絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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『ONE PIECE』を読んでいて思うんだけど、ワノ国編ってどういう終わり方するのかな?

果たして四皇を二人も倒せるのか・・・

ちなみにヤマトも好きだけど、個人的にはキャロットが仲間になってくれたら嬉しい。


簡単には決められないこともある。

 「さて、整理しようか」

 

 部室にて、大きな地図を広げる俺。

 

 放課後、俺達は部室に集まっていた。

 

 ちなみにすっかり目が冴えてしまったので、結局皆ちゃんと登校して授業も受けていた。

 

 偉い偉い。

 

 「今回のラブライブ予備予選が行なわれる場所が・・・ここだね」

 

 「えっ、山の中じゃん!」

 

 「ここに特設ステージを作って開催するんだって。バカみたいだよね」

 

 「ストレートにディスるね!?」

 

 曜のツッコミ。

 

 何でこんな山の中を会場にしたんだか・・・

 

 「で、浦の星が・・・ここか」

 

 二つの地点を丸で囲み、線で結ぶ。

 

 分かってはいたけど、距離があるよなぁ・・・

 

 「バスや電車を使うというのは・・・」

 

 「調べてみましたけど・・・ちょっと厳しいですね」

 

 ダイヤさんの提案に、首を横に振る俺。

 

 予備予選の会場も浦の星も、交通の便が良いとは言えない場所にある。

 

 どうすべきか・・・

 

 「だったら、空は?」

 

 「・・・俺だけど?」

 

 「天くんのことじゃないわよ!?」

 

 梨子のツッコミ。

 

 海未ちゃんみたいなこと言っちゃった・・・てへっ。

 

 「空だったら、鞠莉ちゃんの家のヘリはどう?」

 

 「パパには『自力で入学希望者を集める』って言っちゃってるし、今さら『力貸して』とは言えまセーン・・・」

 

 千歌の問いに、うなだれながら答える鞠莉。

 

 だよねぇ・・・

 

 「クックックッ・・・それなら、この堕天使の翼で・・・!」

 

 「あー、その手があったねー」

 

 「堕天使ヨハネの翼で大空から会場入りずらー」

 

 「流石はヨハネ様、そこに痺れる憧れるー」

 

 「嘘よ嘘!?常識で考えなさいよ!?」

 

 ルビィ・花丸・俺の気の抜けた相槌に、気まずくなった善子がツッコミを入れる。

 

 日頃から堕天使を名乗ってるヤツに、常識を説かれてもねぇ・・・

 

 「そうずら~?」

 

 「ふ~ん?」

 

 「へ~?」

 

 「ぐぬぬぬ・・・アンタ達、わざとやってるでしょう!?」

 

 「ぴぎぃっ!?」

 

 「ずらぁっ!?」

 

 「うおっ!?」

 

 善子が両腕でルビィと花丸の首を絞め、ルビィと花丸の間に俺が挟まれる形になった。

 

 後頭部には善子の、左頬にはルビィの、右頬には花丸の胸が押し付けられて・・・

 

 うん、幸せなんだけど息苦しいわ・・・

 

 「じゃあ海は?」

 

 「・・・私ですが?」

 

 「海未先生のモノマネしなくていいから!」

 

 再び梨子のツッコミ。

 

 我ながら、今のモノマネは似てたな・・・

 

 「ウチの船は仕事があるから使えないなぁ・・・」

 

 「パパの船、しばらく帰って来ないんだよねぇ・・・」

 

 果南と曜が首を横に振る。

 

 これもダメか・・・

 

 「・・・まぁ実は一つ、間に合う方法があるんだよね」

 

 「えぇっ!?そんな方法あるの!?」

 

 驚く千歌。

 

 「まぁね」

 

 「何!?どんな方法!?」

 

 「予備予選の一番最初に歌うこと・・・終わり次第すぐに会場を出ると、ギリギリ乗れるバスがあるんだよ。そのバスに乗れたら、学校説明会には間に合う」

 

 これなら、予備予選と学校説明会の両方に出ることが可能だ。

 

 ただ・・・

 

 「次のバスは三時間後だから、学校説明会には間に合わない・・・一番以外の順番になったら、もうアウトだね」

 

 「順番って、どうやって決まるの・・・?」

 

 恐る恐る尋ねてくる梨子に、俺は意を決して答えるのだった。

 

 「それは・・・」

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 《梨子視点》

 

 翌日・・・

 

 「・・・抽選かぁ」

 

 溜め息をつく私。

 

 私達は、予備予選の順番を決める抽選会へとやって来ていた。

 

 これで運命が決まるかと思うと、緊張してくるわね・・・

 

 「っていうか、天くんはどこへ行ったの?」

 

 「うさ耳リボンを着けたお姉さんとお話した後、一緒にどっか行っちゃった」

 

 「・・・あの女ったらし」

 

 千歌ちゃんの答えに、舌打ちしたくなる私。

 

 この大事な時に・・・!

