絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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何か急に暑くなったな・・・

これから夏が来るのかと思うと、ホントに萎えるわ(´・ω・`)


過去があるから今がある。

 「身体には気を付けるのよ。何かあったらすぐに連絡すること。それから・・・」

 

 「俺は貴女の子供ですか」

 

 呆れる俺。

 

 ひなさんとの話を終えた俺は、音ノ木坂を後にしようとしていた。

 

 校門まで見送ってくれるということでひなさんもついてきたのだが、まるで母親かのような世話の焼きようだった。

 

 「何言ってるの!貴女は私の息子じゃない!」

 

 「いや、貴女が何言ってるんですか」

 

 「え、だってことりと結婚してるでしょ?」

 

 「してないわ。妄想と現実を混ぜないで下さい」

 

 「グララララ・・・じゃあ俺の息子になれ!」

 

 「どこの白ひげですか。マンガと現実も混ぜないの」

 

 そんな会話をしながら歩き、校門が見えた時だった。

 

 

 

 

 

 「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 「ん?」

 

 何故かAqoursの皆が、音ノ木坂に向かってお辞儀をしていた。

 

 こんなところで何してるんだろう・・・?

 

 「ふぅ・・・え、天くん!?」

 

 頭を上げた千歌さんが俺に気付く。

 

 「こんなところで何してるの!?」

 

 「不審な行為をしている千歌さんを通報すべきか悩んでました」

 

 「止めて!?」

 

 「天ああああああああああっ!」

 

 「はいはい、鞠莉はホントに甘えん坊なんだから」

 

 「それよりも天さん!何故鞠莉さんにブロッコリーの食品サンプルを渡したのですか!?色々と大変だったのですよ!?」

 

 「あ、ダイヤさんも要ります?」

 

 「結構ですわ!」

 

 「マ、マルはちょっと欲しいかも・・・じゅるり」

 

 「・・・うん、花丸にだけは絶対渡さないわ」

 

 「天くんも来れば良かったのに。A-RISEの綺羅ツバサさんもいたんだよ?」

 

 「マジで?あんじゅちゃんと英玲奈ちゃんは?」

 

 「いや、一人だけだったけど」

 

 「じゃあいいや」

 

 「嘘でしょ!?まさかの興味無し!?」

 

 「分かってないなぁ、曜。ツバサちゃんしかいないA-RISEなんて、たこが入ってない上にソースやマヨネーズさえかかってないたこ焼きみたいなもんだよ?」

 

 「そこまで言う!?」

 

 「アハハ・・・あの綺羅さんをそこまで言える人なんて、天くらいしかいないんじゃないかなん?」

 

 「果南さん、前から言おうと思ってたんですけど・・・その語尾、正直寒いですよ」

 

 「酷い!?」

 

 「クックックッ、流石はリトルデーモン・・・その素直な姿勢は嫌いじゃないわ」

 

 「いや、善子が一番寒いから」

 

 「どういう意味よ!?」

 

 「っていうか天くん、A-RISEと知り合いだったなんて聞いてないよ!?どうして教えてくれなかったの!?」

 

 「相変わらずルビィはスクールアイドル大好きだね・・・だって聞かれなかったもん」

 

 「ねぇ、天くん・・・A-RISEの皆さんとは、どういう関係なのかしら・・・?」

 

 「ちょ、梨子!?近い近い!?っていうか目が怖いんだけど!?」

 

 「・・・フフッ」

 

 俺達のやり取りを聞いて笑うひなさん。

 

 「本当に仲が良いのね・・・何だかμ'sを見てるみたいだわ」

 

 「えぇっ!?μ'sの南ことりさん!?」

 

 「いや、私が見た南さんより大人っぽいような・・・」

 

 「フフッ、初めまして。南ことりの母親です」

 

 「「「「「「「えぇっ!?」」」」」」」

 

 梨子と鞠莉以外の皆が驚きの声を上げる。

 

 まぁそういう反応になるよね・・・

 

 「お久しぶりです、ひなさん」

 

 一礼する鞠莉。

 

 「久しぶり、鞠莉ちゃん。すっかり天くんとラブラブね」

 

 「はい♡私は天の女ですから♡」

 

 「違うわ」

 

 腕を組んでくる鞠莉に、呆れながらツッコミを入れる。

 

