が知っている。母親との間に“溝”を作ったままじゃ、今後の戦車道活動にも悪影響が出る」

 

光忠「それにお母さんとこんな形で別れるなんて悲しいよ」

 

華「・・・・・・・・はい」

 

 

 

* * *

 

五十鈴がお母さんのいる寝室に向かうと何故か武部と秋山、安定と鶴丸と太鼓鐘が後を付け寝室の襖に耳を立てた。

 

みほ「(ヒソヒソ)良いのかな?」

 

安定「(ヒソヒソ)だって気になるしさ」

 

沙織「(ヒソヒソ)偵察よ偵察」

 

襖の向こうから声が聞こえた。

 

華「申し訳ありません」

 

百合「どうしてなの? 華道が嫌になったの?」

 

華「そんな事は・・・・」

 

百合「じゃ、何か不満でも?」

 

華「そうじゃないんです・・・・」

 

百合「だったらどうして!?」

 

華「私、生けても生けても何かが足りないような気がするのです」

 

百合「そんな事ないわ。貴女の花は可憐で清楚、五十鈴流そのものよ!」

 

華「でも私は・・・・もっと力強い花を生けたいんです!」

 

成る程な。流派通りの生け花ではなく、力強い生け花を生けたい。その為に戦車道で力強さを学びたかったのか。

 

百合「・・・・・・・・」

 

うっわ~、五十鈴母が絶句しているのが声だけでも解る。

 

華「お母様・・・・」

 

百合「素直で優しい貴女は、何処へ行ってしまったの? これも戦車道のせいなの?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・あ?

 

百合「戦車なんて、野蛮で不恰好で、うるさいだけじゃない・・・・! 戦車なんてみんな鉄屑になってしまえば良いんだわ・・・・!」

 

優花里「(ピクッ)鉄屑・・・・?!」

 

沙織「ちょっと落ち着いて・・・・!」

 

優花里「しかし・・・・えっ?」

 

みほ「秋山さん?」

 

優花里「ひ、比企谷殿・・・・!」

 

み・沙「「えっ?・・・・あっ」」

 

ゴオオオォォォォウッ!!

 

光忠「(ヒソヒソ)うわ~、主が本気でキレてるね」

 

太鼓鐘「(ヒソヒソ)加州に大和守もだよ・・・・」

 

伽羅「(ヒソヒソ)ここまでキレた主は、あの陰湿野郎と会合した時以来だな」

 

何か言っている連中を無視して、俺と清光と安定は襖を乱雑に開けた。

 

八幡「ちょっと失礼しますよ・・・・」

 

百合・華「「(ビクッ!?)」」

 

新三郎「き、『鬼神と狼』・・・・?!」

 

少し五月蝿いがお構い無く俺達は五十鈴の近くに正座する。

 

百合「あの、一体何なんですか・・・・?」

 

八幡「人様のご家庭の事情に口出しするのは礼を失していますが、少しだけ話を指せていただきます。確かに華道の家元である五十鈴さんのお母さんから言わせれば、戦車は野蛮で騒音を巻き散らかす迷惑な物かも知れません。ですが、戦車道をやっている人達はみんな真面目にひたむきに頑張っている人達なんです。先ほどの五十鈴さんのお母さんの言いようでは、その人達を侮辱したような物言いは我満できません・・・・!」

 

百合「ぶ、侮辱って、貴方に華道の何が・・・・!」

 

八幡「確かに俺は華道の事はずぶのド素人です。ですが、ご息女が華道も戦車道も、中途半端な気持ちで取り組んではいない事は分かります」

 

華「比企谷さん・・・・」

 

八幡「何故戦車道をやっているのか、それはご息女が自分なりに自分の華道の事を考えての行動でしょう? 自分の納得できない生け方をするのが華道なんですか? ご息女が戦車道から学ぼうとしたんです、自分なりの華道を見つける為に。親なのにそれを理解出来ないんですか!?」

 

百合「っ!!」

 

思わず手を振り上げて俺をひっぱたこうとする五十鈴母だが。

 

百合「っ!?」

 

