去年の誕生日の時は本編で未登場だったから、誕生日回は書かなかったのよね(´・ω・`)
花陽ちゃん推しの方々、大変お待たせしました。
それではいってみよー!
「とりゃあっ!」
「ぐほっ!?」
腹部への衝撃で目を覚ます俺。
視線を向けてみると・・・
「パパ、おはよ~♪」
ニコニコ笑っている女の子が、俺のお腹の上に乗っていた。
「おはよう、陽菜。起こし方が乱暴じゃない?」
「らんぼーってなあに?」
「凛ちゃんみたいな人のことだよ」
「どういう意味だにゃ!?」
扉が勢いよく開かれ、凛ちゃんがツッコミを入れながら入ってくる。
「ほら、扉さんが可哀想でしょ?」
「ホントだ~。凛ちゃん、メッ!」
「ゴ、ゴメン・・・じゃなくて!ひなちんに余計なことを教えないで欲しいにゃ!」
「教育は父親としての役目だもん。っていうか、何で凛ちゃんがいるの?」
「今日が何の日か忘れたのかにゃ!?連絡してきたのは天くんだにゃ!」
「・・・あっ」
そういえば、陽菜を一日預かってもらうんだった・・・
何故なら今日は・・・
「天く~ん?起きた~?」
ひょっこり顔を覗かせたのは・・・俺の愛する嫁だった。
「ママ~♪」
「陽菜、パパを起こしてくれてありがとう♪」
駆け寄ってくる陽菜を、嬉しそうに抱っこする嫁。
「かよちん、母親オーラ全開にゃ」
「アハハ、確かに」
凛ちゃんの言葉に笑う俺。
そんな俺に、嫁が笑いかけてくれる。
「おはよう、天くん」
「おはよう、花陽」
同じように笑いかける俺。
大人気スクールアイドルグループ、μ's・・・
そのメンバーの一人だった、小泉花陽は今・・・
俺の嫁になっているのだった。
*****
「ん~、美味しい~♪」
幸せそうな表情を浮かべ、ご飯をパクパク食べている花陽。
俺達は今、ランチビュッフェに来ているのだった。
「幸せそうだねぇ」
「だって美味しいんだもん!白米に合うおかずがいっぱい・・・あぁ、幸せ~♪」
「相変わらず白米好きだね」
苦笑する俺。
こんなに食べてるのに、このスタイルの良さ・・・
栄養はどこへ行っているのやら・・・
「多分、天くんの大好きなところだろうね」
「人の思考を読むの止めてくれる?」
まぁ確かに、μ's時代より一層大きくなってるけども・・・
「こんなに大きくなったのは、天くんのせいでもあるんだからね?」
「もっと育ててあげようか?」
「もうっ、私の旦那さんはエッチだなぁ♪」
クスクス笑う花陽。
俺達が結婚したのは、今から三年前に遡る。
俺の高校卒業を機に交際を始めた俺達は、そのまま四年ほど交際を続けた。
結婚するのは、俺が社会人になってから・・・そんな風に考えていた時期が俺にもあったが、俺が大学四年生の時に花陽の妊娠が発覚。
俺の大学卒業を機に、俺達は結婚することになったのだった。
「あの時は大変だったなぁ・・・絵里姉にどんだけ怒られたことやら・・・」
「アハハ・・・二人揃って『何やってるの!?』って延々と説教されたよね・・・」
「そうそう・・・でも花陽の両親は、メチャメチャ喜んでくれたよね」
「二人とも天くんのこと息子だと思ってたし、早く結婚してほしかったみたい。私が妊娠したから、『これで結婚だ!』って喜んじゃって」
苦笑する花陽。
ホント、理解のある人達で良かった・・・
「それで言うと、亜里沙ちゃんも喜んでくれたよね」
「ちゃらんぽらんだからね」
「相変わらず酷い言い様だね!?」
「アハハ、でも助かったよ。亜里姉が仲裁に入ってくれたおかげで、絵里姉の怒りも落ち着いたわけだし」
今じゃ陽菜のことを溺愛してるもんな、絵里姉・・・
『二人目はいつ!?』とか平気で聞いてくるし・・・
「今日も陽菜のことを預かる気満々だったんだけど、生憎仕事が忙しいみたいでさ。号泣してたよ」
「いや、号泣って・・・」
ちょっと引いている花陽。
『こうなったら仮病を使って・・・』とか不穏なことを言い始めたから、珍しく亜里姉にしばかれてたけど。
「だから凛ちゃんに預かってもらったんだけどね。陽菜も凛ちゃんに凄く懐いてるし」
「フフッ、歳の離れた姉妹みたいだよね」
ちなみに陽菜の読みは、『ひな』ではなく『はるな』である。
凛ちゃんの『はなよ』を『かよ』と呼ぶスタイルは、陽菜が相手でも変わらないらしい。
「でも、凛ちゃんには申し訳ないな・・・せっかくのお休みなのに・・・」
「その分、報酬はちゃんと弾んでおいたから大丈夫だよ」
