絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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絵里ちゃん、誕生日おめでとう!

気合いが入りすぎて、誕生日回史上一番長い回になりました(笑)

っていうか、この作品の一話分より長いかも(笑)

全て絵里ちゃん視点になっておりますので、予めご了承下さい。

それではいってみよー!


【絢瀬絵里】一生忘れない・・・

 「お姉ちゃん、そっちはどう?」

 

 「もう少しで終わりそうよ」

 

 亜里沙の問いに返事をする私。

 

 私達は今、クローゼットの奥から冬用の服を引っ張り出していた。

 

 これからどんどん寒くなってくるし、準備は早めにしておかないとね・・・

 

 「それにしても・・・今日はこんなことしなくてもいいんじゃない?」

 

 呆れている亜里沙。

 

 「せっかくの誕生日なんだよ?これからμ'sの皆が、お姉ちゃんの誕生日パーティーをやってくれるっていうのに・・・」

 

 「集合までまだ時間があるじゃない。こういうのは時間がある時にやっておかないと」

 

 そう、今日は私の二十三歳の誕生日だ。

 

 皆のことだから、きっと今頃張り切って準備してくれてるんでしょうね・・・

 

 本当にありがたいわ・・・

 

 「・・・天も来られたら良かったのにね」

 

 「仕方ないでしょう。平日だし、普通に学校があるんだから」

 

 「まぁね・・・大学生は自由がきくけど、高校生はそうもいかないか・・・」

 

 残念そうな亜里沙。

 

 天は内浦で頑張ってるんだし、元気でやってくれていればそれで良い。

 

 お祝いのラインだってもらったし、私にはそれだけで十分だ。

 

 「あっ・・・」

 

 天のことを考えていると、衣装ケースの中から一本のマフラーが出てきた。

 

 少し色がくすみ、ところどころ解れてしまっている水色のマフラー・・・

 

 それは私にとって、とても大切なマフラーだった。

 

 「・・・懐かしいね、そのマフラー」

 

 微笑んでいる亜里沙。

 

 「まだ持ってたんだ?」

 

 「・・・捨てられるわけないじゃない」

 

 マフラーを手に取り、ギュッと胸に抱く。

 

 「大事な・・・大事なプレゼントだもの」

 

 「フフッ・・・そうだね」

 

 私の背中に手を添えてくれる亜里沙。

 

 胸に抱いたマフラーを見つめながら、これをもらった五年前のことを思い出す私なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「はい、今日の練習はここまで!」

 

 「つ、疲れたぁ・・・」

 

 「も、もう無理・・・」

 

 「う、動けないよぉ・・・」

 

 へたり込む穂乃果・にこ・花陽。

 

 μ'sは今日も、放課後に屋上で練習に励んでいた。

 

 「みっともないですよ、穂乃果。シャキッとして下さい」

 

 「うぅ、海未ちゃんが厳しい・・・」

 

 「情けないわねぇ、にこちゃん・・・」

 

 「何ですって!?そういう真姫こそ足ガクガクじゃない!」

 

 「こ、これぐらいどうってことないわよ!」

 

 「かよちん、お水持ってきたにゃ」

 

 「ありがとう、凛ちゃん」

 

 練習も終わり、わいわい騒いでいる皆。

 

 私も水分補給をしていると、天とことりが二人で私のところにやって来た。

 

 「絵里姉、今日は先に帰っててくれる?俺はことりちゃんの家に寄っていくから」

 

 「えっ、また?」

 

 「うん、次の曲の衣装について打ち合わせしたいし」

 

 ここ最近、天はことりの家に行くことが増えていた。

 

 マネージャーとしての仕事を、頑張ってくれるのはありがたいけれど・・・

 

 「最近多くない?そんなに打ち合わせしないといけないことがあるの?」

 

 「ま、まぁ色々と・・・」

 

 「き、今日は作詞についての打ち合わせもあるので!私もお邪魔する予定なんです!」

 

 急に割り込んでくる海未。

 

 何を慌てているのかしら・・・

 

