主なきノラネコたちの家   作:もちごめさん

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二十三話

 私と“王”は、同時にお互いめがけて飛びだした。蹴った地面を跡形もなく吹き飛ばし、瞬きにも足りない間の後、互いの間の距離が消える。

 踏み込み、砕ける地面を蹴る勢いに【気】の全てを乗せ、そして私と“王”の拳がぶつかった。

 

 拳から全身を突き抜ける衝撃。音を置き去りにした【念】の衝突は、一瞬遅れて爆発のような音と破壊を周囲にもたらした。

 

「ッ――!!」

 

 それは、互角にせめぎ合うはずだった。

 

 私と“王”が宿すオーフィスの“力”はそれぞれ半分ずつなのだから、その差はほとんどないはずだった。肉体の生物的優劣もそう、“力”のスケールの前では誤差にしかならない。

 

 しかし、全ての【気】を集中させた私の【硬】の拳は、“王”のそれに押されることとなった。

 

『姉さまッ!!』

 

「ク……んのッ!!」

 

 技術の差であれば、悔しいとは思えど驚くことはなかっただろう。だが明らかに【気】の強さで負けている。拳に纏ったその量、威力で押し負けてしまっている。

 

 しかし、どういうことだと頭を回すのは後回しだ。白音の声に従い、私はやむなく“王”の攻撃を受け流すように身体と【気】を傾ける。かち合う威力が真から外れ、拳の側面が削られる感覚と共に、私は大きくその場から飛び退いた。

 

 余波で再び地面が弾け飛ぶ。“王”の拳の【気】が赤熱し、抉れた土が焼ける光景が、威力の圧で遮るものの消えた視界に映っていた。

 

 炎を纏ったわけでも地面を殴りつけたわけでもない、空振りなのにこれなのだ。やはりその【気】は私をかなり上回っている。

 その事実を認め、そして跳び退って宙にいる私は、次に再び“力”を引き出し練り上げた。

 

「【念】が駄目なら、こっちはどう?!」

 

 上空に掲げた手の先に、巨大な黒炎。魔力と妖力を合わせた火車が、“王”の鋭い視線と交差した。

 

 “王”は瞬時に、解いた拳に魔法陣を綴り、応じる。

 放たれた魔力は、火車を打ち破るに十分なほどの威力を内包していた。

 

「ッッ――!!!」

 

 放った火車を貫き私にまで襲い来る魔力の槍を、私は防ぐではなく躱した。直感の通り、頬を掠めて彼方に消えた“王”の魔力は遠くの空で炸裂して火球に転じ、太陽の如き白光と熱線をばらまいた。

 

 拳と同じ、余波だけで戦慄が駆け抜ける威力。いや、それ以上だ。【気】以上の差が、私の眼前に叩きつけられた。

 

 悠然とそこに佇む“王”に、後回しだと遠ざけた震えが、私の喉から零れ落ちた。

 

「そん、な……どうして、ここまで――ッ!!」

 

「ピトーではない、余自身の能力だ」

 

 身が跳ねる。爆発の轟音の中であるにもかかわらず私の呟きを捉えたらしい“王”が、諭すかのような調子でそう言った。そして私を見上げる目線の前に、自身の手を、私を上回る“力”をかざしてみせる。

 

 感じる気配の不気味さが、一際強くなった。

 

「余は、喰らった者の【気】や魔力、すなわち“力”を我が物とできる。……余の道を遮った尽くは糧となり、余の“力”の一部となった。黒歌、余たちの間に存在する差は、それなのだ」

 

 今までに“王”に食われた悪魔たちの“力”。私が気を失っている間、この浮遊都市を破壊し尽くすまでに生じた犠牲者はどれほどだろう。

 その分の、この差なのだ。あまりの多さを想像して、私の中で白音が慄いた。そして私も恐怖を覚える。オーフィスのそれだけではなかった“王”の“力”。私との差が明瞭になり、再びあの、ピトーを救う術のない無力感が身を襲う。

 

 そうして私の戦意が一瞬怯んだその時に、“王”が跳躍した。

 

 ほんの一瞬で私の眼前。その手に私を倒せるだけの“力”が集うのを眼にして、私は正気を取り戻す。が、それはあまりに遅い。

 

 故に私が動く前に、曹操の援護が私を助けた。

 

「おいしっかりしろ!! そんな程度で圧倒されてるんじゃない!!」

 

「ッ! 曹操……!」

 

 そして眼前、“王”との間を横切る、闇から生まれたような異形たち。【時空を支配する邪眼王(アイオーン・バロール)】の能力だろうそれらが攻撃を妨害し、私はその隙に距離を取る。

 そして視線を下げると、曹操が、舌打ち混じりで嫌そうに続きの激励を吐き捨てた。

 

