絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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間に合わなくてすみませんでしたあああああっ!!!!!(スライディング土下座)


【小原鞠莉】唯一無二の存在

 「今日も雨かぁ・・・」

 

 窓の外を見ながら、溜め息をつく俺。

 

 先日梅雨入りしてからというもの、しばらく雨の日が続いていた。

 

 雨が降っていると屋上が使えない為、Aqoursの練習も休みとなる。

 

 そんなわけで今日も練習は中止となり、こうして早めに帰宅したのだが・・・

 

 「暇だなぁ・・・」

 

 正直やることも無いし、何より身体を動かしたい気分だった。

 

 しかしこうして雨が降っていては、外で遊ぶことも出来ない。

 

 さて、どうしよう・・・

 

 「とりあえず、勉強でもするかな・・・」

 

 「天は真面目ねー。まるでダイヤみたい」

 

 「いや、ダイヤさんほどじゃ・・・ん?」

 

 自然にそう返してしまってから、ふと声がした方を振り向くと・・・

 

 「チャオ♪」

 

 いつの間にか、鞠莉が俺の隣でにこやかに手を振っていた。

 

 「ピッ・・・もしもし、警察ですか?」

 

 「ちょっと!?何で通報してるの!?」

 

 「自宅に不法侵入者がいます。住居侵入罪で捕まえて下さい」

 

 「ゴメンって!?勝手に入ったのは謝るから!」

 

 「金髪の独特な髪型が特徴的で、恐らく『ONE P●ECE』のMr.3をリスペクトしているものと思われます」

 

 「いや違うから!それでこんな髪型にしてるわけじゃないから!」

 

 「あと、おっぱいがやたら大きいです。いやらしく強調して見せつけてくるので、公然猥褻罪でも捕まえて下さい」

 

 「別に強調はしてないわよ!?逆にセクハラで訴えても良い!?」

 

 「おぉ、まさか鞠莉が果南みたいなセリフを言うとは・・・歩くセクハラのくせに」

 

 「酷い!?」

 

 ショックを受ける鞠莉。

 

 まぁ冗談はさておき・・・

 

 「鍵は閉めてたはずなんだけど、どうやって入ったの?」

 

 「この家の所有権は小原家にあるのよ?合鍵くらい持ってるわ」

 

 「俺のプライバシーはどこへ行ったの?」

 

 「緊急事態でもないかぎり使うことはないから、安心してちょうだい」

 

 「緊急事態でもないのに使った人に言われても、安心出来ないんだけど」

 

 「マリーは特別だから」

 

 「特別な変態?」

 

 「変態は余計よ!?」

 

 鞠莉のツッコミ。

 

 やれやれ、鞠莉にも困ったもんだ・・・

 

 「それで?何かあったん?」

 

 「雨で暇だから遊びに来ちゃった♪」

 

 「鞠莉大好き」

 

 「キャッ♡天ってば大胆♡」

 

 思わず鞠莉に抱きつく。

 

 流石は俺の幼馴染、思いは一つだったらしい。

 

 「外で身体を動かすことも出来ないし、退屈よねぇ」

 

 「それな」

 

 頭を撫でてもらいながら、鞠莉の言葉に頷く俺。

 

 ホント、この退屈な時間をどうしたものか・・・

 

 「そこで提案なんだけど、今からマリーの家に遊びに来ない?」

 

 「鞠莉の家に?」

 

 「えぇ、とっておきの遊び場があるのよ。ついでに泊まっていってちょうだい」

 

 「天使・・・いや、女神か・・・」

 

 「フフッ、結婚したい?」

 

 「あ、結構です」

 

 「何でよ!?そこは『結婚しよ』っていう場面でしょうが!」

 

 「俺はラ●ナーじゃないし、鞠莉はク●スタじゃないでしょ」

 

 「同じ金髪だもん!あと、クリ●タじゃなくてヒス●リアだから!」

 

 「同じ金髪だから何だよっていう話なんだけど・・・あとそれはネタバレになりかねないから、あんまり訂正しないで」

 

 俺は苦笑しながらツッコミを入れると、頬を膨らませて拗ねている鞠莉の頭を撫でた。

 

 「まぁ、鞠莉みたいな人と結婚出来たら良いな・・・とは思うけどね」

 

