ばんどり!+αさんごくし!   作:羽沢ちゅぐみ

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注意書きは1話に掲載しています

こういうのを書くの楽しくて面白いよね(ノシ・∀・)ノシ色々細かい所調べながら書いてるから色々と知れるし

後書きにキャラの紹介とかもしてあります


混乱の世と鬼神の武

羽丘川189年

ハロハピ族の乱が終結してはや5年、当時の帝が崩御し、新たな帝が即位。新たな朝廷が出来上がった、と思われていました。しかし、それを崩さんとする闇の影が、

 

「その帝は気に入らん!この子の方がよっぽど賢くて良いのよー!」

 

女は即位したばかりの帝を無理やり引きずり下ろし、新たな帝を勝手に立ててしまいました。

 

「これからは私がこの朝廷を仕切るわ!私に逆らう者は容赦なく皆殺しよー!わっはっはっはっはー!」

 

女の名は風、元は豪族の出身で武芸に秀で、ハロハピ族討伐の際にも大将軍の1人として軍を仕切っていました。

風は横暴なやり口で洛陽の人々から金品を巻き上げたり、気に入らない代官や宦官らを家族共々処刑したりと恐怖政治を敷いていました。そんな風に誰も逆らえず、やりたい放題で朝廷は恐怖の渦に巻き込まれてしまいました。

しかしそんな中、風に不満を抱き行動に移そうとする者が現れました。

 

「あんなのを放っておいたらこの先私まで殺されかねないわね...紗夜、日菜に頼んで兵を挙げるように取り計らって、私も後から向かうわ」

「承知しました、お気をつけて」

 

紗夜は夜中にこっそりと洛陽を出ると名族の出身である日菜の元へ向かい、兵を挙げるように進言しました。

 

「へぇ!私を頼るなんて友希那って人も分かってるじゃん!いいよ!私もあの風とかいう人嫌いだしみんなでやっつけちゃおう!」

 

190年

日菜の呼びかけにより風に不満を持つ多くの将兵達が集まり、風討伐連合軍が結成されました。その中には各地を転々としていた香澄達や江東を拠点とする穂乃果達の姿もありました。

 

「みんな!集まってくれてありがとう!頑張って横暴な悪女をやっつけよー!」

「おー!」

 

しかしそのことを知った風は大激怒しました。

 

「はぁ!?私を討つために連合軍が結成されたですって!?日菜め...!ふざけんじゃないわよ!それだったらこっちにだって考えがあるんだから!絵里、長安に遷都させるから洛陽から金品とかお宝とか全部民家から奪い取ってきて!その後ここは全部燃やすわ」

 

風に命じられた1人の女性、その身の丈より大きく長い愛用の方天戟を

持つ姿は威風堂々とした立ち振る舞い。

名は絵里、腕力が異常に強く武術、馬術で横に出るものは居ないとまで言われている程の将だ。少し前までは丁原という将の養女だったが風に気に入られ、甘言に乗り丁原を抹殺、今は風と親子関係になっていた。

 

「いいの?私なら連合軍程度、蹴散らすくらい造作も無いのよ」

「今すぐに兵は準備できないのよ!その程度のことも分からないの?いいから私の言う通りに動きなさい!」

「っち...分かったわよ、行くわよ海未」

「ええ、少し後ろめたいですが仕方ありません」

 

絵里と共にいる女性は海未、絵里と共に丁原に仕えていたが丁原が殺されると風の配下となっていた。正義感が強く、絵里にも負けない武芸の持ち主である。

風は洛陽から帝と兵士達を長安に出発させると自分は絵里と海未、そして僅かな手勢を残し燃え上がる洛陽を見物しながら陣を敷いた。

 

「はぁ!?風とかいうやつが洛陽に火を放っただと!?馬鹿じゃねえのか!?」

「有咲の言う通りだよー!やるだけやって私たちが連合軍を組んだら逃げるように遷都...しかも洛陽に放火なんてやり過ぎだよ」

「けど長安に進むには洛陽を通らなきゃいけない、ある意味では風に一杯食わされた感じするね...足止めくらっちゃったし」

 

3人は遠くで赤々と燃える洛陽の光を見ながら不満を漏らす。

 

「香澄さん、ここにいたんだね!」

「あ、穂乃果さん!」

 

別の場所に陣を構えていたはずの穂乃果が馬に乗って走ってきた。

 

(穂乃果さんって今回軍を統率してるはずだよね...?こんな所に来ていいのかな...?)

