絢瀬天と九人の物語   作:ムッティ

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映画『天気の子』を観てきました。

凄く良い映画でした。

物語も良いし画も綺麗だし、流石は新海監督だなと思いました。

とりあえず、陽菜ちゃんと夏美さんが可愛かった( ´∀`)


ここにしかない魅力がある。

 翌朝・・・

 

 「・・・ん」

 

 鳴り響く目覚ましのアラームを止め、俺は上半身を起こした。

 

 「・・・眠い」

 

 欠伸をしながら、思いっきり身体を伸ばす。

 

 昨日は結局、この町や学校の魅力についての答えは出なかった。勿論良いところは思いつくのだが、外の人達に興味を持ってもらえるような魅力となると・・・

 

 「難しいなぁ・・・」

 

 溜め息をつきながら、隣の布団で寝ている海未ちゃんを眺める。すやすやと安らかな寝息を立て、穏やかに眠っていた。

 

 「・・・幸せそうだなぁ」

 

 苦笑しながら、海未ちゃんの頭を撫でる。ふと時計を見ると、3時半を過ぎていた。

 

 「・・・そろそろ起きないと」

 

 いつもより全然早い時間ではあるが、今日は早起きしないといけない理由があるのだ。俺は海未ちゃんの身体を優しく揺り動かした。

 

 「海未ちゃん、起きて」

 

 「んんぅ・・・」

 

 ゆっくりと目を開ける海未ちゃん。俺へと視線を向ける。

 

 「天ぁ・・・?」

 

 「おはよう、海未ちゃん。時間だよ」

 

 微笑む俺。

 

 「早く支度して、海に行こう?」

 

 「・・・海未は私ですが?」

 

 「そのボケ懐かしいね」

 

 俺が苦笑していると、海未ちゃんがハッとした表情を浮かべる。

 

 「もしかして・・・私は今、夜這いされているのでは!?」

 

 「“檸檬●弾”」

 

 「ギャアアアアアッ!?目がッ!?目があああああッ!?」

 

 海未ちゃんの顔の上でレモンを握り潰す俺。海未ちゃんの悲鳴が響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「うぅ、天ぁ・・・待って下さいよぉ・・・」

 

 しきりに目を擦りながら、俺の後をヨタヨタと追いかけてくる海未ちゃん。先ほどのレモンの果汁が、よほど目に染みたらしい。

 

 「早く歩きなよ、ムッツリスケベ」

 

 「ちょっと!?女子に向かって何てこと言うんですか!?」

 

 「『夜這い』とか想像してる時点で言い返せないでしょ」

 

 「うぐっ・・・」

 

 言葉に詰まる海未ちゃん。

 

 「ほら、早く行くよ。集合時間に遅れちゃう」

 

 「あ、待って下さいってば!」

 

 小走りで俺の隣に並ぶ海未ちゃん。

 

 そのまま少し歩くと、『十千万』の前に千歌さんと梨子さんが立っているのが見えた。

 

 「あ、天くん!海未先生!」

 

 こちらに向かってブンブン手を振る千歌さん。朝早くから元気だなぁ・・・

 

 「おはようございます。お二人とも早いですね」

 

 「おかげで眠いけどねぇ・・・」

 

 欠伸を噛み殺す梨子さん。まぁ、まだ日も昇ってないしな・・・

 

 「千歌、海開きってこんなに朝早くからやるものなんですか?」

 

 「そうですよ」

 

 海未ちゃんの質問に、笑顔で答える千歌さん。

 

 今日は海開きということで、早朝からこの町の人達が集まって海辺のゴミ拾い等をやるらしい。毎年の恒例行事なんだそうだ。

 

 「さて、私達も行きましょうか!」

 

 「行ってらっしゃい。俺は『十千万』でもう一度寝てきます」

 

 「天くん!?何で行く気ゼロなの!?」

 

 「海を開く以前に、俺の目が開く時間じゃないんで」

 