「“力”の総量で勝負がつくなら、俺など一度たりともお前に勝てなかっただろうよ!! ……手札はこっちが多いんだ、頭を回して考えろッ!!」

 

 そして同時に眼が輝く。神器(セイクリッド・ギア)の力は闇の異形たちを一蹴した直後の“王”を捉え、その動きを止めた。

 が、纏わりついた闇はすぐさまひび割れる。時間停止と無形の闇という強力な力に、“王”は既に適応し始めているようだ。そのあまりの速さに戦慄しながら、喝を入れられた私は瞬時に戦意を取り戻し、思いつく。

 

「白音ッ!! 私に【空想崇拝(ソウルトランス)】!!」

 

『ッ! はい!!』

 

 思考は繋がり、発動した【念】が私の身体を包み込む。そして、手を合掌の形に動かした。

 

「【猫依転成(ドッペルオーバー)】――【百式観音(ひゃくしきかんのん)】!!」

 

 ネテロとピトーが戦った、あの時の光景通りにすべてが動き、私の背後に顕現する観音像。その瞬間、恐ろしいほどの反応速度で“王”が振り向き、後光が指すその輝きを眼に映す。が、それを上回る速度の動きを私はなぞり、手刀を振り下ろした。

 

「【壱乃掌(いちのて)】!!」

 

 観音像の手刀が目にもとまらぬ速さで閃き、大地ごと“王”を叩き潰した。

 

 それは記憶の通り、ネテロの【百式観音(ひゃくしきかんのん)】と同じ鋭さ。込められた【念】の威力でいえばそれを遥かに凌ぐものだった。たとえ“王”であっても避けられず、ダメージは避けられないほどの一撃。

 

 使ったのがネテロ自身であったなら、あるいはこれで決まっていたかもしれない。しかし私たちが【猫依転成(ドッペルオーバー)】で使う【百式観音(ひゃくしきかんのん)】はその性質上、私の記憶にある型の攻撃しか繰り出せない。つまりその一撃はピトーの記憶にもあるもので、それを継いでいる“王”にとっては十分に対処が可能なものだった。

 

「――【黒子舞想(テレプシコーラ)】」

 

 巻き上げられた土煙が【気】の圧で一気に晴れる。さらに深く砕かれた大地のその底、岩盤を叩き割る傀儡の手刀のその横で、冷たい赤褐色の眼が瞬いた。

 

 “王”は【百式観音(ひゃくしきかんのん)】の掌打の威力を受け流し、ほぼ無傷で立っていた。そして再度発動するピトーの能力。身体を操るバレリーナを頭上に顕現させる。

 

 奴の再びの跳躍と同時に、私もまた記憶に身を任せた。

 合掌、そして掌打。それらの所作は“王”の速さをはるかに上回り、跳んだ奴が彼我の距離の中ほどを詰めた時、観音像の一撃に変わった。

 

 だが直後、像の動き出しと同時に人形も“王”を操る糸を動かし、その動作を操った。生物の限界をも超えたあまりの速さに私はそれを見切れなかったが、しかし確かに次の瞬間、【百式観音(ひゃくしきかんのん)】の張り手は“王”の場所をすり抜けた。

 視界に映る“王”は、空振りした掌の少し上の位置。回避してみせて、そして再び私に飛び掛からんと羽を生やし、両手に【念】を集わせた。

 

 しかしまたしても、その身が止まる。

 

「全く、参ったな。速すぎて碌に見れん……!! これではどっちが援護されているかわかったものじゃないな……っ!!」

 

 自嘲気味に叫ぶ曹操。ほとんど別物に転じたのだとしても、【停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)】を元にした【時空を支配する邪眼王(アイオーン・バロール)】が効力を発揮するのは視線の先のみ。故に、その能力もまた対象を視界に捉えなければ発動しない。“王”が【百式観音(ひゃくしきかんのん)】の攻撃を避けたその瞬間でなければ、人の身である曹操には条件を達することが不可能だった。

 

 だがやはり、やっとの思いで止めた“王”の時間は、すぐさま再び動き始める。

 闇が砕け、曹操を見やった“王”が呟くように言った。

 

「……存外、面倒だな、その力」

 

「浮気する暇なんてあげないから……!! 【参乃掌(さんのて)】ッ!!」

 

 三度目の合掌から、観音像の両手が闇から逃れたばかりの“王”を包み込み、捕えた。だが無論、この拘束も長くはもたない。閉じた掌の境が歪み、こじ開けられようとしている。

 

 かつてピトーもネテロのこれに対し、力技でそれを逃れたのだ。今現在の状況でそれはより簡単であるはずで、故に直後、私は自らの意思で観音像の掌を離した。

 

 拘束が解け飛び出す“王”。その瞬間の思考、【黒子舞想(テレプシコーラ)】は、瞬時に【百式観音(ひゃくしきかんのん)】にその警戒を向けるが、私の両手はその型を取らない。

