しかも歌上手すぎてヤバい・・・
「堕天使ヨハネとリトルデーモン・・・ラブライブに降臨ッ!」
「誰か絆創膏持って来て!人一人包みこめるくらいのヤツ!」
「痛い子扱いは止めなさいよ!?」
善子のツッコミ。
Aqoursの控え室になっているブースを訪れたところ、善子がまた痛い発言をしていたのだ。
「全く、善子ときたら・・・ん?何でルビィは涙ぐんでるの?」
「アハハ、ちょっとね」
目元の涙を拭うルビィ。
「善子ちゃんに『ありがとね』って言われて、ちょっとウルッときちゃって」
「ちょ、ルビィ!?言わなくていいから!?」
「情熱的に抱き締められて、マルも感激しちゃったずら」
「ずら丸も余計なこと言うんじゃないわよ!?」
慌てる善子。
なるほど、そんなことが・・・
「良いなぁ・・・俺も善子に抱き締められたいなぁ・・・」
「なっ!?何言ってんのよアンタ!?」
「情熱的に愛を囁かれたいなぁ・・・」
「誰も愛は囁いてないんだけど!?」
「アハハ、冗談だって」
思わず笑ってしまう俺だったが、善子は一つ溜め息をつくと・・・
俺に近付き、思いっきり抱き締めてきた。
「ちょ、善子!?」
「・・・何よ。『抱き締められたい』って言ったのは天でしょ」
「いや、そうなんだけど・・・良いの?」
「良いから抱き締めてるんじゃない。野暮なこと聞くんじゃないわよ」
「・・・何か真姫ちゃんを思い出すわ」
この素直じゃない感じ・・・
真姫ちゃんそっくりだな・・・
「・・・ありがとね、天」
「え・・・?」
善子が腕にキュッと力を込めてくる。
「私の味方でいてくれて、支えになってくれて・・・本当にありがとう。天がいなかったら、私は今ここにいないから・・・凄く感謝してる」
「善子・・・」
「・・・感謝なら、マルもしてるずら」
左側から花丸が抱きついてくる。
「天くんに出会って、背中を押してもらって・・・スクールアイドルになれて、本当に幸せずら。ありがとう、天くん」
「花丸・・・」
「・・・ルビィだってそうだよ」
右側から抱きついてくるルビィ。
「自分の気持ちに正直になれたのも、大好きなお姉ちゃんと一緒にスクールアイドルが出来るのも・・・全部天くんのおかげだから。本当にありがとう」
「ルビィ・・・」
同級生三人の温もりで、心まで温まっていくのを感じる。
緊張をほぐしに来たつもりだったのに、俺がほぐされちゃったな・・・
「・・・ありがとう、三人とも」
両腕を伸ばし、三人を包み込むように抱き締める。
「少しでも三人の力になれたのなら、凄く嬉しいよ。俺が浦の星に入った時、クラスで真っ先に俺のことを受け入れてくれたのは・・・この三人だったから」
抱き締める腕に力を込める。
「善子、花丸、ルビィ・・・三人と同級生で、本当に良かった」
人一倍心の優しい善子・・・
いつも笑顔で寄り添ってくれる花丸・・・
どんなことにも努力を惜しまないルビィ・・・
俺はそんな三人のことが大好きだし、心から尊敬していた。
「今日のステージ、ちゃんと見てるから。全力で楽しんできな」
「勿論よ!」
「やってやるずら!」
「最高のステージにしてみせるから!」
俺の言葉に、笑顔で頷いてくれる三人。
そんな同級生達が、とても頼もしく見える俺なのだった。
*****
「あの時置いてきたものを・・・もう一度取り戻そう」
果南がそう呟き、ダイヤさんと鞠莉を抱き寄せている。
会場の裏手を覗いてみると、三年生三人組が身体を寄せ合っていた。
これは邪魔しない方が良いかな・・・
「勿論ですわ」
そっと踵を返した時、ダイヤさんの力強い言葉が聞こえた。
「その為に、力を貸して下さいますわよね・・・天さん?」
「っ!?」
ビックリして振り向くと、三人が笑いながらこっちを見ていた。
「な、何で分かったんですか?」
「フフッ・・・何となく、でしょうか」
クスクス笑っているダイヤさん。
「何となく、天さんが側にいるような気がして・・・見えていたわけではないのに、妙な確信がありましたわ」
「何それ怖い」
「フフッ、それだけ私達の感覚が鋭いってことよ♪」
背後から抱きついてくる鞠莉。