 「何ちょっと上手いこと言ってるの!?」

 

 「「同じく」」

 

 「梨子ちゃん!?海未先生!?」

 

 朝からツッコミを連発する千歌さんなのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「「「おぉ・・・」」」

 

 感嘆の声を上げる俺・梨子さん・海未ちゃん。既に海辺には、たくさんの人達が集まってゴミ拾いをしていた。

 

 「この町、こんなに人がいたんだね・・・」

 

 「えぇ、驚きました・・・」

 

 海未ちゃんとそんな会話をしていると・・・

 

 「おはようのハグっ!」

 

 「うおっ!?」

 

 いきなり背後から抱きつかれる。こんなことをしてくる人を、俺は一人しか知らない。

 

 「おはようございます、果南さん」

 

 「おはよー!」

 

 果南さんは元気よく挨拶すると、そのまま俺をギュっと抱き締めてきた。

 

 「果南さん、いつもよりテンション高くないですか?」

 

 「だって海開きだよ?そりゃあテンションも上がるよ!」

 

 「本当に海が大好きですよね、果南さんって」

 

 苦笑していると、海未ちゃんが驚愕の表情でこっちを見ていた。

 

 「そ、天に抱きついて・・・まさか、天に恋人が・・・!?」

 

 「いや、違うんだけど」

 

 「初めまして、天の恋人の松浦果南です♪」

 

 「悪ノリするの止めてもらえます?海未ちゃんは果南さんと違って純粋なんで、冗談とかすぐ信じちゃうんですから」

 

 「ちょっと!?人が純粋じゃないみたいに言わないでよ!?」

 

 「こうしてはいられません!急いで皆に伝えないと!」

 

 「“檸●爆弾”」

 

 「ギャアアアアアッ!?目がッ!?目があああああッ!?」

 

 慌ててスマホを取り出した海未ちゃんの顔の前で、思いっきりレモンを握り潰した。再び悲鳴を上げる海未ちゃん。

 

 「よ、容赦ないわね・・・」

 

 「これくらいしないと、海未ちゃんは止められないんで」

 

 若干引き気味の梨子さんに対し、溜め息をつきながら答える俺。

 

 「そういえば、千歌さんはどこに行ったんですか?」

 

 「あそこで曜ちゃんとゴミ拾い始めてるわよ」

 

 梨子さんの指差した先では、千歌さんと曜さんが談笑しながらゴミ拾いをしていた。

 

 よく見るとむつさんやいつきさん、よしみさんもいる。

 

 「じゃあ、私も行ってくるわね」

 

 「行ってらっしゃい」

 

 千歌さん達のところへ歩いていく梨子さん。

 

 そんな梨子さんと入れ替わるように、ルビィとダイヤさんがこちらへ歩いてくる。

 

 「天くん、おはよう!」

 

 「おはようルビィ。ダイヤさんもおはようございます」

 

 「お、おはようございます・・・」

 

 おずおずと挨拶を返してくるダイヤさん。果南さんが首を傾げる。

 

 「どうしたのダイヤ?何かぎこちなくない?」

 

 「そ、そんなことありませんわ!」

 

 慌てて否定するダイヤさんだが、恐らく昨日のことが影響しているんだろう。動揺しているのが目に見えて分かる。

 

 「ダイヤさん・・・」

 

 「な、何ですの・・・?」

 

 「・・・おはようのハグ」

 

 「っ!?」

 

 ダイヤさんに近付き、軽くハグしてみる。硬直するダイヤさん。

 

 「そ、天くん!?何してるの!?」

 

 「何って・・・ハグ?」

 

 「何で!?」

 

 「そんな気分だったんだよ」

 

 「どんな気分!?」

 

 「あ、ダイヤだけズルい!天、私にもハグしてよ!」

 

 「ダイヤさんにハグしたい気分であって、果南さんにハグしたい気分じゃないんです」

 

 「酷い!?」

 

 「そ、天さん・・・」

 