 「っ・・・」

 

 顔を赤くする鞠莉なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「シャイニーッ!」

 

 「うおっ!?」

 

 鞠莉のスマッシュが決まり、ピンポン球が俺のラケットの先を通り過ぎる。

 

 俺と鞠莉は今、卓球で勝負していた。

 

 「強いね、鞠莉」

 

 「Of course!体育の授業じゃ、マリーの相手になるのは果南かダイヤくらいよ!」

 

 「果南はともかく、ダイヤさんも?」

 

 「ダイヤはああ見えて、結構運動神経良いのよ?テニスや卓球みたいなラケットを使うスポーツなら、マリーや果南よりダイヤの方が上なんじゃないかしら」

 

 「マジでか」

 

 ダイヤさんの意外な一面を知ったな・・・

 

 「意外って言えば、ここも意外なんだよなぁ・・・」

 

 周りを見回す俺。

 

 俺と鞠莉がいるのは、まるで体育館のような仕様の場所だった。

 

 ホテルオハラの地下にある場所で、小原家専用のスペースらしい。

 

 その無駄に広いスペースの中心に卓球台を広げ、俺達は卓球を楽しんでいるのだった。

 

 「まさか地下にこんな場所があったとは・・・」

 

 「普段はスタッフのレクリエーションなんかで使ってるわ。スタッフ同士の交流を深めてもらう為に、定期的にスポーツ大会を開いたりしてるのよ」

 

 「何その楽しそうなイベント」

 

 「賞金や景品も出るから、スタッフ達は本気で熱いバトルを繰り広げてるわね」

 

 「・・・俺、鞠莉のお父さんの会社に就職しようかな」

 

 「マリーと結婚すれば就職は勿論、次期社長候補になれるけど?」

 

 「あ、結構です」

 

 「だから何でよ!?」

 

 「隙あり!」

 

 「あぁっ!?」

 

 俺のサーブが決まる。

 

 よし、点を取り返したぜ。

 

 「ちょ、今のずるくない!?」

 

 「鞠莉に比べたらずるくないわ」

 

 「What!?マリーのどこがずるいって言うの!?」

 

 「そんな胸元の緩い服を着て、谷間をガッツリ見せて誘惑してくるなんて・・・鞠莉にスポーツマンとしての心は無いのか!」

 

 「誘惑してないしスポーツマンでもないんだけど!?っていうかどこ見てんのよ!?」

 

 「うわ、そのネタ懐かしい・・・分かる人いるかな?」

 

 「青木さ●かのネタをやったわけじゃないから!」

 

 鞠莉のツッコミが止まらない。

 

 やれやれ・・・

 

 「かかってこいや、アメリカかぶれ。そんな独特なサイドテール、ことりちゃんだけで十分なんだよ」

 

 「あっ、ことりの髪型も独特だとは思ってるのね・・・」

 

 「良いんだよ独特でも。ことりちゃんはどんな髪型でも可愛いんだから」

 

 「坊主でも?」

 

 「週刊誌に写真を撮られて坊主にしたアイドルの話は止めなさい!」

 

 「そんな具体的なこと一言も言ってないわよ!?」

 

 そういえば、つい最近グループを卒業したんだよな・・・

 

 本当にお疲れ様でした。

 

 「そんなわけで鞠莉、俺に負けたら坊主ね」

 

 「どんなわけよ!?嫌に決まってるでしょ!?」

 

 「じゃあ坊主以外で、俺が指定した髪型にしてもらおうか」

 

 「・・・まぁ良いわ。髪を切ったりするのは無しよ?」

 

 「そんなことするわけないじゃん。何言ってんの?」

 

 「さっき坊主にしろって言ったのを忘れたの!?」

 

 ツッコミを入れつつ、サーブを打ってくる鞠莉。

 

 フッ、甘いな・・・

 

 「坊主の呼吸、壱の型・・・」

 

 「何で坊主じゃない人が坊主の呼吸使ってるの!?」

 

 「“終完分瞬”!」

 

 「漢字が違うだけで読み方は一緒でしょうが!」

 

 ツッコミも虚しく、鞠莉のラケットが空を切る。

 

 よし、一点追加。

 

 「さぁ、センテンスなスプリングを始めようか」

 

