絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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しずくちゃん、誕生日おめでとう!

そんなわけで、今回はしずくちゃんの誕生日回をお送りします!

・・・間に合って良かった(疲労困憊)

それではいってみよー!


【桜坂しずく】理想のヒロインに・・・

 「先輩、おはようございます!付き合って下さい!」

 

 「おはよう、しずく。無理」

 

 朝の挨拶と共にされた告白を、あっさり断る俺。

 

 告白を断られたしずくは、不満そうな表情を浮かべた。

 

 「むぅ・・・自然に告白出来たと思ったのに・・・」

 

 「今のが自然だと思うなら、しずくの頭はおかしいと思う」

 

 「辛辣!?」

 

 「・・・朝から何してるんですか」

 

 いつの間にか近くへやって来ていた栞子が、呆れた表情で俺達を見ていた。

 

 「聞いてよ栞子さん!先輩が私の告白をまた断ったんだよ!?」

 

 「聞いてましたよ。情緒も何も無い告白でしたね」

 

 「栞子さんまで辛辣過ぎない!?」

 

 「っていうか、もう何回告白してるんですか・・・」

 

 「今回で十五回目だよ」

 

 「・・・覚えてる時点でドン引きです」

 

 「何で!?」

 

 「それよりしずく、今日はリボンの色が違くない?」

 

 今日のしずくの髪を結んでいるのは、いつもの赤いリボンではなく白いリボンだった。

 

 「気付いてくれました!?その違いに気付いてくれるのはポイント高いです!三百億ポイントあげちゃいます!」

 

 「ポイント数がバカみたいに高いんだけど」

 

 「実はあの赤いリボン、昨日切れちゃって・・・でも大丈夫です!赤いリボンは切れても、先輩との赤い糸は切れてないので!」

 

 「俺にはそんな糸見えないわ」

 

 「私には見えてます!」

 

 「センセー!ここに幻覚が見えてる子がいまーす!」

 

 「ちょっと!?私は正常ですってば!?」

 

 「・・・相変わらず仲は良いんですよねぇ」

 

 何とも言えない表情で俺達を見る栞子なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「美味っ!この卵焼き美味っ!」

 

 「フフッ、た~んと召し上がれ~♪」

 

 彼方さん特製の卵焼きを頬張る俺。

 

 昼休み、俺は三年生三人と昼ご飯を食べていた。

 

 「そういえば天、またしずくちゃんの告白を断ったそうじゃない。さっき栞子ちゃんから聞いたわよ?」

 

 「ふぃふふぉふぉふふぃふぇふ(いつも通りです)」

 

 「まず卵焼きを飲み込んでから話しなさいよ!?」

 

 「アハハ、お茶どうぞ」

 

 「ふぉふふぉ~(どうも~)」

 

 果林さんからツッコミを受けてしまったので、エマさんからお茶をもらい卵焼きと共に流し込む。

 

 ふぅ・・・

 

 「いつも通りです。後輩とのコミュニケーションですよ」

 

 「いや、そんなコミュニケーション聞いたことないんだけど」

 

 呆れる果林さん。

 

 一方、エマさんは不思議そうな表情を浮かべていた。

 

 「しずくちゃんは可愛いし、性格も良いと思うんだけど・・・天くんとも仲良しだし、逆にどこが不満なの?」

 

 「おっぱいです」

 

 「そこ!?」

 

 「あぁ、別に高望みはしてませんよ?最低でもB85は欲しいだけです」

 

 「十分高望みだと思うよ!?彼方ちゃんと同じサイズってことでしょ!?」

 

 「エマちゃん、しれっと彼方ちゃんのバストサイズを暴露しないでほしいなぁ・・・」

 

 ちょっと恥ずかしそうな彼方さん。

 

 恥ずかしがる彼方さん、新鮮だなぁ・・・

 

 「まぁ真面目な話、しずくに不満なんて無いですよ。しずくみたいな子が彼女になってくれたら、きっと幸せなんだろうなと思います」

 

 「じゃあ何で告白を断るのよ?」

 

 「・・・そうですねぇ」

 

 果林さんの問いに、俺は苦笑いを浮かべた。

 

 「しずくがどこまで本気なのか、分からないから・・・ですかね」

 

 俺の言葉に、首を傾げる三年生三人なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 《しずく視点》

 

 「そんなわけで、またしても断られてしまいました」

 

 「アハハ・・・」

 

 何故か苦笑している侑さん。

 

 私は二年生の先輩方と一緒に、お昼ご飯をご一緒させていただいていました。

 

 「そっかぁ、愛さんが考えた告白も上手くいかなかったかぁ・・・」

 

 「えっ、愛ちゃんが考えた告白だったの?」

 

 「そうなんだよ。なかなか良い考えだと思ったんだけど」

 

 「・・・愛ちゃんって、見た目の割に恋愛偏差値低いよね」

 

 「歩夢に酷いこと言われた!?」

 