 耳まで真っ赤になり、涙目でプルプル震えているダイヤさん。

 

 「は、恥ずかしいので・・・そ、そろそろ・・・」

 

 「・・・昨日は少し踏み込み過ぎてしまって、すみませんでした」

 

 「っ・・・」

 

 ルビィや果南さんに聞こえないよう、ダイヤさんの耳元で囁く俺。

 

 「それでも、ダイヤさんの本音が聞けて良かったです。ダイヤさん、なかなか自分の思いを打ち明けてくれないから」

 

 「天さん・・・」

 

 「もっと自分の思いをさらけ出しても良いんですからね。俺なんかで良ければ、いつでも聞かせてもらいますから」

 

 それだけ言うと、俺はダイヤさんから離れた。

 

 「よし、次はルビィとハグしようかな」

 

 「ぴぎっ!?何で!?」

 

 「そんな気分だから」

 

 「その言葉メッチャ便利だね!?」

 

 「ちょっと天!?私は!?」

 

 「すいません、気分じゃないんで」

 

 「何でよ!?」

 

 「・・・フフッ」

 

 口元を押さえ、面白そうに笑うダイヤさん。

 

 「やっぱり・・・天さんは天さんですわね」

 

 「お姉ちゃん?どうしたの?」

 

 「何でもありませんわ。さぁ果南さん、私達もそろそろ行きましょう?」

 

 「むぅ・・・ハグ・・・」

 

 俺からのハグが無いことに、若干不満そうな果南さん。

 

 ダイヤさんは苦笑すると、果南さんを引き寄せて抱き締めた。

 

 「わわっ、ダイヤ!?」

 

 「フフッ、天さんの代わりですわ」

 

 「どうしたのダイヤ!?何か今日変じゃない!?」

 

 「そんなことありませんわ」

 

 楽しそうに笑うダイヤさん。どうやら元に戻ったようだ。

 

 「では、私達は行きますわ。また後ほど」

 

 「行ってらっしゃい」

 

 果南さんの手を引いて、三年生組の方へと歩いていくダイヤさん。

 

 と、ふと立ち止まってこちらを振り返り・・・

 

 「えいっ!」

 

 「うおっ!?」

 

 勢いよく走ってきて、そのまま俺に抱きついてきた。慌てて受け止める俺。

 

 「ちょ、ダイヤさん!?」

 

 「・・・ありがとうございます、天さん」

 

 先ほどの俺と同じように、耳元で囁くダイヤさん。

 

 「お言葉通り、この思いは捨てないでおきますわ。いつの日か、叶うことを信じて」

 

 「・・・えぇ、そうして下さい」

 

 抱き締め返す俺。

 

 「その思いが叶うことを祈ってます」

 

 「フフッ、ありがとうございます」

 

 ダイヤさんは笑みを浮かべると、俺から離れて果南さんの手をとった。

 

 「さぁ果南さん、いきますわよ」

 

 「ちょ、待ってよ!?私も天とハグするのー!」

 

 果南さんの訴えも空しく、ダイヤさんは果南さんを引きずって去っていった。

 

 「・・・あんなお姉ちゃん、初めて見たかも」

 

 呆然としているルビィ。

 

 「何か・・・凄いね、天くんって」

 

 「変わったことは何もしてないよ」

 

 「むしろ変わったことしかしてないよねぇ!?」

 

 「ルビィ、そこはツッコミを入れても仕方ないですよ」

 

 いつの間にか復活した海未ちゃんが、苦笑しながら言う。

 

 「天は昔からこういう人ですから」

 

 「あれ?海未ちゃんどこ行ってたの?」

 

 「顔を洗いに行ってたんですよっ!誰かさんがレモン汁なんてかけるからっ!」

 

 「酷いことをするヤツがいたもんだね」

 

 「ア・ナ・タ・で・す・よ!」

 

 「いふぁいいふぁい(痛い痛い)」

 

 海未ちゃんに頬をつねられる。と、そこへ花丸と善子がやってきた。

 

