これからあの忌々しい夏がやって来るのかと思うと・・・
何で夏なんていう季節があるんだ(´・ω・`)
日曜日・・・
「みんな~、楽しんでる~?」
『イェーイ!』
「次はあっちに移動するから、一列に並んでね~」
『はーい!』
幼稚園児達を誘導する俺。
俺達は曜のアルバイト先である、伊豆・三津シーパラダイスへとやって来ていた。
「へぇ、子供の扱いが上手だね」
「俺も心は子供なんで」
「フフッ、何それ」
クスクス笑う女性。
セミロングの髪を風に靡かせ、懐かしそうな表情で俺を見る。
「それにしても、こんなところで天に会えるなんて思わなかったよ」
「俺だって、ここの館長が三玖さんだなんて思いませんでしたよ」
苦笑する俺。
彼女は上杉三玖さん・・・二乃さんの妹で、四葉さんや五月さんの姉にあたる人物だ。
俺のμ's時代からの知り合いであり、今は何とここの館長を務めているらしい。
曜に紹介された時は、お互いビックリしたもんな・・・
「三玖さん、こっちにいたんですね。それが分かってたら、もっと早く会えたのに」
「私もまさか、天がこっちに来てるとは思わなくて・・・四葉や五月と違ってスクールアイドルに疎いから、Aqoursのことも『曜が所属してるグループ』程度の認識で・・・」
肩を落とす三玖さん。
三玖さんは自分の好きなものにとことん熱中するタイプだから、それ以外のことには本当に疎いんだよなぁ・・・
「館長ー!準備出来ましたー!」
「あっ、行かなきゃ・・・じゃあ天、今日はよろしくね」
「こちらこそ。頑張って働かせてもらいます」
「フフッ、期待してるから」
俺の頭を撫で、その場を立ち去る三玖さん。
すると・・・
「むぅ・・・」
「希ちゃん?」
何故か膨れっ面の希ちゃんが、背後から抱きついてきた。
どうしたんだろう?
「・・・あの美人な館長さん、知り合いやったんやね?」
「まぁね。四葉さんのお姉さんだし」
「四葉さんはウチも知ってるし、二乃さんや五月さんとも面識はあるけど・・・あの館長さんのことは知らなかったよ?」
「あぁ、皆は会ったことないんだっけ」
お店に遊びに行って知り合った二乃さんや五月さんと違って、三玖さんとは四葉さんの紹介で知り合ったもんな・・・
水族館で働いているとは聞いてたけど、まさかここの館長をやっていたとは・・・
「ウチの知らないところで、綺麗なお姉さんの知り合いを着々と増やしてたんやね」
「希ちゃんだって『綺麗なお姉さん』だろうに」
「・・・バカ」
ちょっと顔が赤くなる希ちゃん。
照れる希ちゃんって新鮮だなぁ・・・
「ところで、果南と鞠莉はどこへ行ったの?さっきまで一緒に誘導係をやってたはずなんだけど・・・」
「あぁ、あの二人ならあそこやね」
希ちゃんが指差した方向にいたのは・・・
「きゅー!」
「アッハッハッ!」
ステージ上でアザラシのモノマネをしている鞠莉と、それに爆笑している果南だった。
「“羊肉ショ●ト”!」
「「ぐはぁっ!?」」
ステージ周りの水の中に蹴り落としてやった。
何やってんだコイツら・・・
「げほっ・・・ごほっ・・・ちょっと天!?いきなり何するのよ!?」
「アザラシなんでしょ?泳いでみろやクソカネモチが」
「何か別のギャグ漫画の話してない!?」
「っていうか、何で鞠莉だけじゃなくて私まで落とされたの!?」
「やかましいんだよ擬人化ワカメが。水中に帰れ」
「酷い!?」
ショックを受けつつも、自力でステージの上に這い上がってくる二人。
当然のごとくビショビショである。
「そんなに濡らしちゃって・・・このド変態共が」
「その言い方止めてくれる!?」
「誰のせいだと思ってるの!?」
ギャーギャー抗議してくる二人。
まぁそれは置いといて・・・
「ところで、ダイヤさんの様子がおかしい理由は分かったの?」
「あぁ、アレねぇ・・・」
「分かったんだけど、そんなに大した理由じゃなかったっていうか・・・」
苦笑する鞠莉と果南。
大した理由じゃなかった・・・?
