やはり俺が“とある本丸鎮守府”の審神者兼提督で戦車道までやるとか多忙過ぎるだろう   作:BREAKERZ

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注意:この作品の比企谷八幡は、一年前から審神者として刀剣男子達と過ごし、半年前に艦娘達の提督として過ごして人間性が原作八幡よりも改良されています。


やはり三日月宗近には敵わない

西暦1221年 承久三年。源氏の血筋が絶えたのを好機と見た後鳥羽上皇が鎌倉幕府の執権 北条義時を追伐するために兵を挙げた。そして、それを迎撃する為に北条方が陣を敷いている地点から少し離れた山に“奴ら”はいた。

 

どす黒いオーラを全身から放つ異形の怪物。太刀から打刀を携えた鎧武者の姿に幽鬼のような出で立ちから下半身が骨作りの怪物、小刀を食らえ宙を漂う魚の骨ような化け物。

この異形達こそ、“歴史修正主義者 時間遡行軍”である。彼らが何者であるかは現代の海の脅威と呼ばれた“深海凄艦”と同じく謎である。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

そして奴らは北条方の陣を襲撃するべく進行していた。

 

清光「オラオラオラーーーーー!!」

 

だが、遡行軍の背後から加州清光と大和守安定と獅子王が襲撃した!

 

『(コクン)・・・・・・・・』

 

遡行軍は頷き合うと二手に別れ、何体かは加州達を迎撃する。

 

清光「ハッ!」

 

『オオッ!』

 

獅子王「イヤァッ!」

 

『グオオッ!?』

 

獅子王「へっ、隙だらけだぜ!!」

 

加州とつばぜり合いとなった遡行者の背後を獅子王が斬りつけられ黒い霞となって消滅する。

 

『グウゥッ!』

 

安定「うわっ!」

 

安定の方は槍を持った遡行者の攻撃を受け止め捌き、距離を空ける。

 

安定「フフフ、さぁ戦闘の始まりだぁ!」

 

学校での“山本安定”を知る人間が見たら驚くほどの好戦的な笑みを浮かべて、遡行者と斬り結ぶ。

 

『っ!』

 

安定「首落ちて死ね!」

 

遡行者が突き技を繰り出すと安定は槍の切っ先をずらし、そのまま刀を滑らすように移動させて遡行者の首を斬り飛ばし、黒い霞となって消滅した。

 

 

ー蛍丸sideー

 

雑木林を突き進む二体の遡行者は小川に付くと、何匹もの蛍がキラキラと光りを放ちながら飛んでいた。

 

『『っ!?』』

 

立ち止まる遡行者達の前に、蛍に包まれながら身の丈以上の大太刀を構える蛍丸がいた。

 

『『っ!!』』

 

遡行者達は蛍丸に襲いかかるが、蛍丸はヒラリと跳び上がり。

 

「フッ!」

 

大太刀を軽々と振るい、まとめて斬り裂き、消滅させた。

 

蛍丸「逃がさないよ・・・」

 

静かにソッと呟く蛍丸は刀身に彫られた『八幡大明神』を撫でながら無邪気な笑みを浮かべる。

 

蛍丸「主さん、誉めてくれるかなぁ♪」

 

 

 

ー髭切・膝丸sideー

 

そしてここに、一際巨大な時間遡行者と切り結んでいる髭切と膝丸がいたが。

 

膝丸「兄者!」

 

髭切「ハアァッ!!」

 

『ガァアアアアアアアアアッッ!!』

 

膝丸の背後から髭切が斬りつけ、遡行者は消滅した。

 

膝丸「流石は兄者だ!」

 

髭切「イヤイヤ、君のお陰でもあるよ、えっと・・・?」

 

膝丸「兄者! 俺の名は膝丸だ! ひ・ざ・ま・る!!」

 

 

ー清光sideー

 

そして清光は最後に残った武家のような甲冑を纏う遡行者と対峙した。

 

『・・・・・・・・』

 

清光「・・・・・・・・」

 

ジリッ・・・・ダッ!