 「大丈夫だよ、絵里ちゃん」

 

 天を背後から抱き締めつつ、私に笑顔を向けることり。

 

 「そんなに遅くならないようにするし、帰りはお母さんに車で送ってもらうから」

 

 「それなら良いけど・・・じゃあことり、お願いね」

 

 「フフッ、任せて♪天くん、行こう?」

 

 「うん」

 

 「わ、私も行きます!」

 

 天の手を引き、部室へと戻っていくことりと海未。

 

 何か怪しいわね・・・

 

 「そういえば、この前は真姫も一緒だったわよね?」

 

 「ま、まぁね・・・作曲について相談したくて・・・」

 

 何故か目を逸らす真姫。

 

 ひょっとして、何か隠してる・・・?

 

 「まさか・・・天にいかがわしいことをしているの!?」

 

 「してるわけないでしょ!?何でそういう発想になるわけ!?」

 

 「ことりも海未も真姫も、三人共ガチ勢じゃない!そんな三人が天と一緒の部屋で過ごすなんて、あの子の貞操の危機だわ!」

 

 「喧嘩売ってる!?いくら何でもそんなことしないから!」

 

 「抵抗する天を押さえつけて、天の天高くそびえ立つ天を・・・」

 

 「ストップうううううっ!?アンタさっきから何言ってるのよ!?」

 

 「『天くん、ことりで卒業しようね・・・』みたいな展開が容易に想像出来るわ!」

 

 「アンタの脳内はピンク一色かっ!何を卒業させようとしてるの!?」

 

 「じゃあ『天、大丈夫ですよ・・・私も初めてですから・・・』みたいな?」

 

 「だから違うってば!?何が初めてなのよ!?」

 

 「まさか『し、仕方ないわね・・・私が捨てさせてあげるわよ・・・』のパターン!?」

 

 「どんなパターン!?何を捨てさせようとしてるわけ!?」

 

 「ナニよ!そんなの分かってるでしょ!?」

 

 「ナニソレ、イミワカンナイ!アンタ本当に絵里よねぇ!?」

 

 「エリチ、心配しなくても大丈夫やって。天くんはウチの旦那さんになる子なんやから」

 

 「ちょっと希!?アンタまで何言ってるのよ!?」

 

 「そうだよ希ちゃん!私だって天くんのお嫁さんに立候補してるんだからね!」

 

 「花陽まで!?」

 

 真姫のツッコミが止まらない。

 

 何か最近天のせいで、メンバーのキャラがおかしくなってる気がするのだけれど・・・

 

 「いや、絵里ちゃんが一番おかしいよね・・・」

 

 「無自覚って恐ろしいわ・・・」

 

 「何気にμ's崩壊の危機だにゃ・・・」

 

 呆れている穂乃果・にこ・凛なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「ハァ・・・」

 

 溜め息をつく私。

 

 あれから数日経つが、天は練習が終わると必ずことりの家に寄るようになっていた。

 

 ここまでくると、まず間違いない・・・

 

 天は私に何かを隠している。

 

 「どうしたんエリチ?溜め息なんてついちゃって」

 

 首を傾げる希。

 

 生徒会の仕事を終えた私達は、学校からの帰り道を歩いていた。

 

 「いや、何て言うか・・・最愛の弟に隠し事されるって、姉として辛いなって・・・」

 

 「あぁ、天くんのことやね」

 

 苦笑する希。

 

 「そんなに心配なん?」

 

 「当たり前じゃない!毎日あの独特サイドテールの家に入り浸っているのよ!?しかも登山家もどきと毛先クルクル女も一緒・・・あの子の貞操が奪われていても、何ら不思議じゃないわ!」

 

 「あれ、エリチってそんなストレートに仲間をディスる子やったっけ・・・」

 

 「あぁ、どうしよう・・・あの子にもしものことがあったら・・・!」

 

 「まぁまぁエリチ、ちょっと落ち着いて・・・」

 

 「B90は黙ってて!」

 

 「バストサイズで呼ぶの止めて!?」

 

 B90のツッコミ。

 

