絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

157 / 173
Liella!のデビューシングル『始まりは君の空』がリリースされましたね。

アニメ『ラブライブ!スーパースター!!』も7月から始まりますし、今から楽しみです(^^)


結果発表は緊張するものである。

 「うぅ・・・」

 

 明らかに具合が悪そうな海未ちゃん。

 

 ラブライブ予備予選&学校説明会の翌朝、俺は東京へ帰る海未ちゃんを見送りに沼津駅までやって来ていた。

 

 「だから『飲み過ぎるな』って言ったのに・・・」

 

 海未ちゃんを支えつつ、溜め息をつく俺。

 

 学校説明会終了後、海未ちゃん・麻衣先生・翔子先生・榛名先生の四人は俺の家で飲み会を敢行していた。

 

 俺は早々に寝たのだが、四人は明け方まで飲んでいたらしい。

 

 今朝起きてリビングに行ったら、四人とも床に転がって爆睡してたもんな・・・

 

 全員“雷鳴●卦”で叩き起こしたけども。

 

 「先生方は仕事だから仕方ないけど、海未ちゃんはもう少し休んでから帰ったら?」

 

 「そうしたいのは山々なんですが、今日は午後から講義があって・・・二日酔いで休むなんて嫌ですから・・・」

 

 「真面目だねぇ・・・」

 

 俺だったら絶対サボるけどな・・・

 

 そんなことを考えながらホームへ向かうと、ちょうど電車が到着するところだった。

 

 ドアが開き、海未ちゃんがフラフラしながら乗り込む。

 

 「すみません、天・・・これから学校があるのに、わざわざ送ってもらって・・・」

 

 「気にしないの。俺と海未ちゃんの仲でしょ」

 

 申し訳なさそうにする海未ちゃんの頭を、苦笑しながら優しく撫でる。

 

 「電車の中でちゃんと休むんだよ。お茶とサンドイッチも渡しておくから」

 

 「すみません、何から何までありがとうございます・・・」

 

 海未ちゃんに手提げ袋を渡す。

 

 「あぁ、そうでした・・・Aqoursの皆に伝言をお願い出来ますか?『決勝ステージは必ず見に行きます』と」

 

 「いや、気が早くない?まだ予備予選を突破したかも分からないのに・・・」

 

 「突破しますよ、必ず」

 

 断言する海未ちゃん。

 

 「動画は見せてもらいましたが、素晴らしいパフォーマンスでした。あれなら予備予選突破は間違いありません。それに加えて、昨日の学校説明会でのパフォーマンス・・・あれほどの力があるのなら、地区予選突破も難しくないでしょう。まず間違いなく、決勝まで勝ち進むでしょうね」

 

 「珍しく自信満々だね?いつもなら『油断は禁物です』とか言うのに」

 

 「ですが、油断など微塵もしていないでしょう?」

 

 「勿論。ラブライブが甘くないことは、全員身を持って知ってるからね」

 

 「フフッ、それなら大丈夫です」

 

 微笑む海未ちゃん。

 

 「私も応援していますから。頑張って下さいね」

 

 「ありがとう。頑張るよ」

 

 どちらからともなく抱き合う俺達。

 

 「また遊びに来てね。待ってるから」

 

 「えぇ。天の方こそ、たまには帰って来て下さい。皆会いたがってるんですから」

 

 「そうそう。ウチも天くんに会えないのは寂しいんよ」

 

 「うん、また今度東京に・・・ん?」

 

 「え?」

 

 第三者の声に、思わず固まってしまう俺と海未ちゃん。

 

 恐る恐る振り向くと・・・

 

 「おはようさん♪」

 

 キャリーバッグを持った希ちゃんが、にこやかに手を振っていた。

 

 「えぇっ!?希ちゃん!?」

 

 「何故希がここに!?」

 

 「フフッ、サプライズ大成功やね」

 

 クスクス笑う希ちゃん。

 