 【百式観音(ひゃくしきかんのん)】による追撃を予想していたのだろう“王”に対して、結果的にそれは不意を突くこととなり、そして凡そ成功した。

 

「ッ――!!」

 

 【念】と仙術を纏った渾身の掌底は、その時、解除し消えゆく【百式観音(ひゃくしきかんのん)】へ向けられた凝視をかいくぐり、“王”を捉える。だが【百式観音(ひゃくしきかんのん)】を見据えていた“王”の極限の集中力は私の構えた掌底にも気付いて認め、ほぼ同時に動く【黒子舞想(テレプシコーラ)】が受け止めた。

 

 手足のような末端ではなくど真ん中、肉体に宿る“力”そのものを貫くはずだった攻撃に歯を噛みながら、私は掌底を防御した“王”の左手に、そのまま【黒肢猫玉(リバースベクター)】を叩き込んだ。

 

「はああぁぁぁぁッッ!!」

 

 能力が肉の中に浸透。そして威力も、“王”を地に叩き落とした。

 

 その肉体が三度、大地を抉る。砲弾でも撃ち込んだような爆発染みた衝撃が底の岩盤を砕き、地のひび割れが穴の底から外にまで、蜘蛛の巣状に及んだ。

 

 受けられたことを除けば渾身の一撃だった。がしかし、晴れた視界の“王”はやはり健在。掲げた防御の手の後ろから、その眼がじっと私を見る。

 

 やがてその眼は自身の左手に移った。私の能力、【黒肢猫玉(リバースベクター)】を押し込まれたその部分は私の仙術によって【気】を削り取られている。しばらくはそこに【気】を纏うことはできないだろう。

 しかしそれだけだ。それ以外の部位に問題はない上、左手だってそう遠くないうちに回復してしまう。本来は“王”の“生命の源泉”そのものを機能不全に陥れる目論見であったのに、これではもはや無意味も同然。

 

「はっ……はぁっ……!」

 

『ね、姉さま……平気、ですか……?』

 

 加えて白音のコピー能力の消耗も思いのほか大きい。渾身の掌底に使った【気】も併せて疲労感に息が切れる。

 

 そのことに、やはり曹操は気付かないはずがなく、舌打ち混じりの息が私にまで届いた。

 

「……厄介極まりないな。速い上に硬い。黒歌の仙術ですらコレとなったら、どうやって拘束すればいいか……」

 

「……貴様もそれか、曹操。貴様も余からピトーを救うなどと、無為な望みを抱いているらしい」

 

 左手をだらりと下げ、“王”が曹操へ、その冷たい視線と共に言葉を投げた。クレーターの端から覗き込む曹操は反応して僅かに足を下げ、聖槍をより固く握りしめる。

 額に滲む冷や汗を振り払い、叫ぶようにその意思を返した。

 

「まだ無為と決まったわけじゃない……! 手札はまだあるさ!」

 

 直後、周囲に声が響く。

 

「イッセー、ヴァーリ、我と一緒に」

 

 オーフィスが短く言って、そしてその声がブレた。

 

「「我に宿りし紅蓮の赤龍よ、覇から醒めよ」」

「「我に宿りし無垢なる白龍よ、覇の理をも降せ」」

 

 一誠とヴァ―リの声が、二つのオーフィスの声と共鳴して呪文を紡ぎ出す。見やれば彼女たちの身に、うっすら満ちる“力”の気配。

 

「……ほう」

 

 “王”の意識が、警戒かそれとも好奇か、ともかく三人へと逸れた。

 

 その瞬間、

 

禁手化(バランス・ブレイク)……!!!」

 

 曹操の身から、強大な“力”と闇が噴き出した。それはたちまち“王”を呑み込み周囲に満ち、ある種の“領域”のようなものを構成する。

 

 振り向く“王”。その姿を、“領域”から無数の邪眼が見つめていた。

 

「【禁夜と真闇たりし(フォービトゥン・インヴェイド・)翳の朔獣(バロール・ザ・ビースト)】……ッ!!!」

 

「――!」

 

 途端、“王”の時間が止まった。禁手化(バランス・ブレイク)、つまりさっきまでよりも強い闇の力が“王”を絡め取ったのだ。

 

「黒歌……ッ!! お前も、時間を稼げッ!!」

 

 そして曹操はその顔を苦しげに歪めながら、眉間に寄る皺のまま閉じそうになる眼を必死に開き叫んだ。

 その様子に、なぜ奴が今まで禁手化(バランス・ブレイク)を使わなかったのか、その理由に気付く。恐らく禁手化(バランス・ブレイク)、というより【時空を支配する邪眼王(アイオーン・バロール)】という神滅具(ロンギヌス)級の力を宿す神器(セイクリッド・ギア)に適応しきれていないためなのだ。

