何とか書き上げたんで、許して下さい(土下座)
「そ、天っち!」
「ん?」
登校中に声をかけられる。
振り向くと、何故か愛が顔を赤くして立っていた。
「おぉ、おはよう愛・・・何か顔赤くない?」
「き、今日は暑いねー!」
「むしろ肌寒いんだけど」
「メ、メッチャ晴れてるねー!」
「生憎の曇り空なんだけど」
何か今日の愛、様子がおかしいな・・・
もしかして・・・
「ちょっと失礼」
「ひゃあっ!?」
愛に近付き、おでこをくっつけてみる。
うん、何か熱い気がする。
「愛、ひょっとして熱があるんじゃ・・・」
「だ、大丈夫だからっ!」
慌てて俺から離れる愛。
何か挙動不審だなぁ・・・
「そ、それよりっ!天っちに話があるのっ!」
「何?」
「そ、それは・・・」
「それは?」
「・・・うぅ」
何故か恥ずかしそうに口ごもってしまう愛。
本当にどうしたんだろう・・・
「や、やっぱりここじゃ言えないっ!」
「はい?」
「今日の放課後、屋上に来て!そこで話すから!」
「いや、放課後は同好会の練習が・・・」
「そんなに時間は取らせないからっ!待ってるからねっ!」
それだけ言うと、愛は慌てて走り去ってしまった。
「・・・何なのあの子」
首を傾げる俺なのだった。
*****
《愛視点》
「じゃあ、天さんを屋上に呼び出すことには成功したんだね」
「やるじゃない、愛」
「うぅ、恥ずかし過ぎて死ぬかと思った・・・」
机に突っ伏すアタシ。
昼休み、アタシは学食でりなりーや果林と昼ご飯を食べていた。
「どうしよう・・・絶対おかしい子だと思われたよ・・・」
「はい璃奈ちゃん、あーん」
「あーん・・・うん、なかなかイケる」
「そこ!愛さんが悶え苦しんでる時にイチャイチャしない!」
「愛さんが悶え苦しんでいるのを見ながら食べるご飯は美味しい」
「りなりー!?何てこと言うの!?」
「人の不幸は蜜の味ってやつね」
「果林まで!?」
くっ、他人事だと思って・・・!
「フフッ、何だかんだで愛も乙女だったのね」
面白そうに笑う果林。
「天への恋心に翻弄されちゃって・・・可愛いんだから♪」
「面白がらないでよぉ・・・」
再び机に突っ伏すアタシ。
果林の言う通り、アタシは天っちに恋をしてしまったのだ。
その恋心に、自分でもビックリするくらい振り回されてしまっている。
うぅ、自分が自分じゃないみたい・・・
「でも、あとは簡単。屋上へやって来た天さんに告白するだけ」
「簡単じゃないよ!?それが一番難しいんだってば!?」
「『好きです。付き合って下さい』・・・うん、三秒あれば余裕」
「それが言えたら苦労しないんだけど!?」
「愛さんはチキン。ケン●ッキーでバイトしたら良い」
「喧嘩売ってる!?そしてケ●タッキーをバカにしてる!?」
「ケンタ●キーはバカにしてない。愛さんをバカにしてる」
「表出ろやゴラァ!」
「はいはい、落ち着きなさい」
呆れた表情の果林に宥められる。
「仕方ないわね。私が絶対に成功する告白方法を伝授してあげるわ」
「マジで!?教えて教えて!」
流石は果林!大人の女性は一味違う!
「よく聞きなさい。まずはそっと相手の手を掴むの。右でも左でも構わないわ」
「ふむふむ」
「次にその手を自分の胸元に持っていって・・・おっぱいを揉ませなさい」
「何言ってんの!?」
果林に期待したアタシがバカだった!
完全に痴女路線に走ったよこの子!
「そして上目遣いでこう言うの。『バラされたくなかったら付き合いなさい』ってね」
「ただの脅しじゃん!?」
「これなら絶対に成功するわ」
「だろうね!断るっていう選択肢が潰されてるからね!」
「相手に言うことを聞かせたい時は、弱味を握るのが一番よ」
「最低な発言してるけど大丈夫!?」
汚い!大人って汚い!
「まぁ冗談はさておき、自分の気持ちはちゃんと伝えなさい」
真剣な表情になる果林。
「いつまでもうじうじしてるのは、愛らしくないわよ。ここまで来たら、覚悟を決めてぶつかるしかないんだから」
「それはそうだけど・・・」
それでも、アタシは怖い・・・
天っちにフラれて気まずくなって、今までみたいに仲良しでいられなくなったら・・・
「大丈夫。どんな答えにせよ、天さんは愛さんの気持ちをちゃんと受け止めてくれる」
りなりーが優しく手を握ってくれる。
「愛さんが好きになった天さんを、信じてあげて」
「りなりー・・・」
そうだよね・・・
まずアタシが天っちを信じなきゃダメだよね・・・
「・・・ありがとう、二人とも。気持ち、ちゃんと伝えてくる」
腹をくくるアタシなのだった。
*****
《愛視点》
「うぅ・・・緊張する・・・」
放課後、屋上で天っちを待つアタシ。
腹をくくったとはいえ、緊張するものは緊張するのだ。
あぁ、落ち着かない・・・
「深呼吸してみるか・・・」
「愛の呼吸、壱の型」
「いやそれ全集中の呼吸・・・って天っち!?」
いつの間にか、アタシの後ろに天っちが立っていた。
「ちーっす!」
「ちょっと!?愛さんの挨拶パクんないでよ!?」
「ちょりーっす!」
「その挨拶もダメ!色々問題あるから!」
「わがままだなぁ・・・こうなったら、こっちも事務所総出でやりますね」
「その発言がダメだって言ってるんだけど!?蒸し返さないであげて!?」
「はいはい・・・それで、話って何?タピオカ店でも始めるの?」
「だから蒸し返すなって言ってんでしょうがあああああっ!?」
何でこの子は際どいラインを超えようとするの!?バカなの!?