 

清光「フェイント! に見せかけて攻撃!」

 

『っ!!』

 

意表を突いた攻撃に見せて、正面突破の攻撃に僅かに反応がずれた遡行者は身体を真っ二つにされて、消滅した。

 

安定「清光ーーーーー!!」

 

清光「あぁ、安定。そっちはどう?」

 

安定「全然余裕♪ そっちは?」

 

清光「こっちも片付いた所さ。今膝丸が他に居ないか索敵しているよ」

 

安定「そっか、それじゃ何もないなら膝丸達にも教えておかないといけないよね?」

 

清光「主が戦車道をやることになった事をね」

 

 

 

~現代~

 

ー八幡sideー

 

さて清光達が“わんにゃんにゃんわんまつり”・・・ではなく、承久三年に行っている間に俺は食堂に集まった刀剣男士達(遠征&当番以外)と、艦娘達(学園艦の護衛任務と遠征以外)に事のあらましを伝える。それを聞いて刀剣男子達はムッとした顔になり、艦娘達に至っては不快そうに顔を歪めた。おそらくこの事態にあの“七三メガネ”が絡んでいる事に不快感が出たのだろう。何しろあの“陰険メガネ”こそが、艦娘達の事を「“深海”の脅威がほとんど無くなった今、艦娘など“無用の長物”ですよ」とほざき、艦娘を“お払い箱扱い”したヤツだからな、不快になってもしゃーないか。

 

長門「それで提督、角谷杏大洗生徒会長の“提案”ですが、上手くいくと思いますか?」

 

陸奥「あの“陰湿メガネ”の事だから何かやるんじゃないかしら?」

 

長門と陸奥の懸念も最もだ。あの“クソメガネ”が学生との約束を律儀に守るような“誠実な人間”ではないからな」

 

小町「イヤお兄ちゃんが言っても殆んど説得力無いよ」

 

こんのすけ「確かに主さまも結構誠実から離れた性格してますからね」

 

八幡「うるさいよ・・・・」

 

いつの間にか言葉に出ていたか。しかしウチのマイエンジェルな妹、小町ちゃんと狐のぬいぐるみ擬きのこんのすけは普段から俺をどう見てやがるんだ?

 

光忠「小町ちゃん、いくらその通りとは言えそんな風に言ってはいけないよ」

 

長谷部「こんのすけ! 貴様主を愚弄するか!? 主は確かに捻くれてネジくれている所は有るが、不器用な思いやりがあるお優しい方だぞ!!」

 

光忠と長谷部の優しさが今では俺の心をグッサグッサと刺しまくりやがる。

 

???「提督、踞ってどうしました?」

 

八幡「イヤな“大淀”、なんか心臓に“天下三名槍”が突き刺さったような痛みがな・・・・」

 

???「おい主! 俺達を巻き込むなよ!!」

 

???「主! 我らは主を刺してはいないですぞ!!」

 

???「いくら俺が刺すことしか能がないからって主を刺す事はねぇって!!」

 

俺を気遣ってくれた黒い長髪にメガネを掛けたこれぞ才女と言わんばかりの知的な少女は『大淀型一番艦軽巡洋艦 大淀』、普段は『サポート艦』として提督である俺の仕事のサポートをしてくれる。え?『秘書艦』は長門ではないのかって? 長門は主に俺が不在の間に鎮守府の纏め役で陸奥はその補佐。大淀は主に書類整理といった事務仕事で俺のサポートをしてくれている。

そして俺にブーイングを出したのはかなりの癖っ毛の群青色の髪を雑にハーフアップさせ、触覚のような髪が何本も出て、つなぎ服の上半身を脱いで白いランニングシャツを露にしている髭の大柄のオッサンは『槍 日本号』と小豆色の長髪を後ろに結わえ、黒い着物を着た武人の佇まいをした大柄の男は『槍 蜻蛉切』。そして最後に他の二人と違って大柄と言うよりも細長いと言って良い長身に緑のジャージを着た青年『槍 御手杵』、天下に轟く三振りの槍、『天下三名槍』の三振りだ。

 

八幡「冗談だよ、冗談」

 

???「提督のつまらない冗談は置いといて、それで私達はどうすれば?」

 

辛辣な事言うのは『正規航空母艦 加賀』だ。もう止めて、八幡の(心の)ライフは0よ! なんてバカな考えは置いて。

 

八幡「あぁ、取り敢えず艦娘達はその内訪問するであろう、それぞれの護衛対象の学園艦代表や戦車道の隊長達に話を通しておいてくれ」

 

艦娘達『了解』

 

???「なぁなぁ、大将!」

 

八幡「ん? 何だ“厚”?」

 