 

沙綾は苦笑いで穂乃果に挨拶をした。

 

「穂乃果さん、どうしたんですか?」

「ちょっと息抜きだよー、風討伐の第一次先発隊がもう行ってるらしいけど私達の所は選ばれなかったから暇なんだー」

「確か友希那さんが選ばれてましたよね!いいなぁー、私達はまだ下っ端なので見回りと警備だけですよー」

「それも立派な兵としてのお仕事だよ」

「こんな所で油売ってたら後で日菜さんに叱られますよ」

「有咲、口を謹んで」

 

不満そうに穂乃果を睨みつける有咲。沙綾も厳しく注意するが有咲はじっと穂乃果を凝視している。

 

「あはは〜、ごめんね香澄ちゃん、妹さん怒らせちゃったみたいだしそろそろ戻るね」

「すみません穂乃果さん...有咲が失礼なことを」

「いいのいいの!その子の言うことは正しいし私も考えなしな行動だったから」

 

笑って誤魔化してはいるがその時の穂乃果の顔は少し寂しそうに香澄には見えた。

 

「有咲さん、言いたいことはわかるけど私以外の上官にはあまり失礼のないようにね。香澄ちゃんが処罰受けるのは嫌でしょ?...それだけ、じゃあまたね」

 

そう言い残して穂乃果は陣地に戻って行った。有咲はムスッとしたままその後ろ姿を見つめている。

 

「ありさ〜...どうしちゃったの?」

「うっせえ!ああいうお高くとまった奴は嫌いなんだよ!うちらのこと見下しやがって...」

「私にはそんな悪い人には見えなかったけどね、まあ馴れ馴れしく接するのは確かにあまり良くないのかもね」

「どういうこと?」

「香澄だっていつかは国を持ちたいんでしょ?そうなったらいつまでも仲良しじゃいられなくなるってこと、武器を交えなきゃいけなくなるから」

 

沙綾の言うことは的を射ていて香澄の心に突き刺さる。

 

(そう...だよね、いつかは敵になっちゃうんだ...嫌だなぁ)

 

改めて今が戦乱の世である事実を認識させられる。だが止まってもいられない、香澄はモヤモヤとした思いを抱きながら赤く燃える空を見つめた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「くっ...!強い...!!」

「友希那さんはお逃げください!ここは私が食い止めます!」

 

紗夜は友希那を庇うように立ち、武器を構える。2人もその周りで倒れている兵士も皆傷だらけで痛々しい。

 

「その程度なの?もっと楽しませてくれると思っていたのに...残念ね」

「わははははー!私に楯突こうなんて100年早いのよ!友希那!」

「黙りなさい...!!ただの外道かと思えばこんな用心棒がいたなんて...ぬかったわ...」

「用心棒?私はそういうのじゃないわ...それより、まだやる気なら相手するわよ」

 

戟を構え、挑発するようにニヤリと笑う。構えているだけなのに並の兵士なら逃げ出してしまうほどのオーラが漂っている。

 

「紗夜、分が悪いわ。ここは一旦引きましょう」

「わかりました」

 

紗夜は友希那の肩を持ち、その場から立ち去った。門の影で海未がその背を何か思うような目で見送った。

 

「これで思い知ったでしょう!私たちに歯向かうとどうなるか!」

「ただ奴らがこのまま引き下がるとは思えないわ、立て直して出直してくるはず、私たちも今のうちに体制を万全にしておくくらいはしましょう」

「そーんなことしなくてもいいわよ、どうせ絵里と海未と華雄がいればあんな奴ら簡単に蹴散らせるでしょ、あいつらのことはあなた達に任せるわ。がはははははー!」

 

風は高笑いをして長安に向かう為の馬車へ乗る。その姿を絵里は不満げに見つめた。

 

「っち......」

「絵里様...機嫌を直してください」

 

絵里の元に1人の可愛らしい少女。その姿は風の身の回りの世話をしている女官たちと同じ格好をしている。

 