 

 連発できず、長くももたない。悟り、消耗した【気】の代わりに私は魔力を使った。

 背後に展開される魔法陣。同時にまた“王”が闇を破り、爆ぜる【気】の圧が邪眼の尽くを吹き飛ばして時間を取り戻す。私の魔法陣を見つけて瞬時に対抗し、そして次の瞬間、互いに放った魔力の攻撃がぶつかり合った。

 

 その威力の優位は、やはり変わらず“王”にある。けれども必死に“力”を捻り出し相殺し続けるが、やがて傾き、弾かれ飛び散る魔力の残滓が私の身体を焼き始めた。

 

 その頃に、視界の端で魔力の衝突でない光、一誠とヴァ―リの神器(セイクリッド・ギア)が放つ“力”の光が、より力強く瞬いた。

 

「「――汝、燦爛のごとく我らが燚にて紊れ舞え!!」」

「「――汝、玲瓏のごとく我らが燿にて跪拝せよ!!」」

 

 オーフィスと共に紡いだ呪文の終わり。彼女にやった“力”の欠片が、二人からより強い力を引き出し、内で巡って渦を成す。“王”の眼がそっちを向き、捉えた時、とうとう二人が覚醒を迎えた。

 

『Dragon ∞ Drive!!』

『Dragon Lucifer Drive!!』

 

 禁手化(バランス・ブレイク)の時のように、同時に二人の身を鎧が包み込んだ。が、フォルムは知るものと違ってどこか有機的。加えて一誠には二対のドラゴンの翼が、ヴァーリには十二もの悪魔の翼が生え出た。

 

 そして、彼らのその秘めた“力”。比べ物にならないほど増したそれは、あるいは私や“王”に、オーフィスの半分に届くのではないかと思えるほどの強さで、私に圧迫感のようなものすらを感じさせた。

 

 戦うに十分な強者の気配を身に着けた二人は、その成長を促したオーフィスの手が離れると、同時に地を蹴り飛び出した。背の翼から生やしたブースターをふかし、一誠が先行して“王”の佇むクレーターの内に飛び込む。

 

「いくぜ……“王”ッ!! リベンジマッチだ!!」

 

 今度こそ、かつて暴走した挙句に殺されたようにはいかないという決意を叫び、同時に彼から【倍化】の音声が重なった。握り、引き絞られる拳に宿る、何十倍にも膨れ上がった強大なパワー。元が“王”にも届き得るドラゴンの身体を得た一誠は、出力だけは“王”やこの場の全員を上回るほどのものだった。

 

 当たれば、防御されようが“王”を戦闘不能に陥れることも叶っただろう。

 

「【黒子舞想(テレプシコーラ)】」

 

「きゃぅッ――!!」

 

「なッ――ごはぁッ!!?」

 

 直線的な拳の一閃は、“王”が僅かに身を捻るだけで容易く躱された。さらに魔法陣の魔力を一段階上げて私を弾き飛ばし、【黒子舞想(テレプシコーラ)】によって握られた拳に【気】が集中する。そして閃く返しの拳が前のめりに、突撃した一誠のお腹にカウンターとなって突き刺さった。

 

 血反吐を吐きながら吹き飛ばされ、彼はクレーターの斜面の壁に叩きつけられた。打たれたお腹を中心に鎧に亀裂が走るが、“王”の攻撃を無防備に食らってそれだけで済むほどの防御力は中の一誠をも守り、苦しそうにしながらも彼はすぐそこを出る。

 

「ぐぅ……く、くそッ!! 【倍化】が足りなかったか……!?」

 

「間抜けッ!! お前に足りないのはパワーではなく頭だ!! あのピトーの能力、お前も散々見ただろう!?」

 

 宙を飛びながら、ヴァーリが呆れと怒りを半々にして怒鳴った。一誠の進化に奮起させられたと言いながらこれでは情けなくもなるだろう。

 そして何より、あの【黒子舞想(テレプシコーラ)】はヴァーリに自身の醜態を思い起こさせたはずだ。故に増幅した憤慨が、彼の魔力を引き上げた。

 

「ルシファーの魔力――食らえッ!!」

 

 ヴァーリの後方に出現する無数の魔法陣。一面に広がったそれらから、おびただしい量の魔力弾が“王”へと放たれた。

 

 まるで雨のように――いや、量も威力もそんな生易しいものではない。光弾たちは重なってもはや極太の一本の光線のようであったし、その一発一発が、そこらの雑魚であれば骨も残らず消滅させてしまうほどの威力を秘めていた。

 

 そんな圧倒的な殺傷能力。迫る光弾は、“王”の眼には自身を押し潰さんとする光の壁のように見えただろう。しかしその光景を瞳に映しながら、奴は一誠を殴り飛ばした体勢を解き、逃げるそぶりも見せず、ただ手のひらを光の壁へと付き出した。