厚「俺達刀剣男子も何か協力できねぇかな?」

 

八幡「って言われてもな・・・・」

 

???「いっつも加州さんや大和守さんは主さまとの学園生活を楽しそうにはなしてるんだもん!ボク達も学校に行ってみたい!!」

 

???「“乱”くん、加州さんも大和守さんも護衛で行ってるんだよ」

 

乱「でも“最上”ちゃん!」

 

???「ほらほら“乱”、“最上”さんを困らせてはいけませんよ」

 

乱「“一兄”・・・」

 

一期「それにまだ主さまの話も終わってないんだから、ここはおさえて」

 

乱「は~い・・・」

 

『短刀 乱藤四郎』、ストロべリーブロンドの長髪にスカイブルーの瞳をした美少女に見えるが、正真正銘の“刀剣男士”だ。もう一度言おう、“刀剣男士”だ! 所謂男の娘系である。そして乱と隣合わせになっているのは『最上型一番艦重巡洋艦 最上』、こっちは元気はつらつとしたボクっ娘系女子である。しかしこの二人は付き合っているのだが、どっちが女でどっちが男だ?

 

八幡「(悪いな、“一期一振”・・・・)」

 

一期「(イエお気に為さらず、主さま)」

 

そして乱を諌めたのは、十数振りもいる“藤四郎兄弟”の一番上の兄で、唯一の太刀である刀剣男士『太刀 一期一振』。まるで少女漫画から出てきたような美男子だよ。

 

八幡「まぁ、刀剣男子の皆の要望は何とかするけどな」

 

光忠「問題は、“西住みほ”さんが戦車道に参加するかだね」

 

天龍「でもよ提督、その西住ってヤツがどうして戦車道から離れたんだ?」

 

八幡「それについては・・・“今剣”、さっき持って来てくれたモノを頼む」

 

今剣「はいあるじさま!」

 

俺に元気よく返事してくれたのは源氏の英雄である“源義経”の守り刀『短刀 今剣』だ。俺が顕現させた刀剣男士で三番目に顕現した古株だ。因みに二番目の刀剣男士はへし切り長谷部。最初の頃は審神者の俺と清光と長谷部と今剣、この一人と三振りだけで本丸の運営から生活調整まで、やること有りすぎててんてこ舞いだったな。後に“前田藤四郎”と“にっかり青江”と“蜂須賀虎徹”が顕現したらしたで、遡行軍との戦闘まであって、その時は本丸に小町を家事の助っ人として本丸に呼んでいたから刀剣達も小町を歓迎するんだよな・・・・。

 

今剣「あるじさま、じゅんびできました!」

 

八幡「おう、ありがとな今剣」

 

頭を撫でてやると今剣は嬉しそうにクゥ~と言わんばかりに目を細める・・・癒されるわ~。相棒の『薙刀 岩融』は豪快に笑っているし、長門なんて今剣に萌えてるし・・・・何か“藤四郎兄弟達”や“お小夜”のような短刀組や、“駆逐艦”達から“羨望の視線”を感じるが、皆も今剣を撫でたいのか?

 

小町「(ボソボソ)・・・・お兄ちゃん、どうせ増やすなら“お義姉ちゃん候補”にして、“お義兄ちゃん候補”は小町遠慮したいから・・・・」

 

何を言ってるんだ小町? 小町の“兄”は俺だけだろう?

 

小町「(ボソボソ)はぁ、ウチのお兄ちゃんが“ソッチの道”に行かないように、戦車道の人達に期待するしかないかなぁ・・・・?」

 

何か不吉な事をぶつぶつ呟く小町を一先ず置いて、俺は今剣が持ってきてくれたポータブルテレビで『去年の戦車道決勝戦』が録画されたDVDを再生させ、刀剣男子達と艦娘達も食い入るように画面を見たーーーーー。

 

 

 

ー30分後ー

 

『ただいま~』

 

長谷部「やはりあの時の西住みほの行動は間違っている!」

 

吹雪「でも“あんな事態”が起きたら私だって西住さんと同じ事をします!」

 

加賀「作戦行動中だったのよ、不足の事態が起こるのは戦場の常、それなのに感情的になった西住みほの失敗ね」

 

???「待てよ、じゃ見て見ぬふりするのが正しいのかよ!?」

 

『何これ?(何だこれ?)』

 

