『ラブライブ!サンシャイン!!』にハマったので、ノリと勢いで小説を書いてしまいました。
相も変わらず文才は無いですが、温かい目で読んでいただけると幸いです。
「ここが浦の星かぁ・・・」
正門の前に立ち、校舎を見上げる俺。
静岡県沼津市の内浦湾の西に張り出した岬に所在する、全校生徒が百人にも満たない小さな私立高校・・・それがここ、浦の星である。
俺は今日から、この高校の生徒になるのだ。さて・・・
「とりあえず到着したけど・・・生徒会長さんはどこだろう?」
キョロキョロと辺りを見回す。
学校側からの連絡によると、正門の前で生徒会長さんが待ってくれているとのことだったが・・・それらしき姿は見当たらない。
「・・・まぁ良いや。少し待ってみよう」
「何を待ってみるの?」
「うおっ!?」
いきなり背後から声をかけられ、思わず飛び上がる。
いつの間にか俺の後ろには、橙色の髪の女の子が立っていた。浦の星の制服を着ているので、ここの生徒だろう。
「男の子がこんな所で何してるの?ここは女子校だよ?」
首を傾げている女の子。
浦の星の正式名称は、浦の星女学院高等学校・・・名前の通り、ここは女子校なのである。
「いえ、それは重々承知していますが・・・実は俺、今日からこの高校の生徒になる身でして・・・」
「・・・通報して良い?」
「止めて!?」
思わず叫んでしまう。いや、確かに『何言ってんだコイツ』ってなるだろうけども。
男である俺が女子校の生徒になるのには、れっきとした理由があるのだ。
「千歌ちゃん?どうしたの?」
明らかに俺を警戒し始めた女の子の後ろから、別の女の子がひょっこり顔を覗かせる。
グレーのボブカットの髪にウェーブの入った、活発そうな女の子だ。
「あ、曜ちゃん!ここに怪しい男の子がいるの!」
「えぇっ、不審者!?」
橙色の髪の女の子の言葉を聞き、グレーの髪の女の子が俺を見て警戒する。
あぁ、誤解が広がっていく・・・
「違いますって!れっきとしたこの学校の生徒です!」
「だからここは女子校だって!」
「だからそれには理由があるんですって!」
言い合う俺と橙色の髪の女の子。
するとグレーの髪の女の子が、何かに気付いたような表情で俺を見た。
「あれ?その制服・・・浦の星の制服に似てない?」
「いや、似てるも何も浦の星の制服ですよ。男子用の制服だそうです」
着ている制服を指差す俺。俺が入学するにあたって、学校側が急遽男子用の制服を用意してくれたらしい。
その説明をしたところで、グレーの髪の女の子がハッとした表情を浮かべる。
「あぁっ!?ひょっとして、君が例のテスト生!?」
「あぁ、やっと分かってくれた・・・」
ようやく事情を理解してくれたらしい。一方、橙色の髪の女の子は未だ首を傾げていた。
「テスト生?」
「ほら、浦の星は共学化を目指してるって説明があったじゃん!とりあえずテスト生として、四月から男子生徒が一人入学するって!」
「あぁっ!?」
どうやら思い出してくれたようだ。恐る恐るこっちを振り向く橙色の髪の女の子。
「と、いうことは・・・本当に浦の星の生徒?」
俺はその問いかけにニッコリ笑みを浮かべると、二人に背中を向けて歩き出した。
「そのつもりでしたが、どうやら受け入れてはいただけないようですね。学校側に今起こったことを全てありのままに伝えて、テスト生の辞退を申し入れた上で海に身を投げようと思います。それではさようなら、来世でお会い出来ると良いですね」
「「ちょっと待ってええええええええええっ!?」」