「アハハ、やっと愛らしくなった」
「え・・・?」
キョトンとするアタシに、天っちは笑いながら言葉を続ける。
「しおらしい愛も悪くないけど・・・やっぱり、元気で明るい愛が俺は好きだよ」
「っ!?」
一気に顔が赤くなってしまう。
何でこういうセリフをサラッと言えるのかなぁ・・・
「あれ、照れてる?」
「て、照れてないしっ!」
「え~?ホントに~?」
「ニヤニヤしないっ!あと顔近いからっ!」
「良いではないか~」
恥ずかしがる様子も無い天っち。
むぅ、アタシだけ意識してるのがバカみたいじゃんか・・・
よし、こうなったら・・・
「えいっ!」
「っ!?」
天っちの手を掴み、思いっきり自分の胸に押し当てる。
天っちの手は、アタシの胸を触っている状態だった。
「ちょ、愛!?何してんの!?」
「そ、天っちがいけないんだからね!?」
「何が!?ってか離してくんない!?」
「愛さんのおっぱいじゃ満足出来ないの!?」
「はい!?」
「そりゃ三年生組には及ばないけどさ!愛さんだって大きいんだから!」
「分かったってば!?良いから手を離して!?」
「ダメ!離さない!」
「何で!?」
「離してほしかったら・・・愛さんと付き合いなさい!」
遂に言ってしまった。
それを聞いた瞬間、天っちの動きがピタリと止まる。
「い、今何て・・・?」
「愛さんはね、天っちに惚れちゃったんだよ」
開き直ったアタシは、思いの丈をぶつけることにした。
「はっちゃけたい時は一緒にバカ騒ぎしてくれて、悩んでる時はそっと寄り添ってくれて、全力で打ち込みたい時は強く背中を押してくれて・・・そんな天っちを、愛さんは好きになっちゃったんだよ」
「愛・・・」
「好きで好きでたまらなくて、胸がドキドキして・・・こんな気持ち初めてなの。こんなに誰かを好きになるなんて、思いもしなかった」
天っちの肩に、コテッとおでこをぶつける。
「好きだよ、天っち・・・大好き」
自分の気持ち、正直に言っちゃったなぁ・・・
もしこれで天っちにフラれて、今までみたいな関係でいられなくなったら・・・
「・・・ありがとう」
「っ・・・」
天っちが優しく抱き締めてくれる。
「そんなストレートに好意をぶつけられるなんて、思ってもみなかったから・・・ちょっと照れ臭いけど、嬉しいよ」
「天っち・・・」
「愛が本心を話してくれたんだから、俺もちゃんと話さないとね」
アタシの目を見つめる天っち。
そして・・・
「俺も好きだよ、愛」
「っ!」
「元気で明るくて、一緒にいると楽しくて・・・落ち込んでる時とか体調が悪い時は、いつも本気で心配してくれて・・・そんな優しい愛を、俺は好きになったんだよ」
微笑む天っち。
「俺で良かったら・・・付き合ってくれる?」
「っ・・・うんっ」
微笑み返すアタシ。
涙で視界が滲んでいた。
「愛さんを・・・天っちの彼女にしてほしい」
「喜んで」
抱き締め合うアタシ達。
幸せ過ぎておかしくなりそう・・・
「ねぇ、天っち・・・愛してるよ」
「愛だけに?」
「茶化さないの。愛さんは本気なんだから」
「ゴメンゴメン」
天っちは苦笑しながら謝ると、アタシの涙を指で拭ってくれた。
「ほら、泣かないで。俺は愛の笑顔が好きなんだから」
「アハハ、よくそういうセリフを平気で言えるよね」
思わず笑みが零れる。
まぁ、こういうところが天っちらしいんだけどね。
「・・・隙ありっ」
「っ!?」
悔しいので、天っちの唇を奪う。
顔を真っ赤にする天っちを見て、悪戯っぽく笑うアタシなのだった。
「フフッ・・・愛してるぞ、天っち!愛だけにっ!」
ちーっす!ムッティです!
遅くなったけど愛ちゃん、誕生日おめでとう!
いつもは元気いっぱいな愛ちゃんが、好きな子の前ではしおらしくなってしまう・・・
そんなシーンを書きたかったので、今回は天への恋心に翻弄される愛ちゃんを書いてみました。
その結果、誕生日に間に合わないっていう・・・
本当に申し訳ない(´・ω・`)
そのお詫びというわけでもありませんが、ずっと書けていなかったエマちゃんの誕生日回も書きました!
明日投稿予定ですので、読んでいただけると幸いです(^^)
それではまた次回!以上、ムッティでした!