 何言ってるのこの子・・・

 

 「それは聞き捨てならないわね、鞠莉ちゃん」

 

 「そうだよ、鞠莉。簡単に人の女を名乗るなんて・・・」

 

 「天くんの女は、ウチのことりなんだから」

 

 「アンタもかい」

 

 もう嫌だこの人達、話が通じないんだけど・・・

 

 「でも良かったわね、鞠莉ちゃん。最初の頃は『天に嫌われました・・・』って、泣きながら私のところに電話してきてたものね」

 

 「ちょ、ひなさん!?その話は・・・」

 

 「『どうやったら天と仲直り出来ると思いますか?』とか、『天と距離を縮める為にはどうすれば良いですかね?』とか・・・」

 

 「止めてええええええええええっ!?」

 

 顔を真っ赤にして止めに入る鞠莉。

 

 「鞠莉、そんな相談してたの?」

 

 「うぅ、恥ずかしい・・・」

 

 果南さんの問いに、両手で顔を覆う鞠莉。

 

 そんな鞠莉がちょっと愛しくなってしまい、優しく頭を撫でる。

 

 「・・・色々ゴメンね、鞠莉。ありがとう」

 

 「・・・うん」

 

 珍しくしおらしい鞠莉。

 

 頬を赤く染め、されるがままに頭を撫でられている。

 

 「フフッ、良かった・・・ちょっと安心したわ」

 

 ひなさんはそう言って微笑むと、今度は梨子へと視線を移した。

 

 「貴女も久しぶりね、桜内さん」

 

 「お、お久しぶりです・・・南理事長・・・」

 

 緊張した様子の梨子。

 

 ひなさんが苦笑している。

 

 「そんなに緊張しなくても良いじゃない。今の私と貴女は、理事長と生徒の関係じゃないんだから」

 

 「そ、それはそうなんですが・・・」

 

 「・・・ねぇ、聞かせてもらえるかしら?」

 

 真剣な、それでいてどこか不安そうな顔のひなさん。

 

 「音ノ木坂に入ったこと・・・後悔してる?」

 

 「・・・いいえ」

 

 首を横に振る梨子。

 

 「今日ここに来て、分かったんです。私、この学校が大好きだったんだって」

 

 「桜内さん・・・」

 

 「だから後悔なんてしてません。苦しいことも、辛かったこともあったけど・・・それでも、その全てが私の礎になってるから」

 

 梨子は俺に視線を向け、柔らかく微笑んだ。

 

 「あの時、天くんが言ってくれた言葉・・・今凄く実感出来てるよ。ありがとう」

 

 「梨子・・・」

 

 「桜内さん・・・貴女は今、幸せ?」

 

 「はいっ!」

 

 迷い無く、笑顔で頷く梨子。

 

 「かけがえのない仲間に巡り会えて、大きな目標も出来て・・・充実した日々を送ることが出来ています。皆と過ごす日々は、私にとっての宝物です」

 

 「っ・・・そう・・・」

 

 微笑むひなさん。

 

 その目には、うっすらと涙が浮かんでいた。

 

 「え、南理事長!?どうして泣いてるんですか!?」

 

 「何でもないのよ、何でも・・・」

 

 目元の涙を拭い、笑顔を見せるひなさん。

 

 「それより、もう『南理事長』は止めてちょうだい。後輩の娘に理事長って呼ばれるのは、ちょっと寂しいわ」

 

 「じゃ、じゃあ何とお呼びすれば・・・」

 

 「名前で呼んでくれたら良いのよ。私も梨子ちゃんって呼ぶから。ね?」

 

 「わ、分かりました・・・ひなさん」

 

 「よろしい♪」

 

 ひなさんは満足そうに笑うと、Aqoursの皆を見渡した。

 

 「私は他校の理事長だから、貴女達に偉そうなことは言えないけど・・・後悔することのないように、今を全力で駆け抜けなさい」

 

 「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」」

 

 力強く返事をする皆。

 

 頼もしいなぁ・・・

 

 「さぁ、そろそろ内浦に帰りましょうか。遅くなりすぎてもいけませんし」

 

 「それもそうだね・・・あっ」

 

 「どうしました?」

 

 「いや、さっき音ノ木坂の生徒さんがμ'sについて教えてくれたんだけど・・・いつの間にかいなくなっちゃったなぁって」

 