「特に天は存在感があるから、すぐ分かっちゃいマース♪」
「鞠莉のおっぱいの存在感には負けるわ」
「いやん♡天のエッチ♡」
豊満な胸を、ぐりぐりと背中に押し付けてくる鞠莉。
ご馳走様です。
「全く、セクハラ発言は相変わらずだね・・・」
果南はそう言って、溜め息を一つつくと・・・
真正面から俺に抱きついてきた。
「おっと・・・そういうことすると、今度は果南のおっぱいが当たるんだけど?」
「でも嬉しいんでしょ?」
「勿論」
計四つのマシュマロを味わえるとか、もう天にも昇る気持ちだわ・・・
「もう・・・エッチ」
果南はそう言って苦笑すると、腕にキュッと力を込めてきた。
「・・・これでも、天には本当に感謝してるんだよ?」
「え・・・?」
「一度は諦めたスクールアイドルを、またこうやってやれてるのは・・・天のおかげだから。ありがとね」
「果南・・・」
「本当に・・・感謝してもしきれないわ」
俺の背中に額をくっつける鞠莉。
「こんな私の為に動いてくれて、果南やダイヤと仲直り出来るようにしてくれて・・・またスクールアイドルが出来るようにしてくれた。ありがとう、天」
「鞠莉・・・」
「・・・私も、本当に感謝しています」
俺の手を握るダイヤさん。
「天さんの仰った通り、あの時諦めなくて本当に良かった・・・今こうして、果南さんや鞠莉さんとスクールアイドルが出来て・・・本当に幸せですわ。ありがとうございます」
「ダイヤさん・・・」
参ったなぁ・・・
これ以上心を温められると、泣いちゃいそうなんだけど・・・
「・・・『ありがとう』はこっちのセリフだよ」
素直に三人に身を委ねる。
「三人が入ってくれたから、Aqoursはもっと成長することが出来た。俺自身、三人に助けられたことがたくさんあったよ」
明るく元気で、頼りがいのある果南・・・
天真爛漫で、困っている時にさりげなく動いてくれる鞠莉・・・
しっかり者で、よく相談に乗ってくれるダイヤさん・・・
大人な三年生達には、本当にいつも助けられている。
感謝しているのは俺の方だ。
「果南、鞠莉、ダイヤさん・・・三人がいてくれて、本当に良かった。ありがとう」
俺は感謝の言葉を述べると、三人の顔を見た。
「今日のステージも、よろしく頼むよ」
「オッケー!最高のステージを見せてあげる!」
「マリー達の気合いは十分よ!」
「お任せ下さいませ!」
満面の笑みで、力強く頷いてくれる三人。
そんな最上級生達を見て、とてつもない安心感を覚える俺なのだった。
*****
「全部を楽しんで、皆と進んでいきたい!それがきっと、輝くってことだと思う!」
ステージ裏を訪れると、千歌さんがそう宣言しているのが聞こえた。
本当にこの人は、穂乃果ちゃんそっくりだな・・・
「えいっ」
「あたっ!?」
千歌さんのアホ毛に、軽くチョップをかます。
「ちょ、天くん!?いきなり何するの!?」
「いや、ちょっと昔を思い出して・・・よくこうやって、穂乃果ちゃんをしばいてたんですよね」
「何で!?」
「こうやって止めるしか無かったんですよ。あの暴走機関車は」
「呼び方が酷い!?」
千歌さんのツッコミ。
俺は苦笑すると、曜と梨子の方を見た。
「そんな穂乃果ちゃんを優しく見守ることりちゃんと、厳しく諭す海未ちゃん・・・この三人を見てると、当時のあの三人を思い出すよ」
「私、そんなに厳しく千歌ちゃんを諭してるかしら・・・」
「千歌さん、どう思います?」
「メッチャ厳しいよね」
「千歌ちゃん!?」
「アハハ・・・」
ショックを受けている梨子に、苦笑している曜。
ホント、似てるよなぁ・・・
「何かこうしてると、思い出すなぁ・・・ファーストライブの時のこと」
「あぁ、確かに・・・」
思い返してみれば、最初はこの四人で始めたんだよな・・・
「・・・あの時みたいに、円陣組んでみます?」
「おっ、良いね!やろうやろう!」
お互い手を繋いで円になる。
そうそう、こんな感じだったっけ・・・
「・・・ありがとう、天くん」
「え・・・?」
俺の左側に立っている梨子が、俺の手を強く握った。