 私より2センチ大きいだけなのに、私より遥かに大きく見えるのは気のせいかしら・・・

 

 「全く、エリチは本当にブラコンやね・・・」

 

 「誰がブラジャーコンプレックスよ!?可愛いの着けてるから!」

 

 「胸の話から離れてもらっていい!?ブラジャーじゃなくてブラザーね!?」

 

 呆れている希。

 

 「そんな心配しなくても、天くんは大丈夫。天くんがしっかりしてるのは、エリチが一番知ってるやん?」

 

 「そ、それはそうだけど・・・」

 

 「ほら、家に着いたよ?」

 

 希に言われて初めて気付く。

 

 私達は既に、私の住むマンションに到着していた。

 

 「天くんも待ってるんじゃない?」

 

 「・・・どうせことりの家でしょ」

 

 今日は生徒会の仕事があったので、私と希はμ'sの練習を休んでいた。

 

 他の皆はいつも通り練習していたはずだが・・・

 

 恐らく天は今日も、練習終わりにことりの家に寄ってくるのだろう。

 

 「でも、連絡は来てないやろ?」

 

 「・・・遂に連絡も寄越さなくなったのね」

 

 「今日のエリチはずいぶんネガティブやね!?」

 

 「ネガティブにもなるわよ!うぅ、天ぁ・・・」

 

 「はいはい、そんな顔しない。せっかくの誕生日やん」

 

 そう、今日は私の誕生日だった。

 

 天や亜里沙は勿論のこと、皆からお祝いの言葉はもらったが・・・

 

 私の心は晴れなかった。

 

 「せっかくやし、今日はエリチの家にお邪魔しようかな。ウチが何か甘いものでも作ってあげるから、元気出して。ね?」

 

 「・・・そうね。お言葉に甘えようかしら」

 

 「はい、決まり。行こう?」

 

 希に手を引かれ、部屋の前までやって来る。

 

 鍵を開けて中に入るが、誰かがいる気配は無かった。

 

 「天だけじゃなくて、亜里沙もいないのね・・・私の誕生日って一体・・・」

 

 「はいはい、早くリビングに行こうね」

 

 希に促されるままに、廊下を歩いてリビングのドアを開ける。

 

 すると・・・

 

 

 

 

 

 「「「「「「「「「誕生日、おめでとう!」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 「・・・えっ?」

 

 盛大なクラッカーの音と共に、何人もの声が響き渡る。

 

 な、何!?何事!?

 

 「フフッ、サプライズ成功やね」

 

 後ろでクスクス笑っている希。

 

 ど、どういうこと・・・?

 

 「今日はμ'sの練習をお休みして、皆ここで誕生日会の準備をしてくれてたんだよ?」

 

 「その通りにゃ!」

 

 「いやぁ、大変だったぁ・・・もぐもぐ」

 

 「花陽!?何つまみ食いしてるのよ!?」

 

 「そうだよ花陽ちゃん!私も食べたい!」

 

 「いけません穂乃果!今日の主役は絵里ですよ!?」

 

 「ハラショー!早く食べたいなー!」

 

 μ'sの皆と亜里沙が、わいわい騒いでいる。

 

 なるほど、そういうことだったのね・・・

 

 「希ちゃん、お疲れ様」

 

 「あっ、天くん♡」

 

 「むぐっ!?」

 

 労いの言葉をかける天を、思いっきり抱き締める希。

 

 「エリチに悟られないようにするの、大変だったんだぁ・・・褒めて欲しいな♪」

 

 「ふぁふふぁふぉふぉふぃふぁん、ふぁふぉふぃふぃふぁふふぁ(流石希ちゃん、頼りになるわ)」

 

 「あんっ♡そんなところで喋らんといて♡」

 

 希の胸に顔が埋まった状態の天が、何やらふがふが言っている。

 

 「はいはい、その辺にしときなさい」

 

 希と天を引き剥がすにこ。

 

 「早く料理食べるわよ。お腹も空いたし、冷めちゃったら勿体ないじゃない」

 