必死に俺にしがみついてくる二人。
「離せえええええっ!海が俺を待ってるんだあああああっ!」
「ゴメンなさいいいいいっ!私の早とちりでしたあああああっ!お願いだから思い留まってえええええっ!」
「私からもお願いいいいいっ!早まらないでえええええっ!」
「止めるんじゃねえええええっ!」
この後、周りから不審な目で見られたことは言うまでもないのであった。
*****
「すみませんでした!」
「ごめんなさい!」
「いえ、俺の方こそ申し訳ありませんでした・・・」
何とか落ち着いた俺達は、お互いに深々と頭を下げていた。
いやホント、入学初日から何やってんだ俺・・・
「あ、自己紹介が遅れました・・・今日から浦の星でお世話になります、絢瀬天といいます。よろしくお願いします」
「これはこれはご丁寧に・・・二年の高海千歌です」
「同じく二年の渡辺曜です」
自己紹介し合う俺達。やっぱり二人とも先輩だったか・・・
「ところで高海先輩・・・その鉢巻き何ですか?」
「あ、これ?」
頭に巻いてある鉢巻きに触れる高海先輩。
『スクールアイドル愛』と書かれた鉢巻きを付けて、この人は一体何をしているのだろうか・・・
「実は私、新しく部活を立ち上げることにしたの」
「スクールアイドル部ですか?」
「そう、スクールアイドル部・・・って何で分かったの!?」
「今の流れで分からない方がおかしいでしょ」
「アハハ・・・はい、これがチラシだよ」
そう言って紙を一枚渡してくれる渡辺先輩。スクールアイドル部かぁ・・・
「部員って、高海先輩と渡辺先輩以外にいるんですか?」
「あ、私は部員じゃないよ」
首を横に振る渡辺先輩。
「私は水泳部に入ってるから、スクールアイドル部には入ってないんだよね」
「え、じゃあ部員って・・・」
「私だけだよ」
何故か胸を張る高海先輩。
意外と大きいな・・・じゃなくて。
「・・・生徒会の承認って貰ってます?」
「貰ってないよ?」
「・・・部活、立ち上げられてないじゃないですか」
「最低でも五人必要だっていうから、五人集まってから申請しようかなって」
「・・・申請もしてないのに、勧誘活動してるんですか?」
「嫌だなぁ、申請する為に勧誘活動してるんだよ♪」
能天気に笑っている高海先輩。これは生徒会にバレたらマズい案件なのでは・・・
「あっ!あんなところに美少女がっ!スクールアイドルやりませんかっ!?」
一方の高海先輩は、そんなことお構い無しに勧誘活動を続けていた。おいおい・・・
「・・・渡辺先輩、止めなくて良いんですか?」
「いやぁ・・・千歌ちゃん凄くやる気になってるし、良いかなぁって」
「言っときますけど、多分もうすぐ生徒会長さんが来ますよ」
「今すぐ止めなきゃ!?」
慌てて走っていく渡辺先輩。
仕方なくその後を追うと、高海先輩が二人組の女子を勧誘しているところだった。
「大丈夫!悪いようにはしないから!」
「いや、マルは・・・」
茶髪のふわっとしたロングヘアの女の子が、困った様子で対応していた。
その子の後ろには、赤髪の短いツーサイドアップの女の子が怯えたように隠れている。
「千歌ちゃん、その辺にしとかないとマズいって!」
「曜ちゃん、この子達凄く可愛いよ!絶対人気出るよ!」
焦っている渡辺先輩とは対照的に、高海先輩は興奮状態だった。
あれは人の話なんて聞いちゃいないな・・・
「すみません、先輩がご迷惑をおかけしました」
「マ、マルは大丈夫ずら・・・」
「ずら?」
「ハッ!?だ、大丈夫です!」
慌てて言い直す茶髪の女の子。何だったんだろう?