「樹...悪いわね、大丈夫よ」

「でも.......」

 

心配そうに絵里を見つめる少女、樹はその格好の通り風の女官の内の1人だ。風の家臣である王允の娘でその可愛らしさは天下随一と言われ、風からは大変気に入られていた。絵里に思いを寄せていて空いた時間はよく絵里と過ごしている。

 

「その気持ちだけで充分よ」

「絶対...絵里様のお力で泰平の世の中に...」

「ええ、わかっているわ。ただ今はもう少し我慢して、必ず私がどうにかしてみせるから」

「うん......」

「樹ー!何してるの!早く乗りなさい!」

 

風に呼ばれ、樹はぱたぱたと走っていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

羽丘川191年

長安でも風の横暴は続き、見かねた連合軍は再び兵を出発させた。

それを知った風は迎え撃つ為に要となる関に兵を置いた。汜水関は華雄、そして虎牢関は絵里と海未が守りこれを迎え撃った。

香澄、沙綾、有咲の3人は友希那の率いる軍と共に虎牢関へ進軍、汜水関には穂乃果の率いる軍が進軍した。

 

「さーて、天下に轟く絵里の武勇をこの目で見ることができるのか、腕が鳴るぜ!」

「あはっ!有咲気合入ってるねー!今日は私も頑張らないと負けちゃうかなー」

「楽しみだね!今日は遅れを取った人が明日の朝食当番だからね!さあ、今日もキラキラドキドキしよう!」

 

3人は虎牢関を目指し、行軍した。

虎牢関前で絵里軍は陣を敷いており、関を守っていた。友希那軍は兵を2手に分け、挟み撃ちにする形で攻めた。

 

「おらぁ!天下の絵里軍ってのはこんなもんなのかぁ!?」

 

3人の中でも有咲は特に気合が入っていて立ち塞がる兵をどんどん薙ぎ倒していく。それに乗じて友希那軍はどんどん前線を押し上げて行った。

 

「絵里様!このままでは関を突破されてしまいます!」

「ええ、わかっているわ。そろそろ頃合いね...門を開けて!海未、出るわよ!」

「わかりました、敵を一掃します」

 

地面を振動させる程の重い音をと地響きを鳴らしながらゆっくりと虎牢関の門が開いた。突然の開門に兵士達や香澄、友希那達らそこにいた者たち全員が注目した。

そして虎牢関から絵里が愛用の方天画戟を携え、燃えるように赤く、どんな馬よりも体が大きい赤兎馬に乗り、尋常じゃないオーラを纏って出てきた。

 

「え、絵里だぁぁ!」

「落ち着きなさい!たかだか1人の将に怯えてどうするの!」

 

友希那は兵を鼓舞するが兵に恐怖は広がるばかり。だが一度剣を交えた時とは違った圧倒的な雰囲気に友希那も少し恐怖感を抱いていた。

 

「ふんっ!」

「うあぁぁぁ!!」

 

絵里の強さは規格外で戦況は瞬く間にひっくり返った。兵士達は絵里に怯えて武器を捨て逃げ出してしまう者も出てくるほどだ。

 

「おらぁぁぁぁ!!」

「ん?」

 

そんな中、果敢にも絵里に立ち向かっていく者がいた。

 

「っちぃ!まだまだぁ!」

「他の雑魚とは違うようね、少しは楽しませてくれるかしら!」

 

有咲は絵里と互角に撃ち合う。戟と矛がぶつかり合う衝撃で空気が振動する。

 

「どうしたの?息が上がってきてるわよ!」

「くぅっ...!そんな事ねぇー!」

 

しかし次第に有咲が押されはじめてきた。矛の扱いも散漫になってきて防戦一方だ。

 

「有咲!私も加勢するわ!」

「沙綾!すまん!」

「何人来ようが同じこと!」

 

沙綾が加勢し、少しは優勢になるかと思ったが絵里の攻めはさらに苛烈さを増した。しかし2人も負けじと武器を振るう。

 

「つえぇ...鬼神の名は伊達じゃねーようだな...!」

「有咲?疲れてるなら下がってもいいんだよ?」

「うるせぇ!これっぽっちも疲れてねーよ!」

「まだまだ余裕そうね、いいわよ!もっと私を楽しませなさい!」

 