 

 「皆さん、お待たせしました!ただ今より、抽選会を行ないます!」

 

 進行役らしいお姉さんが、ステージの上に登場する。

 

 オレンジ色のボブカットの髪に、緑色のうさ耳リボンを着けて・・・

 

 うさ耳リボン?

 

 「あっ、あのお姉さんだ!」

 

 お姉さんを指差す千歌ちゃん。

 

 あのお姉さん、天くんと知り合いなの・・・?

 

 「進行役は私、上杉四葉が務めさせていただきます!そして本日はスペシャルゲストとして、こちらの方に来ていただいています!どうぞ!」

 

 「こんにちは、絢瀬天です」

 

 「何してるのあの子!?」

 

 思わず全力でツッコミを入れてしまう。

 

 スペシャルゲストってどういうこと!?

 

 天くんのことを知らない他のスクールアイドル達がキョトンとしてるんだけど!?

 

 「『え、誰?』と思った皆さん、驚くことなかれ!彼はあの伝説のスクールアイドル・μ'sのメンバー、絢瀬絵里の弟だあああああっ!」

 

 「ええええええええええっ!?」

 

 「あのエリーチカの弟!?」

 

 会場がざわざわしている。

 

 まぁそうなるわよねぇ・・・

 

 「自慢ではありませんが私、第一回ラブライブから運営に携わっているのです!天くんとはその当時にラブライブを通じて知り合い、すっかり顔見知りになっておりまして・・・それにしても天くん、またおっきくなったね~♪」

 

 「四葉さん、親戚のおばさんみたいになってますよ」

 

 「誰がおばさん!?まだ若いんだけど!?」

 

 「五月さんもそうですけど、貴女達姉妹は本当に変わりませんねぇ」

 

 「あっ、五月に会ったの?最近会えてないんだけど、元気にやってる?」

 

 「相変わらずスクールアイドルに目がないみたいですね、あの人・・・って、普通にプライベートな会話してていいんですか?」

 

 「あっ、イベント中だった!?」

 

 会場が笑いに包まれる。

 

 あのお姉さんも自由な人ね・・・

 

 「っていうか、五月さんって誰?」

 

 「秋葉原のスクールアイドルショップの店長さん。天くんの知り合いなんだって」

 

 「ルビィちゃん、知ってるずら?」

 

 「うん、前に天くんと遊びに行ったことがあって」

 

 一年生三人組がそんな話をしている。

 

 ルビィちゃん、いつの間に・・・!?

 

 「それではただ今より、抽選会を始めます!名前を呼ばれたグループの代表者は、ステージに上がって抽選をお願いします!」

 

 「えーっと、最初のグループは・・・スリーマーメイドさん?」

 

 「はーい!よろしくお願いしまーす!」

 

 「・・・何かすいませんでした」

 

 「何が!?」

 

 謝る天くん。

 

 その名前のグループ、実在したのね・・・

 

 「それより・・・誰が行く?」

 

 千歌ちゃんの問いに、全員固まってしまう。

 

 一番以外の順番を引けないという、この責任重大なミッション・・・

 

 誰も行きたくないわよね・・・

 

 「・・・やっぱりリーダーが行くべきじゃない?」

 

 「梨子ちゃん!?」

 

 ショックを受けている千歌ちゃん。

 

 ごめんなさい千歌ちゃん、汚い私を許して・・・

 

 「でも今日の獅子座の運勢、超凶みたいだけど・・・」

 

 「すみません無理です勘弁して下さい」

 

 曜ちゃんの言葉を受け、土下座する千歌ちゃん。

 

 それなら仕方ないか・・・

 

 「じゃあ、最上級生の三人の誰かが・・・」

 

 「わ、私達は途中参加の身だからっ!最初から参加している後輩達に任せたいなっ!」

 

 「「右に同じ!」」

 

 ダラダラ汗を流している三人。

 

 このすれ違い娘ども・・・!

 

 「マ、マル達も途中参加ずら!」

 

 「こ、ここは曜ちゃんか梨子ちゃんが良いんじゃないかな!」

 

 胃袋ブラックホール娘と抜け駆け娘まで、そんなことを言い出す始末・・・

 

 くっ、この後輩達・・・!