 

 発動する結界。直後光弾が降り注ぐが、そのこと如くが“王”の手の先に立ちふさがる結界に阻まれ弾け、光芒に変わる。ただの一発も、その守りを揺るがすことは叶わない。

 

 私が体験した通り、“王”は【気】だけでなく魔力に於いても相当にその出力が上がっているのだ。力比べを擦ればヴァーリが劣るのは自明。

 

「おい、お前も駄目じゃねぇか!! 仕方ねぇ、こうなったら俺がもう一丁――」

 

「黙って見てろ――ッ!!」

 

 しかしヴァーリは、再びドラゴンの“力”を集中させ始める一誠に否を返し、弾幕を防ぐ“王”を鋭い眼差しでじっと睨む。そして奴にかざした手の平を、途端、神器(セイクリッド・ギア)に込めた魔力と共にグッと握った。

 

『Half Dimension!!』

 

 “王”めがけて次々放たれる光弾。それらが飛翔する、空間のみに【半減】が連続で行使された。

 

 その一瞬、魔力弾の威力や規模はそのままに、“王”への距離だけが限りなくゼロになる。ヴァーリが魔法陣から魔力弾を撃てば、即“王”に着弾する状態。それ以前に放たれ、“王”めがけて飛翔していた弾幕たちも含めて全てが。

 

 結果、ヴァーリの能力が発動したその瞬間、極太光線の如く降り注ぐ光弾たちはすべてが一気に“王”の結界で炸裂し、その凝縮された破壊力を叩きつけた。

 

 ある意味一誠の【倍化】のように、光弾として溜めた魔力を爆発させたその威力は、その一瞬だけだが確かに“王”の魔力を上回った。結界が砕け、“王”の姿が光弾と、それが引き起こした爆発の中に消える。

 その炸裂する魔力弾を認めるや否や、ヴァーリは両手に【半減】の力を纏い、巻き上がる土埃と魔力の残滓のもやに突っ込んだ。

 

「無力化する!! これでいいな、黒歌――ッ!!」

 

 だがヴァーリがもやの先に見た()は、ただの幻だ。私だけが、そのことに気付いていた。

 

 次の瞬間、もやの中から、【隠】によって隠された“王”の【気】が現れた。

 

「ガ――ッ!!?」

 

 気付けないヴァーリの勢いは止まらず、一誠と同様にカウンターの痛撃をもらってしまう。【黒子舞想(テレプシコーラ)】に操られる“王”の拳が、もやと相俟って到底捉えられない速度で突き出し、ヴァーリの顎を打ち上げて兜を粉微塵に粉砕する。

 

 “王”の一撃をも防ぐ装甲が剥げ、晒された柔らかな肉。その首に、次いで“王”の眼が向き、ヴァーリを打ち上げた拳が開いて爪が出る。【気】を纏ってさらに増す鋭利さは、ヴァーリの首など簡単に飛ばしてしまうだろう。

 

「ッッ!! ヴァーリィッ!!」

 

 理解し、戦慄のあまり半ば裏返る一誠の叫び声。しかし恐れる光景を引き起こさんと“王”はそのまま爪を振り下ろし――そしてその半ばで生じた闇に止められた。

 

「あぶ……っないな!! 全く、あまり酷使させるなよ……ッ!!」

 

「そ、曹操!!」

 

「っ――私にあんな言って、泣き言なんて言ってんじゃないわよッ!!」

 

 焦りのあまり飛び出しかけた一誠の肩を掴んで留め、曹操が苦しげに両目の力を使っていた。その口から出た情けない嘆きは条件反射的に私に反発の台詞を叫ばせるが、しかし内心は一誠の感嘆の声色と同様、

 “王”の魔力に弾き飛ばされてから遅れて体勢を取り戻した私は、“王”が闇の拘束を破るまでの僅かな間で、ギリギリヴァーリと奴との間に割り込むことに成功した。

 

 腕で爪の斬撃を受け止める。腕を覆う鱗の一部が割れて剥げ、飛び散る私の血。傷口と腕にかけられる重さで足元の地面が砕け、足首までが沈んだ。

 その重さに耐えながら、脳を揺らされ前後不覚の状態にあるヴァーリの身体を押し退ける。尻餅をつく彼を横目に見届けた。

 

 そして正面に返った視界にふと見つけた。“王”の視線、それがヴァーリでも私でもなく、曹操へと向いている。

 

 二重の理由で湧く憤りに、私の身体に【気】が満ちた。

 

「あんたの相手は、私よ……ッ!! 曹操によそ見なんて、してんじゃないッ!!」

 