 「そういえばそうですわね・・・」

 

 キョロキョロと辺りを見回すダイヤさん。

 

 「さっきまで側にいたのに、急に消えてしまうなんて・・・」

 

 「もしかして・・・幽霊ずら?」

 

 「ぴぎぃっ!?」

 

 「ちょ、ずら丸!?変なこと言うんじゃないわよ!?」

 

 「アハハ・・・ひょっとして、音ノ木坂の精霊みたいな?」

 

 「いや、そんなバカな・・・」

 

 「はいはい、その辺にしておきましょう」

 

 手を叩いて話を止める俺。

 

 「とりあえず駅に向かいましょうか。ひなさん、色々ありがとうございました」

 

 「こちらこそ、天くんと久しぶりに会えて良かったわ。また顔を見せに来るのよ?」

 

 「えぇ、分かりました」

 

 「Aqoursの皆も、また遊びに来てね。今度は校内を案内してあげるわ」

 

 「ありがとうございます!」

 

 「また来ます!」

 

 ひなさんは俺達に向かって手を振ると、校舎へと戻っていった。

 

 「さぁ、私達も行こう!」

 

 「ヨーソロー!」

 

 音ノ木坂を後にし、駅へ向かって歩き始める皆。

 

 俺は皆の背中を見つめながら、ボソリと呟いた。

 

 「・・・μ'sについて話してたんだね?音ノ木坂の精霊さん?」

 

 「アハハ、すっかり霊的な扱いをされてたね」

 

 ベージュ色の髪の女の子が、校門の陰から顔を覗かせる。

 

 「いおりちゃんが隠れるからでしょ。何で隠れたの?」

 

 「いつの間にか姿が消えてるって、何かカッコ良くない?」

 

 「相変わらずバカだね」

 

 「相変わらず辛辣だね!?」

 

 ショックを受ける女の子・・・水瀬いおりちゃん。

 

 音ノ木坂の高等部の三年生で、現在のアイドル研究部の部長を務めている子だ。

 

 亜里姉や雪穂ちゃんが三年生だった時の一年生で、二人と仲が良かったこともあり俺もよく知っていた。

 

 「校門の陰にいおりちゃんがいるのを見た時は、何事かと思ったよ。こっちに向かって『しーっ!』ってジェスチャーしてくるし・・・ひなさんも苦笑いしてたけど」

 

 「うぅ、理事長に『変な子だ』って思われたかな・・・」

 

 「それは元々でしょ」

 

 「酷い!?」

 

 やれやれ、いおりちゃんも変わらないなぁ・・・

 

 「それにしても、あの子達がAqoursか・・・天くんがマネージャーをやるなんて、よほどあの子達に惹かれたんだね」

 

 「・・・それは否定出来ないかな」

 

 最初こそ、μ'sへの想いからマネージャーを辞めようとしたが・・・

 

 それでも続けることを決めたのは、俺がAqoursに惹かれているからなんだろうな・・・

 

 「おーい、天くーん!早く行こうよー!」

 

 少し離れた先で、千歌さんが大きな声で呼びかけてきた。

 

 そろそろ行かないとな・・・

 

 「今行きまーす!」

 

 俺は返事をすると、いおりちゃんに視線を向けた。

 

 「じゃあいおりちゃん、またね」

 

 「うん。今度私にも、内浦での話を聞かせてね」

 

 「勿論。行ってきます」

 

 「行ってらっしゃい!」

 

 微笑むいおりちゃん。

 

 俺も微笑むと、急いで皆の後を追いかけるのだった。




どうも〜、ムッティです。

今回は新キャラ、水瀬いおりちゃんが登場しました!

『いのり』ちゃんじゃありません、『いおり』ちゃんです( ̄ー ̄)

音ノ木坂を訪れたAqoursにμ'sのことを教えてくれるが、忽然と姿を消してしまうという謎の存在・・・

『妖精』『ことりちゃんか花陽ちゃんの子供』等、様々な推測がされているようですが・・・

アイドル研究部の部長にしてみました(笑)

っていうか、モブキャラで『CV:水瀬いのり』って凄くないですか?

ラブライブは脇役の声優さんが豪華すぎるわ・・・

いおりちゃんは今後も出番がある予定ですので、是非お楽しみに(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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