最近メッチャ聴いてます。
翌日・・・
「・・・ん・・・さん・・・天さんっ!」
「へっ?」
生徒会の仕事中、名前を呼ばれてハッと我に返る。顔を上げると、ダイヤさんが心配そうにこちらを見ていた。
「大丈夫ですの?心ここにあらず、といった様子でしたが・・・」
「あぁ、すみません・・・少しボーっとしてました」
ダイヤさんに謝る俺。仕事に集中しないといけないのに・・・
「・・・少し休憩しましょう。今お茶を淹れますわ」
「あ、それなら俺が・・・」
「私がやりますわ」
腰を浮かせた俺を押し留めるダイヤさん。
「いつも天さんに淹れていただいてますから。たまには私にやらせて下さいな」
「・・・すみません。お願いします」
大人しく椅子に座る俺。気を遣わせてしまったな・・・
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
ダイヤさんの淹れてくれたお茶を飲む。少し心が落ち着いた気がした。
「そういえば今日、スクールアイドル部の方で何かあるのですか?ルビィから『今日は帰りが遅くなる』と連絡がありましたが・・・」
「PVを作るそうですよ。内浦の良いところを紹介して、浦の星の入学希望者を増やそうとしてるみたいです」
内浦のことをよく知らない人は多いだろうし、PVを作って内浦のことを知ってもらうというのは良いアイデアだと思う。
内浦のことを知ってもらえれば、浦の星にも興味を持ってもらえるかもしれないし。
「PVですか・・・よく思いつきましたわね」
「海未ちゃんが助言したみたいですよ。当時のμ'sがやっていたことを、千歌さん達に教えたみたいです」
「あぁ、なるほど」
納得するダイヤさん。
スクールアイドル部のメンバーと海未ちゃんの距離は、今日一日でだいぶ縮まっていた。花丸・ルビィ・善子は休み時間になると積極的に質問しに行っていたし、昼休みには千歌さん・曜さん・梨子さんも加わって一緒に昼ご飯を食べたりもした。
海未ちゃんも皆が話しかけてきてくれるのが嬉しかったみたいで、嬉々として質問に答えたりμ'sとして活動していた頃の話をしたりしていた。
「今日一日見てて思いましたけど、海未ちゃんは教師に向いてますね。生徒に対して真摯に向き合ってくれるところとか、海未ちゃんらしいなって思いますもん」
メンタルの弱いところはあるけれど、真っ直ぐで誠実な人・・・それが海未ちゃんだ。きっと良い教師になってくれるだろう。
「ホント・・・俺なんかに構ってないで、素直に音ノ木坂で教育実習を受けさせてもらえば良かったのに・・・」
「・・・園田先生は、天さんを大切に思っていらっしゃるのだと思いますよ」
「え・・・?」
ダイヤさんが優しい表情で俺を見ていた。
「園田先生だって、母校で教育実習を受けることを第一に考えていたと思います。それでも、あえて浦の星を選んだ・・・それは園田先生にとって、天さんの存在が大きかったからではないでしょうか」
「ダイヤさん・・・まさか、海未ちゃんの嘘に気付いて・・・?」
「μ'sは音ノ木坂を救う為に結成されたグループですわよ?それほど音ノ木坂を大切に思われている方が、あのような理由で母校での教育実習を避けるはずありませんわ」
苦笑するダイヤさん。
「それでも園田先生は、母校よりも天さんのいる浦の星を選んだのです。よほど天さんを大切に思っていないかぎり、そんな選択はしませんわ」
「ダイヤさん・・・」
「昨日園田先生と何を話されたのか、一体何があったのか・・・私には分かりません。私に言えることは唯一つ・・・園田先生の気持ちに向き合ってあげて下さい。天さんなら、それが出来るはずですわ」
「・・・はい。ありがとうございます、ダイヤさん」
ホント、この人には敵わないな・・・
優しく微笑むダイヤさんを見て、心からそう思う俺なのだった。
*****
「今日も疲れましたぁ・・・」