任務から戻ってきた清光達は、長谷部と吹雪、加賀と“国俊”の口論を見て首を傾げた。

 

八幡「おうお前ら、お疲れさんご苦労さん」

 

安定「主、一体何があったの?」

 

八幡「あぁ、昼間のあらましを皆に説明して、去年の決勝戦の映像を見せたんだが、“西住の行動”の賛否両論が起こってんだよ・・・」

 

清・安「「あぁ・・・」」

 

髭切「なるほど・・・」

 

膝丸「昼間の・・・」

 

獅子王「あらましを・・・」

 

蛍丸「皆に・・・」

 

「「「「プッ!」」」」

 

八幡「ん?」

 

何だ? どうして髭切と膝丸と獅子王と蛍丸は俺を見て噴いてんだ?・・・・まさか・・・・!

 

八幡「清光・・・安定・・・!」

 

清光「ゴメン主・・・」

 

安定「“あの作文”の事、獅子王達にも教えちゃった・・・」

 

マジかよ・・・・これ絶対後で皆にも知られるパターンじゃね?

 

???「大将、オチてる場合じゃないぜ。このままじゃまずい」

 

???「皆ヒートアップしちゃってるわね~」

 

絶望している俺に話しかけたのはメガネを掛けて白衣を着た黒髪の知性的美少年『短刀 薬研藤四郎』。長谷部と同じく第六天魔王 織田信長が本能寺で自刃する時に使った短刀で、“藤四郎兄弟”のブレインであり薬作りもできる。見た目は中学生位だが男前な性格の美少年である刀剣男士。そしてその薬研にしなだれるように抱きついているのは、『高雄型重巡洋艦二番艦 愛宕』。ゆるふわ金髪ロングにグラマラスな豊満ボディをした美女。ゆるふわ美女とクール美少年のおねショタカップルだ。

 

八幡「ん、分かってる薬研、愛宕。そろそろ皆議論が白熱してきて前後不覚状態になるな。さて、ここはウチの“御意見番”の出番だな・・・・ってことで頼むわ」

 

状況が引っ込みつかなくなる前に、議論をしている皆から少し離れた位置で茶を啜っている黄色いバンダナを頭に巻き、青い着物を着た美青年に話しかける。

 

???「おやおや主よ、この老体に働けと言うのか?」

 

八幡「こう言う時こそ年長者として纏めてくれよ、“三日月宗近”」

 

『太刀 三日月宗近』。天下に5つしかない名刀、『天下五剣』の一振りで“最も美しい刀”と誉れ高く、千年の歴史の荒波を駆け巡った刀剣男士達の中でも年長者の方。『天下五剣』の一振りに列せられるのも納得の実力を持っているが、性格はおおらかと呼べば聞こえは良いが実の所は“究極のマイペースジジィ”。内番の仕事はちゃんとしてくれるが、日がな一日縁側で茶を啜っているし、良く短刀組や駆逐艦組から世話を焼かれているし、同じく“三日月”の名前をしている『睦月型駆逐艦10番艦 三日月』から「お祖父様」と呼ばれて慕われ、さらに愛宕の姉である『高雄型重巡洋艦一番艦 高雄』(黒髪ボブカットで愛宕にも負けず劣らずのグラマラス美女)とも懇意な関係となっているリア充ジジィである。しかし、頼りになる事は間違い無いヤツだ。

 

三日月「お祖父様・・・」

 

高雄「宗近様・・・」

 

八幡「頼むわ、宗近」

 

宗近「フム・・・あいわかった」

 

孫娘のように可愛がっている三日月や殆んど嫁状態の高雄、そして審神者である俺からも頼まれ、ようやく重い腰を上げた宗近は議論を繰り広げる皆の間に割って入る。

 

宗近「皆少し落ち着け、少々頭に血が昇っているぞ」

 

刀剣『三日月宗近・・・』

 

艦娘『三日月様・・・』

 

宗近が入ってきて議論していた全員の視線が宗近に集まる。普段はのらりくらりのマイペースだが、こう言う時に皆を纏めあげる事ができるのが三日月宗近なんだよなぁ・・・。

 

宗近「吹雪達の言い分も理解できなくはないが、長谷部達の言う事も一理はある。しかし長谷部に加賀よ、大前提を忘れてはいまいか?」

 

『???』

 