 ショックを受ける愛さん。

 

 歩夢さんでも、そんな辛辣な言葉を口にすることがあるんですね・・・

 

 「ですが天さんは、どうして頑なにしずくさんからの告白を断るんでしょう?」

 

 首を傾げるせつ菜さん。

 

 「しずくさんほどの美少女からの告白であれば、普通はすぐOKしそうですが・・・」

 

 「び、美少女って・・・」

 

 恥ずかしくなってしまう私。

 

 せつ菜さんはストレートに褒めて下さるので、嬉しい反面ちょっと恥ずかしいんですよね・・・

 

 「歩夢とゆうゆは、天っちと幼馴染だよね?心当たりとかある?」

 

 「「おっぱい」」

 

 「はい!?」

 

 同時に返ってきた答えに絶句する愛さん。

 

 いや、おっぱいって・・・

 

 「天はおっぱい星人だからなぁ・・・最低でも、B85は求めてると思うよ」

 

 「最低ライン高過ぎない!?」

 

 「同好会で言うと、三年生三人以外は眼中に無いんじゃないかな」

 

 「それはそれで何か腹立つんだけど!?」

 

 「愛ちゃんはB84だし、あと一歩じゃん。頑張って」

 

 「ゆうゆ!?何で愛さんのバストサイズ知ってんの!?」

 

 愛さんのツッコミが止まらない。

 

 B85かぁ・・・

 

 「よし、ちょっと高●クリニック行ってきます」

 

 「しずくさん!?早まらないで下さい!」

 

 せつ菜さんに止められる。

 

 良い案だと思ったのに・・・

 

 「まぁ冗談はさておき、心当たりはあるよ」

 

 私を見つめる歩夢さん。

 

 「多分だけど・・・しずくちゃんが本気なのか、疑ってるんだと思う」

 

 「えぇっ!?」

 

 驚く私。

 

 疑ってるって・・・

 

 「私が本気じゃないと思われてるってことですか!?」

 

 「そうだと思うよ」

 

 頷く侑さん。

 

 「しずくちゃん、何度も天に告白してるけどさ・・・断られることを前提に告白してるところがあるよね」

 

 「っ・・・」

 

 侑さんの指摘に、何も言えなくなってしまう私。

 

 実際・・・その通りだったから。

 

 「ど、どういうことですか・・・?」

 

 「つまりね、OKしてもらえるなんて思ってないってこと。もっと言っちゃうと、本気で気持ちを伝えにいってないってことだよ」

 

 せつ菜さんの疑問に答える歩夢さん。

 

 「だから天くんも断ってるんだと思う。しずくちゃんの本気度が見えないから」

 

 「そもそも、本当に好きなのかどうかも疑ってるんじゃないかな」

 

 「そんな!?」

 

 侑さんの言葉に慌ててしまう私。

 

 「それは本当です!私は先輩のことが好きなんです!」

 

 「だったら、真剣に伝えなきゃダメだよ」

 

 真面目な表情の侑さん。

 

 「天はそういうところ、本当に鋭いから。しずくちゃんが真剣に気持ちを伝えなきゃ、天だって真剣に向き合ってくれないよ」

 

 真剣に・・・気持ちを伝える・・・

 

 「・・・分かりました。やってみます」

 

 覚悟を決める私なのでした。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「ちょ、かすかす!?引っ張らないでよ!?」

 

 「誰がかすかすですかっ!いいから早く来て下さい!」

 

 「天さん、早く早く」

 

 放課後、俺はかすみと璃奈に連行されていた。

 

 一体どこへ連れて行かれるのか・・・

 

 「ふぅ・・・よし、到着です!」

 

 「いや、到着って・・・」

 

 連れて来られた場所は、校舎の外の広場だった。

 

 こんなところに連れて来て、一体何だと言うのか・・・

 

 「天さん、あそこ見て」

 

 璃奈が二階のテラスを指差す。

 

 そこには・・・

 

 「え、しずく・・・?」

 

 何やら覚悟を決めた表情のしずくが立っていた。

 

 しずくは深く息を吸うと、大きな声で叫び始めた。

 

 「皆さん、こんにちは!虹ヶ咲学園一年、桜坂しずくです!」

 

 下校しようとしていた生徒達が、何事かと足を止めてしずくに注目する。

 

 「私は今、二年の絢瀬天先輩に恋をしています!」

 

 「ちょっとおおおおおっ!?何してんのアイツうううううっ!?」

 

 慌てて止めに行こうとした俺の両腕を、かすみと璃奈がガシッと掴んだ。

 

 「ダメです先輩!しず子の話を最後まで聞いて下さい!」

 

 「お願い天さん!璃奈ちゃんボード『ウルウル』」

 

 「いや、だって・・・」

 

 「私は先輩のことが大好きです!心の底から愛してます!」

 

 「恥ずかしいから止めてえええええっ!?」

 

 何なのアイツ!?

