絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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長らくの失踪、本当に申し訳ありませんでした(土下座)

本編ではありませんが、果林ちゃんの短編をお送り致します。

ニジガクのアニメ二期で卒業を寂しがる果林ちゃんを見て、『こんな話を書きたい!』と思って書いたものです。

それではいってみよー!


【朝香果林】一生の付き合い

 「果林ちゃんの様子がおかしい?」

 

 首を傾げるエマ。

 

 ある日の昼休み、俺は彼方やエマと一緒に学食で昼食を食べていた。

 

 ちなみに果林はライブが近い為、昼食もそこそこに部室へ練習に行っていた。

 

 「そうなんだよ。ここ最近、何か思いつめてるっていうかさ」

 

 「何だろう・・・ダイエットのせいでお腹空いてるのかな?」

 

 「エマの脳みそってパンで出来てんの?」

 

 「酷くない!?」

 

 ショックを受けるエマ。

 

 食欲と発育の怪物に聞いたのが間違いだった・・・

 

 「まぁ、心当たりはあるかな~」

 

 俺達のやりとりに苦笑しつつ、顎に手をやる彼方。

 

 「何だかんだ言って、二人も心当たりあるんじゃないの~?」

 

 「・・・そりゃまぁ」

 

 「意識する時期だもんねぇ・・・」

 

 表情が曇る俺とエマ。

 

 既に十二月に入り、季節はすっかり冬となっている。

 

 この冬が明け、春になってしまえば・・・

 

 「卒業、か・・・」

 

 溜め息をつく俺。

 

 三月になれば、俺達三年生は卒業・・・

 

 果林がそれを寂しがっていることくらい、皆最初から分かっていた。

 

 「こ~ら、天くんまで落ち込まないの~」

 

 彼方が両手で俺の両頬を挟む。

 

 「果林ちゃんを元気付けたいんでしょ~?天くんがそんな顔してちゃ、メッ!だよ~」

 

 「・・・ゴメン」

 

 果林だけじゃない。

 

 俺も彼方もエマも、本当は凄く寂しい。

 

 それでも・・・

 

 「・・・果林のあんな顔、見たくない。果林には、心から笑っててほしい」

 

 「フフッ、よく言えました♪」

 

 俺の頭を撫でるエマ。

 

 「果林ちゃんに伝えよう?私達の気持ちを」

 

 「・・・うん」

 

 頷く俺なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 《果林視点》

 

 「・・・ハァ」

 

 溜め息をつく私。

 

 放課後の練習も終わり、職員室へ行った天の帰りを部室で待つ。

 

 その間、私の頭の中を占めていたのは・・・

 

 「・・・もうすぐ、終わっちゃうのね」

 

 部室を見渡す私。

 

 卒業すれば、もうこの部室でスクールアイドルの練習をすることもない。

 

 同好会の皆と、ここで一緒に過ごすこともない。

 

 それがたまらなく寂しかった。

 

 「・・・留年しちゃおうかしら」

 

 「縁起でもないこと言わない」

 

 「あたっ!?」

 

 頭を小突かれる。

 

 見上げると、天が呆れた顔をして立っていた。

 

 「天!?いつからいたの!?」

 

 「『・・・ハァ』から」

 

 「最初からじゃない!?いつの間に部室に入ってきたのよ!?」

 

 「普通に入ってきたよ。まぁどこかの誰かさんはボーっとしてて、全然気付いてくれなかったけど」

 

 「うぐっ・・・」

 

 言葉に詰まる私。

 

 天は溜め息をつくと、私の隣に腰を下ろした。

 

 「留年したって、いつかはここを去らなきゃいけないのは変わらないよ。それが早いか遅いかだけの違いなんだから」

 

 「・・・分かってるわよ」

 

 「あとかすみに『果林せんぱぁい、留年ですかぁ?』って煽られるよ」

 

 「絶対卒業するわ」

 

 あの子が絶対に言いそうなセリフが脳内再生され、思わず顔を顰める。

 

 それを見て、天がクスクス笑っていた。

 

 「ホント、果林は負けず嫌いだねぇ」

 

 「面倒くさい女で悪かったわね」

 

 「うん、ホント面倒くさい」

 