 「実はウチ、今日からしばらく連休なんよ。まだ取ってなかった夏季休暇プラス、有給も使ってガッツリ仕事休んだからね」

 

 「そうだったんだ・・・それで遊びに来てくれたの?」

 

 「うん。早く天くんに会いたくて、始発に乗って来ちゃった」

 

 楽しそうな希ちゃん。

 

 これはまさかの展開だな・・・

 

 「海未ちゃんが来てるのは知らなかったなぁ・・・具合悪そうやけど大丈夫?」

 

 「えぇ、何とか・・・それより希、その荷物の多さ・・・しばらく内浦に滞在するつもりですか?」

 

 「勿論。連休中はずっとこっちで過ごすつもりやしね」

 

 「・・・その間、どこに泊まるつもりですか?」

 

 「天くんの家やけど?」

 

 「だったら私も残りますうううううっ!」

 

 「ちょ、海未ちゃん!?」

 

 慌てて電車を降りようとする海未ちゃんを、必死に電車内に押し留める。

 

 「講義あるんでしょ!?何で降りようとしてんの!?」

 

 「天と希を二人きりにするわけにはいきません!確実に間違いが起きます!」

 

 「間違いって何!?」

 

 『ドアが閉まります。ご注意下さい』

 

 音楽と共にアナウンスが流れる。

 

 すると希ちゃんが、素早くドアに近付き・・・

 

 「“わしわしMAX”!」

 

 「きゃあっ!?」

 

 海未ちゃんの両胸を揉んだ。

 

 悲鳴を上げた海未ちゃんは、慌てて後ずさり希ちゃんから離れ・・・

 

 海未ちゃんと希ちゃんの間を、ドアが遮った。

 

 「あぁっ!?」

 

 「気を付けて帰ってな~♪」

 

 『しまった』という表情の海未ちゃんを乗せて出発した電車を、手を振って見送る希ちゃん。

 

 うわぁ・・・

 

 「希ちゃん、相変わらず策士だねぇ・・・」

 

 「海未ちゃんを安全に帰せる上に、海未ちゃんの胸も堪能出来る・・・一石二鳥やね」

 

 「・・・変態親父め」

 

 「おっぱい星人に言われたくないなぁ」

 

 クスクス笑う希ちゃん。

 

 それを言われると否定できない・・・

 

 「まぁそんなわけで、しばらくお世話になるからよろしくね」

 

 「はいはい・・・ってか、俺はこれから学校に行かないといけないんだけど・・・希ちゃんどうする?俺の家知らないよね?」

 

 「せやね・・・そしたら、天くんと一緒に浦の星に行こうかな。鞠莉ちゃんにお願いして、校内を見学させてもらいたいんやけど」

 

 「まぁ、鞠莉なら即OKするだろうね・・・じゃ、一緒に行こっか」

 

 「うんっ♪」

 

 嬉しそうに笑う希ちゃんなのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「ふんふんふ~ん♪」

 

 「フフッ、ご機嫌やね?」

 

 「だって希さんに会えたんですよ!?テンション上がっちゃいます!」

 

 「嬉しいこと言ってくれるやん、千歌っち♪」

 

 ニコニコしながら会話している千歌と希ちゃん。

 

 放課後、俺達は部室に集まっていた。

 

 「千歌ちゃん、浮かれてるねぇ・・・」

 

 「全く、浮かれている場合ではないというのに・・・」

 

 「希ちゃんにサインもらって、千歌と一緒に浮かれてた姉妹が何を言っているのやら」

 

 「「ぴぎぃっ!?」」

 

 悲鳴を上げる黒澤姉妹。

 

 海未ちゃん・真姫ちゃん・絵里姉に続いて、希ちゃんで四人目のサイン・・・

 

 千歌も黒澤姉妹も、μ'sメンバーのサインをコンプリートする気満々なんだよなぁ・・・

 

 「むむむ・・・」

 