 奴にはピトーから“王”を引きはがすという大事な役目があるのだ。それまではやられてしまっては困る。

 それに、“王”にとっての最大の障害、ピトーを“人”に取り戻すのは、私たちだ。

 

「『【猫依転成(ドッペルオーバー)】――【黒子舞想(テレプシコーラ)】!!』」

 

「――!!」

 

 私と白音の意思が重なり瞬時に発動した念人形が、“王”の腕を跳ねのけ正拳を叩き込んだ。

 

 硬い手応え。懐にもぐって打ち据えたが、【気】で防御されたらしい。しかしそれだけで私の一撃が防ぎきれるわけもなく、“王”の脚がよろめく。崩れた体勢に、私はさらに追撃を見舞った。

 だが不意を突いたものではないその拳では、“王”の反射神経と【黒子舞想(テレプシコーラ)】を破れない。崩れた体勢であるのに、能力が最小限の動きで私の攻撃を回避させる。

 

 そこからさらに反撃までが繋がってしまうのが、ピトーの手により磨き上げられた【黒子舞想(テレプシコーラ)】の強さ。限界を超える動きを可能にするそれには、一誠やヴァーリがそうだったように正面戦闘が無謀に近い。

 しかし発動された私と白音の【黒子舞想(テレプシコーラ)】は、【百式観音(ひゃくしきかんのん)】とは違い五年も共にし蓄えられた記憶を元にし限りなくオリジナルに近い精度となっていた。

 

 故に“王”のその反撃も、私を捉えることはなかった。記憶の中の無数の型から一つを引き出し、その通りに動く身体と【念】が飛んでくる“王”の拳に触れて逸らす。

 そしてどちらかが攻撃すればもう一方はそれを躱して攻撃、と繰り返され、堂々巡りに陥る戦闘の中、やけに大きな一誠の声が響いた。

 

「よし……!! 黒歌、そこから離れろッ!! 一発デカいのぶちかますッ!!」

 

「――ちゃんと加減しなさいよ!? 曹操ッ!!」

 

 見ずともわかる、膨れ上がっていく一誠の“力”。やはり威力だけなら他の追随を許さない赤龍帝とオーフィスのそれを、私は一瞬の逡巡の後に許す。そして直後、曹操の名を呼ぶと同時に“王”の攻撃を回避しながら後ろに跳んだ。

 

 四度、“王”が闇に捕らわれる。停止し、私も離れたことで“王”という的まで一直線に開く道。

 

 一誠の四枚の翼から飛び出した四つの砲身に、膨れ上がった彼の“力”が集約した。

 

「いくぞォッ!! インフィニティ――!?」

 

 が、時を止められたはずの“王”の眼が、その時赤く輝き、起動させた。

 

 クレーターの底、私と曹操、一誠とヴァ―リが踏む焼け焦げた地に、突如魔法陣が出現した。内包する魔力は“王”のもの。いつの間に、という驚愕が声に出る出る間も、逃げる間もなく、発動した陣の輝きが一瞬で私たちを縛めた。

 

 まるで曹操の【時空を支配する邪眼王(アイオーン・バロール)】のように、眩い光によって停止させられる。私も曹操もヴァ―リも、もちろん、一誠の背の砲も、発射の寸前で停止する。

 

 誰もが意識のみを動かして、その時、弾け飛ぶ闇を見つめた。自由を取り戻す“王”。閉じていたその眼がゆっくりと、開かれた。

 

「させ、るか――ッ!!」

 

「――!!」

 

 そしてその眼が見張られ、弾かれたように横を向く。ヴァーリの方だ。私の視界の端にも映る彼が、次の瞬間、封じられたはずのその身の“力”を解き放った。

 

『Satan Compression Divider!!』

 

 足元に広がる魔法陣の眩い光を、ヴァーリから、その“力”を高めに高めて放たれた耀きが塗りつぶした。

 

 陣の魔力、“王”の光が上書きされ、私たちの拘束が解ける。輝きに目を焼かれたか、顔を押さえて怯む“王”。そして無理矢理にこじ開けた眼の先に、一誠。

 

「――【(インフィニティ)・ブラスター】ッッ!!」

 

 お預けを強いられた砲身が、“王”の光線すら上回る極太の光線を発射した。

 

「きゃぁ――ッ!!」

 

 紅と漆黒、赤龍帝とオーフィスの“力”が混ざり合ったエネルギーの爆発。撒き散らされる破滅的なまでに強大な威力は着弾点の間近にいた私をも巻き込んだ。有り余るパワーは直撃せずともかなりのもので、私の防御を貫き明確なダメージまでもを与えてくる。全身を衝撃と轟音に貫かれ、挙句地面に叩きつけられた。

 

 爆発音にやられて響く耳鳴りを振り払い、めまいのせいか妙に頼りなく感じる重力と、痛む全身に苦労しながら身を起こす。そうして瞼を上げ、私はその時、周囲の状況を眼にした。