 「これ、全部にこが作ってくれたの・・・?」

 

 「私と天の二人がかりよ。優秀な弟子のおかげで、思ったより早く作れたわ」

 

 「にこちゃんのおかげだよ。間に合って良かった」

 

 ハイタッチを交わすにこと天。

 

 天も作ってくれたのね・・・

 

 「・・・てっきり今日も、ことりの家に行ったんだと思ってたわ」

 

 「絵里姉の誕生日を、スルーするわけないでしょ」

 

 天はそう言って苦笑すると、ラッピングされた箱を差し出してきた。

 

 「誕生日おめでとう、絵里姉」

 

 「あ、ありがとう・・・」

 

 おずおずと箱を受け取る。

 

 これ、誕生日プレゼントよね・・・?

 

 「あ、開けて良いかしら・・・?」

 

 「どうぞ」

 

 天に促され、ゆっくりとラッピングを剥がしていく。

 

 そして箱を開けると・・・

 

 「っ・・・」

 

 そこにあったのは・・・鮮やかな水色のマフラーだった。

 

 「なかなかの出来映えでしょ?」

 

 ニコニコしていることり。

 

 「そのマフラー、天くんが編んだんだよ?」

 

 「編んだって・・・えっ、天が!?」

 

 驚愕する私。

 

 これを天が・・・?

 

 「ことりちゃんに編み方を教えてもらいながら、少しずつ編んでたんだよ。編み物は初めてだったから、相当苦戦したけどね」

 

 「初めてとは思えない出来映えだよ!天くんにはセンスがあるね♪」

 

 天を褒めることり。

 

 えっ、じゃあもしかして・・・

 

 「ここ最近、ことりの家に寄ってたのって・・・」

 

 「あぁ、うん。ずっとこれを編んでたんだよね・・・ゴメンね、打ち合わせなんて嘘ついちゃって」

 

 申し訳なさそうな天。

 

 ふと周りを見ると、皆ニコニコしている。

 

 「まさか・・・皆知ってたの!?」

 

 「すみません、絵里」

 

 「私と海未はカモフラージュの為に、天と一緒にことりの家にお邪魔してたのよ」

 

 苦笑している海未と真姫。

 

 そういうことだったのね・・・

 

 「あれ、私は何も聞いてないよ?」

 

 「凛も聞いてないにゃ」

 

 「穂乃果ちゃんと凛ちゃんには言わなかったもん」

 

 「ちょ、天くん!?」

 

 「何でにゃ!?」

 

 「絶対顔に出るから」

 

 「信頼度ゼロ!?」

 

 「いや、むしろマイナスなんだけど」

 

 「酷いにゃ!?」

 

 「天!?私も聞いてないよ!?」

 

 「あっ・・・亜里姉に伝えるの忘れてた」

 

 「純粋に忘れられてた!?そっちの方がショックなんだけど!?」

 

 亜里沙のツッコミ。

 

 不憫ね、亜里沙・・・

 

 「それより絵里ちゃん、せっかくだしマフラー巻いてみたら?」

 

 「せやね。天くんに巻いてもらったらええやん」

 

 花陽と希がそんなことを言う。

 

 「・・・お願いしても良いかしら?」

 

 「勿論」

 

 天はそう言うと、箱の中のマフラーを取り出し・・・

 

 私の首に優しく巻いてくれた。

 

 「おぉ、良いね!」

 

 「似合ってるにゃ!」

 

 穂乃果と凛が褒めてくれる。

 

 首元以上に・・・心が温まるのを感じる。

 

 「やはり絵里には、水色が良く似合いますね」

 

 「絵里ちゃんのカラーだもんね」

 

 微笑んでいる海未と花陽。

 

 私は天に視線を向けると、笑みを浮かべた。

 

 「ありがとう、天・・・とっても嬉しいわ」

 

 「喜んでもらえて良かった・・・ことりちゃんのおかげだね」

 

 「そんなことないよ。天くんが頑張ったからだよ」

 

 ニッコリ笑うことり。

 