 

 「・・・曜ちゃんの方が、早く参加してたわよね?」

 

 「ちょ、それはないよ梨子ちゃん!?Aqoursになった時は三人一緒だったじゃん!?」

 

 「ヨーソローパワーで何とかしてよ!?」

 

 「だからヨーソローパワーって何!?」

 

 私達が醜い押し付け合いをしていると・・・

 

 「待ちなさい」

 

 横から声が掛かる。

 

 こ、この声は・・・!

 

 「Aqours最大のピンチに、堕天使界のレジェンドアイドル・・・ヨハネ、行っきまあああああすっ!」

 

 「シニヨン引きちぎるわよ?エセ堕天使」

 

 「当たり強くない!?」

 

 ショックを受けている善子ちゃん。

 

 この子ときたら・・・

 

 「ないずら」

 

 「ぶっぶー、ですわ」

 

 「何でよ!?何がダメなの!?」

 

 「逆に聞くけど、夏の間アイスじゃんけんで負け続けた子が良い理由って何さ?」

 

 「誕生日に風邪を引くような子が良い理由って何?」

 

 「マリー達がLUCKYなのは、善子がUNLUCKYを引き受けてくれるからデース」

 

 「流石は上条善子、不幸体質を受け継ぐ者・・・」

 

 「上条じゃなくて津島だしっ!善子じゃなくてヨハネだしっ!」

 

 「善子ちゃん、罰金百円」

 

 「それこの間終わったから!っていうかヨハネっ!」

 

 善子ちゃんのツッコミが止まらない。

 

 本気なのこの子・・・?

 

 「普段は運を貯めてるのよっ!いざという時の私の力を見せつけてやるわっ!」

 

 「・・・では、私と勝負ですわ」

 

 善子ちゃんの前に進み出るダイヤさん。

 

 「私にじゃんけんで勝つことが出来たら、貴女に抽選をお願いしますわ。ただし・・・私の山羊座の本日の運勢は、超吉ですわよ?」

 

 「面白いじゃない!受けて立つわ!」

 

 睨み合う二人。

 

 っていうか、ダイヤさんも星座占いチェックしてるのね・・・

 

 しかも超吉なら、ダイヤさんが行くべきなんじゃ・・・

 

 「いきますわよ・・・じゃ~んけ~んぽんっ!」

 

 ダイヤさんがグー、善子ちゃんがパー・・・

 

 っていうことは・・・

 

 「善子ちゃんの勝ちずら!」

 

 「凄い善子ちゃん!」

 

 花丸ちゃんとルビィちゃんが喜んでいるが、当の善子ちゃんは呆然としていた。

 

 まさか本当に勝っちゃうなんて・・・

 

 「続きまして、Aqours・・・ほら誰か、ステージ上に来て」

 

 天くんの声がする。

 

 いよいよ私達の番ね・・・

 

 「・・・引いてらっしゃい、栄光の一番を」

 

 「・・・任せなさい!」

 

 善子ちゃんの背中を、微笑みながら優しく押すダイヤさん。

 

 これはもう、善子ちゃんを信じるしかない。

 

 背中を押された善子ちゃんが、意気揚々とステージに上がる。

 

 「チェンジで」

 

 「ちょっと!?」

 

 天くんがこっちを見て、『何考えてんの?』という顔をしていた。

 

 ゴメンね天くん、色々あったのよ・・・

 

 「続きましては、浦の星女学院のスクールアイドル・Aqoursです!天くんがマネージャーをやってるグループなんだよね?」

 

 「そうなんですけど、今凄く辞めたくなってます」

 

 「何でよ!?」

 

 「アハハ、仲が良いね!それじゃ、引いちゃって下さい!」

 

 ガラガラに手をかける善子ちゃん。そして・・・

 

 「ヨハネ・・・行っきまあああああすっ!」

 

 勢いよく回す善子ちゃんを、固唾を呑んで見守る私達なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「・・・終わった」

 

 肩を落とす千歌。

 

 抽選会も終わり、俺達は会場近くのカフェに来ているのだが・・・

 

 「二十四番なんて中盤じゃん・・・ど真ん中じゃん・・・」

 

 そう、善子が引いた順番は二十四番・・・

 

 完全にアウトだった。

 

 「フッ、仕方ない・・・堕天使の力がこの数字を引き寄せたのだから・・・」

 

 「本音は?」

 

 「申し訳ありませんでしたあああああっ!」

 

 土下座する善子。

 

 やれやれ・・・

 

