そんなわけで今回は、花丸ちゃんの誕生日回をお送りします!
それではいってみるずら!←
「んー、どうしようかなぁ・・・」
自分の家で、白紙のノートを前に悩んでいる俺。
次のAqoursの新曲の作詞を、千歌から任されてしまったのだ。
「新曲ねぇ・・・」
もう3月だし、卒業ソングが良いかなぁ・・・
いや、桜ソングも良いかも・・・
頭の中で、色々と考えていた時だった。
『ピーンポーン』
「ん?」
玄関のチャイムが鳴った。
もう夜だっていうのに、一体誰だろう?
『ピーンポーン』
「はーい」
とりあえず玄関へ行って、ドアを開けてみる。
そこに立っていたのは・・・
「・・・ずらぁ」
何故かしょぼくれている花丸だった。
今にも泣き出しそうな顔をしている。
「は、花丸・・・?」
「っ・・・ずらあああああっ!」
「うおっ!?」
花丸が泣きながら抱きついてくるので、慌てて受け止める。
「ど、どうした!?何かあった!?」
「ぐすっ・・・家出・・・してきたずら・・・ひっぐ・・・」
「家出!?」
そういえば、やたら大きい荷物を持ってるな・・・
まさか花丸が家出なんて・・・
「・・・何があったの?」
「うぅ・・・お母さんが・・・」
「満点さんが・・・?」
「・・・マルのひなあられ、勝手に食べちゃったずら」
「帰れ食いしん坊娘」
「酷いずら!?」
ショックを受ける花丸なのだった。
*****
『本当に申し訳ないっ!』
謝ってくる満点さん。
とりあえず花丸を家に招き入れた俺は、満点さんに電話して事情を説明したのだった。
「花丸は、ひなあられがどうとか言ってましたけど・・・」
『あ、ありのまま今起こったことを話すよ・・・私はテレビの前でひなあられを食べていたと思ったら、いつの間にか消えていた・・・何を言っているのか分からないと思うけど、私も何が起きたのか分からなかった・・・頭がどうにかなりそうだった・・・マジックだとかミステリーだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてない・・・もっと恐ろしいものの片鱗を味わったよ・・・』
「長々とポル●レフのセリフをパクりましたけど、貴女がテレビ見ながらひなあられ全部食べちゃっただけですよね。いつの間にか消えていたって、貴女の胃袋に消えていっただけの話ですよね」
『・・・そうとも言う』
「そうとしか言いません」
思わず溜め息をついてしまう。
そういえば、今日はひなまつりだっけ・・・
『・・・花丸、やっぱり怒ってる?』
「さっきまでは怒ってたんですけど・・・」
「美味しいずらぁ・・・!」
「・・・夕飯を食べてないって言うのでご馳走してあげたら、機嫌が直りました」
『アハハ、あの子は食べ物に目が無いから・・・』
「この親にしてこの子あり、ですね」
『うぐっ・・・』
言葉に詰まる満点さん。
やれやれ・・・
「どうするんですか?今から迎えに来ます?」
『・・・悪いんだけど、今夜は花丸を泊めてあげてくれないかな?』
「俺は構いませんけど、年頃の娘を男の家に泊めさせるのは親として良いんですか?」
『責任を取ってくれるなら、手を出しても良いよ?』
「おい母親」
『B83を誇る豊満な胸を、満足するまで揉みしだいても良いよ?』
「サラッと娘のバストサイズを暴露しないで下さい」
『アハハ、まぁ私は天くんを信頼してるから。それに明日は花丸の誕生日だし、花丸も天くんと一緒に過ごせた方が嬉しいだろうしね』
そう、明日は3月4日・・・花丸の誕生日なのだ。
普通に学校でお祝いしようと思っていたが、まさかこんな形になるとは・・・
『というわけで、孫の顔を楽しみにしてるからね!』
「なるほど、孫から満点おばあちゃんって呼ばれたいんですね」
『そ、それは何か嫌だっ!満点お姉ちゃんって呼んでもらうもんっ!』
「はいはい、ボッシュートボッシュート」
『ちょ、天くん!?』