 「おはようずら~」

 

 「おふぁふぉ~(おはよ~)」

 

 「朝から仲良しねぇ、アンタ達・・・」

 

 呆れている善子。

 

 「ほら、早くゴミ拾い始めましょ。天の分も道具もらっといたから」

 

 「おっ、ありがと」

 

 善子からゴミ拾い用のトングと袋、明かりとなる提灯をもらう。

 

 「さぁ、始めるわよ!」

 

 「やるずら~!」

 

 「いっぱい拾って綺麗にしようね!」

 

 「私も頑張っちゃいますよー!」

 

 ノリノリでゴミ拾いを始める四人。

 

 海辺に集まった人達は皆、それぞれ笑顔を見せながらゴミ拾いに勤しんでいる。面倒そうにしている人などおらず、皆楽しそうにしていた。

 

 これって・・・

 

 「フフッ、気付いたかしら?」

 

 背後から声がする。振り向くと、小原理事長が立っていた。

 

 「この町の魅力・・・もっといえば、この町に住んでいる人達の魅力。この光景を初めて見た時、私は感動したわ。『何て素敵な町なんだろう』ってね」

 

 「・・・分かります」

 

 俺は素直に頷いた。この町の魅力が、この光景に詰まっていると言っても過言ではない。

 

 「これを他の人達に伝えるには・・・」

 

 俺の頭の中で、ピンとくるものがあった。後はこれを、千歌さん達と一緒に形に出来れば・・・

 

 と、小原理事長がある方向をジッと見ていることに気付く。その方向には、二人でゴミ拾いをするダイヤさんと果南さんの姿があった。

 

 「・・・行かないんですか?」

 

 俺の問いに答えず、寂しそうに笑う小原理事長。ハァ・・・

 

 「えいっ」

 

 「きゃあっ!?」

 

 小原理事長の背中を思いっきり押す。前につんのめり、転びそうになる小原理事長。

 

 「な、何するの!?」

 

 「ウジウジしてないで早く行く。ほら、道具もあげるから」

 

 小原理事長の手に、トングや提灯を押し付ける。

 

 「で、でも・・・」

 

 「全く・・・普段は威勢がいいくせに、肝心な時にヘタレなところは変わりませんね」

 

 「ちょ、誰がヘタレよ!?」

 

 「いいから早く行って下さい。せっかくの機会を逃しますよ」

 

 今度は優しく背中を押す。覚悟を決めたのか、意を決した表情になる小原理事長。

 

 「・・・行ってくるわ」

 

 「逝ってらっしゃい」

 

 「何か字が違う気がするんだけど!?」

 

 「あの世に逝ってらっしゃい」

 

 「今『あの世』って言ったわよねぇ!?」

 

 ツッコミを連発する小原理事長。と、面白そうにクスッと笑う。

 

 「・・・ありがとう、天」

 

 それだけ言うと、小原理事長はダイヤさんと果南さんのところへと向かって行った。

 

 「・・・相変わらずお人好しですね」

 

 いつの間にか、納得がいかない表情の海未ちゃんが俺の側に立っていた。

 

 「自分を脅した相手の背中を押すなんて・・・」

 

 「・・・やっぱりあの人に、悲しそうな顔は似合わないからね」

 

 「ハァ・・・天は優しすぎます」

 

 溜め息をつく海未ちゃん。

 

 「まぁ、それが天の良いところなんですけどね」

 

 「ありがと」

 

 俺は苦笑すると、海未ちゃんにあるお願いをするのだった。

 

 「ところで海未ちゃん、ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど・・・」




どうも~、ムッティです。

ようやく果南ちゃんが登場しました・・・

今までゴメンよ、果南ちゃん(涙)

さて、次の話でアニメ一期の六話までの話が終わる予定です。

相変わらず話をサクサク進められていませんが、お許し下さい(汗)

次の話は明日投稿します(・∀・)ノ

それではまた次回!以上、ムッティでした!
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