 ことりの言う通り、きっと天は頑張ってくれたんだろう。

 

 他でも無い、私の為に・・・

 

 「っ・・・」

 

 「おっと・・・絵里姉?」

 

 思わず天に抱きついてしまう。

 

 私は今、この子が愛おしくて仕方なかった。

 

 「絵里姉・・・泣いてるの?」

 

 「・・・泣いてないもん」

 

 「・・・そっか」

 

 涙声で返事をすると、天が抱き締め返してくれた。

 

 「・・・いつもありがとう。大好きだよ、絵里姉」

 

 「天・・・」

 

 「さぁ、ご飯食べよう?絵里姉の好きなもの、たくさん作ったから」

 

 「フフッ・・・それは楽しみね」

 

 目元の涙を拭い、天と笑い合う。

 

 かけがえのない仲間に、家族にお祝いされて・・・

 

 今日という日を、一生忘れないだろうと思う私なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「「「「「「誕生日、おめでとう!」」」」」」

 

 「ありがとう、皆」

 

 笑みを浮かべる私。

 

 私と亜里沙は、ことりの家にお邪魔していた。

 

 「悪いわね、ことり。家を使わせてもらっちゃって」

 

 「気にしないで。お母さん出張中だから、今は私一人だけだし」

 

 微笑むことり。

 

 「でも、全員は揃えなかったね・・・」

 

 「仕方ないわよ。にこちゃんも希も仕事があるんだし」

 

 残念そうな花陽に、肩をすくめる真姫。

 

 二人は仕事の為、今回の誕生日会は欠席している。

 

 前もって謝罪のラインが来ていたが、仕方の無いことだ。

 

 休職中の私と違って、あの二人はバリバリ働いているのだから。

 

 「でもにこがいない割に、美味しそうな料理が並んでるわね?誰が作ってくれたの?」

 

 「フッフッフッ、実は・・・」

 

 「凛、ストップです」

 

 「むぐっ!?」

 

 海未に口を押さえられる凛。

 

 どうかしたのかしら?

 

 「絵里ちゃん、一口食べてみなよ」

 

 「えっ・・・?」

 

 「多分絵里ちゃんなら、分かるんじゃないかな・・・誰が作ったのか」

 

 そんなことを言い出す穂乃果。

 

 そんなに分かりやすい味付けなのかしら・・・

 

 「ほら絵里ちゃん、あ~ん」

 

 「あ、あ~ん・・・」

 

 穂乃果が側にあったボルシチをスプーンですくい、私の口元に運んでくれる。

 

 恐る恐る口を開け、食べてみると・・・

 

 「っ・・・えぇっ!?」

 

 美味しい・・・

 

 いやそれより、この味はまさか・・・!

 

 「そ、天・・・?」

 

 「大当たり」

 

 「っ!?」

 

 キッチンからひょっこり顔を出したのは・・・

 

 内浦にいるはずの天だった。

 

 「ど、どうしてここにいるの!?」

 

 「・・・前にも言ったじゃん」

 

 微笑む天。

 

 「絵里姉の誕生日を、スルーするわけないでしょ」

 

 「っ・・・」

 

 「あ、ちなみに学校はサボったから」

 

 「何してるの!?」

 

 一気に涙が引っ込んでしまう。

 

 そんな堂々と『サボった』って・・・

 

 「鞠莉に許可はもらったから大丈夫。『マリーの分もお祝いしといて♪』だってさ」

 

 「軽くない!?理事長がそれで良いの!?」

 

 「ちなみに担任の麻衣先生にも、ちゃんと話はしておいたから。『東京のお土産よろしくね!』だってさ」

 

 「担任までそんな感じなの!?」

 

 流石に心配になってくるレベルである。

 

 浦の星、本当に大丈夫かしら・・・

 

 「昨日Aqoursの練習が終わった後、新幹線でこっち来てことりちゃんの家に泊めてもらったんだよね。で、朝から料理の仕込みをしてたってわけ」

 

 「フフッ、サプライズ大成功♪」

 

 天に抱きつくことり。

 