何か喚いていたが、無視して電話を切る。
今度満点おばあちゃんって呼んであげよう。
「天くん?お話は終わったずら?」
夕飯を食べ終えたらしい花丸が、ちょこんと首を傾げる。
「あぁ、うん。とりあえず、今夜はウチに泊まっていきなよ。もう夜遅いし」
「・・・迷惑じゃないずら?」
「押しかけといて何言ってんの?」
「うぐっ・・・」
言葉に詰まる花丸。
やれやれ・・・
「全然迷惑じゃないから。むしろ可愛い女の子と一緒に過ごせるんだから、役得だよ」
「か、可愛っ・・・!?」
「あと、『責任を取ってくれるなら手を出しても良い』って言われてるから」
「ずらっ!?」
「『豊満な胸を、満足するまで揉みしだいて良い』って言われてるから」
「ずらぁっ!?」
「っていうか花丸、B83もあるのか・・・道理で大きいと思ったら・・・」
「お母さんんんんんんんんんんっ!絶対許さないずらああああああああああっ!」
これ以上ないほど顔を真っ赤にしている花丸。
さて・・・
「それじゃ・・・二人の夜を楽しもうか」
「身の危険しか感じないずらああああああああああっ!」
悲鳴を上げる花丸なのだった。
*****
「そんな部屋の隅にいなくても・・・」
「近付かないで欲しいずら・・・むしゃむしゃ・・・天くんは危険人物ずら・・・もぐもぐ・・・」
「警戒するか食べるかどっちかにしたら?」
こっちを睨みながらお菓子を食べる花丸に、思わず呆れてしまう。
やれやれ・・・
「じゃ、俺は作詞の続きでもしようかな」
再び新曲について考えを巡らせる。
さっきは卒業ソングとか、桜ソングとか考えてたんだよな・・・
「・・・卒業かぁ」
俺もいずれ高校を卒業するわけだけど、卒業後はどういう道を進むんだろうなぁ・・・
「花丸はさ、高校を卒業した後のことって考えてる?」
「・・・急にどうしたずら?」
「いや、何となく気になってさ」
「んー・・・とりあえずマルは、大きな図書館がある大学に進みたいずら」
首を傾げながらも、俺の質問に答えてくれる花丸。
「それで卒業後は、本に携わる仕事に就けたら良いなって・・・まだ漠然とした考えだけど、そう思ってるずら」
「なるほど・・・花丸らしいね」
何だかんだ、ちゃんと考えてるんだなぁ・・・
「天くんは考えてるずら?」
「真姫ちゃんか鞠莉と結婚して、逆玉の輿に乗って毎日遊んで暮らしたい」
「ヒモになる気満々!?最低な人間の発想ずら!」
「冗談だって。まぁお金とか関係無しに、真姫ちゃんや鞠莉みたいな美女と結婚出来たら幸せだろうけど・・・あの二人は男なんて選び放題だし、俺なんて相手にされないよ」
「・・・天くんが鈍感で良かったずら。これで鋭かったら、本当にヒモ生活を実現させてしまうところだったずら」
何故かホッとしている花丸。
何をぶつぶつ言ってるんだろう?
「まぁ真面目な話、ちゃんと決めてないんだよね。高校を卒業して就職するのか、それとも大学に進学するのか」
「やりたいことが無いずら?」
「いや、その逆。色々あるんだよね」
『やってみたい』と思うことは、実は結構多かったりするのだ。
例えば・・・
「穂乃果ちゃんのお父さんみたいな和菓子職人に、真姫ちゃんのお父さんみたいなお医者さん・・・にこちゃんみたいな芸能事務所の裏方さんとか、海未ちゃんみたいに教師を目指すのも良いよね」
「け、結構多いずらね・・・」
「そうなんだよ。果南の影響でダイビングの楽しさにも気付いたし、ダイビングのインストラクターも良いなって」
そう考えると、やりたいことがたくさんあるんだよな・・・
何を目指すかによって、就職か進学か決まってくるし・・・
「ただ・・・どの道、一度内浦を離れることになるとは思う」
「っ・・・東京に行くずら・・・?」
「そうなるかな。就職にせよ進学にせよ、いつまでもこの家を借りてるわけにはいかないし・・・」
元々、この家は小原家の所有物だ。
まぁ鞠莉のことだから、俺が頼めば引き続き貸してもらえるとは思うが・・・