「ひょっとして、新入生?」
「あ、はい。そうです」
「じゃあ一緒だね。俺も新入生なんだ」
「ずらっ!?」
「ずら?」
「ハッ!?」
慌てて口を押さえる茶髪の女の子。どうやら『ずら』が口癖らしい。
「ど、どうして男の子が・・・?」
「ひょっとして、テスト生の人・・・?」
赤髪の女の子が、茶髪の女の子の後ろから恐る恐る顔を出していた。
「うん、そうだよ。よろしくね」
「ぴぎっ!?」
慌てて隠れてしまう赤髪の女の子。えっ・・・
「あ、ゴメンね!ルビィちゃん、人見知りな上に男性恐怖症だから!」
茶髪の女の子が慌てて説明してくれる。なるほど、つまり俺が消えるべきなのか・・・
「ゴメンね、ルビィちゃんとやら・・・俺は今から屋上に行ってくるよ」
「ちょっと待つずらあああああっ!?」
茶髪の女の子が必死に止めてくる。最早『ずら』を隠す気も無いらしい。
「屋上に行って何するつもりずら!?」
「アイキャンフライ」
「人は空を飛べないずら!」
「君と出会った奇跡がこの胸に溢れてるから、きっと今は自由に空も飛べるはずだよ」
「それはスピ●ツの曲ずらあああああっ!」
「ねぇ二人とも、スクールアイドルやろうよ!」
空気を読まない高海先輩が、俺達のやり取りを見てあたふたしていたルビィちゃんとやらの手を握った。
その瞬間、ルビィちゃんとやらの顔が青くなる。
「っ!?マズいずら!」
「うおっ!?」
茶髪の女の子が俺の頭を掴んで自分の胸に押し付け、両腕で俺の頭を抱いた。俺の顔が、大きくて柔らかいものに埋まっている。
あぁ、幸せ・・・じゃなくて。
「ちょ、いきなり何を・・・」
「ぴぎゃああああああああああっ!?」
ルビィちゃんとやらの叫び声が響いた。茶髪の女の子の腕に耳が塞がれているから、俺にはそこまで響かない・・・
ってまさか!?
「俺を庇って・・・!?」
「ずらぁ・・・」
ルビィちゃんとやらの『ばくおんぱ』を食らった茶髪の女の子は、一撃で瀕死状態になってしまったようだ。
倒れそうになる茶髪の女の子を、慌てて抱き留める。
「ちょ、大丈夫!?」
「オ、オラはもうダメずら・・・ガクッ」
「ず、ずら丸うううううっ!?」
何かよく分かんないけど、頭に浮かんだあだ名を叫ぶ俺。すると・・・
「キャアアアアアアアアアアッ!?」
今度は側にあった桜の木の上から、女の子が降ってきた。そのまま見事に着地するが・・・
「うぅ、足が・・・ぐえっ」
着地の衝撃に襲われていた。その上、頭の上に鞄が落ちてきて見事にヒットする。
「えっと・・・色々大丈夫?」
高海先輩が女の子を心配していた。ってかアンタ、至近距離でルビィちゃんとやらの『ばくおんぱ』食らってよく無事だったな・・・
そんなどうでもいいことに感心していると、その女の子が急に肩を震わせて笑い始めた。
「クックックッ・・・ここはもしかして地上・・・?」
「高海先輩、この人大丈夫じゃないみたいです。救急車呼んで下さい」
「分かった。ちょっと待っててね」
「私は正常よっ!?」
ダークブルーの髪を揺らしながら叫ぶ女の子。いや、正常な人はあんなセリフ吐かないからね。
「コホンっ。ここが地上ということは・・・貴女達は、下劣で下等な人間共ということですか?」
「えいっ」
「ギャアッ!?」
足に軽くチョップしてやると、女の子は足を押さえて蹲った。どうやら先程の痛みが残っていたらしい。
「何すんのよ!?セクハラで訴えるわよ!?」
「初対面で下劣だの下等だの言うような奴は、女子としてカウントされません。それがこの世界のルールです」
「無いでしょそんなルール!?」