三日月宗近の言い分に“西住みほ否定派”は首を傾げる。

 

宗近「良いか・・・戦車道は“競技”なのだ」

 

『っ!!』

 

宗近の言葉に俺も含んだ全員がハッ!となった。

 

 

 

~数時間後~

 

八幡「ふっ! ふっ! ふっ! ふっ! ふっ!」

 

宗近「おやおや主よ、精が出るな」

 

八幡「宗近・・・・」

 

食堂での議論が終わり、皆と晩飯を食べ終えた俺は道場に来て木刀で素振りをしていると、宗近が現れた。

 

宗近「この本丸が本丸鎮守府に変わってから、主は自己の鍛練を行うようになったな?」

 

八幡「別に。また身体を壊して熱出してぶっ倒れて、長谷部達が五月蝿くならないように少し身体を鍛えようと思っただけだ」

 

宗近「フフフフフ、さようか」

 

コイツのこの“お見通し”と言わんばかりの目と態度がどうも苦手だ。ある意味、角谷先輩をさらに老獪にしたらこのジジィになるかもしれん。恐ろしや・・・。

 

八幡「んで何のようだよ? わざわざ茶化しにきたのか?」

 

宗近「イヤ何。先程の“主の作文”はなかなか面白かったのでな」

 

八幡「やっぱり茶化しに来やがったな?」

 

先程、宗近が皆を諌めた後で、清光と安定が俺が生徒会に脅された理由の作文を皆に聞かせたら、刀剣男子組は爆笑する者や苦笑いを浮かべる者、呆れ目で見る者と十人十色だったが、艦娘組からは。

 

【提督、幾ら何でも私達をテロリストにしないで下さい・・・!】

 

とか、わりかしマジで釘を刺されたわ・・・。

 

宗近「フフフフフ、主よ。西住みほをどのように説得するか模索中と言った所か?」

 

八幡「・・・・・・・・・・・・」

 

何で宗近は俺の悩みとか迷いとか直ぐに見抜いちゃうかな?

 

宗近「まぁ、なるようになるにしかならぬな。ただ、主がどのような“やり方”をやったとしても、我らは主の“味方”で有り続ける。それだけは分かっていて欲しいな」

 

八幡「・・・・・・・・分かってるよ、ジィちゃん」

 

宗近「ウム。では俺はこれで失礼する。“小狐丸”との月見の約束が有るのでな」

 

俺の答えに宗近は満足そうに頷くと道場から去っていった。本当にあのジィちゃんには敵わないな・・・・。

 

 

ー小町sideー

 

道場の外では、清光と安定と小町、それに三日月と高雄がコッソリと中の様子を伺っていると、宗近が出てきた。

 

清光「三日月・・・」

 

安定「主は?」

 

宗近「主の事だ、いざとなれば自らを“悪者”と仕立てあげようとするだろう。加州、大和守、主の“助け船”を頼むぞ」

 

清光「了解」

 

安定「任せて」

 

宗近「ウムでは三日月、もう夜遅い。そろそろ寝るのが善いだろう」

 

三日月「うぅ~~。大丈夫ですぅ、三日月まだ起きられるですぅ・・・」

 

高雄「ウフフ、三日月ちゃん。もう眠そうですわよ?」

 

眠そうに目を擦る三日月に宗近と高雄が微笑ましく見つめる。

 

宗近「三日月よ、夜更かしは美容の大敵と呼ぶ。それに明日は“大洗学園艦の護衛任務”が入っているからな」

 

安定「あぁそうか、明日は三日月ちゃん達がウチの学園の護衛任務に付いてるんだな」

 

清光「それじゃ明日に備えて早く寝なくちゃね」

 

三日月「うぅ~~」

 

宗近「三日月、今夜はもう寝ると善い。高雄、三日月を頼む」

 

高雄「お任せ下さい、宗近様」

 

宗近と高雄は三日月を手を繋いでそのまま鎮守府の方へと歩いて行った。

 

小町「あぁして見ると最早親子だね、宗近さんと高雄さんと三日月ちゃんって」

 

清光「そうだね。三日月ちゃんも高雄さんなら良いって言ってたみたいだよ」

 

安定「もうさっさとケッコンしちゃえば良いのに三日月宗近も高雄さんもさ」

 