 

 一誠の強力極まる攻撃が生み出した“破壊”は、私の想像を超えたものだった。

 

 まず、クレーターが大幅に広がっていた。

 というより壁面が吹き飛ばされていた。爆発が周囲の大地を消し飛ばし、かつてここにあったスタジアムは、僅かに残っていた舞台を含めてもはや影も形も残っていない。それどころかその先、広がる市街の瓦礫すら吹き飛ばされ、遠ざかった地平線に向かって赤熱した建物の溶け残り(・・・・)だけが散らばっている。

 そして大地と建造物の尽くを消滅させてしまうほどのそれは、スタジアムや市街のみならずこの浮遊都市そのものにもダメージを与えてしまうほどだったようだ。めまいが解けはっきりした意識の中、尚も感じる僅かな落下感が紛いようもなくその事実を示している。

 

 そんな“破壊”の中央、直撃した一誠の攻撃に、“王”は倒されていた。

 

 仰向けに身を投げ出し、動かない。その身はいたるところが傷つき血が滲み、感じる“力”も眼に見えて減っている。戦意もろとも、その意識が断ち切られていた。

 

 半ば呆然としながら足を動かし、私はそんな“王”の元に近寄る。その顔、眼を閉じたピトーを見下ろすと、やがて私よりも早く白音が我を取り戻した。

 

『――倒し、た……?』

 

 “王”を。一誠が、あの一撃で?

 

 ――いや、違う。まだ終わっていない。奴は気を失っているだけだ。意識が戻ればまた力を取り戻す。

 

 “王”を、ピトーの中の神器(セイクリッド・ギア)を倒すには、ピトーから奴を引きはがさねばならない。それができるのは、業腹ではあるが奴だけだ。

 

「――曹操っ!」

 

「わかってる。元より俺もそうするつもりでここに来たんだ」

 

 振り返る。私と白音を見送った時にはピトーを助けるという目的に批判的な物言いだったはずだが、曹操はあっさりそう頷いた。

 万一一誠の攻撃に巻き込まれてやられていたら、と頭に一瞬よぎった不安も無問題。奴は無事で、しかも無傷だった。傍のヴァーリの鎧は随分ぼろぼろになっているのを見るに、彼が曹操を守ったのだろう。

 

 そのヴァーリが曹操と同じく倒れる“王”を見やり、どこか残念そうにため息を吐いた。

 

「ようやく届いたか……。それにしても全く……我が宿敵君はめちゃくちゃだな。まさか、ついでに俺たちも始末しようと思ったのか?」

 

 次いで一誠を見やると共に、そんな軽口で肩をすくめてみせる。しかし“王”を倒してみせた彼は“力”を絞り尽くした攻撃の反動で極度の疲労に襲われているらしく、焼けた地に手を突き、ぜいぜいと乱れた呼吸音を漏らしてゆるゆる首を振るばかり。言い返す言葉は返ってこない。

 

 その代わり、ふとその隣に降り立ったオーフィスが、そんな彼を労うように頭を撫でつつヴァーリへ応じた。

 

「イッセーはそんなこと思ってない。証拠に、ちゃんと今の攻撃も手加減してた。全力を出していたら、この都市全体が消滅してる」

 

「……ああ、そうだな。変なことを言って悪かった」

 

 ヴァーリの言った軽口に、薄い表情で大真面目に弁論するオーフィス。冗談に対して純粋を返され、ヴァーリはばつの悪そうな顔をする。

 

 それを誤魔化すように今度はまた“王”へ、その手を取り能力を発動させた曹操へ、彼はその注意を向けた。

 

「それで、曹操。“王”はどう(・・)だ? 確か赤龍帝の場合は一分弱だとか聞いたが」

 

「……恐らく二分……いや、三分かかるかもね。……本当に規格外だな」

 

 曹操の【神は人の為ならず(セイクリッド・アドミン)】が神器(セイクリッド・ギア)を操るために必要な時間。それは曰く神器(セイクリッド・ギア)の格が高いほど、つまり強いほど長くなるらしい。

 

 神器(セイクリッド・ギア)を操るという強力な念能力の、所謂制約の部分。それがあるために戦闘中に発動させることはほぼできないが、一度戦闘不能にしてしまえばそれも関係ない。

 

 そう――もう少しだ。

 

「三分か……。まあ、それだけでは起き上がるだけの力も戻ることはないだろうが……念のために警戒しておこう。……いいな?」

 

「ああ、そのほうがいい。万一があったら、こいつがどうなるかわからんからね」

 

 曹操とヴァ―リが、なぜか私の方を伺い見るようにしてそんなことを言う。だが反応する気にもならなかった。“王”を見つめたまま、それ以外は意識すらしていない。今の私の頭を占めるのは、静かに眠る彼女の姿だけだった。