ずっと厚意に甘えているわけにもいかないからな。
「まぁ卒業後の話だし、まだまだ先・・・」
「嫌ずらっ!」
「うおっ!?」
花丸が勢いよく抱きついてくる。
身体が小刻みに震えていた。
「ちょ、花丸!?『近付くな』って言ってなかったっけ!?」
「もうどうでもいいずら!思う存分マルに手を出すと良いずら!」
「はい!?」
「マルの胸を好きなだけ揉みしだくと良いずら!」
「何言ってんの!?」
「大きさが物足りないなら、頑張ってもっと大きくなるずら!」
「これ以上大きくしようとしてんの!?」
「鞠莉ちゃんを超えて、Aqoursで一番の巨乳になってみせるずら!」
「いやもう十分だから!無理しなくて良いから!」
「だから・・・だから・・・!」
涙声の花丸。
「行っちゃヤダ・・・ひっぐ・・・マルを、置いていかないで・・・ぐすっ・・・!」
「・・・可愛いなぁ、花丸は」
しっかりと花丸を抱き締める。
俺は今、花丸が愛おしくて仕方なかった。
「ねぇ、花丸・・・一緒に行かない?」
「え・・・?」
目に涙を浮かべたまま、キョトンとする花丸。
「一緒にって・・・」
「東京だよ。花丸も一緒にどうかなって」
花丸の目元の涙を、指でそっと拭う。
「東京の大学なら、大きな図書館があるところもたくさんあるだろうし。花丸が気に入る大学が、きっとあるんじゃないかな」
「マ、マルが・・・東京の大学に・・・?」
息を呑む花丸。
「で、でも・・・マル、東京でやっていけるか・・・」
「大丈夫。花丸は一人じゃないでしょ」
花丸の頭を撫でる俺。
「俺がいるし、μ'sの皆だっている。ダイヤさんも東京の大学に進学するって言うし、それならルビィも同じことを考えるんじゃないかな?」
「オ、オラ・・・一人暮らし、出来るかな・・・?」
「じゃあ・・・俺と一緒に住む?」
「っ・・・」
花丸の顔が、ボンッと真っ赤に染まる。
可愛いなぁ・・・
「まぁさっきも言ったけど、まだ先の話だから。ゆっくり考えてくれたら良いよ」
「わ、分かったずら・・・」
花丸はそう言うと、俺の胸に顔を埋めた。
「もうちょっと・・・もうちょっとだけ、こうしてても良いずら・・・?」
「・・・勿論」
お互いを抱き締め合う、花丸と俺なのだった。
*****
《花丸視点》
「おっ、もうすぐじゃん」
天くんが時計を見ながら呟く。
もうすぐ深夜0時・・・つまり日付が変わり、マルの誕生日になるのだ。
「っていうか、大丈夫?寒くない?」
「平気ずら」
マル達は今、縁側に座って夜空を眺めていた。
もう3月とはいえ、夜はまだ冷える時期だ。
マル達は身を寄せ合い、同じ毛布にくるまっていた。
「何もこんな時間に、夜空を見なくても良いんじゃ・・・」
「せっかくの満月なんだから、見なきゃ損ずら」
そう、今夜は満月だった。
真ん丸な黄色いお月様が、真っ暗な夜空に綺麗に浮かび上がっている。
「そういえば天くん、新曲の作詞はどうするずら?」
「んー・・・方向性は決まったかな」
微笑む天くん。
「3月は卒業シーズンだけど・・・卒業って『別れ』であるのと同時に、新しい『始まり』でもあるでしょ?」
「確かにそうずらね」
「だから卒業して、ここからスタートする人達・・・前に進もうとしている人達に向けた、応援ソングにしたいなって」
「応援ソング・・・」
それは良いアイディアかもしれない。
マル達の歌で、そういった人達の背中を少しでも押してあげることが出来たら・・・
「これまでの思い出を抱きつつ、前に進もうとする人達・・・まだ自分達の知らない、未体験の世界に飛び込もうとしている人達・・・そんな人達を少しでも応援出来たら、凄く素敵なことだと思うんだよね」
そう言いながら月を見上げる天くんの横顔を見て、思わずドキッとしてしまうマル。
こういうことを語る時の天くんは、普段よりカッコ良く見えるのだ。
うぅ、『惚れた方が負け』ってやつずら・・・?