 一方、何やら真剣な表情で希ちゃんを見つめる鞠莉。

 

 曜が首を傾げる。

 

 「鞠莉ちゃん?どうしたの?」

 

 「やっぱり凄いわね・・・」

 

 「あぁ、希さん?オーラがあるよね」

 

 「どうやったらあんな風になるのかしら・・・」

 

 「んー、経験を積むしか無いんじゃないかな?」

 

 「経験・・・確かにマリーは経験ゼロだし、もっと経験するべきかも・・・」

 

 「いや、ゼロではないでしょ。場数は結踏んでるじゃん」

 

 「ちょっと曜、失礼なこと言わないでちょうだい!」

 

 「えぇっ!?」

 

 怒る鞠莉に戸惑う曜。

 

 「何!?私何か失礼なこと言った!?」

 

 「場数なんて踏んでるわけないでしょ!?人をビッチみたいに言わないで!」

 

 「誰もそんなこと言ってないよ!?スクールアイドルとして何度もステージに立ってきてるわけだし、場数は踏んでるでしょ!?」

 

 「・・・What?何の話をしているの?」

 

 「いやだから!希さんみたいにオーラのあるスクールアイドルになるには、どうしたらいいのかっていう話でしょ!?」

 

 「いや、どうしたらあんな大きな胸になるのかっていう話なんだけど」

 

 「そっち!?」

 

 「だって凄いじゃないあの胸!マリーの目測だと、B92のGカップよ!?」

 

 「何で目測で分かるの!?」

 

 「おっ、マリチ正解!流石やね!」

 

 「Yes!」

 

 「まさかのドンピシャ!?しかも認めちゃうんだ!?」

 

 曜のツッコミが止まらない。

 

 大変そうだなぁ・・・

 

 「希、胸を大きくする秘訣を教えてちょうだい!」

 

 「んー、ウチも経験ゼロでこれやけど・・・天くんに触ってもらったおかげかな?」

 

 「いや、触った覚えなんて・・・」

 

 「覚えなんて?」

 

 「・・・さて、飲み物買ってくるかな」

 

 「ちょっと!?」

 

 部室を出て行こうとした俺を、果南が慌てて引き止めてくる。

 

 「何で急に話を逸らしたの!?確実に触ってるよねぇ!?」

 

 「それでもボクはやってない」

 

 「映画じゃん!?」

 

 「天、今すぐマリーの胸を揉みしだいて!」

 

 「オッケー」

 

 「オッケーじゃないずら!」

 

 花丸に止められる。

 

 チッ・・・

 

 「くっ、今の私じゃ勝ち目が無い・・・ちょっと●須クリニック行ってくる!」

 

 「はいはい、落ち着きなさい」

 

 「ぐえっ!?」

 

 溜め息をついた善子が、梨子の襟首を掴んで止める。

 

 何してんの梨子・・・

 

 「もう、皆落ち着きなよ」

 

 呆れた表情の千歌。

 

 「そろそろ予備予選の結果が発表されるからって、気持ち昂ぶり過ぎだって」

 

 「よく覚えてたね。一番忘れそうなのに」

 

 「天くん!?酷くない!?」

 

 千歌のツッコミ。

 

 てっきり忘れてると思ってたけど・・・

 

 「っていうか、何でそんなに落ち着いてるの?千歌のくせに」

 

 「『くせに』って何さ!?私が落ち着いてちゃいけないの!?」

 

 「いけないでしょ。キャラ的に」

 

 「どんなキャラ!?」

 

 「暴走機関車キャラ」

 

 「そんなキャラになった覚えないんだけど!?」

 

 一通りツッコミを入れた千歌が、コホンッと咳払いをする。

 

 「実は昨日、聖良さんと電話したんだよ。そしたら聖良さん、『トップ通過間違い無し』って言ってくれたんだ。だから大丈夫だよ、きっと」

 

 「・・・・・」

 