「報酬?一日五万円とか?」
「いや、ラーメン五杯」
「安くない!?」
「目を輝かせて喜んでたよ」
「それで良いの凛ちゃん!?」
花陽のツッコミ。
まぁ凛ちゃんも陽菜のこと溺愛してるし、『報酬なんて要らないからひなちんと遊びたいにゃ!』って言ってくれたんだけどね。
「まぁ陽菜のことは凛ちゃんに任せて、たまには二人でゆっくりしようよ。せっかくの誕生日なんだしさ」
そう、今日は花陽の誕生日なのだ。
せっかくだし二人でデートしようということで、今日は陽菜を凛ちゃんに預かってもらったのだ。
「それもそうだね・・・あっ、天くん動かないで」
「え?」
首を傾げる俺に、花陽はそっと手を伸ばし・・・俺の口元を指で拭った。
「フフッ、ご飯粒ついてたよ・・・ぱくっ」
「っ・・・」
取ったご飯粒を口にし、微笑む花陽。
思わずドギマギしてしまう俺なのだった。
*****
「あ~、幸せだったな~♪」
「食べ過ぎでしょ・・・うっぷ」
家への帰り道を歩く俺達。
買い物もそこそこに、ただひたすら食べ歩くグルメツアーみたいになってたもんな・・・
おかげでこっちはお腹パンパンだ。
「家に帰ったら、この間花丸ちゃんにもらったのっぽパン食べようっと♪」
「・・・胃袋ブラックホールシスターズめ」
花陽といい花丸といい、本当に食べ過ぎだと思う。
花陽もそうだけど、花丸も栄養がどんどん胸回りにいってるし・・・
隣のルビィ、死んだ魚みたいな目してたっけ・・・
「・・・ルビィか」
「天くん?どうしたの?」
「ちょっと思い出してさ・・・ルビィと花陽を重ねてたこと」
「あぁ、そういえばそんなこと言ってたね」
人見知りで、自分に自信が無くて・・・
それでも勇気を出して、前に踏み出して・・・
そんな二人を、俺は重ねて見ていた。
「ルビィ自身も、花陽と自分を重ねてたんだろうね。だから花陽に心惹かれて、ファンになって・・・スクールアイドルになったんだと思うよ」
「フフッ、それなら嬉しいな」
笑みを零す花陽。
「少しでも力になれたのなら・・・あの時勇気を出して、スクールアイドルになって良かった。私の勇気は、無駄じゃなかったってことだもん」
「・・・無駄なわけないでしょ」
そっと花陽の手を握る。
「花陽がいなきゃ、μ'sは無かったよ。それは花陽だけじゃなくて・・・誰か一人でもいなかったら、μ'sとして成立しなかった」
「天くん・・・」
「だから花陽の勇気は、俺達にとって凄く大きな意味があったんだよ。ルビィにしてもそう・・・ルビィがいなきゃ、Aqoursは無かったんだから。そのルビィは花陽に影響を受けたんだから、花陽がいなきゃAqoursは無かったかもね」
「アハハ、何か話が大きくなったね」
クスクス笑いつつ、俺の手を握り返す花陽。
「ありがとう、天くん・・・ホント、天くんには敵わないや」
「え・・・?」
「天く~ん!かよち~ん!」
大きな声がする。
いつの間にか俺達は家のすぐ近くまで来ており、玄関先で凛ちゃんが大きく手を振っていた。
「お帰りにゃ~!」
「パパー!ママー!」
陽菜が元気に駆け寄ってくる。
俺は陽菜を受け止めると、そのまま抱っこした。
「ただいま、陽菜。凛ちゃんは良い子にしてた?」
「天くん!?何で凛が子供扱いされてるにゃ!?」
「凛ちゃん悪い子ー!おうちで暴れてたー!」
「ひなちん!?一緒に遊んでただけだよねぇ!?」
「あと、花丸ちゃんがくれたのっぽパン食べちゃったー!」
「ちょ、ひなちんそれは・・・」
「凛ちゃん・・・?」
花陽の目から光が消えた。
あっ、ヤバい・・・
「ゴ、ゴメンなさあああああいっ!?」
全速力で逃げて行く凛ちゃん。
相変わらず足速いな・・・
「今度会ったらタダじゃおかない・・・」
「落ち着きなよ」
怖いことを呟く花陽を、苦笑しながら宥める。
「花丸に頼んで、のっぽパンを大量に送ってもらうから。『東京でご飯ご馳走する』って言えば、喜んで送ってくれるでしょ」
「ホント!?やったぁ!」
「パパー、おなかへったぁ」
「はいはい、すぐ作るからね」
「天くん、私もお腹空いちゃった」
「食いしん坊キャラも大概にしてくんない!?」
全力でツッコミを入れる俺なのだった。
*****
《花陽視点》
「陽菜を寝かしつけてきたよ」
「お疲れ様」
リビングに戻ってきた私を、天くんが労ってくれる。
凛ちゃんと一日中遊んで疲れたのか、今日の陽菜はすぐに寝てしまった。