 「それは別の人の事件よねぇ!?」

 

 ツッコミが止まらない鞠莉なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 《鞠莉視点》

 

 「はい、出来た」

 

 「相変わらず手慣れてるわねぇ」

 

 思わず感心してしまう私。

 

 私達は今、ホテルオハラの最上階にある私の部屋へとやって来ていた。

 

 勝負に勝った天が、私を好きな髪型にする為だ。

 

 その髪型というのは・・・

 

 「ポニーテール・・・本当に絵里のことが好きなのね」

 

 「否定はしないけど、シスコンみたいな言い方止めてくんない?」

 

 「実際シスコンじゃない」

 

 「髪は女の命・・・そして今、鞠莉の髪は俺が握っている・・・」

 

 「すいませんでした!」

 

 全力で謝る私。

 

 危なかったわ・・・

 

 「絵里姉で見慣れてるっていうのもあるけど、ポニーテール好きなんだよね。女の子がポニーテールにしてると、可愛いなって思うもん」

 

 「あら、じゃあ果南のことも?」

 

 「勿論。まぁ果南は普段からポニーテールだから、逆に他の髪型も見てみたいけどね。髪を下ろしてる姿を見た時は、ちょっとドキッとしちゃったよ」

 

 「ふぅん・・・今度髪を下ろしてみようかしら・・・」

 

 「ん?何か言った?」

 

 「何でもありまセーン」

 

 はぐらかす私。

 

 全く、天ってば鈍感なんだから・・・

 

 「でも鞠莉、ポニーテール似合ってるよ。凄く可愛いと思う」

 

 「っ・・・そ、そうかしら・・・?」

 

 「うん、たまにはこういう髪型にしてみても良いんじゃないかな?」

 

 「そ、天がそう言うなら・・・」。

 

 もう、何でそういうことはサラッと言えるのよ・・・

 

 聞いてるこっちが恥ずかしいじゃない・・・

 

 とっても嬉しいけど。

 

 「・・・ハハッ」

 

 「天?」

 

 「あぁ、ゴメンゴメン。ちょっと思い出しちゃって」

 

 急に笑い出す天。

 

 どうしたのかしら?

 

 「小さい頃、こうやって鞠莉の髪をいじったことがあったじゃん」

 

 「そういえばそうね」

 

 「鞠莉ってば『髪は女の命デース!天はマリーの旦那になる男だから、特別に触ることを許可しマース!』とか言っててさ」

 

 「フフッ、覚えてるわ」

 

 私もつい笑ってしまう。

 

 我ながら上から目線なセリフだと思うし、天と結婚する気満々だったなと思う。

 

 「・・・今も変わらないけどね」

 

 「鞠莉?」

 

 「今も変わらないって言ったのよ」

 

 首を傾げる天に、今度ははぐらかさずちゃんと伝える。

 

 「マリーが髪を触らせる男なんて、天しかいないんだから。マリーにとって、天は特別な人・・・唯一無二の存在なの」

 

 真っ直ぐ天を見つめる。

 

 自分の気持ちを、しっかりと伝えられるように。

 

 「大好きよ、天・・・旦那にするなら、嫁になるなら・・・天しか考えられない」

 

 「鞠莉・・・」

 

 呆然としている天。

 

 その時・・・

 

 

 

 

 

 ゴーン・・・ゴーン・・・

 

 

 

 

 

 部屋に置いてある時計の鐘の音が鳴り響く。

 

 日付が変わり、六月十三日になったのだ。

 

 つまり今日は・・・

 

 「・・・誕生日おめでとう、鞠莉」

 

 微笑む天。

 

 そう、私の十八歳の誕生日・・・

 

 まさか告白の真っ最中に迎えることになるなんてね・・・

 

 「誕生日プレゼント、渡さないとね」

 

 「・・・じゃあ天をちょうだい」

 

 「アハハ、そうきたか」

 

 天は面白そうに笑うと・・・おもむろに両腕を広げた。

 

 「俺で良ければ・・・喜んで」

 

 「っ!」

 

 勢いよく天の腕の中に飛び込み、天の身体を強く抱き締める。

 

 「あーあ、鞠莉のモノになっちゃった」

 

 「不満なの?」

 

 「まさか」

 