 

 ――もう少し。あと少しで、取り戻せる。

 

 ピトーを

 

「“王”を、殺せる――」

 

 その時だった。

 

「ま、待つのじゃっ……!」

 

 能力を使う曹操の手を掴みながら、私の目の前に立ちふさがるようにして、突然九重が飛び込んできた。

 

 面持ちの感情は不安定で、怯えと決意の狭間で戸惑ったまま、なぜ自分がこんなことをしているのかすらわかっていなさそうな視線が私を見つめる。そして案の定、『待て』と言った後に続く言葉は出ず、故に先に、私の手が彼女へ伸びた。

 

「……何を待つっていうの? その()が邪魔しろって言ってるなら、できないように縛って転がしといてあげるけど……?」

 

「あぐ……ぅっ……!」

 

 巫女装束の胸元を吊り上げる。首が締まって苦しいのか、漏れる呻き声と恐怖が勝る彼女の眼。植え付けられたキメラの血(異形と化した左目)に、私の心が憎悪で燻る。

 

 もしこれでも彼女が憎き“王”を庇おうとする様子を見せていたなら、ドラゴンのそれと化した私の手が力加減を誤ってしまったかもしれない。しかしそれらの杞憂が現実になる前に、九重を追って、白音の身体を抱えたリアスが私を留めた。

 

「なにをしてるの!? 黒歌、白音も、やめて頂戴!!」

 

『部長……』

 

 主の声に、白音が冷静を取り戻した。覚えたばつの悪さは私にも流れ込み、九重の胸倉を掴む手が緩む。その小さな身体が重力に従って落ち、尻餅をついた彼女が取り戻した正常な呼吸に咳き込んだ。

 

 その様子をちらりと見やった曹操が、諭すように彼女に言った。

 

「とにかく落ち着け。……九重、君も、よく思い出すんだ。キメラの血じゃない、自分の想いを。植え付けられた忠誠心の下にあるはずだ、ピトーを――」

 

「言われなくてもっ……! 私は、忘れてなんかない……! 例え“フェル”が全部嘘だったとしても……私はピトーが好きじゃっ! ピトーがいなくなってしまうのは、いやじゃ……っ!」

 

 遮り、九重は荒い息のまま無理矢理叫んだ。その言葉に、途中で止まった曹操も口を閉ざす。

 

 だがしかし、彼女の台詞は『でも』と続いた。

 

「でも……みんな……みんな、変じゃ! 黒歌も白音も、曹操に赤龍帝に白龍皇だってそうじゃ! なんでみんな……そんな顔をしているのじゃ……!?」

 

「……何の話だ?」

 

 ヴァーリが純粋な、混じり気なしの疑問符を付ける。曹操やリアス、そして私もそうだ。そんな顔を、九重はさも信じられないというふうに見回して、得体の知れないものを見る眼を私に向けた。

 

「だってみんな、憎んでる……! “王”さまを、悪い(・・)()さまだと思ってる(・・・・・・・・)じゃろう!?」

 

 それの何がおかしいのか、という当然の応えは、私を含めて誰の口からも出なかった。全員が確信したからだ。九重が未だ、キメラの血に囚われていることを。

 

 彼女にとって“王”はピトーを奪った敵であるが、同時に絶対的な主君であるのだろう。つまり会話にならないということ。

 哀れな彼女に、曹操はため息を呑み込みもう一度説得を試みる。

 

「……確かに、彼もある意味ではただの被害者なのかもしれない。俺たちの敵にしかなれないよう、キメラアントの“王”として造られ、それに殉じるしかなかったのかもしれない。けれど、だからといってピトーを食い物にされていいのかい?」

 

「いいわけない! けど、そういうのじゃない……! そういうことじゃないのじゃっ! どうしてみんなわからないのじゃ!? 敵とか戦うしかないとかじゃなくて……っ、お、“王”さまを、どう……だ、だから、どうしてそういうふうにしか――ッきゃぅっ!?」

 

「もう黙ってなさい。あんた」

 

 もはや自分が何を言いたいのかもわかっていないのだろう。詰まり、見つからない言葉に先んじて口が動く九重を、私は腕を一振りして術で縛めた。魔力の輪に手足を捕らえられ、バランスを崩して“王”の前で倒れ込む。

 

 起き上がることはできない。それでも尚、芋虫の体勢で顔だけを私に向け、キメラの感情ばかりが前に出て来る彼女。はくはく口を開け閉めするだけの彼女を、私は魔力で持ち上げた。

 

「全部終わればそれ(・・)も元に戻るわよ。だから安心して、ただ待ってなさい」

 

 リアスの方へ抛った、その直後だった。

 

 ぐちゃり、と、死肉を踏む音が私の鼓膜に触れた。




王の正体。

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