「私、内浦に引っ越して来て良かった。スクールアイドルになれて、ピアノとも向き合えて・・・天くんのおかげよ。本当にありがとう」
「梨子・・・」
「・・・私も、天くんには感謝してるよ」
右側に立っている曜も、同じように俺の手を強く握る。
「いつも力になってくれて、悩んでる時は寄り添ってくれて・・・いつも本当に助けられてる。ありがとね」
「曜・・・」
「・・・私からもありがとう、天くん」
俺の前に立っている千歌さんが、優しく微笑んでいた。
「スクールアイドルになりたいっていう夢を、こうやって叶えられたのは・・・間違いなく天くんのおかげだよ。天くんが浦の星に来てくれて、私と出会ってくれて・・・本当に良かった。ありがとう」
「千歌さん・・・」
不覚にも、ちょっと涙ぐんでしまった。
他の皆から感謝の言葉を掛けられた後だったこともあり、余計に感動してしまう。
「ところで、前々から気になってたんだけどさぁ・・・」
何故か急に膨れっ面になる千歌さん。
「天くん、いつまで私のことさん付けで呼ぶの?相変わらず敬語のままだし」
「いや、いつまでって・・・千歌さんは先輩じゃないですか」
「曜ちゃんや梨子ちゃんのことは呼び捨てじゃん!タメ口じゃん!」
「強制されたんで」
「ちょ、天くん!?」
「人聞きの悪いこと言わないでくれる!?」
「事実でしょ。ゴリ押してきたのは誰だっけ?」
「「うぐっ・・・」」
言葉に詰まる二人。
やれやれ・・・
「じゃあ私も強制する!リーダーの特権を使うもん!」
「ただの独裁者じゃないですか」
「良いのっ!とにかく強制っ!」
子供のようにダダをこねる千歌さん。
全く、強引なんだから・・・
「ホント、こういうところもそっくりだな・・・」
『さん付け禁止!敬語も禁止!他人行儀なのは嫌!』
その昔、穂乃果ちゃんにダダをこねられた時のことを思い出す。
こんなところまで似なくても良いのに・・・
「はいはい、分かったから。改めてよろしくね・・・千歌」
「っ・・・うんっ!」
笑みを浮かべる千歌。
一方、何故か梨子が不機嫌そうな表情を浮かべていた。
「むぅ・・・アドバンテージが無くなっていくわ・・・」
「まぁまぁ梨子ちゃん、落ち着いて」
苦笑しながら宥める曜。
何かあったのかな?
「それじゃ、掛け声は天くんにやってもらおうかな」
「え、千歌じゃないの?」
「偶には良いじゃん。ねっ?」
「頼んだよ、天くん」
「気合いが入るヤツ、よろしくね」
三人からそう言われ、俺は一つ息を吐く。
「コホンッ、それじゃ・・・皆、ありがとう」
感謝の言葉を述べる俺。
「この三人に出会えたから、今こうしてここにいられる・・・本当に感謝してる」
いつも優しく、俺の身を案じてくれる梨子・・・
どんな時も明るく、俺を笑顔にしてくれる曜・・・
力強く前に進み、俺を引っ張ってくれる千歌・・・
この三人に出会えて、本当に良かった。
「さぁ、行こう!今、全力で輝こう!」
声を張り上げる。
三人の背中を、少しでも押せるように。
「Aqours~!」
「「「「サ~ンシャイ~ン!」」」」
あの時と同じようで、あの時とは違う・・・
力強さを感じさせる先輩達の声に、心が震える俺なのだった。
どうも〜、ムッティです。
頭の中で『Anti world』が無限ループしてる今日この頃です。
早くフルで聴きたいなぁ・・・
フルで聴きたいといえば、LiSAさんの新曲『炎』もそうですね。
劇場版『鬼滅の刃』、絶対に観に行かねば・・・
さてさて、恒例の支援絵紹介のコーナー!
今回もことりちゃん大好きさんから、素敵なイラストをいただきました!
【挿絵表示】
海未ちゃあああああんっ!!!!!
スクスタに出てくる、夏祭りシンフォニー衣装の海未ちゃんですね(^^)
この衣装を着た海未ちゃん、可愛くてめっちゃ好きなんですよね( ´∀`)
ことりちゃん大好きさん、本当にありがとうございます!
さぁ、いよいよ地区予選のステージが始まろうとしております。
お互いに感謝し、より絆を深めたAqours・・・
果たしてこれからどうなるのか・・・
次回もお楽しみに(・∀・)ノ
それではまた次回!以上、ムッティでした!