しかし、その手を止めた人間がいた、俺の後ろから動こうとした清光と安定でもなければ、襖にいた光忠達でもない、いつの間にか動いていた鶴丸だ。

 

鶴丸「ここでそれをやっちゃいけませんよ奥さん」

 

鶴丸は優しく五十鈴母の手を下ろすと、俺の隣に座る。

 

鶴丸「少し言い過ぎだぜ、八さん?」

 

八幡「(ため息)悪い・・・・」

 

鶴丸「奥さん。ご息女に戦車道をやってほしくないお気持ちは分かります。でも、俺はご息女よりも年を食っているので言わせてもらいますが、若い内から学べる物はいっぱい学んでいくと善いと思います」

 

良く言うわ、五十鈴達どころか目の前にいる五十鈴母よりも年食っている年長者が・・・・。

 

鶴丸「子供の時間ってのはあっという間に過ぎてしまいます。でもだからこそ、子供達が色々な物に触れて、学び、成長していくのを見守ってやるのも、大人の務めじゃないですか?」

 

百合「・・・・・・・・・・・・」

 

五十鈴母も黙って聞いている。今の鶴丸からは見た目の若い好青年ではない、長い時を経験した年配者の風格が出ている。

 

百合「しかし、花を生ける手を戦車道で汚すのは・・・・」

 

八幡「だったら見せてもらえば良いだけですよね?」

 

百合「えっ?」

 

八幡「(華に目を向け)五十鈴さん、アンタは華道を蔑ろにする気はないんだよな?」

 

華「(コクン)もちろんです」

 

俺の問いに五十鈴は毅然とした態度で頷いた。前から思ってたけど、五十鈴って肝が据わっているな。十分大和撫子だわ。

 

八幡「なら見せてやれよ。自分が求める“力強さ”ってモノが見つかったんなら、それを華道で表現して、お母さんに見てもらえば良い」

 

華「・・・・・・・・お母様、私は戦車道を止めるつもりはありません。ですが、華道も止めるつもりもありません。必ず表現して見せます。私の華道を」

 

百合「・・・・・・・・良いでしょう。ですが、それを表現できるまで、この家の敷居を跨ぐ事は許しません」

 

新三郎「奥様!」

 

百合「新三郎は黙っていなさい! 比企谷八幡さん、でよろしいかしら?」

 

八幡「はい」

 

百合「もしも華さんが私の納得できる花を生ける事が出来ないときは、貴方にも責任を取っ手もらいます」

 

まぁ焚き付けた以上そうなるよな。

 

八幡「解りました」

 

百合「(頷き、後ろを向く)では、お行きなさい」

 

華「お母様・・・・」

 

百合「華さん、私が納得できる花を生けてみなさいな」

 

華「はい、必ず。失礼します」

 

五十鈴と俺達は部屋を出て西住達と合流する。

 

華「帰りましょうか?」

 

みほ「でも・・・・」

 

華「いつかお母様を納得させられる花を生ける事が出来れば、きっと分かって貰えます」

 

みほ「あっ・・・・」

 

ホント、毅然としているな。

 

新三郎「(涙目)お嬢!」

 

華「笑いなさい新三郎。これは新しい門出なんだから。私頑張るわ」

 

新三郎「はいッ! うぅっ!」

 

みほ「五十鈴さん」

 

華「はい?」

 

みほ「私も、頑張る」

 

華「ウフフ」

 

西住達はそのまま新三郎さんが引く人力車で学園艦に戻り、俺達は土産を買う為に五十鈴の家の前で別れた。

 

百合「あの・・・・」

 

すると五十鈴母がやって来て俺達に話しかけてきた。

 

八幡「なんでしょうか?」

 

百合「・・・・・・・・華さんの事、よろしくお願いいたします」

 

綺麗にお辞儀をする五十鈴母、なんだかんだ言っても、我が子が心配なんだな、俺達もお辞儀を返した。

 

八幡「俺も出来る限りお嬢さんの力になります」

 

百合「はい・・・・!」

 

そして俺達は急いで土産を買い、学園艦に戻り西住達(冷泉もいた)と合流した。鶴丸達は別ルートから学園艦に入り、俺の家から本丸鎮守府に帰還した。

 