 「そこは否定しなさいよ!?これでも貴方の彼女なのよ!?」

 

 「知ってるよ」

 

 笑いながら私の頭を撫でる天。

 

 「そんな果林のことを、俺は好きになったから」

 

 「っ・・・」

 

 この男はホント・・・

 

 何でそういうセリフをサラッと言えるのかしら・・・

 

 こっちの顔が赤くなりそうになっていると、突然天が私を抱き寄せた。

 

 「ちょ、天!?」

 

 「・・・俺もね、ホントは寂しいよ」

 

 ポツリと呟く天。

 

 「かすみをからかえなくなるのも、しずくのお芝居に付き合えなくなるのも、璃奈の璃奈ちゃんボード作りを手伝えなくなるのも、栞子の仕事を手伝えなくなるのも・・・凄く寂しい」

 

 「天・・・」

 

 「侑のひたむきに突っ走る姿を見れなくなるのも、そんな侑を見守る歩夢の優しい顔を見れなくなるのも、愛のダジャレを聞けなくなるのも、せつ菜とアニメ話で盛り上がれなくなるのも、ランジュのワガママに付き合えなくなるのも・・・凄く寂しい」

 

 天の言葉からは、仲間達への愛が溢れていた。

 

 「ミアとハンバーガーを食べに行けなくなるのも、エマの美味しそうに食べる姿を見れなくなるのも、彼方の幸せそうに昼寝する姿を見れなくなるのも・・・凄く寂しい」

 

 そう言うと、天が私の方を見た。

 

 「それに・・・果林のスクールアイドル姿を見れなくなるのも、凄く寂しい」

 

 「っ・・・」

 

 「でも、寂しいことばかりじゃないよ」

 

 微笑む天。

 

 「大学生活は少し不安だけど・・・果林が一緒だから。凄く楽しみにしてるんだ、俺」

 

 「天・・・」

 

 「それに・・・ここに来れば、また皆に会えるから」

 

 部室を見渡す天。

 

 「これで終わりじゃない。サヨナラじゃない。だから・・・」

 

 天が私の頬に手を当てる。

 

 「そんな悲しそうな顔しないでよ。俺まで悲しくなっちゃう」

 

 「・・・ごめんなさい」

 

 気付けば涙が溢れていた。

 

 天の手をギュッと握る。

 

 「そうよね・・・これで終わりじゃないのよね・・・サヨナラじゃないのよね・・・」

 

 「当たり前でしょ」

 

 あやすように、背中を優しく叩いてくれる天。

 

 「だから俺達は、胸を張って笑顔で卒業しよう。最後くらい、後輩達に先輩のカッコいいところ見せなくちゃ」

 

 「フフッ・・・そうね」

 

 涙を拭う私。

 

 「それを言ったら、私は天の方が心配よ。貴方絶対卒業式で泣くでしょ」

 

 「それは否定出来ないかなぁ・・・まぁエマと彼方の方が泣きそうだけど」

 

 「それは心外だなぁ」

 

 「彼方ちゃん、こう見えても結構強い子なんだぜ~」

 

 「っ!?」

 

 慌てて振り向くと、エマと彼方が笑いながら立っていた。

 

 「二人とも!?いつからいたの!?」

 

 「『・・・ハァ』から」

 

 「まさかの最初から!?」

 

 「フッフッフ~、天くんと一緒に入ってきたのだ~♪」

 

 「・・・そ~ら~?」

 

 「ドッキリ大成功!」

 

 「それで済むかぁっ!」

 

 「ぎゃあっ!?」

 

 「あっ、果林ちゃんが天くんを押し倒した!?」

 

 「果林ちゃん、ここでR-18展開はマズいんじゃないの~?」

 

 「違うわよ!?」

 

 「キャーッ、果林に襲われるぅ!」

 

 「天は人聞きの悪いこと言わないのっ!」

 

 「よ~し、彼方ちゃんも天くんを襲っちゃうぞ~」

 

 「何でそうなるのよ!?」

 

 「じゃあ私は果林ちゃんを襲っちゃうぞ~!」

 

 「エマまで!?」

 

 彼方が天に抱きつき、エマが私に抱きついてくる。

 

 何なのよもう・・・

 

 「あとは~・・・」

 