「それで?どちら様ですか?」
そう尋ねると、女の子がニヒルな笑みを浮かべる。
「フッ・・・私は堕天使ヨハネ・・・」
「・・・善子ちゃん?」
瀕死状態だったずら丸がガバッと起き上がり、女の子の顔を覗き込む。
「やっぱり善子ちゃんだ!私、花丸だよ!幼稚園以来だね!」
「は・・・花丸うううううっ!?」
仰け反る女の子。どうやら二人は知り合いらしい。
っていうか、ずら丸の本名は花丸っていうのか・・・
「久しぶりだね!善子ちゃん!」
「善子言うな!私はヨハネ!ヨハネなんだからね!」
そう言って逃げていく自称・堕天使ヨハネ。ずら丸がその後を追い、その後をルビィちゃんとやらが追いかけていく。
「どうしたの善子ちゃあああああん!?」
「花丸ちゃん待ってえええええっ!」
「来るなあああああっ!」
「・・・何だったんだ?」
多分あの子も新入生だろう。ずいぶん濃いメンツが集まったなぁ・・・
「あの子達・・・後でスカウトに行こう!」
「アハハ・・・」
懲りない高海先輩に、苦笑している渡辺先輩。
「高海先輩、まだ諦めてないんですか?」
「勿論!だってあの子達、凄く可愛かったもん!」
「まぁそれは認めますけど」
ずら丸もルビィちゃんとやらも自称・堕天使ヨハネも、美少女なのは間違い無い。
「あの子達がスクールアイドルになったら、絶対人気出るよ!」
「・・・そんな単純な話でもないと思いますけど」
俺が溜め息をついていると・・・
「このチラシを配っているのは、貴女方ですの?」
背後で声がする。振り向くと、美しい黒髪ロングの女の子が立っていた。
手にはスクールアイドル部のチラシを持っている。
「いつ何時、スクールアイドル部なるものがこの浦の星女学院にできたのです?」
凛とした表情でこちらを見る女の子。
立ち居振る舞いがとても綺麗で、俺は思わずその女の子に見惚れてしまった。
「貴女も新入生?」
「ち、違うよ千歌ちゃん!?その人は三年生だよ!?」
呑気にそう声をかける高海先輩に、慌てて耳打ちする渡辺先輩。
「しかもその人は・・・」
「・・・ひょっとして、生徒会長さんですか?」
もしかしてと思い尋ねてみると、女の子が優しい笑みを浮かべる。
「えぇ、生徒会長の黒澤ダイヤと申します。絢瀬天さんですわね?」
「あ、はい。絢瀬天です」
「遅れてしまい申し訳ありません。生徒会の仕事に少々手間取ってしまいまして・・・」
申し訳なさそうに頭を下げる生徒会長。
「いえ、大丈夫です。そんなに待ってないですし」
主に二人の先輩と、三人の同級生のおかげで。
「すぐに生徒会室までご案内します。あぁ、それと・・・」
先ほどの優しい笑みとは対照的に、怖い笑みを高海先輩と渡辺先輩に向ける。
「貴女方も一緒に来て下さい。お話がありますので」
「「は、はい・・・」」
震えながら返事をする二人。恐るべし生徒会長・・・
「では、参りましょうか」
「はい。ほら高海先輩、渡辺先輩、行きますよ」
「うぅ、曜ちゃ~ん・・・」
「諦めよう、千歌ちゃん・・・」
絶対に生徒会長を怒らせてはいけない・・・入学初日にして、早くも教訓を学んだ俺なのだった。
どうも~、ムッティです。
今回は『ラブライブ!サンシャイン!!』の小説を書かせていただきました。
先月アニメを観て、今月映画を観に行って・・・
完全に新規のにわかファンです。
ノリと勢いで書いてみたは良いものの、果たしてどこまで続くことやら・・・
とりあえず、ヒロイン(未定)とイチャイチャするところまで書きたい願望。
それでは次回があることを願いまして・・・
以上、ムッティでした!