 「露骨に嫌そうな顔しないでくれる!?ホントに聖良さんのこと嫌いだね!?」

 

 どうやら顔に出ていたらしい。

 

 あのブロッコリー嫌い女め・・・

 

 「アハハ、噂には聞いてたけど・・・本当に毛嫌いしてるんやね、Saint Snowのこと」

 

 苦笑する希ちゃん。

 

 「ホント、当時のA-RISEに対する反応にそっくりやん」

 

 「天くん、そんなにA-RISEを嫌ってたんですか?」

 

 「うん、それはもう凄かったよ。特にツバサちゃんなんて、天くんに会う度に心バッキバキに折られてたしね」

 

 「ツバサちゃんが豆腐メンタルだっただけでしょ」

 

 「いや、ウチがツバサちゃんの立場でもキツかったと思うよ?」

 

 「希ちゃんにはそんなことしないよ。大好きだもん」

 

 「フフッ、ウチも天くんが大好きだよ。はい、お茶どうぞ」

 

 「ありがと。『穂むら』の和菓子あるから、一緒に食べよっか」

 

 「うんっ♪」

 

 「・・・何この落ち着いた感じ」

 

 「確かに、ことりさんの時みたいな甘々過ぎる感じじゃないね・・・」

 

 「前に海未先生が言ってたこと、何となく分かったかも・・・」

 

 二年生組が、何やらヒソヒソ話している。

 

 すると・・・

 

 「あっ!結果発表きた!」

 

 パソコンの前に陣取っていたルビィが、大きな声を上げる。

 

 皆が慌ててパソコンの画面を覗き込む中・・・

 

 「予備予選通過グループ、一組目・・・Aqours!」

 

 「やったぁ!」

 

 「しかも一組目ってことは、トップ通過ってことだよね!?」

 

 「そういうことだね」

 

 抱きついてくる梨子の頭を撫でつつ、曜の言葉に頷く俺。

 

 数多くのグループが参加する中、トップで通過というのは誇って良いことだと思う。

 

 まずは第一関門突破だな・・・

 

 「果南ちゃん!やったずら!」

 

 「嬉しいね!花丸ちゃん!」

 

 「マリー!」

 

 「Yes!」

 

 抱き合いながら喜ぶ花丸と果南に、ハイタッチを交わす善子と鞠莉。

 

 一年生組と三年生組も、すっかり仲良くなったなぁ・・・

 

 と、そんな皆を何故か複雑そうな表情で見つめるダイヤさん。

 

 あれ・・・?

 

 「やったね!千歌ちゃん!」

 

 「ふふん、言った通りだったでしょ?」

 

 千歌はルビィとハイタッチを交わすと、ダイヤさんにも手を向けた。

 

 「ほら、ダイヤさんも!」

 

 「え、えぇ・・・」

 

 戸惑いながらも、千歌とハイタッチを交わすダイヤさん。

 

 「よーし、今日も練習頑張るぞー!」

 

 「ヨーソロー!」

 

 「地区予選も突破出来るように頑張ろうね!」

 

 「海未先生に、決勝ステージの応援に来てもらおうね!」

 

 盛り上がる皆。

 

 俺も予備予選突破を喜びつつも、様子のおかしいダイヤさんがどうも気になるのだった。




どうも〜、ムッティです。

お待たせしましたが、ようやく本編再開です。

やっとダイヤさん回が書ける・・・

気合い入れて書いていくぞーっ!

・・・えっ、曜ちゃんの誕生日回?

全く書けてないです←

が、頑張ります・・・(震え声)

まぁそれはさておき、今回は希ちゃんが登場しました・・・東條だけに←

出したかったのよ、希ちゃん。

何と言っても作者の推しメンだもの。

なおバストサイズは適当、もとい作者の願望なので悪しからず・・・

エマちゃんに負けたくなかったんや・・・

これからもちょいちょいμ'sメンバーは出していきますので、お楽しみに(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。