3人の攻防は手に汗握るもので、絵里は2人を相手しているのに全く手は緩むことがない。

 

「くっ...あちらの加勢に行きたいけど...」

「絵里の邪魔はさせません。あなた達の相手はこの私です」

「上等よ、私達を相手にした事後悔させてあげる!」

 

友希那と紗夜は海未に邪魔されて動こうにも動けなかった。

戦況は有咲と沙綾が絵里の相手をしているお陰もあり、連合軍はなんとか持ち直していた。

 

「有咲ー!沙綾!遅れてごめん!」

「おせーぞ香澄!」

「香澄!やっと来た!」

 

3人の攻防に香澄も加わり、絵里は顔を歪ませる。

「3人はちょっと分が悪いわね...だけど私は人中の鬼神!負けるわけにはいかない!」

 

絵里は気合を入れ直すと戟を振るう。3人も負けじと撃ち合う。しかしいくら鬼神と呼ばれる絵里も3人を相手にするのは厳しく、押され始めた。

 

「分が悪いわ、海未!引くわよ!」

「なんだよ!逃げるのか!」

「うるさいわね...!あなたのその顔、覚えたわよ...」

「有咲、深追いは駄目。香澄、私たちも少し疲れたし一旦下がりましょう」

 

絵里は海未と共に兵をまとめ、虎牢関から引き上げていった。友希那ほ虎牢関を占拠し、日菜へ報告するために伝令を出し、穂乃果軍へは加勢の軍を出した。

連合軍は虎牢関で絵里を打ち破り、汜水関でも華雄を討ち取ることに成功した。これで長安への足がかりができ、連合軍は兵を進めた。

長安で報告を聞いた風は大激怒していた。

 

「はぁ!?虎牢関も汜水関も破られたぁ!?絵里と華雄は何をしてるの!」

「絵里殿は兵をまとめこちらに帰還してきているとのこと、華雄殿は...討ち死されました」

「あの役立たず共め...!絵里が戻ってきたら長安の全ての城門を閉めて守りを固めて!絶対に奴らをこの長安に入れるな!」

 

風の怒りは激しく、それからは毎日のようにヤケ酒に溺れた。それを咎めようとした宦官や不満を口にした長安の人々はことごとく処刑され、長安は洛陽同様地獄と化した。

 

「絵里様、風様をどうにかしてください!このままでは長安の人々が...」

「声が大きいわよ、樹。王允さん、そろそろいい時期じゃないかしら?」

「そうじゃな...これも朝廷の未来のためじゃ。樹よ、力を貸してくれるか?」

 

絵里と王允は策を練り、樹に風を酔い潰れさせるように指示を出した。樹は不安そうだったが絵里の大丈夫、という言葉を信じて特上の酒樽を持って風の元へと行った。

 

「い〜つ〜き〜!愛いやつめ〜もっとこっちにきなさ〜い!」

 

思惑通り風はべろんべろんに酔い潰れ、やがていびきをかいて寝てしまった。

 

「まったく......こんな奴の甘言に乗せられて丁原を殺したと思うと、自分が恥ずかしいわね...」

「絵里様、はやくしないと気取られてしまいます」

「ええ、わかっているわ」

 

絵里は風がいつも使っていた大刀を手に持ち、振りかぶる。

光が反射し、室内に血飛沫が舞い散った。絵里は刀を無造作に捨てると落ちた首を回収し、言葉も無く樹と共に部屋を後にした。

 

こうして、人々を恐怖のどん底に陥れた風は倒れた。しかし、乱世の渦は止まることなくさらに過激に渦を巻くこととなる。




ここまで読んでいただきありがとうございます
今回のキャラの紹介です
風(犬吠埼風)→董卓
樹(犬吠埼樹)→貂蝉
絵里→呂布
海未→張遼
日菜→袁紹
紗夜→夏侯惇
今のところ大雑把な流れにしかなって無いのは気にしないでください そこまで書いちゃうとアホみたいに長くなっちゃうんでさ_(┐「ε:)_

またコメントをしてくれた覇王さん、ありがとうございます!
他のコメントや評価などなど受け付けてますのでぜひしてってください!やる気が!でまぁす!(ノシ・∀・)ノシ
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