「そういうわけだから花丸、新曲のセンターは君に決めた!」
「そんなサ●シみたいなノリで!?」
「相棒のよしチュウやルビチュウと一緒に頑張って」
「善子ちゃんとルビィちゃんをピ●チュウみたいに呼ぶのは止めるずら!」
「内浦タウンにサヨナラバイバイ」
「マルは天くんと東京に出る・・・ハッ!?」
「はい、言質いただきました」
「ち、違うずら!今のはノリで・・・」
「えー?ノリでそういうこと言っちゃうのー?」
「うぐっ・・・」
「アハハ、冗談だって。ちゃんと考えて決めてね」
頭を撫でてくれる天くん。
うぅ、思わず本音が・・・
本当はもう、答えなんてとっくに出てるずら・・・
「・・・新曲のセンターを花丸に任せたいっていうのは、本気だよ。応援ソングを作るなら、センターは花丸が良い」
「ど、どうして・・・?」
「花丸が一番、そういう人の背中を押せそうだから」
微笑む天くん。
「『自分には無理だ』っていう思いを振り切って、勇気を出してスクールアイドルの世界に飛び込んだ・・・これまで触れたことのない、未体験の世界に飛び込んだ・・・そんな花丸だからこそ、あの時の花丸みたいな人の背中を押せると思うんだ」
「マルが・・・背中を押す・・・」
「同じように、ルビィと善子も勇気を出して一歩を踏み出したでしょ?だからこそ、一年生三人が中心になって歌ってほしいなって・・・俺はそう思うんだけど」
「・・・やっぱり天くんはズルいずら」
そんな風に言われたら、もう『オラには無理』なんて言えない。
『やってみたい』って思ってしまう。
「・・・あの時もそうだったずらね」
「あの時?」
「マルがAqoursに入る時ずら」
あの時、天くんがマルに言ってくれたこと・・・今でも忘れることはない。
『花丸はスクールアイドルをやりたいの?やりたくないの?』
『一番大切なのは、出来るかどうかじゃない・・・やりたいかどうかでしょ』
「天くんがマルの背中を押してくれたから、マルは今スクールアイドルとして活動出来てるずら。だから・・・」
決意を固める。
今度はマルの番だ。
「マルも背中を押してあげたい・・・センター、頑張るずら」
「・・・ありがとう」
笑顔の天くん。
その時・・・
ピピピピッ・・・
「あっ、日付が変わった!」
0時になり、日付が3月4日に変わる。
つまり・・・
「誕生日おめでとう、花丸」
「フフッ、ありがとうずら」
マルの16歳の誕生日だ。
天くんに祝福され、照れ臭くなってしまうマル。
「天くんと二人で、月を見ながら誕生日を迎えるなんて・・・想像してなかったずら」
「ひなあられを食べちゃった満点さんに感謝だね」
「マルのバストサイズを暴露したから差引きゼロ、むしろマイナスまであるずら」
「アハハ・・・満点さん、ドンマイです」
苦笑する天くんを横目に、月を見上げるマル。
今のマルには、どうしても天くんに言いたいセリフがあった。
「・・・月が、綺麗ずらね」
このフレーズの意味を、天くんは知らないかもしれない。
それでもマルは、どうしても言っておきたかった。
例え天くんに、マルの気持ちが届かなかったとしても・・・
「・・・花丸と見る月だから」
「っ・・・!」
微笑む天くん。
どうやらマルの気持ちは、天くんに届いたようだ。
天くんの顔がゆっくりとマルに近付き、マルはそっと目を閉じる。
そして・・・マルの唇が、優しい温もりを確かに感じたのだった。
後日、天くんが作詞したAqoursの新曲が完成した。
曲名は、『未体験HORIZON』・・・
センターを任されたマルは、全力で皆の背中を押すことを誓うのだった。
どうも〜、ムッティずら!
さてさて、今回は花丸ちゃんの誕生日回でした!
天のヤツ、花丸ちゃんとイチャイチャしよって・・・
ちなみにご存知かと思いますが、『月が綺麗ですね』は『あなたを愛しています』という告白を意味するフレーズです。
これは『我輩は猫である』で有名な夏目漱石さんが、英語教師をやっていた頃の話が基になっているんだとか。
『I love you』を『俺はお前を愛してるZE!』と訳した生徒に対し、『ジャパニーズはそんなこと言わねーよ。月メッチャ綺麗じゃね?とでも訳しとけや』と言ったそうですよ。
何かメッチャ軽い人達の会話みたいになりましたが、内容は大体合ってるはずです(笑)
まぁこの話、『都市伝説ではないか』と言われているそうですが(´・ω・`)
ちなみにそれに対する『あなたと見る月だから』は、『あなたは特別=OK』という返事のフレーズだそうです。
天と花丸ちゃんが結ばれた・・・
おめでとう(血涙)
そして『未体験HORIZON』の誕生秘話・・・を勝手に作っちゃいました(笑)
花丸ちゃん・・・っていうかきんちゃん、本当に歌が上手いですよね。
あの歌声が本当に好きなので、花丸ちゃんの誕生日に発売されるソロアルバムを買おうか真剣に悩んでいます(´・ω・`)
皆さんは買いましたか?
次の誕生日回は海未ちゃんなんですが、前にも言った通りμ's及びニジガクメンバーの誕生日回は時間に余裕がある場合のみ書かせていただきます。
個人的にはニジガクを優先したいので、次の誕生日回は4月3日のしずくちゃんになるかな・・・
っていうか、そもそも本編書かないと(´・ω・`)
時間を見つけて、頑張って書きたいと思います(>_<)
それではまた次回!以上、ムッティでした!