清光と那珂や安定と川内を含め、刀剣男士達と艦娘達の間で恋人関係になっている者達は少なくない。しかし、それ“以上の関係”になるためにはまだ“色々な手続き”が必要になっている為なかなか進まないでいた。

 

小町「ま、そこら辺の諸々の事情は、今は取り敢えず置いておくとして・・・清光さん、安定さん、お兄ちゃんの事宜しくお願いします。お兄ちゃん口には出さないけど、学園で清光さんと安定さんがいてくれる事、感謝してるんです」

 

清光「分かってるよ小町ちゃん」

 

安定「ウチの主が不器用なのは、この一年余りの付き合いでちゃんと理解しているからね」

 

清光と安定の言葉に、小町は一年前の兄の事故で審神者として覚醒した事に不謹慎だが、内心喜んでいた。

 

 

~翌日~

 

そしていつも通り俺と清光と安定は小町と中等部に行った小町と別れ、学園に行き、教室を眺めると西住と武部と五十鈴が話し合っていた。

 

安定「(ボソボソ)どうやら西住ちゃんは戦車道を選択しなかったっぽいね」

 

清光「(ボソボソ)どうする八さん?」

 

八幡「(ボソボソ)決まっているだろう」

 

俺は西住に近づく。

 

八幡「西住・・・・」

 

みほ「(ビクッ)ひ、比企谷くん・・・・」

 

お~お~、見に見えて俺に怯えてるわ。そう言えば初めて“五虎退”や“電”達と会った時もこんな風に怯えられてめっちゃ傷付いたことを思い出すな。そして西住が怯えるのを見て武部と五十鈴が俺に厳しい目を向ける。

 

沙織「あっ、生徒会の犬比企谷八幡!」

 

華「何の御用でしょうか?」

 

わぉ、完全に俺生徒会の仲間認定されてるよ。大変不本意だわ・・・・。

 

八幡「西住、選択科目は?」

 

沙織「みほは“香道”を選んだんだから、戦車道はやらないからね!」

 

八幡「あっそ、ならその事を生徒会の方にちゃんと言ってきた方が良いぜ」

 

華「何故みほさんが行かねばならないのですか? 比企谷さんが伝えれば良いのでは?」

 

八幡「生憎とそこまで生徒会に義理立てするつもりは無いんでね。断りたいんなら自分の足で生徒会に行って、自分の口から断って来て貰う」

 

みほ「・・・・・・・・・・・・」

 

沙織「ちょっとそれ横暴じゃない!?」

 

八幡「その横暴を罷り通らせるのがウチの生徒会だろうが」

 

華「ですが!」

 

みほ「良いよ、沙織さん、華さん。比企谷くん、私を生徒会に連れてって」

 

八幡「良いだろう」

 

西住が立ち上がると、武部と五十鈴も立ち上がる。

 

沙織「私達も行くからね!」

 

華「構いませんよね?」

 

みほ「沙織さん・・・華さん・・・ありがとう・・・!」

 

やれやれ少し前の俺なら内心小馬鹿にしていたような展開。女の子の友情って素晴らしいね~。

 

八幡「あぁ構わない。清、安、西住達を連れて行くぞ」

 

清・安「「了解」」

 

俺が先頭を歩き、西住と武部と五十鈴が俺の後ろを歩き、清光と安定が三人の後ろを歩いていた。

 

沙織「清くんも安くんも、みぽりんに戦車道をやれって言うの?」

 

清光「別に、やりたくない人間を無理矢理入れても仕方ないとは思うけどね」

 

華「では何故、生徒会に協力するのですか?」

 

安定「僕達は生徒会じゃなくて、八さんについているんだよ」

 

みほ「加藤くんと山本くんは、比企谷くんの味方なの?」

 

清光「そうだよ。学園の皆や学園艦の住人全員から嫌われようとも」

 

安定「僕達は八さんと一緒にいる」

 

清・安「「俺達/僕達は、八さんの味方だからね」」

 

後ろで清光と安定が何かはずいセリフを言っているようだが、取り敢えず聞き流して俺達は生徒会室を目指した。




刀剣男子達と艦娘達は三日月宗近と三日月(艦娘)を区別するため、刀剣男子は「三日月宗近」か「宗近」と呼び、艦娘は「三日月宗近さん」か「宗近様」と呼ぶ。三日月(艦娘)は「三日月ちゃん」か「三日月」と呼ばれている。
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