そこは凛ちゃんに感謝しないといけないが・・・
「あの猫人間・・・のっぽパンの恨みは忘れない・・・」
「顔が怖いんだけど」
天くんが引いていた。
食べ物の恨みは恐ろしいんだからね、凛ちゃん・・・
「全く、花陽は本当に食べることが好きだよね」
「当然だよ!食べなきゃ生きていけないもん!」
「俺とどっちが好き?」
「天くん!」
「そこは俺を選んでくれるのね」
「アハハ、勿論」
私は天くんの側に寄ると、甘えるように天くんの胸に寄りかかった。
そんな私を、包み込むように抱き締めてくれる天くん。
幸せだなぁ・・・
「ホント・・・天くんと一緒にいると、凄く安心するよ」
「そう?」
「うん、何と言うか・・・ありのままの自分でいられる」
「花陽・・・いや、アナ陽」
「『ありのまま』だけに!?何も上手くないよ!?」
「少しも寒くないわ」
「だろうね!暖房効いてるからねこの部屋!」
「雪の女王っぽい海未ちゃんでも呼んでみる?」
「確かに似合いそうだけども!」
全く・・・
昔から天くんと一緒にいると、ツッコミが大変だなぁ・・・
「・・・昔かぁ」
「ん?」
首を傾げている天くん。
思い返してみれば、天くんは昔から私の味方でいてくれた。
『花陽ちゃんは可愛いんだから、もっと自信持って良いんだよ』
自信の無い私を、いつも勇気付けてくれた・・・
『スクールアイドル、やりたいんでしょ?だったらやってみようよ』
尻込みしている私の背中を、そっと押してくれた。
『遠慮なんてしないで、甘えたい時は甘えて良いんだよ。花陽ちゃんだったら、俺がいくらでも甘やかしちゃうから』
遠慮して一歩下がろうとする私に、いつも手を差し伸べてくれた・・・
私の側には、いつだって天くんがいてくれたのだ。
「・・・ありがとう、天くん」
「花陽・・・?」
「私、天くんに出会えて本当に良かった・・・天くんに出会えて、結婚出来て・・・本当に幸せだよ」
心からの感謝を伝えると、天くんが照れ臭そうに笑った。
「・・・俺も花陽に出会えて良かったよ」
「天くん・・・」
「改めて、誕生日おめでとう。生まれてきてくれて、俺と出会ってくれて、結婚してくれて・・・本当にありがとう」
「っ・・・」
思わず涙ぐんでしまう。
私は今、心から幸せを感じていた。
「俺と花陽と陽菜と・・・これからも、三人で一緒に生きて行こうね」
「はいっ」
笑顔で頷く。
三人で一緒に、か・・・
「・・・三人で良いの?」
「え・・・?」
「そろそろかなぁって思ってるんだけど・・・二人目」
「・・・マジで?」
「この部屋暖かいし、『ありのまま』の姿になっても風邪引かないよね?」
「え、ちょ・・・」
「フフッ、いただきます♪」
「おわぁっ!?」
私の誕生日の夜は、まだまだ終わらないのだった。
ダレカタスケテー!ムッティです。
改めて花陽ちゃん、誕生日おめでとう!
今回の花陽ちゃんは天の嫁、それも子持ちです。
しかもデキ婚っていうね・・・
天、お前・・・(゜言゜)
まぁ花陽ちゃんは母性の塊なので、素晴らしいママになりそうですよね。
母性の象徴も大きいし←
さてさて、これでμ'sメンバーの誕生日回は全て書いたことになりますね。
今年はμ'sメンバーの誕生日回について、ちょっと迷ってます。
全員くっつけましたし、今年は書かなくても良いかなぁと・・・
勿論Aqoursメンバーは引き続き書きますが、ニジガクメンバーの誕生日回を書きたいんですよね。
なので今年は、μ'sに代わってニジガクになるかもしれません。
果林ちゃんにあんなことやこんなことをさせたい(ゲス顔)
そして恒例の支援絵紹介コーナー!
今回もことりちゃん大好きさんから、素敵な支援絵をいただきました!
まずはこちら・・・
【挿絵表示】
よs・・・ヨハネちゃあああああんっ!!!!!
可愛すぎかオイ( ´∀`)
もっと天と善子ちゃんをイチャイチャさせたいわぁ(´・ω・`)
そしてこちら・・・
【挿絵表示】
曜ちゃあああああんっ!!!!!
可愛すぎかオイ(2回目)
曜ちゃんと一緒に『ヨーソロー!』って言いたいだけの人生だった・・・
ことりちゃん大好きさん、本当にありがとうございました!
さて、本編の方は鞠莉ちゃんが口に納豆キムチをぶち込まれたところで終わりましたが(笑)
果たしてこれからどうなるのか・・・
それではまた次回!以上、ムッティでした!