 抱き締め返してくれる天。

 

 「好きな人と一緒になれるんだもん。不満なんか無いよ」

 

 「・・・じゃあ、ちゃんと『好き』って言って」

 

 「・・・好きだよ、鞠莉」

 

 「っ・・・」

 

 耳まで赤くなるのが、自分でもよく分かる。

 

 好きな人に『好き』って言われるだけで、こんなにドキドキするなんて・・・

 

 「ずっと大切にしてね。永久保証の俺だから」

 

 「どこの西野●ナ!?しかもそれ女の子側のセリフじゃないの!?」

 

 「ほら、俺は養ってもらう側の人間だから」

 

 「ヒモになる気満々!?」

 

 思わずツッコミを入れてしまう。

 

 もう、こんな時まで・・・ってあれ?

 

 「天?」

 

 「ん?何?」

 

 「何でこんなに心臓バクバクなの?」

 

 「・・・言わせないでよ」

 

 視線を逸らす天。

 

 抱き合っているからこそ分かる、今の天の状態・・・

 

 もしかして・・・

 

 「天もドキドキしてるの?」

 

 「だから言わせないでってば・・・」

 

 「そっかそっかぁ・・・ふ~ん?」

 

 「な、何そのニヤニヤ顔・・・」

 

 「別に~?可愛いなんて思ってないわよ~?」

 

 「うわ、うざっ・・・」

 

 「ちょっと!?嫁に向かって何てこと言うの!?」

 

 「結婚してないし!まだ嫁じゃないし!」

 

 「ゆくゆくは結婚するんだから良いでしょ!?浮気したら承知しないんだから!」

 

 「するわけないじゃん!?旦那を信じられないの!?」

 

 「じゃあ果南に『おっぱい揉んで良いよ?』って言われたらどうするのよ!?」

 

 「揉む」

 

 「即答!?完全にアウトでしょうが!」

 

 「『揉んで良い』って言うなら揉むのが礼儀でしょうが!」

 

 「どんな礼儀!?だったらマリーのおっぱいを揉んで良いわよ!」

 

 「うわ、痴女かよ」

 

 「礼儀はどこへいったの!?」

 

 ギャーギャー言い合う私達。

 

 全く、天ときたら・・・

 

 でも・・・

 

 「・・・フフッ」

 

 つい笑ってしまった私は、天の胸に顔を埋めた。

 

 「ねぇ、天・・・マリー、今とっても幸せ」

 

 「鞠莉・・・」

 

 「好きな人と想いが通じ合うって、こんなにも幸せなことなんだって・・・今、凄く実感してる」

 

 天を見つめる私。

 

 「マリーの想いに応えてくれて・・・ありがとう」

 

 「・・・こちらこそ」

 

 微笑む天。

 

 「好きになってくれて・・・ありがとう」

 

 やがて私達の顔がゆっくりと近付き・・・そのままゼロになる。

 

 「「っ・・・」」

 

 顔を離した私達だったが、物足りなくて再び唇を重ねる。

 

 何度も何度も・・・

 

 「っ・・・ねぇ、天・・・マリーのおっぱい、本当に揉んで良いのよ・・・?」

 

 「っ・・・本当に理性が崩壊するんだけど・・・」

 

 「えいっ」

 

 「ちょっ・・・あっ・・・!」

 

 「・・・やんっ♡」

 

 そこから先のことは、あまりよく覚えていないけれど・・・

 

 幸せに溺れた夜を過ごしたことだけは、しっかり覚えている私なのだった。




シャイニー☆ムッティです☆

遅くなったけど鞠莉ちゃん、誕生日おめでとう!

今回も間に合わなかったぜ・・・

っていうか、鞠莉ちゃんのソロアルバムのジャケット見ました?

鞠莉ちゃん、美しすぎません?

そしてあいにゃの歌の上手さよ。

ちなみに最近『えとにゃんらん』メッチャ聴いてます。

YouTubeであいにゃが踊ってる動画がアップされてましたけど、もう可愛すぎて・・・

鞠莉ちゃんもあいにゃも大好きです(^^)

さてさて、次回は果林ちゃんの誕生日回かな?

クールビューティー果林先輩を、天にゾッコンな女の子にしてやりたい(願望)

お楽しみに(・ω・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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