「どういうこと?」
「天、私達のこと何て呼んでる?」
「『成金』と『ゴリラ』」
「ネタに走らなくていいから!」
「いや、割とこれでも呼んでるよね」
「確かにそうだけども!普段は何て呼んでるかってことよ!」
「普通に『鞠莉』と『果南』じゃん」
「じゃあダイヤは?」
「『ダイヤさん』・・・えっ、まさか・・・」
「そのまさかよ」
溜め息をつく鞠莉。
「一年生組や二年生組も、『鞠莉ちゃん』や『果南ちゃん』に対して『ダイヤさん』でしょ?本人はそこに距離を感じちゃってるのよ」
「それに加えて皆、私達にはタメ口でダイヤには敬語を使うでしょ?それもずいぶん気にしてるみたい」
「・・・そういうことね」
納得する俺。
それで元気が無かったのか・・・
「ウチも気になってたんよ。何で皆ダイヤちゃんには敬語でさん付けなんだろうって」
「俺の場合は出会った時からそうだったからなぁ・・・それに先輩だから、タメ口とか呼び捨ては違うかなって」
「でも幼馴染のマリチはともかく、果南ちゃんにはタメ口で呼び捨てやん」
「果南は俺のペットだから」
「その設定まだ続いてたの!?」
「まぁ冗談はさておき、果南の方からそうしてほしいって言われたんだよ。二年生三人もそうだったんだよね」
そういえば俺、当初は皆にさん付けと敬語を使ってたんだよな・・・
今じゃバリバリ呼び捨て&タメ口だけど。
「とはいえ、ダイヤさんと距離なんかとってないんだけどなぁ・・・」
「私達もそう言ったんだけど・・・ダイヤは自分が怖がられてると思ってるんだよね」
肩をすくめる果南。
メンバーを注意する役目は、基本的にダイヤさんがやってくれることが多い。
俺もそうだが、ダイヤさんの前では皆『ちゃんとしよう』という意識が強くなることは否めない。
それが『怖がられている』と捉えられてしまったのかな・・・
「じゃあダイヤさんは、さん付けと敬語を止めてほしいって思ってるってこと?」
「そうみたい。『ダイヤちゃん』って呼ばれたいんですって」
苦笑する鞠莉。
「だから今日のアルバイトで、皆ともっと距離を縮めなさいって言っておいたわ。今頃奮闘してる頃じゃないかしら」
「奮闘するのは良いんだけど、ダイヤってああ見えてドジなところがあるから・・・気合いが空回りして、変なことにならなきゃいいんだけど・・・」
果南も苦笑いしている。
距離を縮める、ね・・・
「・・・それが簡単に出来たら、苦労しないだろうに」
「え?」
「何でもない」
肩をすくめる俺。
「とりあえず、二人とも着替えてきなよ。ボディラインがくっきり浮き出てる上に、下着が透け透けの状態だから」
「「えぇっ!?」」
自分達の惨状に気付き、慌てて着替えに走る二人。
やれやれ・・・
「・・・じゃ、ダイヤちゃんの様子を見に行こっか」
「・・・そうやって俺の気持ちを察してくれるところ、ホント好き」
「フフッ、ありがと」
微笑みながら俺の手を握る希ちゃんなのだった。
どうも〜、ムッティです。
先日の曜ちゃんの誕生日、従姉の結婚式に出席してきました!
新郎さんの隣にいる従姉は本当に幸せそうで・・・
小さい頃から実の姉のように慕ってきた人なので、良い人に巡り会えて本当に良かったなと思いました。
自分も良い人に巡り会えると良いなぁ・・・
そんなわけで希ちゃんと彼方ちゃん、結婚して下さい←
さてさて、本編では三玖が登場しました!
曜ちゃんの誕生日回を書く前にここで登場させることを決めてたので、向こうは二乃を登場させたんですよね。
まさかのみとしーの館長という設定(笑)
二乃と五月は店長だし、一体この姉妹はどうなっているのか(笑)
残るは一花ですが、果たしてどこで登場するのか・・・
そしてダイヤさんの悩みも明らかに・・・
果たしてどうなるのか・・・
それではまた次回!以上、ムッティでした!