 「こうしよっか!」

 

 「うわっ!?」

 

 「きゃあっ!?」

 

 彼方が天の背中を、エマが私の背中を押す。

 

 私と天が再びくっつき、四人で抱き合う形になった。

 

 「ちょ、何するのよ!?」

 

 「フフッ、良いではないか~」

 

 「天くんも幸せそうな顔してるしね」

 

 「あぁ、ここが天国か・・・」

 

 「彼女の前で鼻の下伸ばしてるんじゃないわよ!?」

 

 全く、天ときたら・・・

 

 「・・・ハハッ」

 

 「天・・・?」

 

 不意に笑う天。

 

 どうしたのかしら・・・?

 

 「ホント・・・幸せ者だよ、俺は」

 

 「あら、そんなに女の子の身体を堪能出来ることが幸せなのかしら?」

 

 「それは間違いない」

 

 「断言したわね・・・」

 

 「天くんはブレないね~・・・」

 

 「いっそ清々しいよね・・・」

 

 彼方とエマも苦笑している。

 

 やれやれだわ・・・

 

 「アハハ、まぁそれもそうなんだけど・・・出会いに恵まれたな、と思ってさ」

 

 笑う天。

 

 「果林がいて、彼方がいて、エマがいて・・・三人が同級生で、本当に良かった」

 

 「天・・・」

 

 「大好きな彼女ができて、大切な親友が二人もできて・・・幸せだよ、俺は」

 

 私達を抱き締める天。

 

 「果林、彼方、エマ・・・ありがとう」

 

 「っ・・・」

 

 「も~・・・天くんはズルいな~・・・ぐすっ」

 

 「まだ卒業式じゃないのに・・・うぅ・・・」

 

 涙ぐむ私達。

 

 ホント、ズルいんだから・・・

 

 「・・・卒業で終わりじゃない。俺達はこれから、一生の付き合いになるんだから。寂しがることもないでしょ」

 

 「フフッ・・・それもそうね」

 

 「エマちゃん聞いた~?天くんがしれっと果林ちゃんにプロポーズしたぜ~?」

 

 「勿論♪果林ちゃんのOKの返事までバッチリ聞いちゃった♪」

 

 「プ、プロポーズ!?」

 

 「いや、その・・・間違ってはいない、かな・・・」

 

 珍しく照れている天。

 

 え、今のプロポーズだったの!?

 

 「まぁ、ちゃんとしたプロポーズはまたするけど・・・俺はこの先もずっと、果林と一緒に歩んでいきたいと思ってるよ」

 

 真剣な表情でそう言われ、これ以上ないほど顔が熱くなる私。

 

 そんな私達を見て、彼方とエマがニヤニヤしていた。

 

 「二人が結婚する時は~、彼方ちゃんが盛大にお赤飯を炊いてあげるね~♪」

 

 「天くんと果林ちゃんの子供、抱っこしたいな~♪」

 

 「うぅ・・・」

 

 恥ずかしすぎて顔から火が出そうだった。

 

 でも・・・

 

 「アハハ・・・まぁ先の話だし、ゆっくり考えてくれたらいいから」

 

 苦笑する天の頬を両手で挟む。天がキョトンとした顔をした。

 

 「果林?どうしt・・・んっ!?」

 

 「「おぉ~・・・!」」

 

 天の言葉を遮るようにキスをすると、彼方とエマが感嘆の声を上げていた。

 

 ゆっくり天から離れると、精一杯の言葉を紡ぐ。

 

 「これが私の答えだから・・・その・・・これからも、よろしくね・・・?」

 

 嬉しさと恥ずかしさが混ざり合い、心臓バクバクな私なのだった。




どうも〜、ムッティです。

前書きでも述べましたが、長らく更新が止まってしまってすみませんでした・・・

今年に入ってから一回も更新が無いっていうね・・・

読者の皆さんからは心配の声もいただきまして、本当にありがとうございました。

ご心配おかけしてすみません。

元気に生きてますので大丈夫です(⁠^⁠^⁠)

とりあえず時間がある時にちまちま書いていけたらとは思っていますが、超スローペースになるかもしれません・・・

どうか気長に、温かい目で見守っていただけると幸いです。

これからもこの作品をよろしくお願い致します!

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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