安定「みんなお疲れさま!」

 

沙織「もう出航ギリギリじゃない!」

 

清光「ゴメンゴメン。お土産選びに手間取っちゃってさ」

 

一年生チームもいて俺にお辞儀した。どうやら西住達にちゃんと謝罪したようだな。

 

華「あの比企谷さん・・・・」

 

八幡「ん?」

 

華「(ペコッ)ありがとうございました。母を説得してくださって」

 

八幡「別に説得ってほどの事じゃねえし、それに言っただろ? 今後の戦車道活動にも悪影響が出るって、ただそれだけだ」

 

沙織「素直じゃないわね・・・・」

 

梓「武部先輩、比企谷先輩のこの態度は捻くれたデレ態度で『捻デレ』って言うんですよ」

 

優花里「ほぉ~、『捻デレ』ですか?」

 

麻子「妙にピッタリだな」

 

八幡「変な単語浸透させんな。それよりも西住、それは・・・・?」

 

西住の手に持った紅茶のティーセットが有った。

 

みほ「うん、聖グロリアーナのダージリンさんから貰ったの・・・・」

 

聖グロリアーナは好敵手と認めた相手に紅茶を送ると言うが、どうやら西住はダージリンさんのお眼鏡にかなったみたいだな。

 

 

 

 

ーダージリンsideー

 

優雅に紅茶を飲んでいたダージリン達に、装備を外した金剛四姉妹が近づいた。

 

金剛「ヘイ、ダージリン! 大洗のガール達に紅茶をプレゼントしたそうネ?」

 

ダージリン「えぇ、あの子<西住みほ>のお姉さんよりも楽しめたわ。それにアドミラルの番号も分かったし、今日は最高の日だったわ」

 

金剛「へぇ~提督の番号を、中々やりマスネ?」

 

ダージリン「金剛さんなら知っていると思うけれど」

 

ダージリン&金剛「「『イギリス人は恋愛と戦争では、手段を選ばない』」」

 

お互いに不敵な笑みを浮かべるダージリンと金剛。

 

金剛「ワタシ達の提督のハート、簡単に撃ち抜けると思わない事ネ」

 

ダージリン「ウフフフフフフ、簡単に撃ち抜けないなら、それはそれで燃えるわね」

 

ダージリン&金剛「「フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ」」

 

お互いに牽制し合うように笑い合う二人をオレンジペコとアッサム、妹達は苦笑いを浮かべていた。

 

 

 

 

 

ー八幡sideー

 

八幡「なんじゃこりゃ・・・・??」

 

本丸鎮守府に戻った俺は、仕事は直ぐに終わらせ“新しい刀剣男士”を顕現させたので、みんなに紹介しようと食堂に赴くと、食堂のド真ん中に大きなステージが作られていた。

 

鶴丸「よーし、これで準備は良いな!」

 

翔鶴「鶴丸さま、これはなんのステージでしょうか?」

 

鶴丸「おお、今日の戦車道の試合の後に見た驚きの踊りを皆に披露しようと思ってな! 所で瑞鶴はどうしたんだ? さっきから足を押さえて動き辛そうだが?」

 

瑞鶴「(椅子に座り)あ、ああぁ・・・・!」

 

鶯丸「気にしなくて良いぞ鶴丸、馴れない事<茶道>をやって足が痙攣を起こしているだけだ」

 

八幡「おい、なにしてんだお前ら?」

 

鶴丸「おぉ主!」

 

翔鶴「お疲れ様です提督。あら? そちらの方は?」

 

翔鶴が俺の後ろにいる刀剣男士を見る。

 

人ならざるモノ感を漂わせる雰囲気をした細身で、獅子王よりも小柄な美少年。烏の翼のような特徴的な髪型をし、黒曜石のような瞳をし、目の下に黒い点を化粧し、瞼と唇に化粧を施している妖しい雰囲気を纏った眉ナシ、戦装束は緋色と黒の水干風の和装を纏い足元は裸足。

 

八幡「さっき新しく顕現した刀剣男士、『太刀 小烏丸』だ」

 

小烏丸「我が名は小烏丸」

 