ソファにぐでーんと寝そべる海未ちゃん。昨日来たばかりだというのに、もうすっかり我が家のように寛いでいる。
「とても名家の娘とは思えないだらけっぷりだね・・・」
「家でまで肩肘張った生活をしていたら、身体がもちませんから」
苦笑する海未ちゃん。なるほど・・・
そういえば、前に果南さんと名家の娘についての話をしたことがあったな・・・せっかくだし聞いてみるか。
「名家の娘っていえば、ダイヤさんとルビィもそうなんだけどさ。ルビィはともかく、ダイヤさんは少し頑なというか・・・それこそ、肩肘張って生きてるところがある気がするんだよね」
「あぁ、彼女はそういうタイプでしょうね」
頷く海未ちゃん。
「家の名に恥じない振る舞いを心がけないといけない・・・その気持ちは私もよく分かります。人前で肩の力を抜けないんですよね。だからこそ一人の時や、心を許せる人の前では肩の力を抜きたくなるんですよ」
「あぁ、身体がリラックスを求めてるのね」
「そういうことです。ですので人前で肩の力を抜くという生き方は、私も無理ですし彼女も無理でしょうね。勿論その分、リラックス出来る時間というものを大切にしていますのでご心配なく」
「へぇ・・・」
なるほどねぇ・・・今度果南さんにも教えてあげよう。
「私が見た感じでは、ルビィと小原理事長・・・それと天、貴方の前でも黒澤生徒会長は肩の力を抜いていましたね」
「え、ホント?」
「えぇ。私は彼女と似たような立場ですから、見れば何となく分かります。天と話している時の彼女は、全体的に物腰が柔らかいといいますか・・・いつもの真面目で堅苦しい感じではなく、お茶目で柔和な感じの印象を受けました。心を許していない相手に、あの態度はとれないと思いますよ。それこそ、私達のような人間は特に」
「そっか・・・それは嬉しいな」
「むっ・・・」
何故か少し不機嫌になった海未ちゃんが、後ろから俺に抱きついてくる。
「私だって、天に心を許してるんですからね!」
「はいはい、ありがとね」
「軽くないですか!?」
「アハハ、そんなことないよ」
俺のお腹に回された海未ちゃんの両手に、自分の両手を重ねる。
「・・・ありがとね、海未ちゃん。大事な教育実習の機会を、俺の為に使ってくれて」
「天・・・」
「でも・・・ゴメン。今は戻るつもりはない」
昨日の海未ちゃんの願いには応えられない・・・俺はそのことを詫びた。
「今はまだ、やらなきゃいけないことがある。小原理事長から脅されたとはいえ、今の俺はAqoursのマネージャーだから。最低限の責務は果たさないといけないんだよ」
まだAqoursは始まったばかり・・・ここで彼女達を見捨てることは出来ないのだ。
「それを果たしたら、帰って来てくれるんですか?」
「・・・そのつもりでいるよ」
「絵里とも仲直りしてくれるんですか?」
「それは・・・あの人の態度次第かな」
「・・・フフッ」
小さく笑みを溢す海未ちゃん。
「本当に・・・似てますね、貴方達は」
「・・・俺はあんなに頭の固い人間じゃないつもりなんだけど」
「いえ、天も十分頑固だと思います」
「マジかぁ・・・」
軽く凹んでいると、海未ちゃんがクスクス笑っていた。
「フフッ、凹まないで下さいよ。天のそういうところ、私は好きなんですから」
海未ちゃんはそう言うと、俺を抱き締める腕に力を込めた。
「・・・待ってますからね、天」
「・・・うん。ありがと」
海未ちゃんの呟きに、小さく頷く俺なのだった。
どうも~、ムッティです。
鈴木愛奈さん、ソロデビューおめでとうございます!
個人的にあいにゃさんの歌声が凄く好きなので、これは本当に楽しみ!
っていうか、最近あいにゃさんに凄く惹かれている自分がいる・・・
だがしかし、そのあいにゃさんが演じている鞠莉ちゃんを悪役風にしてしまっている件について・・・
感想でも『和解してほしい』というお声をたくさんいただきました。
いずれ和解させますので、しばしお待ちを(>_<)
それではまた次回!以上、ムッティでした!