 「ほら、頭上げる。善子が悪いわけじゃないんだから」

 

 抽選なんて完全な運だし、好きな数字を引こうと思って引けるものじゃない。

 

 ましてや今回の場合、一番以外は全てアウト・・・

 

 どんなに運が良かったとしても、引ける可能性はかぎりなく低かったのだから。

 

 「うぅ、天ぁ・・・!」

 

 「はいはい」

 

 涙目で抱きついてくる善子を、優しくあやす。

 

 今くらいは甘やかしてやろう・・・

 

 「っていうか天くん、あのお姉さんとどういう関係なの?」

 

 「あぁ、四葉さん?五年前のラブライブの時から進行役やってたんだけど、向こうから声を掛けられてさ。それ以来顔見知りになったんだよ」

 

 四葉さん的には、小学生の男の子がμ`sと一緒にいるのが気になったらしい。

 

 マネージャーだって知った時は、流石にビックリしてたけど・・・

 

 それ以来ラブライブの観戦に行くと、気軽に声を掛けてくれるようになったのだ。

 

 「まさか今回は、こっちの地区で進行役をやってるなんて・・・驚いたよ」

 

 「あの人、店長さんのお姉さんなんだよね?」

 

 「そうそう、実は五月さんのお店を紹介してくれたのは四葉さんなんだよ。『妹がスクールアイドルショップ始めたから、良かったら遊びに行ってあげて』って言われてさ」

 

 「・・・相変わらず年上の女性に好かれるのね」

 

 「梨子?何か怒ってる?」

 

 「別に」

 

 出た、梨子様モード・・・

 

 間違いなく不機嫌な時の梨子だ・・・

 

 「まぁそれはさておき・・・こうなった以上、本気で考えないといけないね」

 

 険しい表情で口を開く果南。

 

 「説明会を取るのか・・・ラブライブを取るのか・・・」

 

 「っ・・・」

 

 俯く皆。

 

 まぁ、そうなるよな・・・

 

 「・・・どっちかを選べってこと?」

 

 「残念ですが・・・現実的に考えて、両方は選べませんわ」

 

 千歌の問いに、複雑な表情で頷くダイヤさん。

 

 勿論両方とも出たいところだが、現状不可能と言わざるをえない。

 

 「・・・そう考えると、学校説明会かしら」

 

 「学校を見捨てるわけにはいかないからね」

 

 「ですが、今必要なのは入学希望者を集めること・・・効果的なのは、ラブライブなのではありませんか?」

 

 「たくさんの人に見てもらえるし、注目されるもんね」

 

 「説明会の方は、先生方に任せるっていうのはどうずら?」

 

 「勿論、学校の説明は先生方がやってくれるけど・・・注目を集めるには、やっぱりライブをやる方が効果はあると思う」

 

 「しかも学校説明会は、私達がワガママを言って開催してもらうんだもんね・・・」

 

 「でも、ラブライブを諦めるなんて・・・」

 

 皆の意見がバラバラになる。

 

 学校説明会寄りの意見と、ラブライブ寄りの意見・・・

 

 それでも、誰も強く主張しないのは・・・

 

 「・・・どっちも大切だもんね」

 

 千歌が呟く。

 

 そう、どっちも大切・・・

 

 だからこそ皆、完全にどちらかに心を傾けることが出来ない。

 

 どっちも同じくらい大切で、同じくらい出たいものだから。

 

 「こんなの・・・選べないよ」

 

 重苦しい雰囲気に包まれる。

 

 今の千歌の言葉が、皆の総意だった。

 

 「・・・とりあえず、今日はもう解散しない?家に帰って、皆それぞれもう一度よく考えて・・・明日また話し合おう。ね?」

 

 「・・・うん」

 

 俺の言葉に頷く皆。

 

 その表情が晴れることは、最後まで無かったのだった。




どうも〜、ムッティです。

ようやくアニメ第三話の内容に入ることが出来ました。

学校説明会とラブライブの予備予選が重なってしまったAqours・・・

果たしてどうするのか・・・

そして今回も新キャラ登場!

その名も上杉四葉さんです!

・・・『五等分の花嫁』の四葉ちゃんなんですけどね(´・ω・`)

ルビィちゃんの誕生日回で五月ちゃんを出したので、『四葉ちゃんも出しちゃえ!』みたいな(´・ω・`)

ルビィちゃんの誕生日回と今回の時系列?

そんなもの、ダストシュートしてやったぜ☆

相変わらずガバガバな設定でお送りしております(`・ω・´)ゞ

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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