瑞鶴「(ヨレヨレ)へぇ~小烏丸さん。獅子王よりも小柄ね」

 

翔鶴「瑞鶴、初対面の方に失礼よ」

 

小烏丸「見た目で相手を計ってはならぬぞ、我は今の形の日本刀が生まれ出づる時代の剣。言わばここにいる刀剣の“父”も同然よ。父と崇めても良いぞ」

 

鶴丸「そうなのか主?」

 

八幡「調べてみたら、一説には日本の刀が日本刀となる成立過程の一振りと記されていてな。あながち父と言うのも間違ってない」

 

小烏丸「さよう、故に我を父と呼ぶが良い」

 

翔鶴「鶴丸様達のお父様は随分お若いのですね?」

 

瑞鶴「それ言ったらお爺ちゃん<三日月宗近様>も若い外見だけどね」

 

ホントにな、刀剣男士達は見た目と中身のギャップが凄すぎるんだよな。

 

小烏丸「所で、これから何がはじまるのだ?」

 

鶴丸「おう! これから俺と光坊と貞坊と伽羅坊、加州と大和守で『あんこう踊り』を披露するんだよ!」

 

なん・・・・だと・・・・!?

 

鶴丸「踊りは俺達がやるから、歌の方は主が歌うんだぜ!」

 

八幡「ちょっと待て鶴丸! なんで俺があんこう踊りの歌を歌うんだ!? お断りだぞ!」

 

鶴丸「そう言うなって主。せっかく面白い驚きを皆にも見せてあげようぜ!」

 

鶯丸「みんなも楽しみにしているぞ」

 

鶯丸が食堂の入り口を見ると、本丸鎮守府のみんなが集まっていた。

 

秋田「主様、『あんこう踊り』ってどういう踊りなんですか?」

 

五虎退「僕、すごく楽しみです・・・・」

 

蛍丸「主さんは歌う役なんだよね?」

 

愛染「なぁなぁ主さん!」

 

今剣「あるじさま!」

 

鶴丸「(ニヤリ)さぁどうする主?」

 

おのれ鶴丸! 俺の『心の癒し(男の子の部)』を使いやがって!

 

前田「大丈夫ですか? 暁さん、雷さん、電さん」

 

平野「ゆっくり歩いてください」

 

何故か暁と雷と電が平野と前田の王子様コンビに連れられているが。

 

八幡「響、何が有ったんだ?」

 

響「馴れない事をやって足が痙攣を起こしただけだよ」

 

コイツらもかよ? 俺の『心の癒し(女の子の部)』に一体なにが?

 

清光「主、もう自棄でやっちゃおうよ・・・・」

 

安定「格好はあんこうの被り物だけで許してくれるそうだし・・・・」

 

伽羅「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

あんこうの被り物を被った清光と安定と伽羅が死人の目になってやがる。光忠は苦笑いを浮かべ、鶴丸と太鼓鐘はノリノリだ。

 

八幡「こうなりゃもうヤケクソだ・・・・!」

 

そして、俺達は大洗名物(迷物?)『あんこう踊り』を披露した。

 

八幡「アアアン♪ アン♪ アアアン♪ アン♪ アアアン♪ アアアン♪ アン♪ アン♪ アン♪ あの子会いたやあの海越えて♪ あたまの灯は愛の証♪ 燃やして焦がしてゆーらゆら♪ 燃やして焦がしてゆーらゆら♪ こっち来てアンアン♪ 逃げないでアンアン♪ 波に揺られてアンアンアン♪」

 

刀剣&艦娘『アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッッ!!!!!!』

 

ノリノリの鶴丸と太鼓鐘とちゃんと付き合っている光忠を抜いて、完全に心を殺して死んだ目になった俺の歌と、同じような目になった清光と安定と伽羅の踊りに刀剣男士達と艦娘に爆ウケした、特に天龍&龍田と歌仙は伽羅の踊りがツボに入ったようだな。

 

後にこの『あんこう踊り』が、我が本丸鎮守府のブームになった時はこの世の終わりを感じた。

 

もうすぐ戦車道の公式全国大会、はてさて、どうなる事やら?

 

 




次回で西住姉とその忠犬登場。
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