 

 羞恥心はどこへ行ったの!?

 

 「先輩と付き合いたい!先輩の恋人になりたい!その気持ちに嘘はありません!でも・・・」

 

 俯くしずく。

 

 「私が本気で告白して、先輩にフラれてしまったら・・・今のような仲良しな関係ではいられなくなる・・・私はそれが怖かったんです」

 

 独白を続けるしずく。

 

 「だからいつも、本気とも冗談ともつかないような告白をして・・・先輩に受け入れてもらえなくて当然です。そんな曖昧な告白をして、真剣な答えを返してくれるはずがありません。私はそれが分かっていながら、ずっと逃げてきました」

 

 「しずく・・・」

 

 「でもっ・・・!」

 

 涙声で叫ぶしずく。

 

 「もう逃げたくないっ!もしこの気持ちを受け入れてもらえなくてもっ!もし今みたいな関係でいられなくなってもっ!それでも私はっ・・・!」

 

 顔を上げるしずく。

 

 その目からは、涙が溢れていた。

 

 「先輩っ!私は先輩のことが大好きですっ!だから・・・だから私を・・・私を先輩の彼女にして下さいっ!絶対に、先輩の理想のヒロインになってみせますからっ!」

 

 「っ・・・」

 

 しずくの言葉が、心に響いた。

 

 こうしちゃいられない・・・!

 

 「かすみ!璃奈!手を離してくれ!」

 

 「了解です!」

 

 「行ってらっしゃい!」

 

 二人の手が離れた瞬間、ダッシュで二階へ続く階段へと向かう。

 

 階段を駆け上がり、テラスへと出ると・・・

 

 目を真っ赤にしながらも、凛とその場に立つしずくがいた。

 

 「しずくっ!」

 

 「っ!?先輩!?」

 

 驚いた表情のしずく。

 

 俺はしずくに駆け寄ると・・・思いっきりしずくを抱き締めた。

 

 「ふぇっ!?」

 

 しずくの顔が真っ赤に染まるが、そんなのお構いなしに強く抱き締める。

 

 「・・・ありがとう、しずく」

 

 「せ、先輩・・・?」

 

 「しずくの気持ち・・・ちゃんと伝わったから」

 

 俺はそう言うと、自分の素直な気持ちを言葉にした。

 

 「・・・好きだよ、しずく」

 

 「っ・・・」

 

 「俺の彼女に・・・俺だけのヒロインになってほしい」

 

 微笑む俺。

 

 「俺と・・・付き合ってくれる?」

 

 「っ・・・はいっ・・・!」

 

 涙を流しながらも、嬉しそうに微笑むしずく。

 

 「喜んで・・・!」

 

 抱き合う俺達。

 

 すると・・・

 

 

 

 

 

 『パチパチパチパチ!』

 

 

 

 

 

 広場にいた生徒達が、一斉に拍手し出した。

 

 「おめでとー!」

 

 「お幸せにー!」

 

 「彼方ちゃん、感動しちゃったよー!」

 

 「二人とも愛してるよー!愛だけにー!」

 

 「・・・何か聞き覚えのある声がするんだけど」

 

 「奇遇ですね先輩。私も同じことを思いました」

 

 姿は見当たらないが、確実にいるな・・・

 

 恐らく、同好会メンバーは全員揃っているんだろう。

 

 「・・・ま、いっか」

 

 俺は溜め息をつくと、しずくを抱き寄せた。

 

 「わわっ!?先輩、ちょっと大胆過ぎません!?」

 

 「こんなところで公開告白したヤツに言われたくないんだけど」

 

 「うぅ、それを言われると・・・」

 

 顔を真っ赤にするしずく。

 

 やれやれ・・・

 

 「・・・これからもよろしくね」

 

 「っ・・・はいっ!」

 

 俺の言葉に笑みを浮かべたしずくは、勢いよく俺に抱きついてくる。

 

 そして・・・

 

 「先輩、大好きです・・・んっ」

 

 「んんっ!?」

 

 『おおっ!?』

 

 公衆の面前で、愛おしそうに俺の唇を奪うのだった。




あなたの理想の作者、ムッティです♪

・・・調子に乗ってすみませんでした(土下座)

さてさて、今回はしずくちゃんの誕生日回でした!

いつもはおしとやかなしずくちゃんが、好きな人に対してグイグイ迫る・・・

そんな話を書きたかったんですよねー。

まぁ本編の梨子ちゃんのように、ちょっと残念な子になっちゃいましたけど(笑)

っていうか、先月の花丸ちゃんの誕生日回から1ヶ月も空いてしまったのか・・・

本編なんてそれ以上空いてるし・・・

やっちまったZE☆

・・・ホントにすいませんでした(土下座)

ぼちぼち執筆していかねば・・・

次の更新は本編が先か、それとも曜ちゃんの誕生日回が先か・・・

が、頑張ります・・・(震え声)

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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