 「昨日の晩御飯は天くんが作ってくれたんだけど、本当に美味しくて・・・天くん、私と結婚して専業主夫やってくれない?」

 

 「はい喜んで!」

 

 「ダメですっ!」

 

 「天も受諾しないのっ!」

 

 二人を引き剥がす海未と真姫。

 

 ガチ勢三人は相変わらずね・・・

 

 「アハハ、相変わらず天くんはモテモテやね」

 

 「本当に罪な男だにゃ」

 

 「フフッ、私も後で甘えちゃおっ♪」

 

 わいわい話している皆。

 

 皆も知ってたみたいね・・・

 

 「ちょっと天!?私は何も聞いてないんだけど!?」

 

 「あっ・・・亜里姉に伝えるの忘れてた」

 

 「まさかの二回目!?そろそろ泣いていい!?」

 

 「フッフッフッ・・・残念だったね、亜里沙ちゃん!」

 

 「凛達はちゃんと聞かされてたにゃ!」

 

 「二人は絵里姉と会わないだろうから、教えても良いかなって。会う機会があるようだったら、絶対教えてないけど」

 

 「酷い!?」

 

 「全然信用されてないにゃ!?」

 

 「アハハ・・・」

 

 思わず苦笑してしまう私。

 

 そんな私に、天がラッピングされた箱を差し出してきた。

 

 「誕生日おめでとう、絵里姉」

 

 「・・・開けても良いかしら?」

 

 「どうぞ」

 

 既視感を覚えるその光景に、私は箱の中身が分かるような気がした。

 

 ゆっくりラッピングを剥がし、箱を開けると・・・

 

 そこには、鮮やかな水色のマフラーがあった。

 

 「五年前にプレゼントしたマフラー、色もくすんで解れが目立っちゃってるでしょ?絵里姉、メッチャ使ってくれてたもんね」

 

 天は苦笑すると、箱の中からマフラーを取り出し・・・

 

 あの時と同じように、私の首に優しく巻いてくれた。

 

 「うん・・・やっぱり絵里姉には、水色がよく似合うね」

 

 「っ・・・」

 

 「おっと・・・絵里姉?」

 

 天を思いっきり抱き締める。

 

 嬉しくて嬉しくて、涙が止まらない。

 

 「絵里姉・・・泣いてるの?」

 

 「こんなことされたら、泣くに決まってるじゃない・・・」

 

 天を抱く腕に力を込める。

 

 「ありがとう、天・・・大好きよ」

 

 「・・・俺も大好きだよ、絵里姉」

 

 抱き締め返してくれる天。

 

 そして抱き合う私達を、温かく見守ってくれている皆。

 

 また一つ、一生忘れないであろう思い出が増えた私なのだった。




ハラショー!ムッティです!

改めて絵里ちゃん、誕生日おめでとう\(^o^)/

μ'sの中で、絵里ちゃんの声が一番好きです。

普段の声も、歌声も・・・素敵やん?←

いやホント、南條さんは神です( ´∀`)

当然のことながら、これからも絵里ちゃんは登場しますのでお楽しみに(・∀・)ノ



ここで恒例の支援絵紹介!

ことりちゃん大好きさんが、新しい支援絵を描いて下さいました!

まずはこちら・・・


【挿絵表示】


曜ちゃん可愛いいいいいっ!!!!!

スクスタの『Snow Crystal』衣装の曜ちゃんですね!

いやぁ、可愛いなぁ( ´∀`)

続きまして、こちら・・・


【挿絵表示】


彼方ちゃあああああんっ!!!!!

可愛すぎてヤバい(´・ω・`)

実はこの絵、自分のリクエストで描いていただきました!

まさか本当に描いていただけるとは・・・

ことりちゃん大好きさん、本当にありがとうございます!



さてさて、本編ではいよいよ第二期の内容に入りましたね。

ラブライブ優勝、そして浦の星の統廃合阻止を目指すAqours・・・

果たしてこれからどうなるのか・・・

そしてヒロインは誰になるのか・・・

これからの展開をお楽しみに(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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